今回は、マレーシアの主要アパレル・ファッションブランドに焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて13社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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マレーシアの主要アパレル・ファッションブランド6選〜ローカル編〜
Padini Holdings Bhd (パディーニ・ホールディングス)
1971年に婦人服卸売りとして創業。1975年にブランド「パディーニ」立ち上げ、小売業へ進出している。1998年には、マレーシア証券取引所に上場。
現在、「パディーニ」と「シード」、「パディーニ・オーセンティックス」、「PDI」、「P&Co」、「ミキ」、「ヴィンチ」、「ヴィンチ・アクセサリーズ」といった8つのブランドを展開し、マレーシアとカンボジア、インドネシアなど世界各国に店舗を持つ。
また、同社は電子商取引サイト「Padini.com」を立ち上げ、自社ブランドの販売を行っている。さらに、2020年10月にはマレーシアにおいてショッピーでの販売、そして2021年6月よりPadiniAppでのオンラインショッピング提供を開始している。
2021年度の収益は10億2,939万リンギットで、7,415万リンギットの税引前利益を計上している。また、2021年6月末時点での総店舗数は130店舗となっており、その内の46店舗がパディーニ・コンセプト・ストアとなている。
出典:https://corporate.padini.com/
Kamdar Group (M) Bhd(カムダ・グループ)
1972に設立され、ホームテキスタイルやファッションアパレル生地と衣服を販売する。卸売事業者や委託販売の顧客を抱えており、自社で小売業も手掛ける。また、他の小売業者やファッションハウス、デザイナーなどにも生地を供給している。同社は2004年にマレーシア証券取引に上場。
小売店は国内で33店舗を展開し、約1,300名の従業員を雇用している。オンラインサイトでの販売も手掛けており、生地や男性用・女性用衣料、子供服の他、寝具やカーテン、テーブルクロスなども扱っている。
また、「カムダ特典メンバーカード」を発行し、オンラインサイトや小売店を利用した顧客にポイントサービスなどの特典を提供している。
同社の2021年度の収益は9,058万リンギットで、繊維及び繊維関連製品の小売事業が全体の98.7%を占める。また、同年度は530万リンギットの税引後損失を計上している。
出典:https://www.kamdar.com.my/
Bonia Corporation Bhd(ボニア・コーポレーション)
1974年にシンガポールで革製品会社として設立し、1978年にマレーシアでボニアを展開。高級革製品ブランドとして、世界各国で555店舗と102のブティックを運営する。
1988年にマレーシアに最初のブティックを開業し、その後はインドネシアと香港、ブルネイ、台湾、ベトナム、タイ、中国、サウジアラビアで事業を行う。
フラッグシップブランドの「ボニア」に加え、「センボニア」と「カロリノ」という自社ブランドの他に、2010年10月にはジェコー社の株式70%を取得し、ドイツの「ブラウン・ビュッフェル」を共同所有する。
2021年度の収益は2億8,906万リンギットで、1,616万リンギットの税引後利益を計上している。収益の61.6%はマレーシア市場からであり、シンガポール市場が29.1%、インドネシア市場5.6%となっている。ブランド別収益では、「ボニア」が44.3%、「ブラウン・ビュッフェル」32.1%であった。
2020年2月、同社はマレーシアのブランディング協会よりライフスタイルセグメントにおいて「マレーシアのブランド賞最優秀賞」を受賞したことを発表。また、同月にはマレーシア小売チェーン協会より「国際エクスポウネンシャル成長賞」が授与されている。
出典:https://www.bonia.com/
https://bonia.listedcompany.com/
F.O.S Apparel Group Sdn Bhd(F.O.Sアパレル・グループ)
1997年、セランゴール州のサンウェイピラミッドに最初の店舗を開業、さまざまな種類の衣類やアクセサリーを手頃な価格で販売している。
2006年7月には、セランゴール州のミッドバレーメガモールに総床面積が1万平方フィートを超える大型店舗「F.O.S.メガストア」を開業。同店では、海外の最新ミュージックビデオを上映するプラズマスクリーン、店内広告、24時間録画のCCTVセキュリティ、最新のカスタマー・グリーティングなどの設備が備えられている。
現在、マレーシア半島及びサバ州、サラワク州の主要なショッピング・モールで65店舗を展開している。
また、同社ではオンラインショッピングサイトも運営しており、男性・女性向け衣料、子供服を取り扱っている。マレーシア半島内の配送は無料で対応している。
出典:https://fos.com.my/
Valiram Group(バリラム・グループ)
1935年に繊維貿易会社としてクアラルンプールに設立。現在、ファッションや宝飾、時計、アクセサリーなど高級品を販売する。
マレーシア国内だけでなく、シンガポールとインドネシア、オーストラリア、フィリピン、タイ、ロシア、マカオ、ベトナムに拠点を持ち、世界各国で350店舗以上を運営する。また、ファッションやアクセサリー、時計やジュエリー、香水・化粧品、食品など様々なカテゴリーで200以上のブランドを扱っており、マレーシア国内では219店舗を展開している。
取り扱いブランドにはマイケルコースやトゥミ、ビクトリアズシークレットなどの国際的に有名なブランドの他、オリジナルで革新的な小売コンセプトのラグジュアリーファッションやスイスウォッチギャラリーもある。
2019年11月には、ミッドバレーメガモールにマレーシア初のスティーブマッデンストアを開業している。また、2020年9月、同社はマレーシア初となるクロエのブティック開業を発表している。
出典:https://valiram.com/
Jerasia Capital Bhd(ジェラシア・キャピタル)
ジェラシアのグループ会社は国際市場向けのファッション・アパレルの製造と、国際的に有名なブランドや自社ブランドのマレーシア国内での小売を行っている。同社は、2002年6月にマレーシア証券取引のメインボードに上場している。
ジョホール州クルアンにある子会社の工場では、ドレスやアンサンブル、ジャケット、パンツ、スカートなどレディース・アパレルを輸出用に製造している。バイヤーは主に米国や欧州からで、大型百貨店や専門店、チェーン店、ディスカウントストアなどを対象としている。
小売では、2010年に自社ブランドを統合し、初のコンセプトストア「Trio by Jerasia」を開業している。また、2011年5月には子供向けのブランド「Trio Kids」を立ち上げている。また、「UREKA」のブランド名で学生服も手掛けている。
小売店はマレーシア半島とサバ州、サラワク州で30店舗を展開している。
同社の2020年度における収益は4億3,880万リンギットで、1億1,880万リンギットの税引後損失を計上。また、同年度における総資産は3億1,520万リンギットであった。
出典:http://corporate.jerasia.com.my/
マレーシアの主要アパレル・ファッションブランド2選〜日系編〜
UNIQLO Malaysia Sdn Bhd(ユニクロ・マレーシア)
2010年6月、マレーシアでのユニクロカジュアルブランド衣料品の小売りを事業とする会社として設立。資本金は1,880万リンギット。
同社はマレーシア国内における服飾小売業を手掛けるDNPクロージングとファーストリテイリングの合弁会社で、ファーストリテイリングが55%、DNPクロージングが45%を出資している。
本社をセランゴール州ペタリンジャヤに構え、2020年9月時点でマレーシア半島及びサバ州、サラワク州で52店舗を展開する。
初号店はクアラルンプールの商業地区であるブキッビンタンにあるファーレンハイト88ストアで、2010年秋に開業。店舗は複合施設の1階、2階、3階の一部を占有し、小売スペースは2,140平方メートルとなっている。
同社は実店舗の他にオンラインショッピングサイト及びアプリを運営しており、男性・女性用衣料や子供服などを販売している。
出典:https://www.uniqlo.com/my/en/
https://www.fastretailing.com/
ASICS Malaysia Sdn Bhd(アシックス・マレーシア)
2017年6月、クアラルンプールに資本金300万リンギットで現地法人を設立。これまではシンガポールを拠点とするアシックス・アジア社を通じて商品販売を行っていたが、現地法人設立で販売活動をさらに強化し、現地でのリレーションを拡大することを目指している。また、現地法人でマレーシアでのマーケティング活動をより綿密に管理し、より強固なブランドを構築するとしている。
取り扱う商品は、ランニング、トレーニング、テニスなどの競技用シューズ及びアパレル、用具類、オニツカタイガー、アシックスタイガーのシューズ及びアパレルなどとなっている。
2018年11月17日には、直営店となるアシックスパビリオンKLをパビリオン・クアラルンプールにて開業、219平方メートルの広さを持つ。クランバレーにおいては、アシックスオフィシャルストアを5店舗、アウトレットストア2店舗を運営している。
出典:https://www.asics.com/my/en-my
https://corp.asics.com/
マレーシアの主要アパレル・ファッションブランド5選〜外資系編〜
Bata (Malaysia) Sdn Bhd(バタ・マレーシア)
世界90ヶ国以上に展開する大手靴メーカーで、1935年にセランゴール州クランに高品質のゴム製靴を製造する工場が建設された。1957年11月にマレーシアでバタ・シュー・カンパニーを設立。クランの工場拡張が行われ、9年後に社名がバタ・シュー・マレーシアへ変更された。現在、クランの工場は国内及び海外市場向けのPVCインジェクション・フットウェア生産に特化している。
マレーシア国内では233店舗の小売チェーンを運営。年間1,000万足以上の靴を販売しており、売上高は1億米ドルに達している。また、バタ・マレーシアは多くの独立ディーラーにサービスを提供する卸売部門も運営している。
当初、同社製品はスクールシューズで有名であったが、現在は様々セグメントにポートフォリオを拡大しており、「マリ・クレール」や「コンフィット」、「パワー」などの他ブランドも含んでいる。
出典: https://www.bata.com.my/
Wing Tai Holdings Limited(ウィング・タイ・ホールディングス)
シンガポールを拠点とする投資持株会社で、アジア太平洋地域において不動産投資・開発、そしてライフスタイル小売を主力事業としている。資産は45億シンガポールドルを超える。
マレーシア国内では、不動産とホスピタリティを中核事業とするウィング・タイ・マレーシア、そしてリテール部門のウィング・タイ・ クロージングで構成されている。
ウィング・タイ・ クロージングは、マレーシア国内で「キャス・キッドソン」や「DPAM」、「フルラ」、「マンゴー」といったブランドを販売しており、クランバレーとパハン州、ジョホール州、ペナン州で30店舗を展開している。
2021年度、リテール部門はマレーシアにおけるマンゴーのフランチャイズを引き継ぎ、2021年9月にクアラルンプールのメガモールとペナンのガーニープラザに最初の2店舗を開業、年内にさらに4店舗を開業する予定としている。
出典: https://www.wingtaiasia.com.sg/
https://www.wingtaiasia.com.my/
https://www.f3.com.my/
H&M Retail Sdn Bhd(H&Mリテール)
1947年にスウェーデンで設立、低価格でファッション性のある衣料品を販売するアパレル会社。
2012年9月、クアラルンプールのブキットビンタンにあるショッピングモール「ロット10」の旗艦店として開業。店舗は3つのフロアーを占有しており、36,000平方フィートの広さを持つ。店舗では女性・男性、ティーンエイジャー、子供向けのファッションとアクセサリーを幅広く取り揃えている。
2020年11月末時点で、マレーシア半島及びサバ州、サラワク州で50店舗(2020年度に3店舗増加)を運営しており、イオン・モールなどのショッピング・コンプレックスを中心に事業を展開している。
2020年度におけるマレーシアでの純売上高は8億9,000万スウェーデン・クローナとなっており、前年度から約35%落ち込んだ。また、同年度における従業員数は679名となっている。
出典: https://hmgroup.com/
Giordano Malaysia (M) Sdn Bhd(ジョルダーノ・マレーシア)
1981年に設立された香港の大手アパレルブランドで、1991年に香港証券取引所に上場している。マレーシア進出は1992年で、クアラルンプールに1号店を開業。「ジョルダーノ」、「ジョルダーノ・ジュニア」、「BSX」といったブランドを展開しており、男性・女性向け衣料、子供服を販売する。
現在、マレーシア半島及びサバ州、サラワク州のイオン・モールなどのショッピング・コンプレックスを中心に89店舗を運営している。
2021年4月、同社はIOIシティ・モールにおいて新しいコンセプトストアを開業したことを発表した。店舗は1,200平方フィートの広さを持ち、国内店舗としては初めてインテリアデザインの一部としてLEDスクリーンディスプレイを設置した。
2021年6月末までの6ヵ月のマレーシアでの販売額は4,600万香港ドルで、全体の9%を占めた。
出典: https://www.giordano.com/my/
Cotton On Group(コットン・オン・グループ)
1991年にオーストラリアで設立されたカジュアルブランドで、国内だけでなくニュージーランドと香港、マレーシア、シンガポール、米国、英国、南アフリカで事業を展開する。
2009年よりマレーシアで事業を開始。クアラルンプールにサポートセンターを、そしてセランゴール州プチョンに配送センターを持つ。現在、クランバレーとケダ州、ペナン州、ペラ州、パハン州、マラッカ州、ジョホール州のイオン・モールなどのショッピング・コンプレックスを中心として76店舗を展開している。
同社が展開するブランドは「COTTON:ON」と「BODY」、「KIDS」、「Typo」、「rubi」となっている。
オンラインショッピングサイトも運営しており、マレーシア半島だけでなく東マレーシアへの配送にも対応している。また、陸運のニンジャ・バンが同社の配送パートナーとなっている。
出典: https://cottonon.com/MY/
クアラルンプール在住4年目の日本人。大学卒業後、東京で飲料メーカーの営業を担当。その後、マレーシアのクアラルンプールへ移住し食品商社の営業及び購買のサポートを担当。