シンガポールの通販・ネット通販業界は、東南アジア最大級のECプラットフォームShopeeを擁するSea Limitedを筆頭に、モバイル決済と即日配送が標準化された先進市場です。9社の主要プレイヤーが越境EC・ライブコマース・サブスクなど新サービスで存在感を競っています。
今回は、そんなシンガポールの通販・ネット通販業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて9社の最新情報をお届けしていきます!
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シンガポールの主要通販・ネット通販企業3選〜ローカル編〜
Shopee (ショッピー)
Shopeeは、シンガポール本社のSea Limitedが2015年にローンチしたモバイル中心のECモールである。親会社は2009年にフォレスト・リ氏が設立しNYSEに上場、東南アジア・台湾・ブラジルなどへ展開する。
プラットフォームはモバイルファースト設計で、ライブ配信ショッピングとゲーミフィケーション機能を組み込む。シンガポール市場では月間訪問数で首位級に位置し、ファッション・美容・小型ガジェットに強みを持つ。
2025年第3四半期はEC事業GAAP収益が前年同期比36.6%増の38億米ドル、GMV・注文数とも四半期過去最高を更新した。通期GMV成長見通しも25%超へ上方修正されている。
Shopee Express、ShopeePay、SPayLaterによる物流・決済・与信の垂直統合を進め、収益性も改善基調にある。
2026年5月時点で、Shopeeは東南アジアEC市場の過半シェアを握り、Lazada・TikTok Shopとの三強の筆頭として地域最大級のプレーヤーとなっている。
出典:https://shopee.sg/
Carousell (カルーセル)
Carousellは2012年5月、クオック・シウ・ルイ氏らによってシンガポールで設立されたC2Cマーケットプレイスである。撮影即出品の体験を武器に成長し、2021年に評価額11億米ドルでユニコーン入りした。
中古品売買を中心に、自動車・不動産・チケット・モバイル端末などへも展開。香港Laku6やフィリピンOLXなどを買収し、東南アジア・香港・台湾の計8市場でサービスを提供している。
2024年通期売上は約1億1,900万米ドルで、内訳はリコマース約5,300万米ドル、広告約5,280万米ドル。純損失は前年比約10%縮小し3,320万米ドルに圧縮された。
一方、2024年12月には全社員の約7%にあたる76名を削減し、組織のスリム化を進めた。2025年8月にはIssa Compass主導の追加調達を実施している。
2026年5月時点で、Carousellはシンガポール人口の約3人に1人が毎月利用するC2Cアプリであり、リコマース市場の拡大を背景に代表的なローカルプレーヤーとなっている。
出典:https://www.carousell.sg/
Love, Bonito (ラブ・ボニート)
Love, Bonitoは2010年にレイチェル・リム氏らによって創業されたシンガポール発の女性向けファッションブランドである。アジア人女性の体型に合わせたフィットで支持を集め、オンライン専業からオムニチャネルDtoCへと拡大した。
シンガポール本社に加え、マレーシア、インドネシア、香港、フィリピン、カンボジアなどに合計27店舗を展開し、米国とオーストラリアへの越境ECも強化している。
2023年度の売上はS$8,800万に達し前年比37%増、損失は27%縮小した。CEOのディオネ・ソン氏は2025年度のS$1億突破と通期黒字化を目標として掲げている。
累計調達額は約6,300万米ドルで、2021年シリーズCで5,000万米ドルを調達。2024年には全社員の約7%を削減し、コスト構造の改善とロジ自動化投資を進めている。
2026年5月時点で、Love, Bonitoはシンガポール発のローカルファッションブランドとして域内のアパレルEC市場で確固たる存在感を維持している。
出典:https://www.lovebonito.com/sg/
シンガポールの主要通販・ネット通販企業6選〜外資編〜
Lazada Singapore (ラザダ・シンガポール)
Lazadaは2012年にロケット・インターネットが立ち上げた東南アジアECで、2016年に中国アリババグループが完全子会社化した。本社はシンガポールに置かれ、東南アジア6カ国で事業を展開している。
Lazada Singaporeは2014年にローンチし、家電・家具・ベビー用品など単価が高く配送精度を要するカテゴリーに強みを持つ。グループの地域シェアは2024年時点で約15%の第3位とされる。
アリババによるAIアシスタント・需要予測などの技術投入が功を奏し、2024年7月にはサービス開始から12年で初の月次EBITDA黒字化を達成した。2025年3月期もアリババ国際事業の損失は大幅に縮小している。
シンガポールではRedMartと即時配達のRedMart Nowを統合し、生鮮・日用品の取扱を強化。中国Tmall越境出店者の窓口機能も担う。
2026年5月時点で、Lazadaは2030年GMV1,000億米ドル・顧客3億人を掲げ、シンガポールを地域本社とする中華系外資ECの代表格となっている。
出典:https://www.lazada.sg/
Amazon Singapore (アマゾン・シンガポール)
Amazon Singaporeは、米Amazon.comの完全子会社が運営する現地向けECで、2017年にPrime Nowで参入後、2019年にフルラインのAmazon.sgを正式ローンチした。米Amazonは1994年創業の世界最大級EC企業である。
シンガポールにはAWSリージョンと並んで物流拠点が置かれ、東南アジア唯一のフルマーケットプレイス拠点として、直販・マーケットプレイス・Amazon Globalの3層を統合運営する。
Prime会員浸透率は約64%と高水準で、無料配送前提の購買行動が定着している。2024年にはリテール・クラウド事業で約14.9億米ドルを投資し、FBA倉庫の拡張と販売者支援を強化した。
Amazon Global Sellingを通じた現地中小事業者の越境輸出も主要テーマで、2023年以降の国際ストア売上は2桁台の成長を維持。AI検索・生成AI出品ツールも順次拡充中だ。
2026年5月時点で、Amazon SingaporeはShopee・Lazadaに次ぐ越境品の主要受け皿として、Prime経済圏を軸に安定した顧客基盤を確保している。
出典:https://www.amazon.sg/
Zalora (ザロラ)
Zaloraは2012年にロケット・インターネットが東南アジア向けに立ち上げたファッション特化ECである。現在はルクセンブルク本社のGlobal Fashion Group(GFG)の東南アジア事業として、7市場でサービスを提供している。
商品ラインアップは1,000以上のブランドで構成され、グローバルファッション、ローカルブランド、ZALORA独自レーベルをワンストップで取り扱う。シンガポールに自社倉庫を持ち、当日配送も可能だ。
親会社GFGの2024年通期Net Merchandise Valueは10億9,960万ユーロ、調整後EBITDAマージンは前年▲6.6%から▲2.4%へ改善。2025年6月までの直近12カ月売上は約7.89億米ドルで、ネット手元資金2.22億ユーロを確保している。
2025年には共同創業者バルケ氏が東南アジア事業の暫定CEOに就任、収益性重視へ転換した。B2Bプラットフォーム事業ZMSが売上の約9%を占めるまで成長している。
2026年5月時点で、Zaloraはシンガポール最大級のファッションECとして主要外資プレーヤーの地位を維持している。
出典:https://www.zalora.sg/
TikTok Shop Singapore (ティックトック・ショップ・シンガポール)
TikTok Shopは、北京本社の中国ByteDance Ltd.が運営するソーシャルコマースで、ショート動画アプリTikTokの購買機能としてシンガポールに2022年8月に上陸した。ByteDanceは2012年創業の世界最大級ショート動画運営企業である。
動画・ライブ配信・レコメンドエンジンを通じ、視聴から購入までを単一アプリで完結させる『コンテンツコマース』を中核に据える。シンガポールではビューティ・ヘルスケアが最大カテゴリーとなっている。
2024年通期で東南アジア6カ国合計のGMVは約320億米ドル、ネット売上は約244億米ドルに到達し、地域シェアでLazadaを抜き第2位に浮上した。グローバルGMVも約643億米ドル規模まで拡大している。
シンガポールでは2025年上半期売上が前年比半減と苦戦が見られる一方、ライブ配信機能・クリエイター連携・FBTなどの出店支援を強化している。
2026年5月時点で、TikTok Shop SingaporeはShopee・Lazadaと並ぶ三強の一角を担い、ソーシャル経由ECの新カテゴリーを開拓する重要プレーヤーとなっている。
出典:https://shop.tiktok.com/business/sg
Shein (シーイン)
Sheinは2008年に中国・南京で創業されたグローバルファストファッションECで、現在はシンガポールに本社機能を置く。アプリ経由のソーシャル発見と超高速サプライチェーン、低価格戦略の組み合わせで急成長を遂げてきた。
グローバルではアクティブ買い物客が約8,800万人、2024年売上は約380億米ドル(前年比+23%)に到達し、2025年は約560〜585億米ドルへ拡大すると見込まれている。
2024年には世界のショッピングアプリダウンロード数で第2位にランクインし、累計2億3,500万件を超えた。シンガポールでは女性向けアパレルを軸に、ホーム・ビューティ・キッズへとカテゴリーを広げている。
中国系プラットフォーム(アリババ、TikTok Shop、Temu、Shein)は2024年で東南アジア主要国EC市場の約半分を占有する。物流面では中国・東南アジア双方の倉庫網を活用した越境高速配送モデルを採用する。
2026年5月時点で、Sheinはシンガポールの越境ファストファッションEC市場でZ世代・ミレニアル層を中心に高い利用率を誇る主要プレーヤーとなっている。
出典:https://sg.shein.com/
Taobao (タオバオ)
Taobaoは中国アリババグループが運営する世界最大級のC2C/B2C統合ECで、2003年に中国・杭州で創業された。親会社アリババは1999年にジャック・マー氏らが設立し、NYSEと香港証券取引所に上場している。
シンガポール向けには長年越境ECとして利用されてきたが、2024年9月に『Taobao Tmall Overseas Growth Plan』を発表し、海外消費者向け送料補助と無料配送を本格導入。出店者100万社超、20市場が対象だ。
2025年のダブル11ではグローバル無料配送対象が12カ国に拡大、シンガポール・マレーシア・日本・豪州などに大型クーポンが日次配布された。海外マーケティング投資額は約10億元規模に達した。
Taobao単体の越境GMVは200億米ドルを突破、東南アジア向け越境ECは2025年に約3,000億米ドル規模へ拡大すると予測される。SingPostやNinja Vanとの物流連携、PayNow決済対応も進む。
2026年5月時点で、Taobaoはシンガポール越境EC市場の重要な選択肢の一つで、中華圏商品の品揃えと価格競争力で独自ポジションを占めている。
出典:https://world.taobao.com/
FAQ
シンガポールの主要EC・ネット通販運営会社の概要は?
この記事では、シンガポールの主要なEC・ネット通販運営会社をローカル、日系、外資系に分けて計11社紹介し、それぞれの企業情報や事業内容について詳しく解説しています。
Reebonz(リーボンズ)の特徴と事業内容は何ですか?
Reebonzは2009年にシンガポールで設立され、バッグやアクセサリー、時計、宝石、靴の高級品を新品と中古品両方で販売しています。2014年に中古のデザイナーアイテムを販売するReebonz Vintageと合併し、ライブチャット機能により買い手と売り手の交流を促進しています。
Carousell(カルーセル)の事業拡大と投資状況について教えてください。
Carousellは2012年に設立され、シンガポールを本拠とし、東南アジアやオーストラリアなどに展開しています。2013年と翌年に投資を受けており、2021年には韓国のSTICインベストメンツが主導する資金調達で1億米ドルを調達し、評価額は11億米ドルに達しています。
MakBesar(マックビサー)のビジョンと提供サービス内容は何ですか?
MakBesarは2016年に設立され、さまざまな商品を取り扱うオンラインショップMakbesar Garageを運営しています。企業のビジョンは、イスラム教徒に優しい商品と消費者を結びつける影響力のある組織になることで、アクセサリーから衣料品まで多様な商品を提供しています。
シンガポールに進出している外資系の主要EC企業とその特徴は何ですか?
外資系の主要EC企業にはLazadaやQoo10、Amazonなどがあり、Lazadaは東南アジア全域に展開し、Alibabaグループに買収されています。Qoo10はアジアのオンラインマーケットプレイスとして、セキュリティと便利さを重視しています。Amazonはシンガポールに進出し、国内外で多くの雇用を創出しつつ、幅広い商品を提供しています。

