インドネシアの病院業界は、国民皆保険(JKN)制度の拡充とともに民間病院チェーンが急成長し、大手グループが全国展開を進めています。医療ツーリズムの誘致と高度医療設備の整備が主要企業の成長戦略の柱となっています。
今回は、そんなインドネシアの病院業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて12社の最新情報をお届けしていきます!
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インドネシアの主要病院企業12選〜ローカル編〜
PT Siloam International Hospitals Tbk (シロアム・インターナショナル・ホスピタルズ)
PT Siloam International Hospitals Tbk(IDX:SILO)は、リッポーグループ傘下として1996年設立、2013年にIDX上場したインドネシア最大級の民間病院チェーンである。2026年5月時点でジャカルタ首都圏15病院を含む全国41病院を運営し、ジャワ・スマトラ・カリマンタン・スラウェシ・バリ等に幅広く展開している。
2025年9月期累計売上高は9,426億ルピアと前年比3.3%増を達成した。入院日数は7.2%増の100万日超、外来患者数は7.5%増の424万人と着実な成長を示している。純利益は前年比19%増の797億ルピアと収益性改善も顕著だ。
同社は「Next Generation Siloam(NGS)」戦略を掲げ、デジタル化・サービス品質向上・持続的成長への取り組みを加速している。高度専門医療から急性期一般まで幅広い診療科を備え、全土の都市部・地方部双方で医療アクセスの向上に貢献している。
JCI認証を取得した施設も有し、国際水準の医療提供と医療観光の受け皿としての役割も担うことで、インドネシア民間医療市場における主導的な存在として評価されている。
出典:https://www.siloamhospitals.com/
PT Mitra Keluarga Karyasehat Tbk (ミトラ・クルアルガ・カルヤセハット)
PT Mitra Keluarga Karyasehat Tbk(IDX:MIKA)は、1989年に東ジャカルタで産科病院として創業し、現在はジャカルタ首都圏とスラバヤを中心に「Mitra Keluarga」16病院・「Kasih」9病院、計25病院・4,160床を運営する大手民間病院グループである。
2025年上期売上高は2,563億ルピアと前年比4.5%増を達成した。年間300万人超の外来患者と30万人超の入院患者を受け入れ、純利益率24.6%・ROE17.5%と高水準の収益性を維持している。毎年2病院の新規開設を長期目標とし、2025年11月には東ジャワに200床の新病院を開業させた。
プレミアムサービスと手頃な価格帯を組み合わせた医療提供モデルが特徴であり、JKN保険患者と高所得者層の自費診療双方を取り込む柔軟な体制を整えている。
首都圏での高いブランド認知度と安定した財務基盤を背景に、インドネシア民間医療市場において強固なポジションを確立しており、今後も安定した成長が期待されるプレイヤーの一つである。
出典:https://investor.mitrakeluarga.com/
PT Medikaloka Hermina Tbk (メディカロカ・ヘルミナ)
PT Medikaloka Hermina Tbk(IDX:HEAL)は、1985年に東ジャカルタで非営利の産科病院として設立され、2018年にIDX上場した中堅病院グループである。現在はジャカルタ首都圏を核に、ジャワ・カリマンタン・スラウェシ等全国各地に病院網を展開している。
患者の約79%が国民健康保険(JKN)被保険者であり、インドネシアの国民皆保険制度の整備とともに受診者数を大幅に拡大してきた。2025年上半期は拡張投資に伴う一時的な収益圧迫が生じたが、PEFINDO信用格付けAA(2024年5月再確認)が示す通り、強固な財務基盤と市場地位は維持されている。
積極的な施設拡張戦略を継続しており、バリ島のHermina BadungやHermina Salatiga等の新病院建設が進行中である。総負債は3,622億ルピア(2025年上半期)に増加しているが、長期成長への設備投資として評価されている。
女性・小児科医療をコアとする差別化戦略と幅広い患者基盤を強みに、中間所得者層向け病院サービス市場での地位を着実に拡大し続けている。
出典:https://www.herminahospitals.com/
PT Sejahteraraya Anugrahjaya Tbk・Mayapada Hospital (マヤパダ・ホスピタル)
PT Sejahteraraya Anugrahjaya Tbk(IDX:SRAJ)は、Mayapada Groupの医療部門としてインドネシアのプレミアム病院セグメントを代表する。2026年5月時点でジャカルタ南部旗艦病院を筆頭に国内7病院を運営し、高度専門医療と国際水準のサービスで富裕層・外国人患者の需要を取り込んでいる。
2025年には米大手PEのBain Capital Credit Member LLCが株式10.5%(817億ルピア相当)を取得した。外部資本の参画は積極拡張を裏付けるもので、財務基盤の強化が期待されている。
2026年第2四半期開業予定の第8病院「Mayapada Hospital Jakarta Timur」は建設最終段階にある。バタム経済特区(KEK)では国際病院のグラウンドブレーキングが実施済みで、旗艦病院では2025年6月にTower 3の建設が開始された。
2027年までに主要都市へ最低3病院を追加する目標を掲げ、医療観光推進とプレミアム医療需要の拡大を商機として事業規模を拡充し続けている。
出典:https://mayapadahospital.com/
PT Bundamedik Tbk (ブンダメディック)
PT Bundamedik Tbk(IDX:BMHS)は、1973年創業のインドネシア老舗医療グループであり、病院・生殖医療・臨床検査・医薬品の4分野にわたる統合ヘルスケアを展開している。Bunda Jakartaをはじめジャカルタ・パダン・デンパサール等に複数病院を保有する。
最大の特徴は、母性・女性医療と生殖補助医療の専門性にある。傘下の「Morula IVF Indonesia」はインドネシア最大規模のIVFクリニックネットワークであり、不妊治療需要を追い風に安定収益を上げている。2025年9月期売上高は前年比7%増で、病院・Morula両部門が牽引した。
臨床検査「Diagnos」・医薬品「Bunda Global Pharma」等との垂直統合でコスト管理と患者囲い込みを図り、南ジャカルタには先進的な女性医療サービス拠点「Bunda Innovation Center」を設置している。
少子化懸念や生殖医療への意識向上を背景に、IVF事業を軸とした成長戦略は中長期的な需要拡大と整合し、医療・ヘルスケア業界において特色ある存在感を発揮し続けている。
出典:https://www.bmhs.co.id/
PT Rumah Sakit Pondok Indah (ポンドック・インダー病院グループ)
PT Rumah Sakit Pondok Indah(RSPIグループ)は、ジャカルタ南部を本拠とする非上場プレミアム病院グループであり、Jaya Propertyグループ医療部門として運営される。Pondok Indah・Bintaro Jaya・Puri Indahの3病院を展開している。
同グループはインドネシアで初めて全3病院でJCI認証を取得し、2022年にHIMSS EMRAM Stage 6を国内初で3病院同時達成した。2026年5月時点では全施設がStage 7に到達しアジア最高水準のデジタルヘルスインフラを誇り、2025年のHealthcare Asia Awardsでも評価された。
2025年の戦略ではジャカルタ都市圏の新拠点開設を計画し、Bintaro JayaでのCentre of Excellence新設とRSPIアプリ・WhatsApp予約機能の強化を実施している。
高所得者層・外国人駐在員・医療観光客を主要ターゲットとし、先端医療機器と多言語スタッフを組み合わせた国際水準のサービスで、インドネシアのプレミアム医療市場において確固たるブランド地位を確立している。
出典:https://www.rspondokindah.co.id/
RS Husada (フサダ病院)
RS Husada(フサダ病院)は、1924年12月28日にDr. Kwa Tjoan Sioeらが設立したインドネシア最古の民間病院の一つである。設立当初の名称は「Jang Seng Ie」であり、100年を超える歴史を持つ。現在はジャカルタ中部マンガ・ベサール大通りに位置し、厚生省分類タイプB・311床の総合病院として地域医療を支えている。
診療体制は幅広い診療科を網羅しており、とりわけ糖尿病・脳卒中・肝臓・消化器疾患の専門ユニット、インターベンショナルラジオロジー、腹腔鏡手術を強みとする。24時間対応の救急・検査・放射線・薬局を備え、地域住民の医療ニーズに応えている。
患者予約はウェブサイト・電話・WhatsApp・Husada専用アプリを通じて受け付けており、デジタル化への対応も進んでいる。附設のSTIKes RS Husadaにより医療人材育成にも貢献し、病院機能と教育機能を兼備した存在として地域に根ざしている。
100年の実績に基づく地域住民への信頼と専門的医療機能を組み合わせたRS Husadaは、ジャカルタ中心部における重要な医療インフラとして引き続きその役割を果たしている。
出典:https://husada.co.id/
Eka Hospital Group (エカ・ホスピタル・グループ)
Eka Hospital Groupは、シナルマスグループ傘下の医療事業部門として、BSD Cityタンゲランを本拠地にインドネシア全土で病院を展開する非上場の大手病院チェーンである。高度専門医療と国際水準のサービスを特徴とし、JCI認証等の国際認証取得に積極的だ。
2026年5月時点で全国9病院を運営している。2025年にはジャカルタMT Haryonoに第9号病院を開業し、インドネシア初のゲノム研究所を設置した点が特筆される。MT Haryono・Juanda・Puri Indah・PIK2・Depok・Deltamas・Cilegonの7か所で新規建設が進行中であり、2027年までの完成を目標としている。
将来的にはスラバヤ・スマラン・バリクパパン等への拡張も計画し、インドネシア全土を網羅する総合病院チェーンの構築を目指す。BSD本院への累計設備投資は1兆ルピアを超えている。
JKN患者と自費患者の双方に対応した柔軟な診療体制で、インドネシアの急成長する民間医療市場において確固たる地位を築きつつある。
出典:https://www.ekahospital.com/
PT Pertamina Bina Medika IHC(パータメディカ・IHC)
PT Pertamina Bina Medika IHC(Pertamedika IHC)は、国営石油最大手PT Pertamina傘下の病院持株会社であり1997年設立。国有企業病院の集約化政策のもと、現在は直接管理36病院・提携39病院の計75病院ネットワークをインドネシア全土に展開する最大の国有病院グループである。
注目点は、バリ島サヌールの健康特別経済区(KEK)内に2025年6月に開業した「Bali International Hospital(BIH)」である。延床67,000平方メートル・255床・8手術室・38ICU室を備え、腫瘍科・循環器科・救急・統合クリニック等を核とした医療観光インフラの拠点として整備された。
財務面では、PE企業からの3億ドル超の資金調達交渉と香港不動産会社との2億ドル規模の投資交渉が進行中と報じられており、公的機関でありながら積極的な商業化戦略を追求している。
インドネシア全土の産業都市・資源産地まで及ぶ広範なネットワークと、医療観光拠点BIHを組み合わせた事業展開により、国有医療セクターをリードする中核的存在として確固たる地位を占めている。
出典:https://pertamedika.co.id/
RSUP Dr. Cipto Mangunkusumo(チプト・マンゴンクスモ国立中央総合病院)
RSUP Dr. Cipto Mangunkusumo(RSCM)は、ジャカルタ中部サレンバに位置するインドネシア最大の国立総合病院・国家三次医療紹介センターである。インドネシア大学医学部の附属教育病院として一次から三次医療を提供し、1,250床・1日平均外来5,000人・病棟稼働率80%超という規模を誇る。
2026年5月時点での取り組みとして、患者症状に基づく診断候補提示・検査結果の異常フラグ付け・BPJS請求処理自動化という3領域でAIを実装し、医療品質の向上と業務効率化を推進している。保健省が2026年3月に発表したデジタルヘルス改革ガイダンスにおける先駆的モデルとも位置づけられている。
中長期ビジョンとして「Hospital Without Walls」構想を掲げ、入退院前後のケア継続・地域医療との連携強化・デジタル技術による病院の物理的境界を超えた医療提供を目指している。
公的医療制度の頂点として全国病院の医療標準設定・専門医育成・高度医療技術の普及において不可欠な役割を担い、インドネシアの医療政策を形成する中心的存在であり続けている。
出典:https://www.rscm.co.id/
PT Famon Awal Bros Sedaya Tbk・Primaya Hospital(プリマヤ・ホスピタル)
PT Famon Awal Bros Sedaya Tbk(IDX:PRAY)は「Primaya Hospital」ブランドで展開する民間病院グループである。1998年に西カリマンタンで創業したAwal Bros Hospitalを前身とし、2022年11月にIDX上場して資金調達を行った。
2026年5月時点で全国20病院・11臨床検査室を運営し、テレメディシン(LinkSehat)・ホームケア(KavaCare)等を統合したヘルスケアエコシステムを構築している。2025年にはKelapa Gading・UKRIDA Jakarta・FMC Bogorを加えネットワークを拡大した。
2025年度の業績は売上高前年比16%増・EBITDA20%増・純利益9%増と高成長を継続し、EBITDAマージンは約26%と業界内でも上位水準にある。2026年は売上高15〜20%増・EBITDA20〜25%増を目標とする。
JKN患者と自費患者のバランスのとれた患者ミックスとジャワ・スマトラを結ぶ地理的分散戦略により、インドネシアの中規模民間病院グループのなかで注目すべきプレイヤーの一つとして台頭している。
出典:https://primayahospital.com/
PT Sarana Meditama Metropolitan Tbk・EMC Healthcare(EMCヘルスケア)
PT Sarana Meditama Metropolitan Tbk(IDX:SAME)は「EMC Healthcare」ブランドで展開するジャカルタ首都圏密着型の民間病院グループである。1972年創業の前身病院から「OMNI Hospitals」として上場し、2021年にエムテックグループに経営権が移り2022年から「EMC Hospitals」に改称した。
2026年5月時点でアラム・スッテラ・チカラン・ペカヨン・プロマス・タンゲラン・スントゥルの計6病院を首都圏に展開する。内科・外科・産科・小児科等の診療科に加え、薬局・検査室・放射線・血液透析等のサポート機能を備えた総合病院として機能する。
エムテックグループの資本・メディアネットワークを背景に、デジタルヘルスとメディアの融合による患者獲得の面でも独自性を発揮しつつある。IDX上場(SAME)企業として機関投資家に広く認知されている。
ジャカルタ・タンゲラン・ブカシの人口集中地域を重点エリアとし、JKN患者・自費患者双方に対応した柔軟な診療体制で首都圏の医療需要の受け皿として安定的な役割を果たしている。
出典:https://www.omni-hospitals.com/
FAQ
インドネシアの主要病院について、どのような情報が紹介されていますか?
インドネシアの主要病院12選について、それぞれの企業情報や事業内容が詳しく紹介されています。
シロモン・インターナショナル・ホスピタルスについての基本情報は何ですか?
シロモン・インターナショナル・ホスピタルスは1996年設立の私立総合病院グループで、2020年末時点で全国に39病院を運営し、医師や専門医、先進医療装置を備え、多くの患者を治療しています。
PT Pertamina Bina Medikaの特徴は何ですか?
PT Pertamina Bina Medikaは国営の総合病院運営企業で、120の医療機関と提携し、13のPertamina病院や国営の39病院を管理しています。
Medikaloka Herminaの業績と医療施設について教えてください。
Medikaloka Herminaは1985年に設立され、2018年に上場。約40の総合病院を運営し、高品質な医療サービスと国際及び国内の認定を受けており、多くの患者に医療を提供しています。

