今回は、タイの主要家電量販店に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて12社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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タイの主要家電量販店9選〜ローカル編〜
Home Product Center PCL. (ホーム・プロダクト・センター)
1995年にタイの不動産大手、Land And Houses PLC.とQuality Houses PCL.によるジョイントベンチャーとして設立された家電量販店である。 2001年よりタイ証券取引所SETに上場している。HomeProという店名の家電量販店を展開し、家電、IT製品、インテリア製品など、国内外のブランドの計40,000以上の商品を取り扱っている。大型の家電は家への設置サービスを行っている他、家電のクリーニング、メンテナンスサービスもある。また、公式サイトで家具・家電やインテリアに関する有益な情報の発信も行っている。HomeProはタイ国内に86店舗、マレーシアにも7店舗を展開する。ショッピングモール内の小型店舗、HomePro Sもタイ国内に6店舗存在する。公式サイトでオンラインショッピングにも対応している。
また、同社では家電量販店事業以外にもコミュニティモールのMarket Village、ホームセンターのMega Home、物流倉庫のDC Service Centerといった幅広い事業を展開している。
2020年度の売上高は前年比8.4%減の61,765百万バーツ、純利益は前年比17%減の5,155百万バーツであった。
出典: https://hmpro.listedcompany.com/
Power Buy Co., Ltd. (パワー・バイ)
1996年に設立された家電量販店。タイの小売大手セントラル・グループの傘下である。家電、IT製品、携帯電話・スマートフォン、その他ガジェット類などを取り扱う。製品は国内外から仕入れた800以上のブランドを取り揃えている。また、購入した商品にトラブルがあった場合には店舗および自宅を訪問してのメンテナンス・修理サービスにも対応している。現在、タイ全国に122店舗が存在する。店舗はセントラルのデパートやその他のショッピングモール内に入っている場合が多い。公式サイトでオンラインショッピングにも対応しており、12月12日にはMEGA FESTIBALと称して大規模なプロモーションを行っている。
2020年度の売上高は前年比12%減の17,268百万バーツ、純損益は210百万バーツの赤字であった。
出典:https://www.powerbuy.co.th/th
Big Camera Corporation PCL. (ビッグ・カメラ・コーポレーション)
1980年に設立された家電量販店。1991年よりタイ証券取引所SETに上場している。カメラ、レンズ、ドローン、スタジオライト、オーディオ機器、映像制作機器などを取り扱う。Big Cameraとしてはタイ全国に156の支店が存在する。他にもデジタルカメラに特化したBig Camera Galleria、カメラレンズやブログ、Youtube投稿用の機材をメインに取り扱うExclusif 、プリントサービスのWonder Photo Shop、携帯電話ショップのAISおよびTelewizブランドの店舗を含め、計180店舗以上が存在する。公式サイトでオンラインショッピングにも対応している。
2020年度の売上高は前年比44%減の2,536百万バーツ、純利益は前年比94%減の12百万バーツであった。
出典:https://www.bigcamera.co.th/
Lotus‘s (ロータス)
1994年にLotus Super Centerとして設立されたハイパーマーケット。当初はタイの財閥チャロン・ポカパン(CP)グループによる運営であったが、1998年からはイギリスの小売大手Tescoが資本参加しTesco Lotusとして親しまれていた。2020年にTescoがタイおよびマレーシアから撤退し再びCPグループの所有となったことで、ブランド名をLotus’sへ変更した。
食料品や生活必需品、化粧品、衣料品などあらゆるものを取り揃えるハイパーマーケットであるが、家電製品も充実している。冷蔵庫、電子レンジ、TVなどの大型家電、電気ケトル、トースターなどのキッチン家電、アイロンやシェーバーなどの生活家電まで幅広い製品を取り揃えている。
また、同社ではコンビニエンスストア形態の小型店Tesco Lotus Expressやオンラインショッピングも展開する。
現在ではタイ全国に計2,000店舗以上を展開し、オムニチャネルと合わせて週に1,000万人もの顧客に商品を届けている。
2020年度の売上高は前年比0.4%減の187,959百万バーツ、純利益は前年比55%増の12,107百万バーツであった。(運営会社Ek-Chai Distribution System Co., Ltd.の実績)
出典:https://corporate.lotuss.com/
Big C Supercenter PCL. (ビッグシー・スーパーセンター)
1993年にタイの小売大手セントラルグループにより設立されたハイパーマーケット。2016年からタイ証券取引所SET上場の大手商社バーリユッカー社(BJC)傘下となった。生鮮食品、加工食品、衣料品、家具、家電などを取り扱う大型店舗Big C SupercenterやBig C Extraなどを展開する。家電製品も冷蔵庫、電子レンジ、TVなどの大型家電、電気ケトル、トースターなどのキッチン家電、アイロンやシェーバーなどの生活家電まで幅広い品揃えがある。他にもコンビニエンスストア形態の小型店MIni Big C、ドラッグストアのPure Pharmacyなど様々な店舗を展開し、オンラインショッピングにも対応している。現在ではタイ全国に1,500店舗以上を展開し、計16,000人以上の従業員を擁する。また、カンボジアやラオスなどの周辺諸国にも進出している。
2020年度の売上高は前年比10%減の100,081百万バーツで、純利益は不明。
出典:https://corporate.bigc.co.th/
Numchai Home Electronic Co., Ltd. (ナムチャイ・ホーム・エレクトロニック)
2003年に設立された家電量販店。東部のリゾート地、パタヤに店舗を構え、オンラインショッピングともに商品を提供している。取り扱い製品はTV・オーディオ、冷蔵庫、エアコン・空気清浄機、冷蔵庫、食洗機などの大型家電、スマートフォンなどのモバイル製品、電気ケトルなどのキッチン家電など幅広い品揃えがある。取り扱いブランドはLG、Electrolux、三菱電機など海外のものが多い。また、販売だけでなくエアコンのクリーニングサービスも行っている。同社の紹介をするYoutubeチャンネルも存在する。
2020年度の売上高は前年比19%減の586百万バーツ、純利益は前年比112%減の2.2百万バーツであった。
出典:https://www.numchai.com/
Tukcom Co., Ltd. (トゥクコム)
1984年に東部チョンブリ県シラチャ郡にLaemthong Sriracha Department Store (1984)として設立されたITショッピングモール。2003年より現在の社名となっている。Tukcomという名称のコミュニティーモールおよびモバイル&ITモールを展開する。Tukcomのモール内ではスマートフォン、パソコン、ノートパソコン、カメラ、ハードウェア製品、ソフトウェア製品、デジタル機器修理業者など、大小さまざまなIT関連ストアが存在する。そのほかにもスーパーマーケットやレストラン、、塾や子どもの遊び場なども備え、ファミリー層の憩いの場になっている。現在、タイ国内のTukcomは東部シラチャ、東部のリゾート地パタヤ、東部チョンブリ、東北部コンケン、東北部ウドンタニの5か所が存在している。
2020年度の売上高は前年比37%減の95百万バーツ、純損益は1.1百万バーツの赤字であった。
出典:https://tukcom.com/
Thai Panich Marketing Co., Ltd. (タイ・パニット・マーケティング)
1996年に設立された家電量販店。Thai Martという名称の家電量販店を展開する。取り扱い製品はTV・オーディオ、冷蔵庫、エアコン・空気清浄機、冷蔵庫、食洗機などの大型家電、スマートフォンなどのモバイル製品、炊飯器などのキッチン家電など幅広い品揃えとなっている。ブランドは国内外の様々なものを取り扱っている。また、販売だけでなく、家電のクリーニング、メンテナンスサービスにも対応する。店舗は北部ピサヌロークを中心に、ウタラディット、スコータイ、ピチットなど近郊の県に21店舗が存在する。携帯電話ショップのAISおよびTelewizブランドの店舗も運営している。
2020年度の売上高は前年比24%減の436百万バーツ、純利益は前年比4%減の127千バーツであった。
出典: https://www.thaimartshop.com/
Asset World Retail Co., Ltd. (アセット・ワールド・リテール)
バンコク中心部のプラトゥーナム地区に存在するITショッピングモール、Pantip Plazaを運営する。2006年に設立された。Pantip Plazaではスマートフォン、パソコン、ノートパソコン、カメラ、ハードウェア製品、ソフトウェア製品、デジタル機器修理業者など、大小さまざまなIT関連ストアが入っている。ITの聖地として知られており、地元の住民や外国人観光客に人気のスポットとなっている。また、レストランやファッションブランドの店舗もある。Pantip Plazaは他にもバンコク西部のバンカピ地区、バンコク北郊ノンタブリ、北部チェンマイも合わせて計4か所が存在する。
2020年度の売上高は前年比48%減の1,251百万バーツ、純損益は180百万バーツの赤字であった。
出典:http://www.pantipplaza.com/
タイの主要家電量販店2選〜日系編〜
Sony Thai Co., Ltd. (ソニー・タイ)
日系大手電機メーカー、Sonyのタイ拠点。タイでは1988年に設立された。TVやカメラ、スマートフォンなどのソニー製品の販売およびメンテナンスを行っている。店舗はソニーストアの5店舗を含むサービスセンターがバンコクに10店舗、その他の地方の県に10店舗の計20店舗が存在する。ソニーストアはサイアム・パラゴンやエムクォーティエなど大型ショッピングモールに入っている。また、自社のオンラインショッピングにも対応している。ソニーグループでは他にも半導体を製造するSony Device Technology (Thailand) Co., Ltd.、TVやオーディオ製品を製造するSony Technology (Thailand) Co., Ltd.がタイに存在する。
2020年度の売上高は前年比28%減の4,137百万バーツ、純利益は前年比39%減の97百万バーツであった。
出典:https://store.sony.co.th/
Sharp Thai Co., Ltd. (シャープ・タイ)
日系大手電機メーカー、Sharpのタイ拠点。タイでは1989年に設立された。シャープグループとタイのBangkok Trading Co., Ltd.およびThai City Electric Co., Ltd.の合弁会社であり、シャープ製品の製造、販売を行う。製品はテレビ、オーディオ、エアコン、空気清浄機、キッチン家電、ワイヤレスイヤホンなど様々なものを取り扱っている。シャープグループでは他にもSharp Appliance (Thailand) Co., Ltd. およびSharp Manufacturing (Thailand) Co., Ltd.がタイ国内でのシャープ製品の製造を行っている。
2020年度の売上高は前年比11%増の6,948百万バーツ、純利益は前年比91%減の5.7百万バーツであった。
出典: https://www.th.sharp/
タイの主要家電量販店〜外資系編〜
Haier Electrical Appliances (Thailand) Co., Ltd. (ハイアール・エレクトリカル・アプライアンス・タイランド)
中国系大手電機メーカー、Haierのタイ拠点。タイでは2002年に設立された。ハイアールブランドの冷蔵庫、エアコン、空気清浄機、洗濯機、TVなど、家電製品全般の卸売、小売を行っている。店舗はタイ国内に30のハイアールブランドショップを展開する。マーケティングに力を入れており、テレビ、オンラインメディアや、Facebook、Instagram、TiktokなどのSNSでも積極的に広告を出し、ブランドの認知度を上げようとしている。また、ハイアールグループでは他にも研究開発拠点および製造拠点をタイ国内に持つ。
2020年度の売上高は前年比28%増の5,728百万バーツ、純利益は前年比173%増の33百万バーツであった。
出典: https://www.haier.com/th/