マレーシアのドラッグストア市場は、急速に成長を続けています。特に、Caring PharmacyやHealth Lane、Guardianなどの主要企業が注目されています。この記事では、これらの企業の事業内容や市場動向を詳しく紹介し、日本企業がマレーシアでビジネスを拡大するための参考情報を提供します。最新の市場状況を把握し、成功を掴むための戦略を学びましょう。
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マレーシアの主要ドラッグストア10選〜ローカル編〜
Caring Pharmacy Group Bhd(ケアリング・ファーマシー)
Caring Pharmacy Group Bhdは、1994年にマレーシアのサインズ大学を卒業した5名の薬剤師によって設立された。初めての店舗はセランゴール州チェラスにオープンし、その後、1998年にペタリンジャヤのシーパークにサポートオフィスを開設。さらに、2003年にはワンウタマ・ショッピング・コンプレックスに初のモール店舗を出店した。
2025年3月時点で、Caring Pharmacyはマレーシア全土において急速に店舗網を広げており、特に西マレーシアでの店舗数は200店舗を超えている。東マレーシアにも複数の店舗を展開しており、全体で220店舗以上にまで成長している。地域ごとの多様なニーズに対応するため、Caring Pharmacyは都市部のみならず地方にも進出している。
Caring Pharmacyは2002年に顧客ロイヤルティプログラム「ケアリング・レギュラーカード」を導入し、顧客との関係を強化した。2006年にはボーナスリンクとの提携を発表し、顧客に対する特典をさらに充実させた。2019年には、モバイルアプリを通じてアクセス可能な新しいロイヤルティプログラムをスタートし、30万人以上の会員を迎えている。これにより、顧客はより便利にポイントを貯めたり、特典を利用することができるようになった。
2020年、Caring Pharmacyはセブンイレブン・マレーシアに株式を譲渡し、傘下に組み込まれることとなった。この提携により、両社は相互に補完し合い、全国規模での事業展開において強固な基盤を築いている。
さらに、2020年には北部地域での事業拡大を目的に、ジョージタウン薬局とウェリングス薬局を買収した。この買収により、Caring Pharmacyはさらに広範囲な市場にアクセスできるようになり、地域に密着したサービスを提供することが可能となった。
出典:https://caring2u.com
https://www.7eleven.com.my/
Health Lane Family Pharmacy Sdn Bhd(ヘルスレーン・ファミリー・ファーマシー)
Health Lane Family Pharmacy Sdn Bhdは、1988年にマレーシア・セランゴール州スントゥルを拠点に薬局チェーン事業を開始し、現在ではクランバレー地域を中心にヌグリ・スンビラン、マラッカ、ジョホール、サラワクなど、広範囲に約100店舗を展開している。特に都市部や地方都市を中心に多くの店舗を運営しており、地域住民の健康サポートに貢献している。
Health Laneは、ライセンスを持つ薬剤師をはじめ、プロ栄養士や管理栄養士、そして販売アシスタントを数多く雇用しており、スタッフ数は100名以上の薬剤師を含む。そのため、薬局内では顧客に対して専門的なアドバイスやサービスを提供しており、医薬品の取り扱いだけでなく、栄養指導や健康相談も行っている。
店舗では、処方薬やサプリメント、スキンケア製品などを中心に販売し、健康に関するさまざまなニーズに応えている。また、血液検査レポート分析や血圧チェック、尿酸テスト、コレステロールテストなどの健康診断サービスも提供し、顧客の健康管理をサポートしている。
近年、Health Laneはオンラインショッピングサービスも展開しており、赤ちゃんケア製品や健康食品、OTC薬(市販薬)、スキンケアアイテムなどを提供している。これにより、顧客は店舗に足を運ぶことなく、便利に商品を購入できるようになり、特に忙しい消費者層に好評を得ている。
Health Laneはその成長と品質の高さを評価され、これまでにSME100アワードやスーパーブランド・アワードなど、業界内外で数々の賞を受賞している。これらの受賞は、同社が提供する高品質なサービスと製品が顧客に支持されている証拠であり、業界での確固たる地位を築いていることを示している。
今後、Health Laneは、さらに店舗数の拡大を目指すとともに、オンライン事業の強化にも注力していくと見られる。特に、ウェルネスや健康食品、オンライン診療といった新しい分野への進出が期待されており、顧客のニーズに応じたサービスの提供を通じて、より多くの顧客に愛されるブランドを目指している。
出典:https://healthlane.com.my/
Alpro Pharmacy Sdn Bhd(アルプロ・ファーマシー)
Alpro Pharmacy Sdn Bhdは、2002年に薬局ビジネスを開始し、以来急成長を遂げてきた。現在、ヌグリ・スンビラン、セランゴール、ペナン、ジョホール、トレンガヌ、ケランタン、マラッカ、サラワクなど、マレーシア国内全土に135店舗以上を展開している。
2020年には、ヌグリ・スンビラン州センダヤン・テックバレーに本社を設立し、エンゲージメント、サプライチェーン、オペレーションを統括する拠点として機能している。この年、Alpro Pharmacyは20店舗以上を新規開店し、その結果として300%以上の収益成長を達成した。これは、業界内でも注目される成長率であり、同社の実力を証明している。
Alpro Pharmacyは、薬局業務にとどまらず、顧客の健康をサポートするさまざまなサービスを提供している。例えば、血圧モニタリングや尿酸テストなどの一次健康診断を実施しているほか、医療機器の販売・レンタル・修理を行うシルバーケアサービスも展開している。さらに、糖尿病管理プログラム「SugO365」を提供しており、これはモバイルアプリを通じて血糖値を管理・監視することができるサービスで、糖尿病患者の健康管理に役立っている。
Alpro Pharmacyは、Doc2Us(国内最大の遠隔医療プロバイダー)やMiCare(国内最大のサードパーティー機関)との提携を通じて、200万人以上の従業員に対して薬局サービスを提供している。このコーポレートパネル薬局サービスは、企業の従業員向けに健康管理をサポートする重要なサービスとなっており、従業員の健康維持に貢献している。
また、Alpro Pharmacyはオンラインショッピングサイト「ワンクリック」を運営しており、ここでは健康補助食品、OTC薬(市販薬)、パーソナルケア商品、さらには処方箋薬などを取り扱っている。オンラインショッピングを通じて、顧客は店舗に足を運ぶことなく、必要な商品を手軽に購入できるようになり、特に忙しい消費者にとって便利なサービスとなっている。
Alpro Pharmacyは、今後も店舗の拡大を進めるとともに、オンライン事業やデジタルヘルスケアの分野での成長を目指している。特に、健康管理アプリや遠隔医療サービスの拡充を進め、より多くの顧客にアクセスしやすい形でサービスを提供していくことが期待される。また、企業向けのヘルスケアサービスにも力を入れており、業界内での競争力をさらに高める見込みだ。
出典:https://www.alpropharmacy.com/
Cosway (M) Sdn Bhd(コスウェイ)
Cosway (M) Sdn Bhdは、1979年にマルチレベルマーケティング(MLM)事業としてスタートし、以来大きな成長を遂げてきた。1994年には、マレーシアの大手コングロマリット企業であるベルジャヤグループに買収され、その後も事業展開を加速させた。2009年12月、ベルジャヤグループの子会社であるベルジャヤ・ホールディングス(HK)リミテッドによって、eCoswayと共に完全買収され、その後社名をコスウェイ・コーポレーション・リミテッドに変更し、香港証券取引所に上場した。さらに2012年6月、Coswayは再びベルジャヤ・コーポレーションの完全子会社となった。
Coswayは、健康食品やスキンケア、パーソナルケア製品、化粧品、香水、食品・飲料など、幅広い消費者向け製品を取り扱っている。これらの商品は、MLMビジネスモデルを通じて販売されており、全国に展開する370店舗で提供されている。さらに、マレーシア・イスラーム開発局(JAKIM)の認証を受けた高品質な製品を取り扱っており、これにより国内外のイスラム教徒を中心とした消費者層にも大きなアピールをしている。
Coswayはクアラルンプールを拠点に、国内全土に370店舗を展開しており、これらの店舗では主にダイレクトセリングの形式で製品が販売されている。また、同社はマレーシアダイレクトセリング協会(MLM協会)の会員企業であり、業界内でも確固たる地位を築いている。店舗やオンラインを通じて広がるマーケットリーチにより、多くの消費者に製品を提供している。
2021年度には、中国事業の業績不振を受け、同社は中国での事業停止を決定した。この決断は、コロナ禍などの影響を受けたことに加え、市場競争の激化が背景にあると考えられている。その後、Coswayは国内市場に注力し、さらなる成長を目指している。
出典:https://www.berjaya.com/
https://shop.cosway.com.my/
BIG Pharmacy Healthcare Sdn Bhd(ビッグ・ファーマシー・ヘルスケア)
BIG Pharmacy Healthcare Sdn Bhdは、2006年に設立されたドラッグストアチェーンで、最初の店舗をマレーシア・ダマンサラのアップタウンに開業した。設立当初から、薬剤師による調剤サービスやヘルスケアアドバイスを提供することで、地域の健康を支える存在となっている。2018年にはレッドキャップ・ファーマシーと、さらに2019年にはマイ・ファーマシーとの合併を果たし、規模を拡大した。
BIG Pharmacyは、マレーシア全土で現在126店舗を展開しており、店舗ごとにマレーシア製薬委員会に登録されたライセンスを持つ薬剤師が常駐している。これにより、処方薬の調剤や健康に関するアドバイスが受けられる。また、各店舗には栄養士や管理栄養士も常駐しており、顧客に食事アドバイスやサプリメント選びの指導を行っている。これにより、顧客は薬だけでなく、栄養や健康管理全般に関するサポートを受けることができる。
BIG Pharmacyは現在、1,000名以上の従業員を雇用しており、その多くは薬剤師や栄養士など、専門的な知識を持つスタッフで構成されている。また、同社は100万人を超えるロイヤルティメンバーを抱えており、これにより顧客との関係を強化し、再利用を促進する仕組みを築いている。
2021年にマレーシアのベストマネージド企業に選ばれ、優れた経営実績と成長を示した。また、2018年と2019年には、ザ・ワールド・ブランド・ファンデーションから「ブランド・ロリアートSMEベスト・ブランド・アワード」を受賞しており、そのブランド力と顧客満足度の高さが評価されている。
出典:https://www.bigpharmacy.com.my/
Multicare Health Pharmacy Sdn Bhd(マルチケア・ヘルス・ファーマシー)
Multicare Health Pharmacy Sdn Bhdは、2000年にマレーシア・セランゴール州チェラスで薬局を開業し、現在ではヘルスケアサービスと医薬品の提供を行う企業として成長している。現在、クアラルンプールをはじめ、セランゴール、トレンガヌ、ペラ、ヌグリ・スンビラン、パハン、ジョホール、マラッカなど、70ヶ所以上の店舗を展開している。
Multicare Health Pharmacyでは、市販薬やパーソナルケア製品、スキンケア製品、医療機器、健康ドリンクなど、幅広い製品を取り扱っており、顧客の健康管理をサポートしている。さらに、同社はオンラインショッピングサイトも運営しており、100リンギット以上の購入で、マレーシア半島内への無料配送サービスを提供している。これにより、顧客は手軽に必要な商品をオンラインで購入し、便利に利用できる。
2021年6月には、サンウェイ・グループがMulticare Health Pharmacyの株式の過半数を取得したことが発表された。この提携により、Multicareは医薬品に関する専門知識と、サンウェイ社のデジタル化への取り組みを統合し、両者の強みを活かした成長を目指している。特に、デジタル化とテクノロジーの活用により、顧客体験の向上や効率化が期待されており、今後の急成長が予想されている。
Multicare Health Pharmacyは、サンウェイ・グループとの提携を契機に、マレーシア国内でさらに事業を拡大し、特にデジタル領域での成長を加速させることが見込まれている。また、店舗の拡充とともに、オンライン販売やデジタルサービスの強化を進め、最も急成長する小売薬局チェーンの一つとしての地位を確立することを目指している。
出典:https://multicare2u.com.my/
https://www.sunway.com.my/
AM PM Pharmacy Sdn Bhd(AM PMファーマシー)
AM PM Pharmacy Sdn Bhdは、2002年7月9日にマレーシア・ジョホール州クライで薬局事業を開始した。初めは2名の従業員からスタートし、現在では従業員数300名以上、店舗数40店舗の規模にまで拡大した。同社は、顧客満足を重視する企業文化を基盤に、「i-CoreValues」という8つのコアバリューを掲げている。
AM PM Pharmacyは、伝統的な薬局サービスに加えて、e薬局を展開している。このオンラインサービスでは、診察から薬の配達までを2時間以内に実現しており、顧客はWhatsAppを利用して薬剤師と簡単にコミュニケーションを取り、薬の配送を依頼することができる。また、オンラインで薬剤師に相談し、個別の健康に関するアドバイスを受けることも可能で、無料の電子処方箋や電子相談にも対応している。これにより、忙しい顧客や遠隔地に住む人々にとって非常に便利なサービスとなっている。
AM PM Pharmacyは、オンラインショッピングサイトも運営しており、健康補助食品や高齢者ケア、医療機器、OTC薬(市販薬)、パーソナルケア製品など、多岐にわたる製品を取り扱っている。このオンラインプラットフォームは、顧客が自宅にいながらにして必要な商品を簡単に購入できる利便性を提供している。
さらに、AM PM Pharmacyは、生涯無料の会員資格「AM PMメンバーシップ」を提供している。このメンバーシップには、誕生日バウチャーなどの特典が付与されるほか、会員は過去に購入した薬歴記録を簡単に確認することができ、健康管理に役立てることができる。
AM PM Pharmacyは、今後もオンラインサービスを強化し、デジタル化を進めるとともに、店舗数や従業員数のさらなる拡大を目指している。また、顧客の健康管理をサポートするために、新しいサービスや製品の導入も期待されており、より多くの顧客にアクセスできるよう、利便性とサービス品質を向上させる取り組みが進められている。
出典:https://www.ampmpharmacy.com/
Georgetown Pharmacy(ジョージタウン・ファーマシー)
Georgetown Pharmacyは、マレーシア半島北部のペナン、ケダ、ペルリスを中心に展開している薬局グループで、地域密着型のサービスを提供している。現在、ペナンに15店舗、ケダに9店舗、そしてペルリスに2店舗を展開しており、北部地域での強い影響力を誇る。
Georgetown Pharmacyでは、処方箋の提供や薬剤師によるカウンセリングを中心に、顧客の健康に関する様々なサポートを行っている。また、サプリメントやオーガニック製品に関する健康食品相談や、健康診断サービス、リハビリテーションなども提供しており、包括的なヘルスケア支援を行っている。これにより、顧客は病気の予防や健康管理を支援してもらうことができ、地域社会における信頼を築いている。
Georgetown Pharmacyでは、「エリートメンバークラブ」という名称でロイヤルティプログラムを提供している。このメンバーシップは、2021年1月にウエリングズ・ピル・ハウス社が所有・管理するロイヤルティプログラムと統合され、両者の店舗で特典を得ることができるようになった。これにより、会員はGeorgetown Pharmacyとウエリングズ・ピル・ハウスの両方の店舗で、割引や特典を享受することが可能となり、より多くの顧客にリピーターとなるインセンティブを提供している。
Georgetown Pharmacyは、北部地域でのさらなる店舗拡大を目指しており、地域住民へのヘルスケア支援を強化していく方針だ。また、オンラインサービスの強化やデジタル化にも取り組むことで、顧客の利便性をさらに向上させ、より多くの消費者にリーチすることが期待されている。
出典:https://www.georgetownpharmacy.com.my/
Sunway Pharmacy Sdn Bhd(サンウェイ・ファーマシー)
Sunway Pharmacy Sdn Bhdは、サンウェイ・グループに属する薬局チェーンで、2016年にマレーシアで初めてカルテックスのガソリンスタンド内に薬局店舗を開業した。これにより、利便性を重視したサービスを提供することを目指し、ガソリンスタンドの立地を活用してドライバーや忙しい消費者に便利なサービスを提供している。
現在、Sunway Pharmacyはクアラルンプールに6店舗、セランゴール州に5店舗、そしてジョホール州に1店舗を展開しており、都市部を中心に順調に店舗網を広げている。取り扱う製品は多岐にわたり、パーソナルケア、フェミニンケア、ベビーケア、スキンケア、ビューティケア製品、ビタミンやサプリメント、医療機器、移動補助器具など、顧客のライフスタイルに密着した商品群を取り揃えている。
また、Sunway Pharmacyはショッピーにオフィシャルストアを出店し、オンラインショッピングにも対応している。これにより、顧客は店舗に足を運ぶことなく、便利に製品を購入できるようになり、オンラインでの注文もスムーズに行える。
Sunway Pharmacyは、地域社会への貢献を重要視しており、薬や健康に関する相談やアドバイスを無料で提供している。また、同社は年間を通じてさまざまな健康イベントを開催し、地域住民の健康管理をサポートしている。例えば、糖尿病や肝炎の健康診断、BMIチェック、マスク配布など、地域社会の健康促進に役立つ取り組みを行っており、これらの活動を通じて地域住民との絆を深めている。
Sunway Pharmacyは、今後も店舗展開を進めるとともに、オンラインサービスの強化や地域社会への貢献を継続していく方針だ。特に、健康関連のサービスやアドバイスを提供し、地域住民の健康意識向上を目指して活動を広げていくことが期待されている。
出典:https://www.sunway.com.my/
https://sunwaypharmacy.com/
Amway (Malaysia) Sdn Bhd(アムウェイ・マレーシア)
Amway (Malaysia) Sdn Bhdは、1976年に設立された直販会社で、国内貿易・消費者省(MDTCA)の認可を受けて運営されている。アムウェイ・マレーシアは、1996年にマレーシア証券取引所に上場し、その後も成長を続け、2020年末時点で27万4,000人のアムウェイ・ビジネス・オーナー(ABO)を擁している。
製品ラインと差別化 Amwayは、主に以下の5つのコア製品群を取り扱っており、これにより市場で差別化を図っている:
・ビタミン・ミネラル・栄養補助食品
・スキンケア・カラーコスメティックス
・パーソナルケア
・家庭用クリーニング製品
・水処理システム、空気処理システム
これらの製品は、高品質で効果的なアイテムとして多くの顧客に支持されており、特に健康維持や環境に優しい製品を求める消費者に訴求している。
2020年度のAmway (Malaysia)の収益は11億5,350万リンギットで、6,230万リンギットの税引前利益を計上している。この業績は、継続的な事業拡大と効率化によって達成されたもので、安定した利益基盤を示している。
Amwayは、ABO(アムウェイ・ビジネス・オーナー)のショッピング体験向上のため、2020年度に新たなeコマース・プラットフォーム、バックエンド・システム、倉庫インフラなどに2,020万リンギットを投資した。この投資により、オンライン販売の利便性を向上させ、顧客に対してより迅速かつ効率的なサービス提供を実現している。
さらに、本社施設からの距離に応じた配送システムの改善も行い、98%の成功率で24時間以内の処理と1日から3日以内の配送を達成している。これにより、迅速かつ確実な商品配送が可能となり、顧客満足度の向上に貢献している。
Amway (Malaysia)は、引き続きデジタル化を進め、オンラインプラットフォームを強化するとともに、物流インフラの整備を進めていく方針だ。また、健康志向の高まりを受けて、ビタミンや栄養補助食品の分野での成長が見込まれ、環境に配慮した製品群の拡充が期待されている。さらに、ABOの活性化を図るための新しいキャンペーンやプロモーションの展開も予想される。
出典:https://www.amway.my/
マレーシアの主要ドラッグストア〜日系編〜
AEON CO. (M) Bhd(イオン・マレーシア)
AEON CO. (M) Bhdは、1984年9月15日にマレーシアに進出し、当時のマハティール首相の要望に応えて設立された。イオングループの一員として、マレーシア市場における小売業を広げ、現在では多岐にわたる事業を展開している。
イオン・ウエルネス イオングループの中でも、イオン・ウエルネスは、健康補助食品や美容製品、健康関連製品を取り扱う専門部門であり、2006年にセランゴール州のミッドバレーメガモールにて1号店を開業した。その後、イオン・ウエルネスは単なる製品の販売にとどまらず、包括的な薬局として進化し、2020年度時点でマレーシア国内に66店舗を展開している。これらの店舗では、顧客に対して血圧チェックや血糖チェック、コレステロールチェックなどの健康管理サービスを提供し、さらに皮膚分析テストやメイクアドバイスなどのビューティーサービスも行っている。
イオン・ウエルネスのサービス イオン・ウエルネスの特徴的なサービスとしては、幅広い商品ラインナップに加え、専門的なコンサルティングサービスを提供している点が挙げられる。顧客は製品の選定にあたって専門家からのアドバイスを受けることができ、健康維持や美容管理において信頼性の高いサポートを受けることができる。
2020年度、イオン・マレーシアの総収益は40億5,103万リンギットとなり、総資産は60億9,339万リンギットに達した。イオンは、1万3,000人以上の従業員を雇用し、国内小売業界で大きな影響力を持つ企業である。
出典:https://aeongroupmalaysia.com/
https://www.aeonretail.com.my/wellness/index.php
マレーシアの主要ドラッグストア2選〜外資系編〜
Guardian Health and Beauty Sdn Bhd(ガーディアン・ヘルス&ビューティー)
Guardian Health and Beauty Sdn Bhdは、デアリ・ファーム・インターナショナル・グループの傘下で、50年以上にわたりマレーシアで健康、美容、パーソナルケアのチェーンを展開している。1号店は、クアラルンプールのショッピングモール「ザ・ウエルド」に200平方フィートの小さな店舗として開業し、そこから成長を遂げて現在では国内440店舗以上を展開している。
Guardianは、月平均3,300万人の顧客にサービスを提供しており、これにより国内で大きな影響力を持つ企業となっている。同社は、医薬品や健康製品、美容製品を取り扱い、顧客には薬剤師が専門的なアドバイスを提供している。さらに、マレーシア製薬委員会に登録された90名以上の薬剤師を抱えており、顧客に対して信頼性の高いサポートを提供している。
2000年には、マレーシアのブック・オブ・レコードにおいて、最大の薬局チェーンとして掲載された実績がある。これにより、Guardianは業界内でもその規模と影響力が認められた。
また、Guardianはオンラインショッピングサービスも提供しており、健康製品、スキンケア、パーソナルケア、ヘアケア、化粧品などを取り扱っている。オンライン販売の強化により、顧客は自宅にいながら便利に製品を購入でき、特に忙しい消費者にとって大きな利便性を提供している。
出典: https://www.guardian.com.my/
Watson’s Personal Care Stores Sdn Bhd(ワトソンズ・パーソナルケア・ストアーズ)
Watson’s Personal Care Stores Sdn Bhdは、香港を拠点とするドラッグストアのマレーシア法人で、1994年にジョホールバルのホリデープラザに1号店を開業した。健康、美容、パーソナルケアの分野に特化し、顧客に対して個別のアドバイスやカウンセリングを提供している。
Watson’sは、現在マレーシア国内で550店舗以上を展開しており、幅広い商品ラインと専門的なサービスにより、多くの消費者に支持されている。
2019年には、プトラ・ブランド・アワードの最優秀小売りカテゴリーにおいて、プラチナ・アワードを受賞し、その優れたブランド力とサービスが認められた。
Watson’sは、環境への配慮を強化しており、2020年7月には、プラスチック廃棄物の削減と持続可能なパーム油の使用支援に取り組むことを発表した。また、自社ブランド製品のパッケージについては、2030年までにPVC(ポリ塩化ビニール)の使用を全面的に禁止するとしており、持続可能な商品開発に積極的に取り組んでいる。
さらに、2020年8月には、#FeelGreatwithLokalキャンペーンを展開し、地元ブランドを支援するイニシアチブを推進した。このキャンペーンは、地元企業を支援し、マレーシア経済の回復を加速させることを目的としており、地元企業と消費者とのつながりを強化する活動となった。
出典: https://www.watsons.com.my/
クアラルンプール在住4年目の日本人。大学卒業後、東京で飲料メーカーの営業を担当。その後、マレーシアのクアラルンプールへ移住し食品商社の営業及び購買のサポートを担当。