今回は、ベトナムの主要スーパー・コンビニエンスストアに焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて13社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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ベトナムの主要スーパー・コンビニエンスストア6選〜ローカル編〜
CO.OP MART (コープマート)
1996年に設立された大手スーパーマーケットチェーン。Saigon Coop (ホーチミン商業協会)が親会社。2020年時点でベトナム国内のスーパーマーケット市場の約45%を占めている。本社はホーチミン市。
同社はベトナム国内で最も多くのスーパーマーケットを展開している企業で、グループ全体で139店舗を展開しており、ベトナムの近代的な小売産業の成長及び発展を担っている非常に重要な企業である。
同社は2020年にアジア太平洋地域のトップ500の大手小売業者(Euromonitor)、2019年にベトナム小売業界のトップ10の一流企業(VNR)等に選ばれている。
また、2021年にベトナムレコード協会(VietKings)が創業から25年間安定して経営・発展している唯一のベトナムのスーパーマーケットブランドかつ、ベトナムで最も歴史がある純粋なベトナムのスーパーマーケットシステムとして同社を選んだ。
出典:http://www.co-opmart.com.vn/
Bách hóa XANH (バック・ホア・サン)
2015年設立。同社の親会社はベトナム最大手の携帯電話販売代理店(Thế Giới Di Động)や大手家電量販店(Dien May Xanh)を展開している。同社の売上は同グループ全体の収益の約21.4%を占めている。本社はホーチミン市。
ベトナム南部~中部を中心に小規模店舗を展開しており、ベトナム国内で1,980店舗を運営しており、毎日294,000人以上の顧客が来店している。同社の店舗の特徴は店舗サイズで、コンビニよりも少し大きなサイズである。
同社はベトナムでも最も勢いがある小型スーパーであり、全国に20を超える自社倉庫を持っている。同社では12,000を超える国内外の様々な製品を取り扱っており、10,000人以上の従業員が所属している。
同社は2022年までに480店舗以上を新たに開店し、100店舗以上を大規模リニューアルする予定。また、SSI Researchの予想では2021年の同社の収益は2020年比で47%増加しており、2022年には43兆5,240億VNDに達すると予想している。
出典:https://www.bachhoaxanh.com/gioi-thieu
WinMart/WinMart+ (ウィンマート/ウィンマートプラス)
2014年にOceanグループ傘下のOcean Martをベトナム最大のコングロマリット(Vingroup)が買収して設立。2019年12月にベトナムの大手コングロマリットグループのマサングループに事業譲渡された。2021年からブランド名をWinMart / WinMart +に順次変更している。本社はホーチミン市。
同社はベトナム最大の小売ネットワークを有し、全国のほぼ全ての省や都市に132店舗を超えるWinMartスーパーマーケット、3,000店舗近くのWinMart +ストアを展開している。
店舗サイズに関しては、VinMart+は100~120㎡のサイズ、VinMartは1,000~2,000㎡のサイズである。毎月3,000万人以上の顧客が同社の店舗を利用している。
VinMart / VinMart+はVNRが発表した評判の良い小売企業トップ10で3年連続(2018、2019、2020)で1位を獲得している。同社では2020年から2025年の5年間で全国で300店舗以上のVinMartと約10,000店舗のVinMart +店舗を展開し、ベトナム国内の全ての63省・市で展開することを目指している。
出典:https://winmart.vn/
Citimart (シティマート)
1994年にDong Hung Co.,ltd により設立。本社はホーチミン市。
同社はベトナム初のスーパーマーケットである。設立から20年間独自資本で運営されていたが、2015年にイオン株式会社(日本)と資本業務提携を結んだ。イオン株式会社は同社の株式の49%を保有している。
同社はホーチミン、ハノイ、ニャチャン、キエンザン、ビンズオン、フンイェンに20店舗以上を展開しており、1,000人以上の従業員が働いている。
同社はイオン株式会社と提携後、既存商品に加えてタイやマレーシアのイオン店舗でも取り扱われているTopvaluブランドのPB製品(食品や消費財等)も積極的に取り扱っている。
同社はVNR500やその他の様々な評価団体・機関、政府機関から数々の賞を受賞している。
出典:http://www.aeoncitimart.vn/
Hapro Mart (ハプロマート)
2005年設立。同社はベトナムの大手不動産開発業者(BRG group)傘下の貿易会社Haproグループが展開しているスーパー・コンビニチェーンである。ベトナム国内で25店舗を展開している。本社はハノイ市。
同社は2018年及び2019年にVietnam Reportが行った“一流小売企業トップ10”に選ばれている。近年は新型コロナウイルスの流行拡大の影響で2020年の売上高は9,000億VNDに減少しており、前年比で売上はマイナス49%になった。
同社のスーパーマーケットでは生鮮食品、野菜、農産物、林業、水産物、化粧品、その他の必需品を数多く販売している。
同社の店舗はハノイ市やハイズオン省、タイグエン省、バックカン省などの北部の省に集中している。
出典:http://www.haprogroup.vn/en/domestic-trade/
Emart (イーマート)
同社は韓国の小売大手チェーンで韓国に加えてモンゴルや中国にも展開している。ベトナムには2015年に進出し、現在ホーチミン市内で店舗を運営している。
同社は2021年5月にベトナム企業(Truong Hai Auto Corporation:THACO)にベトナム法人の株式の100%を売却した。2025年までにベトナム企業(Truong Hai Auto Corporation:THACO)では国内で10店舗を展開していく予定で今後はフランチャイズとして店舗を展開していく計画である。
ホーチミン市内にあるEmartの店舗面積は3haを超える大きな店舗で、総投資額は最大6000万USDである。同店舗は大きく分けて2つのエリアで構成されており、6,000㎡の面積を誇るスーパーマーケットエリアでは生活必需品、生鮮食品からファッションまで幅広いアイテムを提供している。また、店内には飲食店や遊園地などのエリアも設けられており、買い物以外でも楽しめる施設になっている。
出典:https://www.emart.com.vn/
ベトナムの主要スーパー・コンビニエンスストア3選〜日系編〜
ファミリーマート
2009年設立。日本の大手コンビニエンスストアチェーンのファミリーマートのベトナム事業。ベトナムの大手コングロマリット(TNG Holdings)傘下で小売及び食品製造等を手掛けるローカル企業(TNC Holdings)と合弁で事業を展開している。同社はホーチミン市、ビンズオン省、バリア・ブンタウ省を中心に143店舗を展開している。本社はホーチミン市。
同社の店舗面積は80〜120㎡で主に既製食品、飲料、化粧品、家電製品を販売している。特にサンドイッチや温かいご飯などの食品に強い。
ベトナム国内の店舗は土日祝日や正月含めて24時間365日営業をしている。同社は2019年にベトナム人向けの日本の文化や観光に関するハンドブックであるキララハンドブックの読者投票で「最も好きなサービス」賞を受賞している。
同社では2023年までにベトナム最大のコンビニエンスストアチェーンになることを目指している(全国で1,500〜2,500店舗を展開予定)。
出典:https://www.famima.vn/
ミニストップ
2011年設立。日本最大手の小売グループ(イオングループ)傘下の大手コンビニチェーン。ベトナム法人はミニストップベトナム社と双日がフランチャイズ契約を締結し、ビンズオン省及びホーチミン市で118店舗を展開している。本社はホーチミン市。
日本同様にファストフード店とコンビニエンスストアを組み合わせた店舗モデルで、ベトナムの消費者の需要に合わせた店舗・商品を展開している。店舗に陳列されている商品の約40%を日本製の商品が占めている。
店舗で調理して商品を提供したり、店舗内にゆっくり飲食等ができるスペース等を確保している点等が他社との差別化になっている。また、店内ではATMや無料Wi-Fi、無料電源が利用でき、ケーブルテレビ、ガス、携帯電話等の公共料金の精算等も対応している。
同社はベトナム国内で今後10年間で800店舗以上の出店を目指している。
出典:https://www.ministop.vn/
セブンイレブン
2017年にホーチミンで1号店をオープン。ベトナムは世界最大のコンビニエンスストアチェーン(セブンイレブン)である同社が世界で19番目に参入した国である。本社はホーチミン市。
同社はセブンイレブンジャパンの子会社(セブンイレブンコンビニエンスストアシステム)の現地法人(セブンシステムベトナム)がマスターフランチャイズとして展開している。現在ホーチミン市を中心に60店舗を展開している。
店舗では消費者向けの一般的な生活必需品や食品類等に加えて、セブンイレブン独自のPB商品等も提供している。また、食品類に関してはベトナム人の食文化に合わせて20種類以上の豊富なお弁当等を揃えている。
店舗内には清潔な飲食エリア、無料Wifi、ATM等が揃っている。また、スマートフォン向けのアプリ(7REWARDSモバイルアプリ)などを通じてベトナム人の顧客に対して様々な情報を発信している。
店舗の主な利用者はベトナムの中産階級の若者である。
出典:https://www.7-eleven.vn/
ベトナムの主要スーパー・コンビニエンスストア4選〜外資系編〜
BigC supercenter (ビッグCスーパーセンター)
1988年にベトナム1号店を出店。同社は元々欧州最大手の流通企業であるカジノグループ傘下のスーパーマーケットであったが、2016年にタイのセントラルグループがカジノグループからのBig Cスーパーマーケットシステムを買収(買収額:約9億2,000万EUR/約10億5,000万USD)した。
店内には10万点以上の商品(商品の95%はベトナム製)を取り扱っており、毎年6,000万人以上の顧客が同社の店舗を利用している。主なターゲットは店舗周辺の中所得者層である。
ベトナム国内で35店舗を運営しており、8000人以上の従業員がいる。Kantar Worldpanelの調査データでは2020年時点で小売市場の約3.8%のシェアを獲得しており、ベトナムで2番目に大きいスーパーマーケット・ハイパーマーケットチェーンである。
同社の親会社(CentralGroup)の方針でベトナム国内では“BigC”ブランドの店舗のブランド切替が行われており、ベトナム国内にある7つの店舗は“TopsMarket”ブランド、5つの店舗は“GO!”ブランドに切り替えられた。本社はホーチミン市。
出典: https://www.bigc.vn/
LOTTE Mart (ロッテマート)
同社は韓国に本社を置くロッテグループ傘下で小売事業を展開する多国籍スーパーマーケットチェーンである。同社は中国での事業を縮小しており、現在はベトナムを含めた東南アジアでの事業を強化している。
ベトナムでは2008年にホーチミン市に最初の店舗を開設し、現在はベトナム国内で14店舗を運営している。店舗では食品や家電製品、洋服、電化製品などのさまざまな商品を販売している。店舗に陳列されている製品の90〜95%がベトナム製の製品である。
同社は2016年に“Choice L”というブランドを立ち上げ、2017年にスマートショッピングアプリ(Speed L)の利用を開始した。2018年から新しい小売モデル「SpeedL」(コンビニエンスストア) の展開も始めた。
同社は2015年にベトナムの上位500社に選ばれている。また、その他の業界団体などからも数多くの表彰をされている。本社はホーチミン市。
出典: http://lottemart.com.vn/
Circle-K (サークルK)
同社は1951年に米国で設立された大手コンビニチェーンのベトナム法人。2008年にベトナム1号店をオープンしたベトナム初の外資系コンビニエンスストアである。
同社は全国で24時間年中無休で店舗を営業している。店舗ではファーストフード、化粧品、ソフトドリンク、コーヒー、冷凍食品、パッケージ商品、ドライフード、食料品などのさまざまな製品を取り扱っている。
同社はカントー、ハロン、ハノイ、ビンズオン、ブンタウ、ホーチミンの6つの省市で400店舗以上を運営している。
同社では独自の4F基準(フレッシュ、フレンドリー、ファスト、フル)を備えたサービスモデルを顧客に提供している。同社のビジョンは、ベトナムで最も人気のあるコンビニエンスストアチェーンになることである。
出典: https://www.circlek.com.vn/vi/gioi-thieu/
GS25
1990年に韓国で設立された韓国の大手コングロマリット(GSグループ)傘下の大手コンビニチェーン(韓国国内では14,000店舗以上を展開)。ベトナムには2018年に進出し、10年間で2,500店舗まで拡大する計画。
ベトナムではGS Retail Koreaとベトナムで不動産事業等を手掛けるローカル企業(Sonkim Group)の合弁で事業を展開している。
店舗では店舗内で調理した食品や飲料、アイスクリーム、ケーキなどの商品を取り扱っている。 また、韓国製の独自ブランド(PB)の製品も取り扱っている。
ベトナム国内では進出から約3年でホーチミン、ビンズオン、ブンタウで100店舗以上を運営している。
また、同社はフランチャイズで事業を展開しており、今後は北部のハノイ等を含めて年間100店舗以上を出店する計画である。
出典: https://gs25.com.vn/
ハノイ在住のベトナム人。名古屋大学で文部科学省奨学金の日研生として留学経験有り。日越の翻訳、通訳などが得意で、日本語教師の経験有り。ハノイで日系IT企業に入社後、主に総務・人事、日本親会社との取引業務を約3年経験し、その後長野県で日本企業で勤務。