今回は、インドネシアの主要スーパー・コンビニエンスストアに焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて12社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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インドネシアの主要スーパー・コンビニエンスストア8選〜ローカル編〜
PT Sumber Alfaria Trijaya Tbk(スンブール・アルファリア・テゥリジャヤ)
1989年に設立されたインドネシアのミニマートチェーン。創業者ジョコ・スサントが卸売業と流通業を始め、1999年にミニマート事業に移行した。2002年にはアルファマートの店舗141店舗を買収し、ミニマートの店舗名を「アルファマート」にして急拡大を開始した。
2009年にはインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「AMRT」である。筆頭株主はPT Sigmantara Alfindoで 52.5%を保有している。社名はPT Sumber Alfaria Trijaya Tbkとなった。
アルファマートの事業活動は、ほとんどのアルファマートストアが住宅地にあるため、顧客の基本的な日常のニーズを手頃な価格、便利なショッピング場所、およびアクセスしやすい場所で販売するミニマーケット流通ネットワークを管理している。インドネシア地域全体で15,400を超える店舗と32の倉庫で毎日400万人を超える顧客にサービスを提供している。2020年の売上高は75兆8,269億ルピアであった。
出典: https://alfamart.co.id/
https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202104/e048801ad9_cb69d71dec.pdf
PT Midi Utama Indonesia Tbk(ミディ・ウタマ・インドネシア)
2007年に設立されたインドネシアのミニマートチェーン。設立時の社名はPT Midimart Utamaで1号店を中央ジャカルタのジャランガルーダに開店。2008年に社名をPT Midi Utama Indonesiaに変更。
2010年にはインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「MIDI」である。上場時の筆頭株主はPT Amanda Cipta Persadaであったが、2013年にPT Sumber Alfaria Trijaya Tbk(AMRT)がPT Amanda Cipta Persadaから41.82%取得し、さらに2014年にLawson Asia Pacific Holdings Pte. Ltd.から30%取得し、現在86.72%を保有している。
2015年、500㎡以上の売り場面積を持つスーパーマーケットで新しいコンセプトのAlfamidi superを導入した。2020年末現在、全国に「Alfamidi 」1,795店舗と「Alfamidi super」26店舗、合わせて1,821店舗と22,500人以上の従業員によって全国の数百万人の顧客にサービスを提供している。2020年の売上高は12兆6,597億ルピアであった。
出典: https://alfamidiku.com/menu-korporasi
https://www.idx.co.id/perusahaan-tercatat/profil-perusahaan-tercatat/detail-profile-perusahaan-tercatat/?kodeEmiten=MID
PT Indomarco Prismatama(インドマルコ・プリスマタマ)
1988年に生活必需品を取り扱う店として設立されたミニマート。消費者のニーズ、店舗運営スキル、そして人々の買い物行動の現代的な店舗へのシフトに関する知識を武器に発展を続けてきた。
インドマレットは、消費者の近くに約200㎡の広さの店舗を運営し、さまざまな基本的ニーズと日常的なニーズに対して、広く一般の人にサービスを提供するというコンセプトで展開し始めた。そして、さまざまな住宅、オフィス、商業、観光、アパートのエリアにアウトレットを追加し続けてきた。
インドマレットはミニマーケット分野で初めてフランチャイズ制度を導入した会社である。現在、インドマレットは急速な成長を続けており、店舗数は全国に16,000店舗を超えている。フランチャイズ所有の店舗が40%、自社所有の店舗が60%という構成である。一方、全国の16,000店舗へ5,000種類以上の製品を提供するため、インドマレットには全国に33か所の流通センター網がある。
出典:https://indomaret.co.id/korporat/seputar-indomaret/peduli-dan-berbagi/2014/01/16/sejarah-dan-visi/
PT Hero Supermarket Tbk(ヒーロー・スーパーマーケット)
1954年に故創業者M.S. Kurniaによって食品販売会社CV. Heroが設立された。シンガポールのスーパーマーケットを参考にして1971年ヒーローミニスーパーを南ジャカルタの高級住宅地にオープン。
70年代、インドネシアで初めて日曜祝日営業を開始。1980年までにジャカルタに9支店をオープン。1989年にはインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「HERO」である。筆頭株主はMULGRAVE CORPORATION B.V.で63.59%を保有している。
2014年末、ヒーローグループが運営する店舗の総数は700店舗を超え、従業員数は16,000人を超えている。店舗の詳細は、129のジャイアン・エクプレス・ストア、55のジャイアン・エクストラ・ストア、34のヒーロー・スーパーマーケット・ストア、135のスターマート・ストア、346のガーディアン・ストア、2つのジェイソン・ストア、1つのIKEAアウトレットである。2020年の売上高は8兆8,938億ルピアであった。
出典:https://herosupermarket.co.id/my-hero/
https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202106/99196910ae_d6ebdde457.pdf
PT Ramayana Lestari Sentosa Tbk(ラマヤナ・レスタリ・セントーサ)
1983年に設立されたインドネシアの大規模小売店。百貨店事業でスタート。1989年スーパーマーケット事業を開始する。この年に一気に13店舗をオープンする。
1996年にはインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「RALS」である。筆頭株主はPT RAMAYANA MAKMURSENTOSAで55.88%を保有している。
2020年末、「Ramayama」ブランドの百貨店106店舗と「Robinson」ブランドのスーパーマーケットを79店舗展開している。「Robinson」ブランドのスーパーマーケットでは、一次生鮮食品や家庭のニーズを含む食料品を提供している。2014年にはスーパーマーケット事業をアシストしてくれるオランダのSPAR Internationalとコラボを開始。2018年にはSPARとの契約を終了した。現在、スーパーマーケットの閉鎖・縮小を行いスーパーマーケット事業の見直しを行っている。2020年の売上高は2兆617億ルピアで、うち約28%がスーパーマーケット事業による。
出典:https://www.idx.co.id/perusahaan-tercatat/profil-perusahaan-tercatat/detail-profile-perusahaan-tercatat/?kodeEmiten=RALS
PT Matahari Putra Prima Tbk(マタハリ・プトラ・プリマ)
1986年に設立されたインドネシアの小売り企業。1992年にはインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「MPPA」である。筆頭株主はPT Multipolar Tbkで38%を保有している。
1995年にスーパーマーケットの運営を開始。2002年にはドラッグストアのBoston Health&Beautyを導入。2008年には食品スーパーマーケットのFoodMartを導入。2004年にはHypermartを導入。2015年には卸売り形式のSmartClubとコンビニエンスストアのFMXを導入。2019年に食料品中心のコミュニティースーパーマーケットHyfreshを導入。
2020年末現在、それぞれの事業の売上高貢献度は、Hypermartが84.5%、それ以外が15.5%で、それ以外の内訳はFoodMartが10.2%、Hyfreshが2.0%、Boston Hralth & Beautyが0.7%、FMXが0.7%、SmartClubが2.0%である。2020年末の店舗数は、Hypermartは100店舗、その他が72店舗である。 2020年の売上高は6兆7,470億ルピアであった。
出典:https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202105/e815be2910_93c08c7e16.pdf
PT Supra Boga Lestari Tbk(スープラ・ボガ・レスタリ)
1997年に設立されたインドネシアのスーパーマーケット。1998年にRanch Market USAからフランチャイズライセンスを取得してジャカルタで「Ranch Market」1号店をオープン。
2007年には「Farmers Market」ブランドで中産階級以上の顧客に対応するための新しいスーパーマーケットを開発。2010年、Ranch Market USAとのフランチャイズ契約を解消し、ブランド使用契約を締結。2012年にはインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「RANC」である。筆頭株主はPT Global Digital Niagaで51%を保有している。
現在、RANCには4つのブランドのスーパーマーケットがジャカルタ、ジャボデタベック、スラバヤ、マラン、バリクパパンのいくつかの都市にある。16店の「Ranch Market」、29店の「Farmers Market」、1店の「the Gourmet by Ranch Market」と2店の「Day2Day by Farmers Market」である。後者の2つは2019年に導入。2020年の売上高は3兆114億ルピアであった。
出典:https://www.ranchmarket.co.id/story
https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202104/cf858c5c4e_9f53f411e7.pdf
PT Inti Cakrawala Citra(インティ・チャカラワラ・チトラ)
1993年に設立されたインドネシアのスーパーマーケット。Indogrosirは一般消費者だけでなく中小企業や小売業者が商品を簡単に入手できるソリューションとして設立された「業務スーパー」。
現在までにインドネシアの主要都市の戦略的な場所に25の店舗を展開し、数十万の小売業者にサービスを提供している。2003年には、幅広くコミュニティー(個人、中小企業、協同組合、機関)がOMI(Outlet Mitra Indogrosir:インドグロシール・グループ・アウトレット)という名前でIndogrosirのビジネスパートナーとなれる機会の提供を開始した。また、2017年から2019年にかけて、Indogrosirはeコマース(オンラインストア)Klikindogrosir.comを立ち上げ、メンバーが簡単に利用できるようにした。
Indogrosirを支えるサプライヤーとディストリビューターは約600社。取り扱う商品は、食品、非食品、雑貨、生鮮食品など約5,000点。Indogrosirと協働している中小企業パートナーは約13万社ある。
出典:http://www.indogrosir.co.id/
インドネシアの主要スーパー・コンビニエンスストア2選〜日系編〜
FamilyMart Indonesia(ファミリーマート・インドネシア)
2012年に設立された日系のコンビニエンスストアチェーン。
インドネシアで唯一のフランチャイズライセンス保有者(マスターフランチャイズ)はPT Fajar MitraIndah。PT Fajar Mitra Indahは、インドネシア最大の消費財企業であるWINGS GROUPの子会社の1つであり、特に家庭用品、パーソナルケア、日用消費財、飲料分野で60年以上の歴史がある。WINGS GROUPは、建築材料、化学薬品、不動産、アグリビジネス、小売などのさまざまなビジネスラインのリーダーであり、インドネシアおよびグローバルに50,000人以上の従業員を擁している。
ファミリーマートインドネシアは2012年にチブブルエリアに1号店をオープンしてからジャカルタ周辺エリアを中心に急成長を遂げている。現代のライフスタイルの変化を捉え、ペストリー、ブリオッシュ、パオ、餃子、クリスピーチキン、点心、丼など、すぐに食べられる食品や飲料を開発することで、消費者のニーズに対応している。
出典:http://familymartindonesia.com/about.html
LOWSON Indonesia(ローソン・インドネシア)
2011年にインドネシアに進出した日系のコンビニエンスストアチェーン。
2011年ローソンはインドネシアで「Alfamidi(ミニマート)」を運営するPT Midi Utama Indonesia Tbk (MIDI)とマスターライセンス契約を締結。ローソンが持つコンビニエンスストア運営ノウハウや商標等のライセンスをMIDIに対し供与し、インドネシア国内における「ローソン」ブランドのコンビニエンスストアの店舗展開を支援することに合意。2018年MIDIは99%出資する子会社PT Lancar Wiguna Sejahteraを設立し「ローソン」の運営を行っている。ローソンインドネシアは2020年7月末時点で71店舗展開している。
2020年にNECの店舗業務向けシステム・ノウハウ(映像分析、IOTセンサー技術など)を活用して店舗オペレーション、お客様の購買動向、店舗機器の電力使用量の可視化を行い、効率化と売上向上の実験をGraha Tamiya店で行い、インドネシアをはじめアジアの店舗への導入を検討している。
出典:https://www.lawson.jp/en/oversea/indonesia/
https://www.idx.co.id/perusahaan-tercatat/profil-perusahaan-tercatat/detail-profile-perusahaan-tercatat/?kodeEmiten=MIDI
https://www.lawson.co.jp/company/news/039115/ https://www.lawson.co.jp/company/news/detail/1404556_2504.html
インドネシアの主要スーパー・コンビニエンスストア2選〜外資系編〜
Circle K(サークルK)
25年以上にわたり、インドネシアで最も人気があり成功している米系の小売コンビニエンスストア。現在、インドネシア全土の7つの都市(ジャカルタ、バリ、バンドン、ジョグジャカルタ、スラバヤ、マカッサル、バタム)に500店を超えるサークルKストアがある。
サークルKの店舗では、サークルKコーヒー、フロスター、生鮮食品、毎日の飲み物、スナック、キャンディー、ATM、サークルKギフト、両替など、さまざまな商品オプションを提供している。サークルKでは、一口サイズからファミリーサイズ、塩辛いものから甘いものまで、温かいおもてなしと快適なショッピング体験を提供している。
また、多くのサークルKの店舗はシェルやプルタミナのガソリンスタンドを含む燃料店とのコラボやPJKAI(インドネシアの国有鉄道)やPOSインドネシア(インドネシアの郵便局)とのコラボをしており、買い物と燃料補給や郵便送付などワンストップでできる便利さがある。
出典:https://circlekindo.com/
Super Indo(スーパー・インド)
1997年に設立されたインドネシアのスーパーマーケット。インドネシアのサリムグループとオランダのAhold Delhaizeの合弁。現在、スーパーインドにはジャワ島とスマトラ島南部の40都市に186店舗あり、8,500人を超える訓練を受けた従業員によってサポートされている。
信頼できる品質、豊富な品揃え、低価格とアクセスしやすい場所の店舗で、さまざまな日用品を提供している。スーパーインドは地元の製品のサポーターとして、地元の農家と提携し、地元の中小企業のサプライヤーを元気付けることで、地元経済の活性化に貢献している。そして、ネットワークの成長と拡大を続けることで、常に地元の人々に雇用機会を提供している。
スーパーインドでは、最高のサービスと高品質の製品を提供するだけでなく、地域社会に前向きな変化をもたらし、より良い隣人たるために、健康的なライフスタイルの促進、慈善活動、廃棄物のない管理など、さまざまな持続可能な活動を行っている。
出典:https://www.superindo.co.id/korporasi-keberlanjutan/corporate/about_us
インドネシア在住のインドネシア人。観光ガイドと通訳者を務め、インドネシアの観光地を日本語で案内している。日本語学科の大学を卒業し、邦人対応観光ガイド・国際イベントでの日本代表団担当連絡係員・通訳者・日本領事事務所長の地元アシスタントを経験。