【最新版!】マレーシアの主要介護施設13選〜医療・介護業界〜

malaysia-nursing

マレーシア介護業界は急成長中。今回は、マレーシアの主要介護施設に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて13社の最新情報と市場動向を徹底解説。日本企業が知りたい業界の現状や課題、参入チャンスを一挙公開します。続きをチェック!

読了時間の目安:5分

マレーシアの介護業界 業界地図はこちら!
目次

マレーシアの主要介護施設10選〜ローカル編〜

Love On Wheels Healthcare Services Sdn Bhd(ラブ・オン・ホイールズ・ヘルスケア・サービシズ)

Love On Wheels Healthcare Services Sdn Bhd(以下、ローブオンウィールズ)は、セランゴール州ペタリンジャに本社を構えるモバイルヘルスケアサービスプロバイダーであり、看護やリハビリテーション、介護士のトレーニングを中心に事業を展開している。同社は創傷管理や在宅看護、レスパイトケア、尿道カテーテル挿入・交換など幅広い看護サービスを提供し、リハビリテーション分野では理学療法、作業療法、仕事復帰プログラム、ダイエットカウンセリングなど多様なニーズに対応している。

マレーシアは急速に高齢化が進み、在宅医療やリハビリテーションサービスの需要が増加している。政府も「1Care for 1Malaysia」などの政策を通じて、高齢者や慢性疾患を持つ患者のケアを強化しており、ローブオンウィールズのようなモバイルヘルスケア事業者は、医療アクセスの拡充や病院の負担軽減に重要な役割を果たしている。同社はマレーシア政府に認定された唯一の完全統合型モバイルヘルスケアサービスプロバイダーであり、社会保障機関やマラヤ大学スペシャリスト・センター、テナガ・ナショナル、マレーシア中央銀行、ジョンソン&ジョンソンなど幅広い法人顧客を有している。

2017年からはマレーシア初となるオンデマンド型モバイルアプリ『mSIHAT』を運用し、看護やリハビリテーションサービスの検索・予約を容易にしている。このアプリは、デジタルヘルス市場の拡大とともに利用が増加しており、マレーシアのデジタルヘルス市場は2025年に約6億1300万米ドル規模に達し、今後も年率8.68%で成長が予測されている。また、同社は看護やリハビリテーションの現場で最新の医療技術やデータ活用を推進し、患者の健康管理やサービス品質の向上に努めている。

出典:https://www.loveonwheelshealthcare.com/

Nurses At Home Sdn Bhd(ナーシーズ・アット・ホーム)

Nurses At Home Sdn Bhdは2005年の設立以来、病院と連動した在宅ヘルスケアサービスを展開するマレーシアの主要なプロバイダーである。同社はシンガポールやオーストラリア、イギリスのベストプラクティスをモデルに導入し、ISO 9001:2008認証を取得していることで、質の高いサービス提供体制を確立している。拠点はセランゴール州にあり、同社の看護師は年次実務証明書を持つ州登録看護師(State Registered Nurses)であり、専門知識と高い倫理観を持って患者に接している。

専門分野は創傷ケア、老人医療、小児科、緩和ケアであり、基礎的なパーソナルケアからベッドサイドケア、看護同行、創傷被覆材やカテーテル交換などの看護手順、専門的な看護サービス、新生児ケアまで幅広く対応している。サービスエリアはクランバレー全域とセランゴール州の大部分をカバーし、ペナンやジョホールバル、コタキナバル、マラッカ、イポーといった主要都市にも展開している。

2015年にはフロスト&サリバン・マレーシア・エクセレンスアワードで「ホームヘルスケア・カンパニー・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、マレーシア国内における在宅医療サービスのリーダー的存在としての評価を獲得している。同社は、医師や患者が在宅ケアを回復や継続ケアの重要な手段として活用できるよう、包括的なケアプランや栄養管理、理学療法、介護者トレーニングなども提供し、患者の自立や生活の質向上に寄与している。

また、Nurses At Homeはマレーシアで唯一、病院と同様のプロフェッショナル保険を保有しており、万一の際も適切な補償が受けられる体制を整えている。

出典:https://www.nursesathome.my/

Integrated Healthcare Management Sdn Bhd(インテグレーテッド・ヘルスケア・マネジメント)

Integrated Healthcare Management Sdn Bhd(以下、IHM)は、1997年にマネージドケア企業として設立され、予防医療、ウェルネスプログラム、治療医療サービスを軸に事業を展開している。本社はセランゴール州スバンジャヤにあり、全国12州に支店やサービスセンター、コレクションセンターを構えている。傘下にはIHMナーシングケア社、IHMバーチャル・ファーマシー社、マイドットヘルス社などがあり、多角的なヘルスケアサービスを提供している。

IHMはペタリンジャヤやペナンで「IHMサンシャインホーム」を運営し、24時間体制の看護ケアや週1回の専属医師の訪問、特別な看護ケア、手術後ケア、理学療法など、高齢者や要介護者向けの包括的なサービスを実現している。サンシャインホームは、認知症ケアや個別ケアプラン、家族との連携にも注力し、利用者の安心と生活の質向上を重視している。

また、IHMは「IHMイランヘルスケアプログラム」を通じて、マレーシア在住のイラン人向けに包括的な医療保険を提供している。このプログラムは、アリアンツ生命保険、チューン保険、インターナショナルSOS、KPJヘルスケア・グループと連携し、医療保険や歯科診療、国際医療搬送・遺体移送、入院サポート、健康診断など多様なサービスをカバーしている。イランヘルスケアプログラムは、イラン人コミュニティの健康管理や安心の確保に大きく貢献している。

IHMは、オンライン診療や医療記録の電子化、24時間コールセンターによる緊急対応、全国のパネルクリニックや病院との連携など、先進的なサービスを展開し、業界をリードする存在として評価されている。

出典:http://www.ihm.com.my/

マレーシアの介護業界 業界地図はこちら!

Melorita Healthcare Group(メロリタ・ヘルスケア・グループ)

Melorita Healthcare Group(メロリタ・ヘルスケア)は、マレーシア最大級の医療系リクルート機関であり、40年以上の実績を持つ。同社は1977年に設立され、在宅介護用の看護師や理学療法士、介護士の派遣を中心に、国内外の医療機関向けに幅広い人材サービスを提供している。事業エリアはマレーシア国内だけでなく、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーン、シンガポール、ブルネイなど中東・東南アジア諸国に及んでいる。

本社はクアラルンプール近郊のペタリンジャヤに位置し、国内ではペナン、ジョホールバル、クチン、コタキナバルにもオフィスを展開している。マレーシア人的資源省に正式登録されており、ISO 9001:2015(以前はISO 9001:2008)認証も取得し、品質管理と業務効率化を徹底している。また、国際的なベストプラクティスを導入し、医療人材のグローバルなキャリア形成を支援している。

国内顧客にはサンウェイ・メディカルセンターやラムゼイ・サイムダービー・メディカルセンター、パンタイ病院、コロンビアアジア病院など著名な医療機関があり、看護師や医師、アライドヘルス専門職など医療関連人材の派遣実績が豊富である。さらに、医療従事者向けの研修や資格取得支援、デジタル化による応募プロセスの効率化にも注力している。

2017年以降、同社はMIMSグループのマレーシア子会社MIMS Career Sdn Bhdの傘下に入り、アジア太平洋地域の医療従事者向けにヘルスケア情報やデジタルソリューションの提供体制を強化している。これにより、人材派遣だけでなく、医療情報やキャリア支援の分野でも業界をリードする存在となっている。

出典:https://www.melorita.com/

Jeta Care Sdn Bhd(ジェタ・ケア)

Jeta Care Sdn Bhdは、マレーシア初のオーストラリアのコンセプトと儒教の価値観に基づいて運営される高齢者介護センターである。本拠点はジョホール州クライに位置し、3階建てのモダンな施設に約2,150平方メートルの床面積と62床を有している。施設はオーストラリアと現地の専門コンサルタントが設計し、屋上庭園、カフェ、ヘアサロン、ランドリー、キッチン、理学療法・リハビリテーション室、多目的ホールなど、居住者の生活の質向上と多様なニーズに応える設備を備えている。

全室がエアコン完備で、電気制御ベッドと24時間年中無休のナースコールシステムが設置されており、居住者の安全と快適性が徹底的に確保されている。スタッフは英語に加え、中国語の方言やマレー語を話せる多言語対応者が多く、文化的・宗教的・言語的な多様性に配慮したケアを実現している。

Jeta Careはマレーシア保健省認定の施設であり、登録看護師やトレーニングを受けた介護スタッフ、契約医師による定期的な訪問、在宅理学療法士によるサービスなど、専門的な医療・介護体制を整えている。また、オーストラリア発のSARAHシステムソフトウェアを導入し、入居者ごとのケアプラン作成、医師のフォローアップ予約、タスクリマインダーなど、看護師が効率的にケアを提供できるシステムを運用している。

キッチンではアジアやベジタリアン向けの食事、糖尿病やアレルギー対応、経管栄養など多様な食事ニーズにも対応し、居住者と家族の安心を支えている。

出典:http://www.jetacare.com/

Lecadia Primacare Centre Sdn Bhd(レカディア・プリマケア・センター)

Lecadia Primacare Centre Sdn Bhdは、2004年に設立されたクアラルンプール中心部に拠点を置く、マレーシア保健省登録の老人ホームである。同施設は、介護や医療サービスを必要とする高齢者向けに質の高いケアを提供しており、専門的な看護師(SRN)と訓練されたアシスタントが在籍し、個別のケアプランや定期的な健康評価、医療介入が可能な体制を整えている。

全室にバスルームやナースコールシステム、エアコンが完備されており、居住者の快適性と安全性が確保されている。長期ケア、短期ケア、リハビリテーション付きデイケアなど多様なサービスを用意し、脳損傷や脳卒中による寝たきり・昏睡状態、軽度の記憶障害、認知症、アルツハイマー病、混乱や徘徊、うつ状態、緩和ケアや終末期ケア、日常生活動作の支援や監視が必要な高齢者など幅広いニーズに対応している。

スタッフは糖尿病患者や高血圧患者の血糖値・血圧モニタリング、術後の理学療法による療養生活サポート、床ずれの治療と予防など専門的な経験を有し、必要に応じて酸素療法や特別な栄養管理、リハビリテーション(理学療法・作業療法・言語療法)も提供している。また、定期的な家族や医療スタッフとの面談、栄養バランスのとれた食事、リクリエーション活動や外出イベント、24時間体制のセキュリティ・救急対応も充実している。

出典:https://www.lecadia.com/

KPJ Healthcare Bhd

KPJ Healthcare Bhd(KPJヘルスケア)は、1981年にジョホール州で初の民間総合病院として開業したマレーシア最大の民間医療機関である。現在、マレーシア国内に28~29の専門病院を展開し、インドネシアには2病院、バングラデシュとタイにもそれぞれ1病院を運営している。グループ全体での従業員数は15,000人以上、病床数は3,400床を超えている。

KPJヘルスケアは、単なる病院運営にとどまらず、病理検査や医薬品・医療機器の販売、高齢者介護サービス、医療教育も手掛ける。2020年度のグループ売上高は約23億9,744万リンギット、税引後利益は約1億1,081万リンギットを計上している。利益率や収益性は、新設病院や既存病院の拡張、患者数の増加、手術件数の増大などによって近年堅調に推移している。

高齢者介護分野では「KPJシニアリビングケア(ナーシングホーム)」を運営し、独立生活から高度なケアが必要な高齢者まで幅広く対応している。施設内では24時間体制の介護や看護、医師による定期的な診察、脳卒中や糖尿病管理、術後の看護ケア、リハビリテーション、歯科・眼科・血液透析などの専門医療サービスも提供している。また、個別ケアプランやリハビリプログラム、成人デイケア、家族向けのサポートなど、多様なニーズに応える体制が整っている。

出典:https://kpjhealth.com.my/

マレーシアの介護業界 業界地図はこちら!

CARE Concierge Sdn Bhd(ケア・コンシェルジュ)

CARE Concierge Sdn Bhd(My Care Concierge Sdn Bhd)は、セランゴール州を拠点に老人介護や入院後のケアなど多様なサービスを提供するマレーシア屈指の高齢者ケア専門企業だ。同社は介護老人ホーム「ザ・マンション」を運営し、マレーシアで初めて認知症患者を受け入れた実績を持つ。また、セランゴールとペナンを中心に高齢者向けデイケア「dayCAREクラブ」も展開しており、地域社会におけるシニアライフの質向上に貢献している。

ケアマネージャーやスタッフは、日常生活動作のサポートから認知症、脳卒中回復、がん、アルツハイマー病、術後ケア、医療処置や治療が必要な状態まで、幅広い専門知識とスキルを有している。医師や看護師はカテーテルやPEGチューブの交換、複雑な創傷被覆、吸引、注射、ストーマケア、人工肛門ケア、床ずれ、酸素療法など高度な医療行為に対応できる体制を整えている。理学療法士やセラピストも在籍し、脳卒中やがん、怪我からの回復を目指す介護者を多角的に支援している。

加えて、在宅医療機器の販売も手掛けており、医療用酸素タンク、酸素濃縮器、医療用ベッド、車椅子など多様な製品を取り扱っている。これにより、在宅医療や介護現場のニーズにきめ細かく応えている。

CARE Conciergeは、デジタル技術を活用したケアプラットフォームを導入し、ケア状況のリアルタイム共有や家族との連携、スタッフの効率的な管理を実現している。2024年11月にはB Corp認証を取得し、社会的責任やサービスの質、透明性の高さが国際的にも評価されている。

出典:https://mycareconcierge.com/

Noble Care (M) Sdn Bhd(ノーブルケア)

Noble Care (M) Sdn Bhdは、2010年に設立されたセランゴール州拠点の高齢者・障害者向けケアサービス企業であり、「貧しいコミュニティのためのケアと看護サービス」をモットーに、ホームレスの高齢者や困窮した高齢者、社会的弱者に向けた支援を積極的に展開している。同社は政府の社会的責任プログラムにも連携し、社会的に必要とされる層への質の高いケアを提供している。

Noble Careは脳卒中や昏睡状態、経管栄養、カテーテル、気管切開チューブ、胃瘻、人工肛門バッグを使用する高齢者、癌などの末期疾患に苦しむ高齢者向けの専門的なケアに強みを持つ。医療スタッフは救急隊員、看護師、医療コンサルタント、現場の専門家、心理学者など多職種で構成され、身体的・精神的・社会的なサポートを包括的に提供している。

事業展開としては、セランゴール、ジョホール、ペナン、セレンバンなどでナーシングホームを12ヶ所、クランバレー内とイポーでリタイヤメントホームを5ヶ所運営している。サービス内容は在宅介護、レスパイトケア、緩和ケア、認知症ケア、障害者ケア、高齢者ケアなど多岐にわたり、個別のケアプランや生活支援、医療的介入、心理ケアなども手掛けている。

出典:https://www.mynoblecare.com/

Mintygreen Wellness Residence(ミンティグリーン・ウェルネス・レジデンス)

Mintygreen Wellness Residenceは、2017年にクランバレー(クアラルンプール都市圏)でシニアケアサービスチェーンとして設立された。同社は24時間体制の看護ケアとリハビリテーションサービスを専門に提供し、マレーシアで初めて中国伝統医学(Traditional Chinese Medicine: TCM)を重視した介護施設としても知られている。

サービス内容は在宅ケア、ナーシングホーム、デイケア、理学療法、TCMクリニック、心理学・カウンセリングサービスセンターなど多岐にわたり、高齢者の身体的・精神的健康を包括的にサポートしている。施設内では、資格を持つ医師、国家資格を持つ看護師、経験豊富な理学療法士、TCM医師が常駐し、創傷や糖尿病ケア管理、バイタルサインのチェック、投薬管理、隔週の医師訪問など専門的な医療ケアを提供している。

主要拠点はセランゴール州内に3カ所(カジャン、クパン、チェラス)あり、各施設は快適な居住環境と高齢者に配慮した設備を整えている。特に2017年3月に最初に開設したスンガイロン(カジャン)の施設は約6,000平方フィート(約560平方メートル)の広さを持ち、最大23名の患者を受け入れ可能だ。

加えて、ペナンへの進出も計画されており、今後は合計8施設まで拡大予定である。

出典:https://www.mintygreen-wellness.com/

マレーシアの介護業界 業界地図はこちら!

マレーシアの主要介護施設〜日系編〜

Takahashi Legend Care Sdn Bhd(タカハシ・レジェンドケア)

Takahashi Legend Care Sdn Bhdは、マレーシア・セランゴール州ペタリンジャヤに拠点を置き、介護付き高齢者向け住宅(アシストド・リビング)を運営する企業である。設立は2014年、日本企業メディカル・ケア・サービス社とニューレジェンド社による合弁事業として始まったが、現在は3名のマレーシア人オーナーによるローカル企業として運営されている。

施設は約15,000平方フィートの広大な庭園内に位置し、緑豊かな環境と開放的な空間が特徴だ。入居者は起床や入浴、食事、就寝、活動のタイミングを自由に選ぶことができ、家族や友人もいつでも訪問できる柔軟な体制を整えている。施設内は車椅子対応、スリップ防止床、手すり、全域コールアシストボタンなどバリアフリー設計で安全性と快適性が確保されている。

サービス内容は24時間体制のパーソナルケア、アシスタンス、健康モニタリング、個別ケアプログラム、各種介助、服薬管理プログラム、腸・膀胱管理プログラムなど多岐にわたる。専属の看護師と経験豊富なケアワーカーが常駐し、医師へも常時接続できる医療体制を整えている。入居定員は26~34名で、全室にワードローブ、ドレッシングテーブル、コールアシストボタン、アストロ付きテレビ、エアコン、WiFiが完備されている。

また、多言語対応スタッフによるコミュニケーションや、ヨガ・太極拳・アロマセラピーなどのウェルネスプログラム、文化的行事の開催など、入居者の心身の健康と生活の質向上に配慮したサービスが提供されている。施設はTaman Bahagia LRT駅やAssunta、University、Pantai病院などへアクセスしやすく、都市部の利便性と静かな居住環境を両立している。

出典:https://www.tlcare.com.my/

マレーシアの介護業界 業界地図はこちら!

マレーシアの主要介護施設2選〜外資系編〜

ECON Healthcare Group(ECONヘルスケア・グループ)

ECON Healthcare Groupは、1987年にシンガポールで設立され、アジア域で11の介護サービス施設を運営する民間高齢者ケア大手である。シンガポール、マレーシア、中国で1,400床以上の収容能力を持ち、毎年3,000人以上の高齢者と家族にサービスを提供している。介護施設運営のほか、デイケアやホームケア、介護者トレーニングなど多様なサービスを展開している。

マレーシア国内では、クアラルンプール(Pudu)とジョホール(Taman Perling)に施設を持ち、2020年12月にはセランゴール州プチョンに新たなナーシングホームを開設した。プチョンの施設は138床を有し、亜急性疾患の管理、専門的な老人介護、看護ケア、リハビリテーション、中国伝統医学(Traditional Chinese Medicine: TCM)のサービスなど、包括的なケアを提供している。

ECON Healthcareはマレーシア人的資源省から、国内で初めて介護専門家向けのトレーニングを提供する民間ナーシングホームとして認定を受けており、家族介護者や介護従事者向けのトレーニングプログラムも積極的に実施している。

2021年度のマレーシアの施設の病床数は521床で利用率が58.5%だったが、その後は新規施設の開設や既存施設の拡張により、収容能力と利用率が大きく向上している。例えば、2022年12月に開業したプチョンの施設は現在完全稼働し、さらに33床の拡張計画も進行中である。2025年6月時点でのマレーシア施設全体の平均利用率は92%まで上昇しており、高齢者ケア市場における需要の高まりを反映している。

ECON Healthcareは、東洋と西洋の医療モデルを融合したケアや、リハビリテーション・デイケア・ホームケア・介護者トレーニングなど多角的なサービスを提供し、地域社会の高齢者とその家族の生活を支える存在として成長を続けている。

出典: https://www.econhealthcare.com/

Homage Sdn Bhd(オマージュ)

Homage Sdn Bhd(ホメージ)は、2016年にシンガポールで設立され、マレーシア法人は2019年2月に設立された介護サービスプロバイダーである。マレーシア国内ではクアラルンプール、セランゴール、ペナン、ジョホール、イポーなど主要都市を拠点に事業を展開し、500人を超えるケアプロフェッショナルが在籍している。同社は介護アセスメントや日常生活動作支援、訪問看護、理学療法、言語療法、作業療法を含む訪問リハビリテーションサービスなど、多様な在宅・コミュニティケアサービスを提供している。

Homageはアルツハイラーマー病財団(Alzheimer’s Disease Foundation Malaysia)やケアリング・ウィズ・ユー(Caring With You)などと連携し、個人ケア、看護ケア、リハビリテーション、医療同行サービスなど4つの主要分野で協力している。サービスの対象は認知症、脳卒中、パーキンソン病、がんなどの慢性疾患や末期疾患を持つ高齢者や障害者など多岐にわたり、政府や医療機関、金融機関とも連携して在宅およびコミュニティ介護サービスの普及を推進している。

マレーシアでは、高齢者向けオンデマンド在宅介護サービスを展開し、モバイルアプリを通じて要介護者と介護専門家をリアルタイムでマッチングする仕組みを構築している。アプリではサービスの予約やケア状況の確認、家族とのチャット、訪問レポートの確認などが可能で、柔軟な時間単位(1時間から)で介護サービスを利用できる。また、介護スタッフは厳格な選考とトレーニングを経ており、家族はサービスの質や透明性を実感できる。

出典: https://www.homage.com.my/

マレーシアの介護業界 業界地図はこちら!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次