タイの家電量販店業界は、Power BuyやBaNANAなどローカル大手がスマートフォン・IT製品から生活家電まで幅広い需要を取り込む市場です。13社の主要企業が地方都市への店舗展開とオンライン販売の強化で、デジタル家電需要の拡大を追っています。
今回は、そんなタイの家電量販店業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて13社の最新情報をお届けしていきます!
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タイの主要家電量販店企業11選〜ローカル編〜
Power Buy Co., Ltd. (パワーバイ)
Power Buyは1989年にセントラルグループの電器部門として創業し、Central Retail Corporation(CRC)傘下で独立ブランドとして確立されたタイ最大手の家電量販チェーンである。テレビ・エアコン・冷蔵庫などの白物家電から、スマートフォン・PC・タブレットまで取り揃え、「ワンストップ・エレクトロニクスハブ」として消費者に支持されている。
全国140店舗超を展開し、2025年には地方都市への出店を継続。2024年第4四半期にはチョンブリー、パタヤなど複数店舗のリニューアルを実施し、プレミアム路線へのシフトを加速させた。
セントラルチットロム店をフラッグシップとして高付加価値客の取り込みを強化しており、ECサイト powerbuy.co.th との連携によるオムニチャネル戦略も主要購買チャネルに成長している。
2026年4月にはタイ・アジア両域でのブランド賞を3冠受賞し、創業30年超の実績を背景に家電小売業界のリーダー的地位を維持している。
出典:https://www.powerbuy.co.th/en
IT City Public Company Limited (ITシティ)
IT Cityは1996年に設立されたタイの大手IT製品専門量販チェーンであり、タイ証券取引所(SET)にティッカーシンボル「IT」として上場している。「IT CITY」「C.S.C.」「ACE」「IT DOT」の各ブランドで全国約300店舗を展開し、スマートフォン・タブレット(売上の約58%)、PCおよびIT機器(同27%)、アクセサリー類(同7%)を中心に販売する。
2024年には新規10店舗を出店する一方で11店舗を整理し、収益性重視の店舗戦略に転換した。同年、AISとの提携により売上100億バーツ達成を目指す戦略を発表し、ネットワーク事業との連携強化を図っている。
ECチャネルはitcity.in.thを通じた受取型購買の整備を進め、2025年第2四半期から全店舗での在庫取り寄せ・店頭受取サービスを開始した。2025年の業績では時価総額13億バーツ超、EBITDAは5.5億バーツ程度と堅調な水準を維持している。
出典:https://itcity.co.th/en
BaNANA (COM7 / Comseven Public Company Limited) (バナナIT)
BaNANA(バナナ)は、タイ証券取引所上場のCom7 Public Company Limited(SET:COM7)が運営するスマートフォン・IT製品量販チェーンである。全国77県をカバーする600店舗超のネットワークを有し、Apple製品・スマートフォン・ノートPC・ゲーミング機器・周辺機器を幅広く取り扱う。
Com7全体では2025年第1四半期時点で1,311店舗(BaNANA・Studio7等の合算)を展開し、2025年末までに1,400店舗超を目指している。2024年の連結売上高は790億バーツ(前年比13.7%増)、純利益は33億バーツ(同15%増)と過去最高水準を更新した。
Commart Expo 2024でも大規模ブースを出展するなどイベント販売にも注力している。オンラインチャネルはbnn.in.thを通じて24時間購買に対応し、実店舗との在庫連携も強化している。
出典:https://www.bnn.in.th/en
JIB Computer Group Co., Ltd. (JIBコンピュータグループ)
JIB Computer Groupは2016年に設立されたタイのPC・周辺機器・スマートフォン専門量販チェーンであり、全国170店舗超を運営してバンコクを中心に地方へも展開を拡大している。カスタムPC(自作PC)の対面提案・組み立てサービスに強みを持ち、ゲーミングPC・ノートPC・モニター・ゲーミング周辺機器の品揃えが充実している。
オンラインストア jib.co.th は2025年に年間売上3,200万米ドルを記録し、2026年には10〜15%の成長が見込まれている。2025年2月開催のCommart Thailand Expo 2025では最優良ブース(A1-A2区画)を確保し、多数の来場者を集めた。
Intelの公認パートナーとしてB2B・法人向け販売も強化しており、企業・教育機関への提案営業を並行して推進している。ゲーミング市場の拡大とAI対応PCの需要増を背景に、中期的な成長余地は大きい。
出典:https://www.jib.co.th
Big Camera Corporation PCL (ビッグ・カメラ・コーポレーション)
Big Camera Corporation PCLは1990年代に創業したタイのカメラ・撮影機器専門量販企業で、タイ証券取引所(SET)に「BIG」として上場している。デジタルカメラ・レンズ・シネマカメラ・アクションカメラ・ドローン・映像機器・音響機器・照明機材など、プロからアマチュアまで幅広い撮影機器を取り扱う国内最大規模の専門チェーンである。
バンコクおよび主要観光地を中心に複数の実店舗を運営し、写真現像・修理サービスも提供する。2025年のトレーリング12カ月売上高は約1億1,500万米ドル、時価総額は約3,350万米ドルである。2025年の純売上は前年比0.81%増と小幅成長を維持した。
スマートフォン・モバイル関連製品もラインナップに加え、ヘッドフォン・メモリカード・三脚・カメラバッグなど周辺アクセサリーの品揃えも充実している。観光業の回復に伴う外国人需要と国内ミラーレス市場の拡大が業績を下支えしている。
出典:https://www.bigcamera.co.th
Numchai Home Electronic Co., Ltd. (ナムチャイ・ホーム・エレクトロニック)
Numchai Home Electronicは、チョンブリー県バンラムン郡(パタヤ)を拠点とするタイ東部最大級の家電・生活家電専門小売業者である。「チョンブリー最大の電器店」として地域に根ざした事業を展開し、Hitachiエアコンの公式ディストリビューターをはじめ、Philips・Electrolux・Tefal・三菱など主要ブランドの家電製品を幅広く取り扱う。
テレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機・調理家電などの大型・中型家電のほか、季節家電・小型調理器具まで在庫を揃える。パタヤ在住の外国人居住者や観光客にもよく知られた存在であり、スクンビット通り沿いに大型店舗を構える。
近年はInstagram等のSNSを活用した新製品情報発信にも積極的に取り組んでいる。地域の大手量販チェーンが進出しにくい中小規模商圏において、地元密着型の手厚い顧客サービスと豊富な在庫が競争上の強みとなっている。
出典:https://numchai.com
Tukcom Co., Ltd. (トゥクコム)
Tukcom(トゥクコム)は、タイ東部チョンブリー県パタヤ市内に位置する大型IT・電子機器専門ショッピングモールである。サウスパタヤとノースパタヤの2拠点を有し、コンピュータ・ノートPC・スマートフォン・ゲーム機・カメラ・周辺機器・電子部品・ソフトウェアなど幅広いIT関連製品を販売する200店舗超のテナントが集積する。
パタヤを代表する「ITモール」として国内外の観光客・在住外国人・地域住民から親しまれており、TripAdvisor 2026年版でも引き続き主要観光スポットとして掲載されている。フロアごとにPC・ゲーム・携帯・セキュリティカメラなどの専門ゾーンが設けられ、パーツの即日購入やカスタムPC組み立て対応が可能な点が特徴である。
新型コロナ禍を経てテナント数はやや減少したものの、営業は継続しており、パタヤ観光業の回復に伴い来客数の持ち直しが確認されている。営業時間は日曜〜木曜10:30〜22:00、金土10:00〜22:00。
出典:https://tukcom.com
Thai Panich Marketing Co., Ltd. (タイ・パニット・マーケティング)
Thai Panich Marketing Co., Ltd.(タイ・パニット・マーケティング)は、タイ北部ピサヌローク県ムアン郡に本社を置く家電・電子機器の小売・卸売業者である。家庭用電気機器および電子機器の販売を主業とし、タイ中北部地域向けに製品を供給してきた実績を持つ。
大手量販チェーンが十分に展開しにくい地方中都市において、地域バイヤーや小売店への卸供給と一般消費者向け小売の両方を手がけることで独自のポジションを確立している。扱い製品はテレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機などの白物家電から音響機器・照明器具まで多岐にわたる。
詳細な財務情報は非公開であるが、D&Bの企業登録データおよびタイ商業省の記録に基づき、ピサヌロークを代表する家電流通事業者の一社として継続的な活動が確認されている。地方都市における家電需要の底堅さを背景に、地域密着型の販売・サービス体制を維持している。
出典:https://www.thaimart.co.th
Advice IT Infinite Public Company Limited (アドバイスITインフィニット)
Advice IT Infiniteは、ノンタブリー県に本社を置くタイ証券取引所(SET)上場のIT量販チェーンである。コンピュータ・スマートフォン・周辺機器の小売および卸売を主業とし、338店舗(直営110店・フランチャイズ228店)を展開している。
フランチャイズモデルによる地方展開が特徴であり、2026年末までに390店舗(直営130店)体制を目指し、IPOで調達した約5億バーツを新規出店と既存店舗改装に充当する計画を進めている。直近の年間売上高は約4億7,300万米ドルと業界上位水準にある。
2024年第1四半期には「iStudio by Advice」を開設し、Apple正規販売店としての新業態を立ち上げた。これにより従来のIT汎用量販に加え、Appleエコシステムを核とした高付加価値販売へのシフトを図っている。
出典:https://www.advice.co.th
Studio 7 (Com7 / Comseven Public Company Limited) (スタジオ7)
Studio 7は、2005年に設立されたタイ最大のAppleプレミアムリセラーであり、Com7 Public Company Limited(SET:COM7)が運営する。iPhone・iPad・Mac・Apple Watch・AirPodsなどApple製品の公式ラインナップを全店で取り揃え、メーカー認定の購入後サポートを提供している。
2025年第1四半期時点で全国100店舗超を展開し、2025年末までにさらに30店舗の新設を計画している。2025年1月にはチェンマイ初の独立型旗艦店「Studio7 @Think Park」を開業するなど、地方中核都市への浸透を加速している。
Thailand Mobile EXPO 2025(2025年1〜2月)やその他の大型展示会にも積極的に出展し、新製品投入のたびに大規模プロモーションを実施している。Com7全体の2024年売上高790億バーツのうち、Studio7ブランドは高客単価モデルとして利益率向上に貢献している。
出典:https://www.studio7thailand.com/en
Jaymart Group Holdings Public Company Limited (ジェイマートグループ)
Jaymart Group Holdings Public Company Limitedは1988年12月に設立され、タイ証券取引所(SET)にティッカーシンボル「JMART」として上場する総合テクノロジー投資持株会社である。家電割賦販売からスタートし、1992年に携帯電話の小売・流通事業に参入して以来、モバイル小売の大手に成長した。
現在は全国約200のモバイルショップを運営し、主要通信キャリアの全ブランドおよびApple・Samsung・Xiaomi等のスマートフォンブランドを取り扱う。2024年の年間売上高は約3億1,720万米ドル、直近12か月では約4億6,800万米ドルに達し、黒字経営を維持している。
事業セグメントは「トレーディング(小売)」「債権回収管理」「不動産賃貸」「その他(カフェ等)」の4分野に多角化しており、2023年4月に現社名へ変更して持株会社体制への移行を完了した。
出典:https://www.jaymart.co.th/en
タイの主要家電量販店企業1選〜日系編〜
Panasonic (Thailand) Co., Ltd. (パナソニックタイランド)
パナソニックはタイに1960年代から事業基盤を築いた日系電機メーカーの代表格であり、Panasonic (Thailand) Co., Ltd.として製造・販売・アフターサービスを一体的に展開している。エアコン・冷蔵庫・洗濯機・テレビ等の白物家電に強みを持ち、タイ国内での現地生産によるコスト競争力を確保している。
2023年12月期の国内製造法人の売上高は97.3億バーツで安定した収益基盤を維持している。小売面ではPower BuyやAdvice IT等の大手量販店を主要販路とし、自社ショールームでも顧客体験の強化を図っている。
「Panasonic Go」イニシアティブ(2025年1月発表)のもとAIを全製品に統合する方針を打ち出し、スマートホームソリューションへの展開を加速している。アユタヤ工場(Panasonic Industry部門)では2025年に新棟建設を発表し、AIサーバー向け多層基板材料の生産能力倍増を目指している。
出典:https://www.panasonic.com/th/
タイの主要家電量販店企業1選〜外資編〜
Samsung Electronics Thailand (サムスンエレクトロニクスタイランド)
Thai Samsung Electronics Co., Ltd.は1989年に設立された韓国系電機メーカーの現地法人であり、セールス・マーケティング・製造の三機能をタイ国内に持つ。チョンブリー県のシーラーチャー工業団地に製造拠点を構え、家電・電子機器を国内外に供給している。
小売面では全国128か所以上のサムスンブランドショップおよびエクスペリエンスストアを通じて消費者に直接販売しており、AIスマートフォン(Galaxyシリーズ)・テレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機などの幅広い製品カテゴリーで首位争いを展開する。
2025年にはバンコクのKings Quartiエリアに東南アジア最大規模のB2Bビジネスエクスペリエンスセンター(約900㎡)を開設し、法人向けAIソリューション提案を本格化した。「3年以内に全カテゴリー市場リーダー」を目標に掲げ、販売網の強化とブランド体験の高度化を続けている。
出典:https://www.samsung.com/th/
FAQ
タイの家電市場および家電量販店の動向とは?
タイの家電市場と主要プレイヤーを理解することは、現地での事業展開やパートナー選定において極めて重要です。本記事ではタイの家電量販店の主要企業を詳しく解説します。
タイの家電量販店の主要な企業にはどのような特徴がありますか?
主要企業は、それぞれ多角的な事業展開とともに、地域性や品ぞろえの特色を持ち、国内外のブランドを幅広く取り扱っています。
ローカルの家電量販店と日系外資系企業の違いは何ですか?
ローカル企業は地域密着型で多角的なビジネスを展開する一方、日系外資系企業はブランド力や技術力に基づき、品質やサービスに重点を置いています。
タイの家電市場においてオンライン販売の役割は何ですか?
オンライン販売は、実店舗と連携して顧客の多様なニーズに応え、利便性や購買範囲の拡大に寄与しています。
タイの家電市場に参入を検討している日本企業にとっての第一歩は何ですか?
市場調査と主要企業の理解を深め、最適なパートナーや戦略を見つけることが、成功への第一歩です。

