今回は、マレーシアの主要EC・ネット通販運営会社に焦点を当て、ローカル・外資合わせて13社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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マレーシアの主要EC・ネット通販運営会社8選〜ローカル企業編〜
Interbase Resources Sdn Bhd(インターベース・リソーシーズ)
1998年に国内電子商取引のパイオニアとして設立、セランゴール州プチョンを拠点とする。
Lelong.my、Lmall.my、Pretty.my、Superbuy.myなどのサイトを運営する。倉庫保管から商品ブランディングまで、ワンストップでeコマースソリューションを提供する。また、Netpay.myという独自の決済システムも持つ。
提供しているソリューションは、B2B / B2C / C2Cマーケットプレイス、バーティカル・マーケットプレイス、オークション&入札システム、 ロイヤリティー・リワード 、フルフィルメント、多店舗展開のeコマース、F&B注文・予約、飲食・サービス向けeバウチャー、自動車向け予約・メンテナンスアプリとなっている。
同社のLelong.myでは様々なカテゴリーの商品を提供しており、携帯電話やパソコン、カメラ、ガジェット、家庭用品、ファッション・アクセサリー、美容・パーソナルケア、子供用おもちゃなど30万点以上の商品を取り揃えている。
出典:https://www.interbase.com.my/
https://www.lelong.com.my/
Fave Asia Technologies Sdn Bhd(フェイブ・アジア・テクノロジーズ)
2015年に設立され、東南アジアで急成長を遂げているフィンテックプラットフォーム。マレーシアとシンガポール、インドネシアを事業範囲としている。同社では、スマート世代の消費者向けに、支払いと貯蓄ができるスマートペイメントアプリを提供している。
利用者は同社の「Faveアプリ」を使うことで、レストランのお得情報や、スパ、マッサージ、旅行、アクティビティなどのオファーを閲覧、購入、そしてシームレスに利用することができる。
同社が提供しているサービスには、「FaveDeals」と「FavePay」、「Fave eCards」がある。FaveDealsでは何千ものお得・プロモーション情報を閲覧することができ、最大80%の割引を受けることができる。また、支払いに「FavePay」を使えば最大30%のキャッシュバックを受けることができる。
事業者向けの「FaveBiz」は、あらゆる種類のオフラインビジネス向けのオールインワン・デジタルマーチャントプラットフォームとなっており、支払受付や売上追跡などを利用できる。さらに、同社ソリューション採用の実績として、電子カードでの取引が3倍、非ピーク時の売上は2.5倍に、そしてリピーター率が70%増加するとしている。
出典:https://discover.myfave.com/
https://www.favebiz.com/
https://myfave.com/
PUC Bhd(ピーユーシー)
メディアサービスを中核とする会社として1997年に設立され、2002年にマレーシア証券取引に上場する。2017年半ばには、デジタルビジネスの分野に進出する。
同社は、マレーシアの大手ショッピングプラットフォームの「プレスト・モール(以前は11ストリート・マレーシア)」を運営するプレスト・モール社を傘下に持つ。
また、傘下のプレスト・ペイ社は複数のプラットフォームで企業向け電子決済処理サービスを提供しており、マレーシア中央銀行から電子マネーの発行及び加盟店獲得サービスの提供に関するライセンスを取得している。さらに、国内のロイヤリティプログラムのパートナーと協力関係にある。
同社では、アジアICMリソーシーズ社とのコラボレーションにより、中国とASEAN間の企業間電子商取引に焦点を当てた合弁パートナーシップを検討している。
同社の2020年度の収益は860万リンギットで、その内プレストの収益が39.86%を占める343万リンギットとなっている。
2020年4月には、プレスト・モール社はBLSB社とギフト供給契約を締結、ボーナスリンク会員がボーナスリンクポイントを使っていプレスト・モールでギフト商品を交換できるようになった。
出典:https://www.prestomall.com/
Astro GS Shop Sdn Bhd(アストロGSショップ)
2015年に、東南アジアの大手メディアエンターテイメントグループであるアストロと、韓国大手マルチメディア小売業者であるGSホームショッピングが設立した合弁会社。
同社の「GO ショップ」では24時間のショッピングサービスを提供しており、 電気製品や電子機器、家庭用品、キッチン用品、フィットネス用品、美容用品、ファッションアクセサリーなど様々な商品を24時間放送のホームショッピングTVチャンネルで届けている。
利用者はアストロチャンネル118、120、303(アストロ及びNJOIで利用可能)で視聴し、気に入った商品があれば電話をするシステムとなっている。同社ウエブサイト上からも、商品を確認することができる。
また、同社では1ポイントが1リンギットに相当するゴーポイントを提供しており、購入者には合計請求額の5%相当が付与されるシステムとなっている。
出典:https://www.goshop.com.my/
Youbuy Online Sdn Bhd(ユーバイ・オンライン)
2015年3月にマレーシアで設立されたECサイトで、セランゴール州シャーアラムを拠点とする。マレーシアのプレミア・マルチカテゴリー・オンライン・マーケットプレイスのYoubeli.comを運営しており、ファッションやモバイル、ガジェット、ホーム、リビングなどのカテゴリーを扱う。また、台湾とインドネシアの商品ページも掲載している。
同社はiプライスやPriceza、スマートショッパー、ピコディ、ビッグセールの他に、インベスト・セランゴールとマレーシア・デジタルエコノミー公社、そしてPChome SEAをパートナーに抱えている。
同社では販売事業者がオンラインストアを構築するためのすべてのツールを提供しており、在庫管理やプロモーション、顧客の注文への対応などを行うことができる。また、販売店にはマーチャント・トレーニングの他に、ウェブストアパッケージにおいて4%のコミッションと決済期間7日間、商品アップロード無制限を提供している。
出典:https://www.youbeli.com/
FashionValet Sdn Bhd(ファッションバレット)
モード系ファッション業界のための情報発信基地として2010年11月に設立。モードファッションの主流になるというビジョンを持ち、デザイナーやセレブリティとの独占的なコラボレーションを展開する。
電子商取引のみのブランドとしてスタートした同社だが、現在10店舗の小売店を開業しており、オムニチャネル・プラットフォームのリーダーとなることを目指している。
オンラインサイトではイスラーム系の衣類(ドレス、マタニティなど)やスカーフ、靴、バッグなどを販売している。
同社は新型コロナが蔓延する中、ヒジャブを着用しているフロントライナーから毎日着替えるヒジャブが不足しているとの声が寄せられたことを受け、同社の自社ブランドの一つであるdUCkが、イスラーム教福祉団体であるIKRAMマレーシアへ1,700枚(255,00リンギット相当)のスカーフを寄付している。
出典:https://www.fashionvalet.com/
WOWSHOP Sdn Bhd(ワーオショップ)
メディア最大手であるメディアプリマの完全子会社であり、2016年2月にコンテンツコマース企業として設立。マレーシア国内でホームショッピング事業と電子商取引を展開している。
同社は事業開始から2020年末までに230万人以上の登録顧客を獲得している。オンラインプラットフォームでは、家庭用品から電気製品、ファッション、美容、食品・飲料、デジタルなどで1万点以上のアイテムを販売している。
2020年、同社は社内のマーケティングチーム、デジタル開発者、コンテンツ制作チームがメディアプリマにて4ヵ月間の包括的なリブランドキャンペーンを実施している。
2021年には、登録顧客数を300万人とすることを目指しており、ソーシャルメディアプラットフォームを活用することで、よりデジタル主導で収益性の高い企業になることを目指している。
また、ワーオショップの2020年度の収益は230万リンギットを記録しており、テレビを通じたホームショッピングが46%、オンラインプラットフォームが54%となっている。
出典:https://www.wowshop.com.my/
https://www.mediaprima.com.my/
PG Mall Sdn Bhd(PGモール)
マレーシアのオンラインショッピングプラットフォーム「PGモール」を運営し、パブリック・ゴールド・マーケティング社がバックアップしている。クアラルンプールに拠点を持ち、中国越境EC大手である京東商城がクロスボーダー・プラットフォーム・パートナーとなっている。
同モールでは、電子機器やファッション、書籍、ホーム&リビング、食品&飲料、スポーツ&レジャー、キッズ&ベビー、健康&美容、自動車からeバウチャーまで、幅広い商品を取り揃えている。
また、同社は独自の「フォエバー・キャッシュ・バック」プログラムと呼ばれる世界初の紹介プログラムを提供しており、顧客が新規顧客をPGモールに紹介することで報酬を得ることができる。これにより、顧客は0.5%から最大3.5%のキャッシュバックを獲得できる。
同社は2019年のSME100アワード、そして世界ブランド財団のプロミネント・ビジネス・ベスト・ブランド(eコマース・モール)に選ばれている。
出典:https://pgmall.my/
マレーシアの主要EC・ネット通販運営会社5選〜外資系企業編〜
Ecart Services Malaysia Sdn Bhd(イーカート・サービシーズ・マレーシア)
2012年に設立された東南アジアを代表するeコマースプラットフォーム「ラザダ・グループ」の傘下にあり、マーケットプレースのラザダ・マレーシアを運営する。2016年には、ラザダはアリババ・グループの域内フラッグシップとなっている。
ラザダは2018年に東南アジア最大のバーチャルモール「LazMall」を開設し、また東南アジア17都市にフルフィルメントセンターを所有している。マレーシアのサイトでは、ファッションや家電、家庭用品、玩具、スポーツ用品など幅広いカテゴリーの商品を取り揃えている。
ラザダ・マレーシアは、継続的な企業コミュニティの取り組みの一環として、2020年4月から6月にかけてCOVID-19で苦しんでいる現地中小企業を支援するための刺激策を開始することを発表した。刺激策では中小企業のオンライン販売を支援し、雇用を安定させ、国の経済を支えることを目的とし、推定で5万の地元中小企業を支援することを目指している。
出典: https://www.lazada.com.my/
https://group.lazada.com/en/
Giosis Sdn Bhd(ジオシス)
世界最大のオンラインマーケットプレイス「Qoo10」を運営する。グループはマレーシアとシンガポール、インドネシア、上海、香港でサービスを提供しており、より多くのアジア諸国へ進出することを目指している。また、マレーシアの事業を運営するジオシス社は、セランゴール州ペタリンジャヤを拠点としている。
「Qoo10」で扱っているのは女性向けファッション、美容・ダイエット、メンズ&スポーツ、デジタル&モバイル、ホーム&リビング、食品&赤ちゃん、エンターテイメントなどとなっている。
また、同社は顧客と売り手に安心・安全な市場を提供する「Qセイフ・プログラム」を提供している。これは、ブランドの知的財産権を販売者から守るためのものであり、ブランドの知的財産権を保護するものとなっている。
出典: https://www.qoo10.my/
Mudah.my Sdn Bhd(ムダ・ドットコム)
同社はシンガポールを拠点として東南アジア最大のマーケットプレイス・プラットフォームを提供するCarousellの傘下にて、シンプルで便利なプラットフォームを提供するマレーシアの大手マーケットプレイス。毎月何百万人ものマレーシアの買い手と売り手を結びつけている。
同社のmudah.myでは自動車や家電、仕事、不動産、サービスなど様々な商品を扱っているのが特徴。水銀などの化学物質や薬物、花火・爆発物、人体の一部、ポルノ、処方箋、兵器、認定されていない電子機器は取り扱わない。
mudah.myでは、企業だけでなく個人でも販売したい商品を投稿することができる。また、プロフェッショナル/ビジネス機器のページでは、自動販売機や工作機械などといった商品も掲載されている。
同社のバナー広告は4億3,900万ページビュー/月、月間ユニークビジター数:520万人、訪問者1人あたりの平均セッション時間:20分を誇っている。
出典: https://www.mudah.my/
ezbuy Malaysia(イージーバイ・マレーシア)
イージーバイは2010年に設立され、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイにおいて300万人以上が利用しているオンラインプラットフォーム。また、同社は中国や米国、台湾、韓国、現地から数百万点の高品質な商品を届けている。
会社はニューヨーク証券取引に上場する中国法人のライト・イン・ザ・ボックスの完全子会社となるイージーバイ・ホールディングス(香港)の傘下にある。
マレーシアのオンラインプラットフォームで取り扱っている商品は、ファッションや靴・バッグ・アクセサリー、ホーム&ガーデン、家具、モバイル・PC・家電、玩具、時計、美容・健康、食料品など。
同社の配送サービス「イージーシップ」では、中国での倉庫で30日間の無料保管、購入商品の写真撮影(3枚で4リンギット)、商品紛失時の補償(保険なしで200リンギット、保険ありで2,000リンギット)などを付加価値として提供している。
出典: https://ezbuy.my/
http://ir.lightinthebox.com/
Jade Eservices (M) Sdn Bhd(ジェイド・Eサービシーズ)
グローバルファッショングループ傘下で、オンラインファッションショッピングサイトの「ザローラ・マレーシア」を運営する。ザローラは東南アジアで最大且つ最も成長しているファッションに特化したeコマースサイトであり、2012年初頭に設立されている。シンガポールとインドネシア、マレーシア、ブルネイ、フィリピン、香港、台湾で事業を展開する。
500以上の国内外のトップブランドやデザイナーの幅広いコレクションが揃えられており、メンズ及びレディースのファッション・アパレル、靴、アクセサリー、美容の各カテゴリーから数千点の商品をオンラインで購入できる。
2020年6月30日、ザローラ・マレーシアはマレーシアデジタルエコノミー公社を通じた政府の取り組みである「マイクロ・中小企業eコマースキャンペーンに参加することを発表した。このキャンペーンは、COVID-19パンデミックの影響を受けた地元企業を復興させる経済復興計画に該当する。同社は政府が共同出資するeバウチャーを提供することで、消費を促進するとしている。
また、2021年10月に同社はマイケル・コースとのパートナーシップを開始、「ジェットセット・ライフスタイル」を紹介するマレーシア初のオンライン・パートナーとなった。
出典: https://www.zalora.com.my/
クアラルンプール在住4年目の日本人。大学卒業後、東京で飲料メーカーの営業を担当。その後、マレーシアのクアラルンプールへ移住し食品商社の営業及び購買のサポートを担当。