今回は、マレーシアの主要ドラッグストアに焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて13社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
読了時間の目安:5分
[toc]
マレーシアの主要ドラッグストア10選〜ローカル編〜
Caring Pharmacy Group Bhd(ケアリング・ファーマシー)
1994年にマレーシアサインズ大学を卒業した薬剤師5名で設立。セランゴール州のチェラスに1号店を出店し、1998年にペタリンジャヤのシーパークに最初のサポートオフィスを設立している。また、2003年にワンウタマ・ショッピング・コンプレックスに初のモール店舗を開業。2019年時点で西マレーシアに120店舗以上、東マレーシアに1店舗を展開している。
2002年には顧客ロイヤルティプログラム「ケアリング・レギュラー カード」を開始。2006年にボーナスリンクとパートナーシップを締結し、ロイヤルティプログラムの強化を図っている。2019年はモバイルアプリからアクセス可能なロイヤルティプログラムを始め、30万人以上が登録している。
2020年にはセブンイレブン・マレーシアが同社の株式を取得し、傘下に入っている。
また、2020年に同社はジョージタウン薬局とウェリングス薬局を買収し、北部地域での事業を拡大している。
出典:https://caring2u.com
https://www.7eleven.com.my/
Health Lane Family Pharmacy Sdn Bhd(ヘルスレーン・ファミリー・ファーマシー)
1988年よりセランゴール州スントゥルを拠点として薬局チェーン事業を展開しており、クランバレー、ヌグリ・スンビラン、マラッカ、ジョ ホール、サラワクで約100店舗を展開している。
同社では、ライセンスを持つ薬剤師やプロ栄養士、管理栄養士、そして販売アシスタントを雇用しており、100名以上の薬剤師を抱えている。
店舗では、処方薬やサプリメント、スキンケア製品など主に販売しており、血液検査レポート分析や血圧チェック、尿酸テスト、コレステロー ルテストなども提供している。
また、同社はオンラインショッピングも展開しており、赤ちゃんケアや健康食品、OTC薬、スキンケアなどを販売している。
これまでに、SME100アワードやスーパーブランド・アワードなどにおいて賞を受賞している実績を持つ。
出典:https://healthlane.com.my/
Alpro Pharmacy Sdn Bhd(アルプロ・ファーマシー)
2002年1月に薬局ビジネスを開始。ヌグリ・スンビランとセランゴー ル、ペナン、ジョホール、トレンガヌ、ケランタン、マラッカ、サラワクに拠点を開設しており、国内全土に135店舗以上を展開する。
2020年にはエンゲージメントとサプライチェーン、オペレーションで 構成される本社をヌグリ・スンビラン州のセンダヤン・テックバレーに 設立。同社は1年間で20店舗以上を開業し、300%以上の収益成長を達成している。
また、血圧モニタリングや尿酸テストなどの一次健康診断、医療機器の販売・レンタル・修理を行うシルバーケア、モバイルアプリで血糖値を管理・監視する糖尿病管理プログラム「SugO365」なども提供してい る。
コーポレートパネル薬局サービスでは、国内最大の遠隔医療プロバイダーのDoc2Us、及び国内最大のサードパーティー機関のMiCareなどと 提携しており、200万人以上の従業員にサービスを提供している。
他にもオンラインショッピングサイトの「ワンクリック」を運営しており、健康補助食品やOTC薬、パーソナルケア、処方箋などを取り扱って いる。
出典:https://www.alpropharmacy.com/
Cosway (M) Sdn Bhd(コスウェイ)
1979年にコスウェイ(M)の社名でマルチレベルマーケティング(MLM)事業を開始。1994年に同社は大手コングロマリット企業であ るベルジャヤグループに買収される。2009年12月には、ベルジャヤの子会社であるベルジャヤ・ホールディングス(HK)リミテッドがコスウェイ(M)とeCosway の買収を完了し、その後コスウェイ・コーポ レーション・リミテッドに社名を変更し、香港証券取引所に上場している。そして2012年6月、コスウェイはベルジャヤ・コーポレーションの完全子会社となっている。
MLMビジネスで店舗を持ち、健康食品やスキンケア、パーソナルケア、 化粧品、香水、食品・飲料などを販売する。マレーシアのダイレクトセ リング協会の会員に名を連ねている。同社はクアラルンプールに拠点を 持ち、国内で370店舗を展開している。
また、マレーシア・イスラーム開発局認証を受けた高品質の消費者製品を扱うことで、国内外の多くの消費者層にアピールしている。
2021年度は中国事業の業績が不振だったことを受け、中国事業を停止することを決定している。
出典:https://www.berjaya.com/
https://shop.cosway.com.my/
BIG Pharmacy Healthcare Sdn Bhd(ビッグ・ファーマシー・ヘルスケア)
2006年に設立したドラッグストアで、ダマンサラのアップタウンに1号店を開業している。2018年にレッドキャップ・ファーマシーと、さらに 2019年にはマイ・ファーマシーと合併している。
各店舗には、マレーシア製薬委員会に登録されたライセンスを持つ薬剤師が常駐しており、薬の調剤やヘルスケアのアドバイスを提供している。また、栄養士や管理栄養士も常駐しており、食事のアドバイスやサ プリメント選びの指導も行っている。
現在、同社は国内で126店舗を展開し、1,000名以上の従業員を雇用しており、100万人のロイヤルティ・メンバーを抱えている。
2021年には、マレーシアのベストマネージド企業に選ばれており、また、2018年と2019年にはザ・ワールド・ブランド・ファンデーション の「ブランド・ロリアートSMEベスト・ブランド・アワード」を受賞し ている。
出典:https://www.bigpharmacy.com.my/
Multicare Health Pharmacy Sdn Bhd(マルチケア・ヘルス・ファーマシー)
2000年セランゴール州のチェラスにて薬局を開業。現在はヘルスケア サービスと医薬品の両方に対応しており、クアラルンプールとセラン ゴール、トレンガヌ、ペラ、ヌグリ・スンビラン、パハン、ジョホー ル、マラッカで70ヶ所以上の店舗を展開している。
同社が取り扱っているのは市販薬やパーソナルケア、スキンケア、医療機器、健康ドリンクなどとなっている。また、オンラインショッピングサ イトも運営しており、100リンギット以上の購入でマレーシア半島の配送料を無料としている。
2021年6月には、サンウェイ・グループが同社株式の過半数を取得することを発表。マルチケア社の医薬品に関する専門知識と、サンウェイ社 のデジタル化への取り組みを統合することで、マレーシアで最も急成長 する小売薬局チェーンの一つになることを目指している。
出典:https://multicare2u.com.my/
https://www.sunway.com.my/
AM PM Pharmacy Sdn Bhd(AM PMファーマシー)
2002年7月9日、ジョホール州クライで薬局事業を開始。2名の従業員から事業を始め、現在では同社は従業員数300名以上、店舗数40店舗の規模にまで拡大した。また、同社は「i-CoreValues」と呼ばれる8つのコアバリューを展開している。
同社が提供するe薬局では、診察から薬の配達までを2時間で実現しており、WhatsAppで薬剤師と話して薬を届けもらうことができる。さらに、オンラインで薬剤師に相談し、個人の健康に関するアドバイスを受 けることもできる。また、無料の電子処方箋と電子相談にも対応する。
オンラインショッピングサイトも運営しており、健康補助食品や高齢者ケア、医療機器、OTC薬、パーソナルケアなどを取り扱っている。
また、同社では生涯無料の会員資格「AM PMメンバーシップ」を提供しており、誕生日バウチャーといった特典の他に、これまでに購入した薬歴記録を確認することができる。
出典:https://www.ampmpharmacy.com/
Georgetown Pharmacy(ジョージタウン・ファーマシー)
ジョージタウン・ファーマシーは、ペナン、ケダ、ペルリスといったマレーシア半島北部を中心に展開する薬局グループ。
提供するサービスは処方箋の提供、薬剤師によるカウンセリング、サプリメント・オーガニックについての健康食品相談、健康診断サービス、 リハビリテーションとなっている。
同社はペナンに15店舗、ケダに9店舗、そしてプルリスに2店舗を展開する。
また、同社では「エリートメンバークラブ」の名称でメンバーシッププログラムを提供している。本メンバークラブは、2021年1月にウエリン グズ・ピル・ハウス社が所有・管理するロイヤルティプログラムに統合 されている。これにより、同クラブの会員はジョージタウン・ファーマシーとウエリングズ・ピル・ハウスの両方の店舗で特典を得ることが可 能となっている。
出典:https://www.georgetownpharmacy.com.my/
Sunway Pharmacy Sdn Bhd(サンウェイ・ファーマシー)
サンウェイ・グループの薬局チェーンで、2016年にマレーシア初の薬局店舗をカルテックスのガソリンスタンド内に開業。
現在、クアラルンプールに6店舗、セランゴール州に5店舗、ジョホール州に1店舗を展開する。
同社ではパーソナルケア、フェミニンケア、ベビーケア、スキンケア、 専用のビューティケア製品、ビタミンやサプリメント、医療機器、移動補助器具などを提供している。
また、ショッピーにオフィシャルストアを出店することで、オンラインショッピングに対応している。
同社は地域社会への貢献の一環として、薬や健康に関する相談やアドバイスを無料で行っている。同社が年間を通じて開催しているイベントでも、地域社会を第一に考えた取り組みを展開しており、糖尿病や肝炎の 健康診断、BMIチェック、マスク配布などを実施している。
出典:https://www.sunway.com.my/
https://sunwaypharmacy.com/
Amway (Malaysia) Sdn Bhd(アムウェイ・マレーシア)
アムウェイ・マレーシアは、国内貿易・消費者省(MDTCA)の認可を受けた直販会社で、1976年に設立されている。1996年にマレーシア証券取引に上場しており、2020年末時点で27万4,000人の中核アムウェイ・ビジネス・オーナー(ABO)・フォースにて運営されている。
ビタミン・ミネラル・栄養補助食品とスキンケア・カラーコスメティックス、パーソナルケア、家庭用クリーニング製品、水処理システム、空気処理システムの5つのコア製品群で差別化を図り、高品質な製品を 提供している。
同社の2020年度の収益は11億5,350万リンギットで、6,230万リンギットの税引前利益を計上している。また、同年度にはABOのショッピング体験を向上させるための新しいeコマース・プラットフォーム、及びバックエンド・システム、倉庫インフラなどの強化といった設備投資に2,020万リンギットの資本支出を行っている。
2020年度は資本設備に加えてその他のオペレーションも改善を行い、本社施設からの距離に応じ、24時間以内の処理と1日から3日以内の配送を98%の成功率で実現している。
出典:https://www.amway.my/
マレーシアの主要ドラッグストア〜日系編〜
AEON CO. (M) Bhd(イオン・マレーシア)
1984年9月15日、マハティール首相(当時)の要望に応えてマレーシアへ進出。
イオングループにおいては、イオン・ウエルネスが同社の子会社として健康補助食品や美容製品、健康製品の販売を行っている。
イオン・ウエルネスは2006年にセランゴール州にあるミッドバレーメガモールで1号店を開業。その後、幅広い品揃えと専門的なコンサルティングサービスを提供する包括的な薬局に進化しており、2020年度 時点で66店舗を展開している。
イオン・ウエルネスの店舗では、血圧チェックや血糖チェック、コレステロール・チェックなどの健康サービス、そして皮膚分析テストやメイクアドバイスなどのビューティーサービスも提供している。
イオン・マレーシアの2020年度の収益は40億5,103万リンギットで、2020年度の総資産は60億9,339万リンギット。全体で1万300人以上の従業員数を雇用している。
出典:https://aeongroupmalaysia.com/
https://www.aeonretail.com.my/wellness/index.php
マレーシアの主要ドラッグストア2選〜外資系編〜
Guardian Health and Beauty Sdn Bhd(ガーディアン・ヘルス&ビューティー)
デアリ・ファーム・インターナショナル・グループの傘下にあり、マレーシアで50年以上に渡って健康、美容、パーソナルケアチェーンを展 開している。1号店は、クアラルンプールのショッピングモール「ザ・ ウエルド」に200平方フィートの店舗を開業。現在、月平均3,300万人の顧客にサービスを提供しており、国内総店舗数は440店舗を超える。
医薬品や健康、美容製品を取り扱っており、薬剤師が専門的なアドバイスを顧客に提供している。また、マレーシア製薬委員会に登録された90 名以上の薬剤師を抱えている。
2000年には、マレーシアのブック・オブ・レコードに最大の薬局チェーンとして掲載されている。
また、同社ではオンラインショッピングによる販売も提供しており、健 康やスキンケア、パーソナルケア、ヘアケア、化粧品などの製品を取り扱っている。
出典: https://www.guardian.com.my/
Watson’s Personal Care Stores Sdn Bhd(ワトソンズ・パーソナルケア・ストアーズ)
香港を拠点とするドラッグストアのマレーシア法人で、1994年にジョホールバルのホリデープラザに1号店を開業。
健康、美容、パーソナルケアの分野で、顧客に合わせたアドバイスやカウンセリングを提供しており、国内で550店舗以上を展開する。
2019年にはプトラ・ブランド・アワードの最優秀小売りカテゴリーに おいて、プラチナ・アワードを受賞している。
2020年7月、同社はプラスチック廃棄物を削減し、持続可能なパーム油の使用を支援することを発表した。また、ワトソンズは自社ブランド製 品のパッケージについて、2030年までにPVCの使用を全面的に禁止するとしている。
2020年8月には、地元のブランドを支援することに焦点を当てたイニシアチブ「#FeelGreatwithLokalキャンペーン」を展開、地元企業を支援することでマレーシア経済の回復を加速させることを目指している。
出典: https://www.watsons.com.my/
クアラルンプール在住4年目の日本人。大学卒業後、東京で飲料メーカーの営業を担当。その後、マレーシアのクアラルンプールへ移住し食品商社の営業及び購買のサポートを担当。