今回は、マレーシアの主要スーパー・コンビニエンスストアに焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて14社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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マレーシアの主要スーパー・コンビニエンスストア11選〜ローカル編〜
Econsave Cash & Carry Sdn Bhd(エコンセーブキャッシュ&キャリー)
セランゴール州を拠点とする大手小売業者で、1955年にポートクランで木工製品を扱う雑貨店として創業。
現在、クアラルンプールを含む国内12の州で99店舗の小売店を運営する。スローガン『Bandingkan Harga Kami(価格比較)』の下、他のスーパーよりも安価な価格設定を目指している。2017年には、価格比較サイトのハガペディアから「最低価格の生鮮食品」と「最低価格の食料品」のカテゴリーにおいて、価格比較チャンピオンとして5回表彰されていることを発表した。
2015年12月には、タマン・クラン・ウタマにパサ・エコノミー(エクスプレス)を開業している。また、2013年にはサラワク州、そして2015年には、サバ州へ初めて進出している。
同社では食用油から洗剤まで幅広い製品を対象とした自社ブランドとしてエコンセーブブランド、衣料品及びアクセサリーのE&S、キッチン用品のShamojiなどを扱っている。
出典:https://econsave.com.my/
The Store Corporation Sdn Bhd(ザ・ストア・コーポレーション)
1968年に設立された地場のスーパーマーケットで、1号店をペナン州のブキットマータジャムに開業。1994年にはマレーシア証券取引上に上場している。
また、マレーシア・ブック・オブ・レコードより、現存する最大且つ最古のスーパーマーケット及びデパートメント・チェーンとして認定されている。
グループは国内で75店舗を展開しており、全小売スペースは約100万平方メートルを誇る。内訳は、ザ・ストアのスーパーマーケット・百貨店が49店舗、1995年9月に設立したパシフィック・ハイパーマーケット&デパートが9店舗、そして2005年5月にグループへ加わったミリメワスーパーストア(東マレーシア)が17店舗となっている。
取扱商品は生鮮食品や各種食品・飲料、電化製品、衣料品、靴、バッグ、家庭用品、ベビー・子供用品、化粧品など多岐に渡る。
2019年12月には、キッチン用品や文房具、装飾ステッカー、おもちゃ、日用品などを2.10リンギットの価格で販売する「スーパージマットRM2.10」をクアラルンプールのミッドポイントで開業したことを発表した。同社は、全国のザ・ストアスーパー及びパシフィック・ハイパーマーケット全店でも、「スーパージマットコーナー」を設置する計画としている。
出典:https://www.tstore.com.my/
GCH Retail Malaysia Sdn Bhd(GCHリテール・マレーシア)
1944年にクアラルンプールで食料品店として創業し、1982年に最初のジャイアン・スーパーマーケットを開業。2000年にデアリ・ファーム・インターナショナル・ホールディングスが90%の株式を取得し、同社子会社となる。
マレーシア国内では、66店舗のスーパーマーケットを展開している。また、ワンストップミニマートの「ジャイアン・ミニ」をクアラルンプールとセランゴールで22店舗を運営している。事業はマレーシア国内だけでなく、シンガポールとインドネシアでも行っている。
2018年には、マレーシア小売業協会から「2018年の小売りとトップ競争」で金賞を受賞している。
また、同社はマレーシアイスラーム開発庁(JAKIM)が認定した製品提供に重点を置いており、ハラール認証を取得した鶏肉やベーカリーを提供している。
出典:https://www.giant.com.my/
Trendcell Sdn Bhd(トレンドセル)
2000年台半ばにクランバレーにて日常のニーズに合致した高品質の生鮮食品や家庭用品を提供する会社として事業を始め、スーパーマーケットの「ジャヤ・グローサー」を展開する。
2007年3月にペタリンジャヤのジャヤ33に最初の店舗を開業し、マレーシアを拠点とする唯一のプレミアムスーパーマーケットとして輸入生鮮食品や家庭用品を幅広く取り揃える。現在、同社はクランバレーとペナン、ジョホールに35店舗を展開している。
また、同社では「ジャヤ・グローサー・オンライン」と呼ばれるオンラインストアにより、商品を顧客の下に届けている。取扱製品は生鮮食品や肉類、冷凍・冷蔵商品、ベーカリー、家庭用品、美容・健康、ペット関連、アルコール飲料などとなっている。
出典:https://jayagrocer.com/
TFP Retail Sdn Bhd(TFPリテール)
ルーツは1950年台にまで遡り、クアラルンプールのゴンバック地区で創業した小さな食料品店が始まり。2000年にはスントゥル地区、2003年にプチョン地区で店舗を開業。そして、2004年には高級食材を取り扱う店舗をバンサー・ビレッジに開業し、国内店舗数は21店舗にまで拡大している。
同社はクランバレー全体にプレミアム食料品店を展開するチェーン店となっており、マレーシアを代表するプレミアムスーパーマーケットチェーンとなることを目指している。
また、同社はブランドローリャト・コーポレート&ブランディング・アワード(小売-プレミアムグローサー)、SCBEA 2017において小売&ビジネス優秀賞、SOBA 2017ではプラチナアワード(ベストブランドカテゴリー)を受賞している。
出典:https://villagegrocer.com.my/
The Food Purveyor Sdn Bhd(ザ・フード・パーベイヤー)
会社設立は2017年だが、事業開始は1997年にまで遡る。現在、同社はビレッジ・グローサー、ベンズ・インデペンデント・グローサー(B.I.G.)、そしてパサラヤOTKといった3ブランドのスーパーマーケットを運営する。
同社は生鮮食品や人気ブランドから希少価値の高い食品など幅広い食料品・食品を提供するリーディングカンパニーを目指しており、 世界中から集められた最高の食品を厳選している。
現在はクランバレーとジョホール、ペナンを事業範囲として、31店舗を運営している。2018年にはデジタルロイヤルティプログラムの「バイツ・デジタルロイヤルティプログラム」を開始し、25万人以上の会員を抱えている。
また、同社は2020年に全ての使い捨てプラスチックを2023年までに排除することを発表し、2021年6月より使い捨てのビニール袋の提供を廃止した。さらに、2020年にはバイツ・ショップを立ち上げ、オンラインショッピングを提供している。
出典:https://thefoodpurveyor.com/
PETRONAS Dagangan Bhd(ペトロナス・ダガン)
ペトロナスのマーケティング部門として、1982年に設立。ワンストップコンビニエンスセンターのコンセプトで、国内に1,000を超えるガソリンスタンドと800店舗以上のコンビニエンスストア「クダイ・メスラ」を展開する。
2020年度において、同社はクランバレーにてクダイ・メスラの新コンセプトを試験運用し、10月から「マカン@メスラ」を開始した。これは、店内ですぐに飲食できる製品を提供するもので、2021年度は大幅に拡張する計画となっている。
2021年1月には、同社は国内貿易・消費者省及びマレーシア農業・食品産業省と共同で、地元で生産された鶏肉、魚、野菜、果物を手頃な価格で販売する「セガール@メスラ」の開始を発表した。パイロット・フェーズは4つの店舗で販売が行われ、低所得者層と中間所得者層をターゲットとしている。
出典:https://www.mymesra.com.my/
99 SPEED MART Sdn Bhd(99スピード・マート)
1987年にクランで雑貨店として創業し、2017年に国内1,000店舗を達成する。ミニマートの形式で、食料品や日用雑貨、事務用品、機器などを取り扱っている。
2002年10月、同社は650万リンギットを投じて広さ8万平方フィートの流通センターを立ち上げており、現在ではセランゴールとヌグリ・スンビラン、ペラ、ジョホール、ペナン、サバの13ヶ所において自社倉庫(倉庫容量は100万平方フィート超)を持つ。また、物流網において250台以上のトラックを所有する。
同物流センターは小分け包装や輸送、サプライヤーとの連絡などの業務を行い、効率的な配送センターと物流によって運営コストを削減し、商品の適正価格を実現している。
現在、同社はクアラルンプールを含む国内11の州で1,992店舗を展開しており、2019年12月にはシンガポールへの進出を果たしている。
出典:http://www.99speedmart.com.my/
myNEWS Holdings Bhd(マイニュース・ホールディングス)
1996年12月に新聞雑誌類売店として創業し、大手小売コンビニエンスストアチェーンへ発展。2,000人以上の従業員を擁し、毎月600万人以上の顧客へサービスを提供している。他にも、英WHスミス・トラベルとの合弁により、国内でWHスミスを運営している。
同社は日本のグルメ杵屋との提携を通じてコンビニエンスストア向けの調理済み食品を、またリョーユーパンとの提携ではベーカリー製品をコタ・ダマンサラの食品加工センターで製造している。
2020年度の収益は4億8,939万リンギットで、1,590万リンギットの税引後損失を計上している。同年度における店舗数は国内542店舗。
2020年10月、同社は完全子会社であるMYCUリテールを通じて韓国最大のコンビニエンスストア運営会社で「コンビニエンスストアブランドCU」を展開するBGFリテールとライセンス契約を締結した。契約期間は10年間で、国内においてCUアウトレットを運営及びサブフランチャイズする。
出典:https://www.mynews.com.my/
KK Group of Companies(KKグループ・オブ・カンパニーズ)
2001年よりコンビニエンスストア事業を6万リンギットで開始。現在は、マレーシアとネパール、インドで小売店事業を展開している。
グループはコンビニエンスチェーンストアのKKマート、生鮮食品に焦点を当てたKKコンセプトストア、他にもレストランやバドミントンセンター、ホテル、カフェなどの事業を展開している。
KKマートはセランゴールやクアラルンプール、プトラジャヤ、マラッカ、ヌグリ・スンビラン、ジョホール、パハン、サラワクにて518店舗以上を展開しており、1,000の店舗を目指している。
人口密集地の開拓を戦略としており、最大9,000品目の日用品を競争力のある価格で提供している。
2020年11月、同社はセキュリティ強化を目的として、80万リンギットを投じて顔認識技術を100店舗のKKマートで導入したことを発表した。
出典:https://kkgroup.my/
7-Eleven Malaysia Holdings Bhd(セブンイレブン・マレーシア・ホールディングス)
1984年6月に設立されたコンビニエンスストアで、同年10月に1号店をクアラルンプールで開業している。現在は国内で2,400店舗を展開しており、毎日90万人以上の顧客にサービスを提供している。
2020年度におけるグループ収益は25億3,903万リンギットで、3,535万リンギットの税引後利益を計上している。また、総資産額は20億3,685万リンギット。同年度内には、ドラッグストアを展開するケアリング・ファーマシーを買収して傘下に収めている。
同社は2020年に「第6回ワールドワイド・エクセレンス・アワード」においてエクセレント・ブランド、「2020年プトラ・ブランド・アワード」においてリテール部門プラチナ賞を受賞している。
2020年には、「My7E」と呼ばれるロイヤルティアプリをリリースしたことを発表した。本アプリを介することで、会員は特典や特別割引を受けることができる。
出典:https://www.7eleven.com.my/
マレーシアの主要スーパー・コンビニエンスストア2選〜日系編〜
AEON CO. (M) Bhd(イオン・マレーシア)
1984年9月15日、マハティール首相(当時)の要望に応えてマレーシアへ進出。
クアラルンプールを含む国内9つの州でイオンストア34店舗を運営する。また、小規模事業として独立型スーパーマーケットのマックスバリュ9店舗を展開、他にもイオン・ビッグのブランド名で22のハイパーマーケットも運営している。
2020年度の収益は40億5,103万リンギットで、2020年度の総資産は60億9,339万リンギット。全体で1万300人以上の従業員数を雇用している。
2021年9月、同社はタッパーウェア・ブランズ・マレーシア社と協力し、持続可能性を追求する顧客ロイヤルティプログラムを展開していることを発表した。プログラム期間中、タッパーウェア容器を持参してイオン店舗で食品を購入した顧客は特別割引を受けることができる。
出典:https://www.aeonretail.com.my/
ISETAN OF JAPAN Sdn Bhd(伊勢丹・オブ・ジャパン)
1990年、マレーシアクアラルンプールのロット10ショッピングモールに進出。1998年には、ペトロナスツインタワー隣のスリアKLCCに25万平方フィート超の広さを持つ旗艦店を開業する。
2007年にはミッドバレーのザガーデンズに15万平方フィート、2012年4月にセランゴール州ワンウタマに9万9,000平方フィートの店舗を開業しており、全4店舗となっている。
スーパーマーケットはスリアKLCCとロット10の店舗で運営しており、日本の食料品が充実している。また、ロット10とワンウタマの店舗では日本食レストラン出店スペースを持っている。
同社では伊勢丹メンバーカードを提供しており、利用者に対して伊勢丹リベートバウチャーや駐車場の払い戻しサービスを提供している。
出典:https://www.isetankl.com.my/
マレーシアの主要スーパー・コンビニエンスストア〜外資系編〜
LuLu Hypermarket Malaysia(ルル・ハイパーマーケット・マレーシア)
アブダビを拠点とするルル・グループ・インターナショナルの小売部門で、マレーシアでハイパーマーケット運営を展開する。マレーシア進出に際しては、同社はマレーシア連邦土地開発庁(FELDA)と覚書を締結している。
2016年、同社はクアラルンプールのジャラン・ムンシ地区に最初の店舗を開業。25万平方フィートの広さを持ち、開業にはマレーシア国の首相やアラブ首長国連邦大使、インド高等弁務官も参加した。
2店舗目はクアラルンプールの「1シャメリンモール」に開業し、8万平方フィートの広さを持つ。同社は、2つのハイパーマーケットで300人以上のマレーシア人を雇用していることを示している。
また、同社はマレーシア国内でオンラインショッピングも提供しており、生鮮食品やエレクトロニクス、モバイル機器など多様な製品を扱っている。
出典: https://www.lulugroupinternational.com/
https://www.luluhypermarket.com/
クアラルンプール在住4年目の日本人。大学卒業後、東京で飲料メーカーの営業を担当。その後、マレーシアのクアラルンプールへ移住し食品商社の営業及び購買のサポートを担当。