今回は、ベトナムの主要ドラッグストアに焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて16社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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ベトナムの主要ドラッグストア11選〜ローカル編〜
ECO Phamaceuticals (エコ・ファーマシューティカル)
2008年にハノイで設立されたローカルの調剤薬局型ドラッグストア。同社は 2017年にエコグリーンという電子商取引(ECサイト)を開発し、 オンライン経由での製品販売も行っている 。
同社の主な事業は、アメリカ製の医薬品の輸入及びベトナム国内で販売である。同社には経験豊富な薬剤師が数多く揃っており、医薬品やワクチン、 医薬品材料、医療機器等の輸出入等も行っている。
同社はハノイ(本社)及びホーチミン市及びダナン市に支社を展開している。 同社の製品は全国63の省・Thの20,000箇所以上のドラッグストア、全国の100以上の病院に製品を提供している。
同社はベトナム初のWHO-GSP, GDP、 GPPの認証を取得した調剤薬局型ドラッグストアである。また、同社の様々な活動が評価され、ベトナムユネスコ協会やベトナム政府(税務局)などからの表彰を受けている。
出典:https://ecopharma.com.vn/vn
IDC Pharmacy (アイ・ディー・シ・ファーマシ)
2018年設立。同社の特徴は、1店舗当たりの投資額が5億VND未満の中 規模薬局モデルのフランチャイズで事業を拡大している。同社は薬局に 加えてマスク工場も保有している。
同社は社歴は浅いが、ベトナム国内で60店舗以上を展開しており、ホーチミン市やハノイ市、ビンズオン省などの主要都Thに事業を拡大している。全国で約1,000人の高度にトレーニングを受けた薬剤師が、全国で顧客にサービスを提供してる。
同社の店舗では医薬品にサプリメント、美容品、日用消費財等を取り扱っている。また消費者の利便性の向上に積極的に取り組んでおり、自社サービスや自社システムの改善に取り組んでいる。
出典:https://nhathuocidc.com/
Phano Pharmacy (ファノ・ファーマシ)
2007年設立。同社はローカルの大手調薬企業である。同社はクリニックや病院の患者向けのサービスに加えて、スーパーやデパート内に調剤薬局型ドラッグストアを展開した初めてのローカル系薬局チェーンである。
ベトナムの中部~南部を中心にベトナム国内で40店舗以上を展開してい る。2021年1月時点に300薬剤師、500従業員が揃っており、300以上の取引先がある。
同社の店舗では医薬品やサプリメントなどの販売、調剤などを行ってい る。オムロン、バイエル、サノフィなどの様々な有名メーカーの製品等も 取扱っている。
同社ではGPP、GSP、GDPの認証を取得しており、ベトナムのトップ500社 (VNR500)にも選ばれている。
また、自社ECサイト(Phanolink)及び自社スマホアプリ(eDoctor)を開発し、ECサイトとアプリを連携させてオンラインで製品を購入できる体制を 構築している。
出典:https://phanopharmacy.com/
Sapharco
1975年設立。同社の本社はホーチミンThにあり、国営企業(100%)である。 同社は2010年に13,000㎡以上の面積を有するサイゴン医薬品流通センターを開設し、医薬品の保管及び流通活動を行っている。同社の従業員数は約 2,800名である。
同社の主な事業は医薬品、機能性食品、医薬品製造の原材料の製造及び医薬品の取引、薬の保管及び試験サービス、薬品などの通関仲介サービスである。
同社は、ハノイ市、ダナン市、ホーチミン市、カントー市などの国内の大都 Thを中心に、全国に医薬品や医療機器供給するネットワーク(卸売店、小売 店等) を構築している。
同社の売上高は年間1兆ドン(約50億円)を超えており、全国の医薬品市場約10%のシェアを獲得している。
同社では2030年までに医薬品の製造及び販売、流通の分野でベトナムのトップ企業の1社を目指している。
出典:https://www.sapharco.com/
Siêu thị thuố=c Việt (シュー・ティ・トゥオック・ベト)
2010年設立。同社はハノイ市で最大の薬局チェーンである。ハノイ市内で23店舗、ホーチミン市に2店舗を展開している。
同社の店舗では医薬品、漢方薬、機能性食品、化粧品、医療機器を取り扱っている。
同社はベトナムの国内で主要な小売業者、卸売業者になることを目指し ている。
出典:https://www.muathuoc.vn/
My Chau Pharmacy (ミ・チャウ・ファーマシ)
1987年設立。同社の主な事業は医薬品や機能性食品、飲食物、化粧品の販売、外国製医薬品の輸入などである。
同社の店舗では店頭での販売に加えて、電話での相談サービスやウェブ サイトからのオンライン相談・製品販売等も行っている。
同社では現在10店舗の薬局を展開している。今後、全国で80店舗を展 開するために、国内外の多くの投資家等から資金等のサポートを受けている。
出典:https://nhathuocmychau.com/
MEKOPHAR (メコファー)
1975年設立。同社は2010年にHOSEに上場し、2017年にUPCOM(新興市場)にも株式上場している。本社はホーチミン市。同社は日本のニプロ株式会社の医薬品製造子会社ニプロファーマ株式会社から出資を受けている。
同社グループには医療機関(アンシン総合病院)、細胞バンク(メコステム: MekoStem)、製薬工場がある。従業員数は700人以上。
同社の主な事業は医薬品や化学薬品、医薬品などの原材料及び補助材料、医療機器、漢方薬の製造及び販売、輸出入である。
同社はホーチミン市やハノイ市、ダナン市、カントー市などの大都市を含めた全国の医療機関と取引をしている。
同社ははベトナムに加えてラオスやミャンマー、カンボジアなどの東南アジア地域、コンゴなどのアフリカ地域にも製品を供給している。
出典:https://www.mekophar.com/
Nhà thuố=c An Khang (ナー・トゥオック・アン・カン)
同社のルーツは2006年に設立されたフクアンカン調剤薬局(ドラッグストア)であり、2017年にベトナム最大手の携帯電話小売・家電小売企業 (テーゾイジードン投資:Mobile World Investment)が買収し、自社ブ ランドの地場薬局チェーン(Phuc Anh Khang)として運営している。
同社はベトナム全国で147ヵ所の薬局を運営しており、 化粧品や医薬品、サプリメントなどを幅広く取り扱っている。
同社は事業拡大を優先しており、2020年第3四半期時点で38億VNDの赤字に陥っている。
出典:https://www.nhathuocankhang.com/
MEDiCARE (メディケア)
2001年設立。ヘルスケア&美容の分野でベトナム有数の小売企業である。
同社では化粧品やスキンケア製品、ヘアケア製品、ベビー用製品、サプリメント等を中心に外国製の製品を多く取り扱っており、日本の製品も数多く取り扱っている。
同社の特徴は厳格な審査をパスした製品のみを取り扱っている。また、同社の従業員は社内でしっかり教育・講習を受けている。
同社の店舗は安心安全な製品を購入することができるため、ベトナム人や外国人などから人気である。現在ベトナム国内で50店舗以上を展開している。
ベトナム国内でのサプライチェーン強化のため、2014年に自社の大型冷蔵倉庫を開設した。同社は大手ECサイト(Now、Sendo等)と提携しており、 オンラインでも同社で取り扱っている製品を購入できる。
出典:https://www.medicare.vn/
VinFa (ビンファ)
2018年設立。同社はベトナム最大のコングロマリット(ビングループ) 傘下のドラックストアチェーン。ベトナム北部を拠点に店舗を拡大して きたが、2018年以降ベトナムの南部にも店舗を拡大している。
同社では化粧品や医薬品、サプリメントなどの販売に加えて、グループ内(ビングループ)で医薬品などの研究開発・製造販売などを行っている 研究所機関等もある。
同社では世界基準の厳しい基準を満足する健康食品やワクチン、医療機器の研究・製造等も行っている。製薬分野で世界をリードしているアメ リカやオーストラリアなどの企業・団体と提携し、技術移転や医薬品の輸入等も行っている。
出典:https://vinfa.net/
Nhà thuố=c Long Châu (ナー・トゥオック・ロン・チャウ)
同社のルーツは2007年に設立された「ロンチャウ」という調剤薬局型のド ラッグストアである。
2017年にベトナムの民間最大手IT企業(FPT Holdings)傘下で携帯電話・IT 製品小売事業を手掛けるFPTリテールが同社に出資し、ドラックストアやコスメショップ(Fbeauty)として展開をしている。
同社では2022年までにベトナム国内で400店舗を展開し、同社を含めたFPT リテールグループの小売事業全体の売上の約40%、ベトナム国内の医薬品小売市場のシェア30%の獲得を目指している。現在、同社はベトナム国内で330店舗を展開している。
同社は2021年第2四半期時点の売上高は、前年の約3倍 (1兆3360億VND)に達している。同社を含めたFPTリテールは8年連続でベトナム経済新聞が選ぶ「ベトナムのトップ100ブランド」に選ばれている。
出典:https://nhathuoclongchau.com/
ベトナムの主要ドラッグストア〜日系編〜
マツモトキヨシベトナム
千葉県松戸市に本社を置く日系の大手ドラッグストアチェーン(株式会社マ ツモトキヨシ)のベトナム法人。本社はホーチミン市。
ベトナム法人は、2019年にベトナム国内で様々な日系企業と合弁企業を設立しているローカル企業(ロータスグループ)と合弁で設立された。資本金は315億VND(約1億4400万円)で、株主構成はマツモトキヨシホールディングスが51.00%、ロータス・フード・グループが48.87%である。
2020年10月にホーチミン市1区の「ビンコムセンター・ドンコイ(Vincom Center Dong Khoi)」に第一号店をオープンした。1号店の売場面積は約274㎡あり、日本製の化粧品や健康商品を中心にPB製品、日用品、食料品などを含めて幅広い商品を取り扱っている。
出典:https://bitly.com.vn/lyql8s
ベトナムの主要ドラッグストア4選〜外資系編〜
ガーディアンベトナム
同社はアジア地域でドラックストア、コンビニエンスストア、スーパーマー ケット、ハイパーマーケットなどを展開している香港系企業(Dairy Farm Group)傘下のドラックストアチェーンのベトナム法人である。
Dairy Farm Groupは、ベトナムを含めたアジア地域の12カ国以上で6,000 店舗以上を展開している。ベトナムでは2011年に1号店をオープンし、現在 ベトナム国内で99店舗を運営している。(ホーチミン市:75店舗、ハノイ市:18店舗)
同社の店舗には経験豊富なスタッフが揃っており、美容製品のトライアルエリアやプロモーション等を行うエリア等が揃っている。店舗では500以上のブランドの製品を取り扱っている。ベトナム限定の製品も取り扱っているため、コロナ前は外国人観光客がお土産として数多く購入していた。
同社は大手ECサイト(Shopee、Grabmart、Eshop等)と連携しており、オンライン経由でも製品を購入する事ができる。
出典: https://www.guardian.com.vn/
ワトソンズベトナム
同社は世界27カ国で16,000店舗以上を経営している世界最大のドラックストアチェーン店のベトナム法人である。
同社は2019年1月にベトナム1号店をホーチミン市中心部(1区)の商業施設内にオープンした。
同社の店舗では化粧品や医薬品、サプリメントなどを幅広く取り扱っており、現在ベトナム国内で7店舗を展開している。
同社の店舗ではNatio, Anessa, Paula‘s Choice, DHC, Vichy, InnerBなど世界的に有名なブランドのスキンケア用品、メイクアップ用品、化粧品などを含めた幅広い製品を取り扱っている。
店舗では6,000アイテムを超える製品が展示されており、オンラインでも8,000を超えるアイテムが販売されている。
出典: https://www.watsons.vn/
Pharmacity (ファーマシティ)
2011年設立。同社はベトナム発の大手ドラックチェーンであり、ベトナム国内で最も多くの店舗を展開しているドラックストアチェーンである。
同社の主な事業は医薬品及び機能性食品、サプリメントを中心に、漢方薬や西洋薬の販売等である。同社は路面店に加えて、ショッピングモール等にも数多く出店している。
同社の全店舗では薬剤師による調剤、処方箋サービスを提供しており、ベトナム人の顧客から高い信頼を受けている。同社はベトナム国内で4,500人以 上の従業員を抱えており、全国で664店舗を運営している。
同社は赤字に陥っており、2020年1~6月期の税引後利益は1,980円VND(約 8億9千万円)の赤字である。同社はベトナム国内のファンドなどから数十億円の資金を調達しており、ベトナム国内での事業を拡大し続けている。
出典: https://www.pharmacity.vn/
Century Healthcare (センチュリー・ヘルスケア)
2016年にベトナム進出。同社はインドネシア最大の製薬グループの1つであるファロスインドネシアのベトナム法人である。
同社は他社(ビスター薬局チェーン)を買収し、現在に至る。24店舗を運営しており、ホーチミン市の大型商業施設(ビテックスコタワー、サイゴンセンター、イオンモール、ギガモールなど)に出店して いる。現在、ベトナム南部のビンズオン省に自社工場を建設中。
同社の店舗では医薬品、サプリメント、医療機器、衛生用品、美容ケア用品などを幅広く取り扱っており、ベトナム人顧客の幅広いニーズに対 応できるようにサービスを充実させている。
出典: http://www.centurypharma.com/
ハノイ在住のベトナム人。名古屋大学で文部科学省奨学金の日研生として留学経験有り。日越の翻訳、通訳などが得意で、日本語教師の経験有り。ハノイで日系IT企業に入社後、主に総務・人事、日本親会社との取引業務を約3年経験し、その後長野県で日本企業で勤務。