【最新版!】インドネシアの主要バイオテクノロジー・製薬会社12選〜医療・介護業界〜

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今回は、インドネシアの主要バイオテクノロジー・製薬会社に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて12社を厳選してお届けしていきます!

それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。

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目次

インドネシアの主要バイオテクノロジー・製薬会社6選〜ローカル企業編〜

PT Kalbe Farma Tbk(カルベ・ファルマ)

1966年に設立されたインドネシアの民間製薬会社。1991年にはインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「KLBF」である。筆頭株主はPT Gira Sole Primaで10.29%を保有している。

カルベは、有機的および合併と買収を通じて成長した。現在、4事業部門から構成されている。構成比は処方薬部門:23%、消費者健康部門:17% 、栄養部門:30%および流通およびロジスティクス部門:30%で、統合ヘルスケアソリューションプロバイダーである。これらの事業部門は、処方薬とOTC医薬品、エナジードリンクと栄養製品の広範なポートフォリオに加え、インドネシアの広大な群島全体に100万店を超える強力な流通部門を管理している。また、アセアン諸国、ナイジェリア、南アフリカなどへの輸出も行っている。

カルベは、国際的なパートナーとの戦略的提携を通じて、抗がん剤、幹細胞、バイオテクノロジー研究にも取り組んでいる。2020年の売上高は23兆1,123億ルピアであった。

出典:https://www.kalbe.co.id/
https://www.kalbe.co.id/Portals/0/pdf/annual-report/AR%20Kalbe%202020.pdf

PT Indofarma (Persero) Tbk(インドファルマ)

1918年にPabrik Obat Manggaraiという名称で設立されたインドネシアの国有製薬会社。1981年にPerum Indofarmaに法人化された。1996年にPT Indofarma (Persero)となった。2001年にはインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「INAF」である。筆頭株主は国営企業のPT Bio Farma (Persero)で80.664%を保有する。

事業内容は、医薬品・伝統医薬と医療機器である。販売認可を受けている医薬品・伝統医薬は222品種、医療機器は106品種ある。2020年末の従業員数は748名である。西ジャワ州ブカシに本社工場を構え、全国の主要29都市に支店を展開している。

主な製品は、ジェネリック医薬品、ブランド医薬品、市販医薬品、診断医薬品、医療機器、製薬機械などである。処方箋を必要としない市販医薬品には、Bioprost、Bio Vision、Bio Vision Kids、Pro Rhoid、Pro Lipid、Osbontis、ProUric、Prolislimなどがある。2020年の売上高は1兆7,156億ルピアであった。

出典:https://indofarma.id/ 
https://indofarma.id/wp-content/uploads/2021/04/AR%202020.pdf

PT Darya-Varia Laboratoria Tbk(ダルヤーバリア・ラボラトリア)

1976年に設立されたインドネシアの民間製薬会社。1994年にはインドネシア証券市場(IDX)に上場。IDXコードは「DVLA」である。筆頭株主はBlue Sphere Singapore PTE LTDで92%を保有している。

1995年にはPT Pradja Pharin(Prafa)を買収し、インドネシアの医療セクターへの拡大を続ける親会社となった。2014年にはPrafaを吸収合併し、Darya-Variaが唯一の存続会社となった。
現在、Darya-Variaは、適正製造基準(c-GMP)の国際基準と国家医薬品食品監督庁(BPOM)の基準の両方を満たす2つの製造工場を運営している。ソフトゼラチンカプセル製品、液体製剤、薬用絆創膏、軟膏、およびクリームは、Gunung Putri工場で製造されている。一方、無菌注射製品と錠剤やカプセルの形の固形製剤はCiteureup工場で製造されている。Darya-Variaが所有するすべてのプラント施設は、ハラール保証システムを実装している。2020年の売上高は1兆8,297億ルピアであった。

出典:http://www.darya-varia.com/ 
http://www.darya-varia.com/uploads/pdf/20210604191203_laporan-tahunan-2020-1_en.pdf

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PT Phapros Tbk(ファプロス)

1954年に設立されたインドネシアの製薬会社。設立当初はNV Pharmaceutical Processing Industriesという名称でOei Tiong Ham Corcernの事業開発の一部であった。2018年にはインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「PEHA」である。筆頭株主は国有製薬会社のPT Kimia Farma Tbkが56.774%を保有している。

現在、Phaprosは250種類以上の医薬品を製造しており、そのほとんどは自社開発で、倫理、ジェネリック、OTC、およびアグロメッドの製品グループに分類されている。Phaprosの製品はインドネシア国内だけでなく、2013年に開始された輸出協力を通じてカンボジア、ミャンマー、ペルーの市場では6つ以上の製品が流通している。

さらに、Phaprosはインドネシア保健省から流通許可を取得した非電気医療機器(脛骨コンポーネント、大腿骨コンポーネントや人工股関節など)で非医薬品セクターへの事業範囲の拡大を開始した。2020年の売上高は9,806億ルピアであった。

出典:https://www.phapros.co.id/
https://www.phapros.co.id/cfind/source/files/report/annual-report/annual%20report%202020.pdf 

PT Kimia Farma (Persero) Tbk (キミア・ファルマ)

1817年にオランダ領東インド政府によって設立されたインドネシアの国有製薬会社。設立当時の名称はNV Chemicalien Handle Rathkamp&Coである。インドネシア独立後の1958年にインドネシア共和国政府は多くの製薬会社をPNF(State Pharmaceutical Company)Bhinneka KimiaFarmaに統合した。その後、1971年にPNFの法人形態が有限責任会社に変更され、会社名がPT Kimia Farma(Persero)に変更された。

2001年にはインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「KAEF」である。筆頭株主は国有製薬会社のPT BIO FARMA (PERSERO)で90.025%を保有している。社名はPT Kimia Farma(Persero)Tbkに変更された。2020年に社名を現在のPT Kimia FarmaTbkに変更。

2020年の売上高は10兆62億ルピアであった。4つの事業セグメントに分かれており、製造セグメントが7%、流通セグメントが39%、小売りセグメントが47%、その他セグメントが8%である。

出典:https://www.kimiafarma.co.id/ 
https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202104/ba071bc584_ecf5f3d607.pdf

PT Bio Farina (Persero)(ビオ・ファリナ)

1890年にオランダ領東インド政府によって設立されたインドネシアの製薬会社。設立当時の名称はParc Vaccinogeneであった。1997年に現在のPT Bio Farina (Persero)に社名変更。インドネシア政府が100%株式を保有。

Bio Farmaはインドネシアで唯一のヒト向けワクチン生産者。かつ東南アジアで最大のワクチン生産者。国際品質のワクチン、抗血清、その他の生物学的製品の生産を行う。ワクチン・抗血清や生物学的製品は国家免疫プログラムを支援するために生産されている。
現在、Bio Farmaの生産、研究開発、マーケティング、および管理施設はバンドンにある。さらに、西バンドン県レンバンにある282,441㎡の広大な敷地に実験動物の繁殖と飼育のための施設が設置されている。これまで、Bio FarmaのワクチンはWHOとユニセフを通じて150か国に供給されており、インドネシアと世界の感染症撲滅に重要な役割を果たしてきた。2020年の売上高は2兆5,426億ルピアであった。

出典:https://www.biofarma.co.id/en/home 
https://www.biofarma.co.id/en/annual-report 

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インドネシアの主要バイオテクノロジー・製薬会社4選〜日系企業編〜

PT Taisho Pharmaceutical Indonesia Tbk(大正製薬インドネシア)

1970年にPT Squibb Indonesiaとして設立されたインドネシアの製薬会社。商業活動は1972年に開始された。定款に規定された事業範囲は、化学製品、医薬品、ヘルスケア製品の開発、登録、加工、製造、販売である。

1983年にはインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「SQBB」である。2009年日本の大正製薬が買収を行い、社名はPT Taisho Pharmaceutical Indonesia Tbkに変更された。2018年上場を廃止した。現在の筆頭株主は大正製薬株式会社で98.6%を保有している。
工場は西ジャワ州デポックのチランカップにある。主な製品は一般用医薬品(医師の処方箋のいらない薬)で国内販売と輸出を行っている。製品名は「Theragran-M」:マルチビタミン/マルチミネラルのサプリメント、「Counterpain」:鎮痛剤軟膏で筋肉痛、関節痛、捻挫による痛みなどを和らげるのに役立つ。「Tempra」:小児用解熱剤などである。2020年売上高は5,421億Rp(約42億円)であった。

出典:https://www.taisho.co.id/index.php/en/
https://www.taisho.co.id/images/pdf/annualreport2020.pdf 

PT Rohto Laboratories Indonesia(ロート研究所インドネシア)

1996年に設立された日本のロート製薬株式会社のインドネシア合弁会社。

当初、事業は白内障手術用の眼内レンズ(IOL)とロート点眼薬に限定されていた。IOL事業はロート製薬にとって新しい分野であった。点眼薬としては市場で知られていたが、IOLの品質を理解してもらうため何度も地元の眼科医を訪問して普及を図った。

現在、PT Rohto Laboratories Indonesiaでは、ベースである「Rohto」ブランドのアイケア商品、「Selsun」ブランドの酢酸セレンを含むフケ防止シャンプー、「Rohto Fever Patch」ブランドの日本製の解熱石膏、「Lip Ice」:唇のうるおいをケア、「Lip On Lip」:唇の外観治療、と「Khalisa」ブランドのリップケア商品、ヒアルロン酸を含んだ「Beauty Mask」、フェイシャルトリートメントの「Hada Labo」、健康な肌の「Khalisa Skin Care」、鮮度ケアの「Oxy」、紫外線から顔を守る「Skin Aqua」、日焼け止めの「Sunplay」ブランドのスキンケア商品を展開している。

出典:https://rohto.co.id/
https://www.rohto.co.jp/global/company/nsn/overseas/

PT FUMAKILLA INDONESIA(フマキラー・インドネシア)

1990年に設立された日本のフマキラー株式会社のインドネシア合弁会社。創業当初、ベープと蚊取り線香の生産販売からスタートした。現在はインドネシア全土でネズミや防虫剤などの家庭用害虫駆除製品全般を提供している。また、家庭、オフィス、公共スペースなどでの専門的な消毒サービスも提供している。

PT FUMAKILLA INDONESIAの害虫駆除部門では、昆虫、ネズミ、シロアリの駆除サービスを提供する新しいビジネスを開発し、継続的なイノベーションを行っている。品質を維持するために、日本の技術を備えた研究開発センター(R&D)がサポートしている。
最新のイノベーションはアルコールを使わない天然素材を使った手指消毒剤「Sanitec」。Sanitecハンド・サニタイザー・スプレーは、天然の抗菌成分GSE(グレープフルーツ種子抽出物)を組み合わせたアルカリ水で、すでに日本で使用され、バクテリアやウイルスを殺すのに効果的であることが証明されていると宣伝している。

出典:https://www.fumakilla.co.id/
https://fumakilla-global.com/

PT Takeda Indonesia(タケダ・インドネシア)

1971年に設立された日本の武田薬品工業のインドネシア現地会社である。

現在PT Takeda Indonesiaには518人の従業員がいるが、インドネシアのほぼすべての都市に散らばっている。

有効な医師の処方箋を持っている消費者にのみ販売できる処方薬の分野では、心血管および代謝、腫瘍学、胃腸、抗痔核、および抗不眠症の治療薬に重点を置いている。

医師の処方箋を必要としない一般市販薬(OTC)はスーパーマーケット、薬局またはドラッグストアの店頭あるいはネット通販で取り扱われている。とりわけ必須サプリメントの分野では、1971年の創業当時からビタミンCとビタミンスウィートレットに注力してきたことからインドネシアのビタミン市場のリーダーとして認められている。現在販売されているサプリメントの主力商品は、「Vitacimin」(ビタミンC)、「White&Nutriglow」(ビタミンB2,B6とE)、「Nevramin」(ビタミンB12)、および「Alinamine-F」(アリナミン:ビタミンB1)である。

出典:https://www.takeda.com/id-id/siapakah-Kami/pt.-takeda-indonesia/

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インドネシアの主要バイオテクノロジー・製薬会社2選〜外資系企業編〜

PT Bayer Indonesia(バイエル・インドネシア)

1957年に設立されたドイツのバイエル社のインドネシア現地会社。バイエル製品のインドネシアでの販売自体は1920年に始まっていた。

PT Bayer Indonesiaは3つのサプライセンターを持っている。西ジャワ州デポックのSupply Center Health Care、東ジャワ州スラバヤのSupply Center Crop Science – Surabayaとバンテン州タンゲランのSupply Center Crop Science – Tangerangである。インドネシアで販売されるだけでなく、世界中の国々に輸出されている。
PT Bayer Indonesiaの主要な事業部門は、女性の健康と心臓病学、腫瘍学、血液学、眼科の分野の特殊治療向けの処方薬に焦点を当てた医薬品部門、造影剤と一緒に造影剤増強画像診断装置を販売する放射線ビジネス部門、市販(OTC)医薬品、サプリメント、およびその他のセルフケア製品を扱うコンシューマーヘルスケア部門、作物保護/種子と環境科学を扱う作物科学部門でハイブリッドシードやドローンサービスなどを提供している。

出典: https://www.bayer.com/en/id/indonesia-profile-organization 

PT Merck Tbk(メルク)

1970年に設立された外資系製薬会社。1972年に医薬品生産を開始。1981年にはインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「MERK」である。筆頭株主はドイツのMerck Holding GmbHで74%を保有している。

PT Merck Tbkは、東ジャカルタのPasarReboに本社を置き640人の従業員を擁する。東南アジアで唯一の製造施設のため、東南アジアのMerckGroupの製造センターでもある。また、PT Merck Tbkの製品は、インドネシアの処方薬市場のリーダー的存在である。

取り扱う処方医薬品は、心血管系医薬品、代謝系医薬品、腫瘍系医薬品、内分泌系医薬品、受胎能力系医薬品、神経変性系医薬品などである。一般薬には、Encephabol、KSR、Biocream、Decoderm、Gentacortin、Praxilene、Stilaminなどがある。自社生産品を補完する形で世界中のグループ会社から製品輸入を行う。全国主要41都市に医療担当チームを設置し顧客対応している。2020年の売上高は6,558億ルピアであった。

出典: https://www.merckgroup.com/id-id/company.html
https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202105/3f06469b00_9f56ddaaea.pdf 

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