今回は、マレーシアの主要医療卸業者に焦点を当て、ローカル・外資合わせて13社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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マレーシアの主要医療卸業者10選〜ローカル編〜
Lee Prosthetic & Orthotic Centre Sdn Bhd(リー・プロスセティク&オーソティク・センター)
義肢・整形外科用器具・矯正装具の設計・製造・取り付けを専門とする会社。また、車いすなどリハビリテーション用具を欧州や台湾、中国から輸入販売する。クアラルンプールを拠点として、ペナンとマラッカに支店を持つ。
社員は海外で訓練を受け、義肢装具士で40年以上の経験を持つ有能な義肢装具士と装具士で構成されている。
同社は財務省ライセンスと医療機器物流の品質基準認証(GDPMD)、マレーシア医療機器庁のライセンスを取得している。
主な顧客には、Persatuan Orang-Orang Cacat AnggotaマレーシアやPersatuan Bekas Pasukan Keselamatanネガラ・マレーシア、ヤヤサン・フェルダ、1MCA財団、ホスピタル・リハビリテーション・チェラス、そして主要病院(クアラルンプール、スレンバン、マラッカ、ペナン、クラン)などがある。
出典:http://www.leeprosthetic.com/
MHE Medical Supplies Sdn Bhd(MHEメディカル・サプライズ)
2009年にメディナ・ヘルスケア・エンタープライズとして設立し、病院や在宅患者への製品の販売を行う。2019年より現社名へ変更し、リハビリテーション医療機器(作業療法や理学療法の治療を含む)を専門とする医療機器サプライヤーとなる。実店舗をセランゴール州スリ・カンバンガンに構えている。
マレーシア医療機器庁の登録適合性評価機関であるプラチナム・シャウフマンツ・ベリタス社による医療機器物流の品質基準認証(GDPMD)を取得しているディストリビューター。
製品群としては、在宅介護製品(移動装置、介護用ベッド、呼吸器など)や病院設備(車いす、病院用ベッド、入浴具など)、運動用具、サポーターなどを扱っている。
また、同社は「センサリールーム」と呼ばれる治療室の開設に興味のある大学や私立病院へのコンサルティングサービスも提供している。
出典:https://meddina.com.my/
Medi-Life (M) Sdn Bhd(メディ-ライフ・マレーシア)
2008年、医療器具・機器の販売代理店として事業開始。超音波スキャナー、歯科用椅子、X線、CAD/CAM、手術器具、診断器具、医療用使い捨て用品など、世界有数の医療技術の総代理店として事業を行う。セランゴール州シャーラムを拠点として、ペナンとサラワク、サバに支店を展開、60人以上を雇用する。
同社が取り扱っているブラントは、アプライド・メディカル、アグロン・メディカル・デバイシーズ、BKメディカル、ボルトン・サージカルなど23ブランドとなっている。
2020年、同社は拡大する事業に対応するため、倉庫を自社ビルに移転している。また、2021年には「2020年スター・アウトスタンディング・ビジネス・アワード」において、同社代表取締役社長が女性起業家賞とパー・エクセレンス・アチーブメント(2,500万リンギット以上の部門)を受賞した。
出典:https://medi-life.com.my/
Malaysian Healthcare Sdn Bhd(マレーシアン・ヘルスケア)
1991年に医療・病院向け機器・備品販売を目的として設立。「メイケア(MAYCARE ) 」のブランド名で車いすやベッドなどを販売している。セランゴール州シャーラムを拠点として、ジョホールとコタバル、ペナン、クアンタン、コタキナバル、クチンに支店を持ち、小売店も5店舗展開する。
取り扱っている製品は、心臓外科・循環器科、OT & ICUクリティカルケア医療機器、医療機器・家具、医療用感染症対策機器、リハビリテーション機器(理学療法・作業療法)となっている。
ブランドとしては、パラマウントベッドやフランスのフレゼニウスカービ、中国のマインドレイなど19ブランドを扱っている。
マレーシア政府や政府系病院、政府系機関、私立医療機関、私立大学、非政府組織、小売薬局などにサービスを提供している。また、充実したアフターサービスを提供するため、技術サービス部門を持つ。
出典:https://www.maycare.com/
Pharmaforte Malaysia Sdn Bhd(ファルマフォルテ・マレーシア)
1995年に医療用医薬品や医療機器、消耗品、診断薬の販売・流通を行う会社として設立。これまでに、国内7,000以上のクリニックや薬局、民間・政府系病院と取引を行っている。
2014年には、マレーシア医療機器庁の登録適合性評価機関であるTUV SUD社による医療機器物流の品質基準認証(GDPMD)を取得している同社はカナダのアポテックスやドイツのバイエル薬品、米国のGEヘルスケア、そして日本の田辺三菱製薬や興和など世界有数のブランドの代理店となっている。
会社はセランゴール州ペタリンジャヤを拠点としており、オフィス機能の他に24時間空調で温度管理されている倉庫も所有している。また、ワクチン及びコールドチェーン製品に対応できる冷蔵設備も持つ。自社物流車両も冷蔵設備を搭載しており、コールドチェーンに対応している。
出典:https://www.pharmaforte.com.my/
Abex Medical System Sdn Bhd(エイベックス・メディカル・システム)
1981年8月に医療機器の販売・サービスを行う会社として設立し、1982年4月より営業開始。同社は医療機器の販売・サービスを中核事業としており、東芝製医用画像機器の総代理店として事業を開始した。現在は、医療用画像分野の他に腫瘍学や核医学、歯科、QA機器などにポートフォリオを拡大している。
会社はセランゴール州シャーラムを拠点として、ペナンとクチン、ジョホール、そしてコタキナバルに支店を展開する。また、傘下にフォトニクス製品・ソリューションを提供するクンプラン・エイベックスとデジタルX線システムなどを扱うテクノロジー・メディカル・アソシエイトを持つ。2019年にはタイ、そして2020年には香港とシンガポールにも医療機器の販売・サービス会社を設立している。
同社では、放射線機器に関するLPTAライセンスと医療機器物流の品質基準認証(GDPMD)、そして2010年には品質管理システムのISO 9001認証を取得している。
同社のビジネスパートナーには、スウェーデンのエレクタやC-RAD、ハンガリーのメディソなど16社がある。
出典:https://www.abexmedical.com.my/
Borneo Pharmacy Supplies Sdn Bhd(ボルネオ・ファーマシー・サプライズ)
医薬品や医療用機器・消耗品、試験装置、試薬、OTC医薬品の販売・流通を事業として30年以上の歴史を持つ会社。
東マレーシアを事業領域とし、クチン(本社)とコタキナバルにオフィスを、そして関連会社としてISOLABを持つ。同社の年間売上高は3,000万リンギット。
自社倉庫は20,000平方フィート以上の広さを持ち、品質管理システムのISO 9001:2008認証、及び医療機器物流の品質基準認証を取得している。また、施設はコールドルームやポイズンルームを備えた最新のラックシステムを採用している。
主要な顧客は製薬やヘルスケア、科学、大学、研究機関、消費者業界となっており、調達から設置、トレーニング、認証、メンテナンス、アプリケーション・スペシャリスト・サービスといったエンド・ツー・エンドのソリューションを提供している。
出典:http://www.borneopharmacy.com/
Neolee Rehab Supply Sdn Bhd(ネオリー・リハブ・サプライ)
車椅子や病院用ベッド、便器、歩行補助具など医療用リハビリテーション製品を販売する会社で、マレーシアのクラスA医療機器サプライヤーとして20年以上の実績を誇る。
会社はクアラルンプールのデサ・トゥン・ラザック工業団地を拠点として、クアラルンプール・チェラスとジョホールに支店を持つ。また、同社では、ISOとSIRIMの認証を取得している。
取り扱っている製品は車いすや病院用ベッド、床ずれ対策用具、失禁ケア、医療機器、歩行補助具、立位保持用装具、膝装具、歩行器などとなっており、政府機関やマレーシアのエンドユーザーを顧客としている。
また、同社はウエブページでのオンライン販売にも対応しており、西マレーシアへの配送は無料で行っている。
出典:https://www.neolee.com.my/
LKL International Bhd(LKLインターナショナル)
同社は子会社であるLKLアドバンス・メタルテックを通じて医療用ベッドや医療機器、医療周辺機器など幅広い製品を病院などの医療機関へ販売する。製品は病院や医療センター、診療所、専門機関などの医療関連施設で幅広く使用されており、国内だけでなく世界50ヵ国で事業を展開している。
製造工程はISO 9001:2015とEN ISO 13485:2016認証を取得している。また、同社製品はCEマークを取得、さらに2017年末には米国食品医薬品局への登録にも成功している。
2020年度の収益は5,495万リンギットで、455万リンギットの税引後利益を計上している。収益の内訳としては、84%が国内販売によるものとなっている。
2021年2月、同社はシンガポールのiWOWが提供しているCOVID-19接触トレーシング製品の流通独占販売代理店契約を締結したことを発表した。契約期間は2年間となっている。
出典:https://www.lklbeds.com/
Felco Medical Supplies Sdn Bhd(フェルコ・メディカル・サプライズ)
2007年5月に設立された卸売業者で、セランゴール州シャーラムを拠点としてリハビリ製品とサービスの提供を専門としている。同社は、医療機器の適正流通基準(GDPMD)とISO 13485を取得している。
主な取扱ブランドとしては、台湾のコンフォート(車いすなど)、タニタ(体組成計など)、シャワー・バディ、Dr.MED(サポーターなど)などがあり、国内の主要な病院や薬局、診療所、研究所、及びエンドユーザーを顧客としている。
2020年3月、同社は2019年SME100ファースト・ムービング・カンパニー・アワードを受賞したことを発表。
また、2020年7月にはクルアンチョンファ高校に個人用保護具を、2020年9月にコロンビアアジア病院へメカニカルボディスケール、2021年6月にMITECワクチンセンターとバンダルセリアラム・ワクチンセンターへ車椅子を寄付したことを発表している。
出典:https://felcomedical.com
マレーシアの主要医療卸業者3選〜外資系編〜
Lifeline Innovators Sdn Bhd(ライフライン・イノベーターズ)
1991年、医療リハビリテーション器具事業会社としてシンガポールに設立。マレーシア進出は1993年で、セランゴール州クランを拠点としている。マレーシアでは、リハビリテーション用具と緊急救助の供給、そして小売事業も展開しており、7つのショールームを持つ。
国内配送センターは医療機器・医薬品の倉庫及び物流における品質基準認証であるGDPMDSと、品質管理システムのISO 9001認証を取得している。
150人以上の従業員を擁し、7ヵ国に25の営業所を展開している。また、同社は政府系・民間病院、日帰り手術センター、専門医及びプライマリーケアクリニック、研究所、老人ホームなど様々な医療機関を範囲とする販売・流通ネットワークを構築している。
同社は米A&DメディカルやCAIRE、独CUメディカルシステムズなどとパートナーの関係にあり、ウィスナー・ボッサーホフのベッド独占販売代理店でもある。
2019年12月に同社はクアラルンプール国際空港と提携、空港が進める変革プログラム向けにプッシュチェアを提供したことを発表。本イニシアチブには100台の車椅子、50台のベビーカーを配備し、40人の空港スタッフを大使として選択・訓練することで、身体障害者と認知障害者の両方を支援することが含まれている。
出典: https://lifelinecorp.com/my/
DKSH Holdings (Malaysia) Bhd(DKSHホールディングス)
アジアを中心として事業を行う商社DKSHのマレーシア法人で、3,300名の専門家を擁する。国内に26拠点を展開し、消費財や素材、技術、ヘルスケアなどの商品を取り扱っている。
2020年度のグループ収益は63億5,570万リンギットで、4,889万リンギットの税引後利益を計上している。
ヘルスケア部門では医薬品やOTC、医療用機器の販売・流通を手掛けており、品質管理システムのISO 9001とISO 13485、そして医薬品適正製造基準のGMPと医薬品適正流通のGDPに準拠している。
シャーラムにある19万平方メートルのヘルスケア物流センターは、国内全土の病院や診療所、歯科センター、薬局、小売店などの顧客にサービスを提供しており、ワクチンとバイオテクノロジー製品の業界標準設備を備えている。また、臨床供給品のパッケージング、ラベリング、流通にも対応している。
取り扱っているヘルスケアブランドとしては、ブリストル・マイヤーズ スクイブやエフ・ホフマン・ラ・ロシュ、アルコン、メドトロニックなど550社となっている。
出典: https://www.dksh.com/my-en/home
IDS Medical Systems (M) Sdn Bhd(IDSメディカル・システムズ)
idsMEDグループのマレーシア法人で、マレーシアとシンガポールの事業は2011年7月に開始。政府・私立病院、専門医、クリニックへフィリップスやGEなどといった医療ブランドの製品を販売する。医療器具では、医療用消耗品やリハビリテーション器具などを扱う。
2017年6月、同社はマレーシア市場向けにeコマースプラットフォーム「idsMEDオンライン」を開始しており、歯科や一般診療、獣医、ホームケア(介護施設や老人ホーム)などの様々なケア分野に対応している。
2021年1月、マレーシア法人は非営利団体であるSESOマレーシアとCSRでパートナーシップを締結し、COVID-19が蔓延する中で生活困窮者の支援を実施した。
2021年9月には、5歳から10歳までの子供用アンチバイラルマスクを発売したことを発表。このマスクは、コロナウイルスに感染しやすい子供たちを安全に守るために開発されたものであり、ショッピーとラザダで販売する。
出典: https://www.idsmed.com/
クアラルンプール在住4年目の日本人。大学卒業後、東京で飲料メーカーの営業を担当。その後、マレーシアのクアラルンプールへ移住し食品商社の営業及び購買のサポートを担当。