台湾のEC・ネット通販業界は、PChomeやmomo購物網などローカル大手に加え、外資のShopeeやCoupangが台頭する競争の激しい市場です。台湾の主要企業は物流網の拡充と即日配送サービスの強化にしのぎを削っています。
今回は、そんな台湾の通販・ネット通販業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて12社の最新情報をお届けしていきます!
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台湾の主要通販・ネット通販企業9選〜ローカル編〜
PChome (網路家庭/ピーシーホーム)
網路家庭(PChome Online)は1998年7月に詹宏志らが設立した台湾のインターネット企業で、2005年にTPExへ上場した(証券コード8044)。台湾で初めて株式上場を果たしたネット企業として知られる。
主力の「PChome 24h購物」は1999年に24時間到貨サービスを開始し、自営配送や林口A7智慧物流園区(約4万5千坪)を軸に台湾最大級のB2C物流網を築いている。
2024年通期の連結売上高は375.6億台湾元(前年比約9%減)、EPSはマイナス4.08元と赤字が続いた。2025年上期も売上173.5億元と前年割れで、3C(家電・IT)が売上の約7割を占める。
2024年10月には統一企業グループが約30%を出資して筆頭法人株主となり、董事2席を得た。PChome商店街の取引機能は2024年10月末に終了し、ブランド公式サイト支援型へ転換している。
出典:https://www.pchome.com.tw/
Ruten (露天拍賣/ルーテン)
露天拍賣は2006年に網路家庭(PChome)と米eBayの合弁で設立された、台湾を代表するマーケットプレイス型ECである。運営会社は露天市集國際資訊(英名PChome eBay)で、現在もPChomeとeBayの資本系統下にある。
オークションとフリマ取引を起点に成長し、台湾で初めて累計取引額1,000億台湾元を突破したとされる。会員数は1,100万人超、売主は200万人超に達する。
2024年から2026年にかけても稼働を続け、eBayなど海外13カ国との代購サービスを展開している。2026年には日本のトレーディングカードをeBayと連携して扱う「卡牌交易所」など新機能を投入した。
近年は「台湾を代表するAI活用EC」を掲げ、検索やレコメンドの高度化を進めている。
出典:https://www.ruten.com.tw/
momo (富邦媒體/モモ)
富邦媒體科技(momo)は2004年に設立され、2005年に「momo購物網」とテレビショッピングを開始し、2014年にTWSEへ上場した(証券コード8454)。富邦グループ傘下の総合ECである。
台湾のオンライン小売で首位を占め、全土に分散配置した衛星倉庫による短時間配送を強みとする。累計会員は1,000万人を超える。
2024年通期の連結売上高は1,125.6億台湾元(前年比約3%増)で過去最高を更新し、EPSは13.69元だった。一方2025年上期は売上524.4億元(前年比約2%減)、EPS5.99元と減益に転じた。
酷澎(Coupang)の攻勢など競争激化を受け、2025年は価格競争から3P出店やmomo聯播網(広告事業)、有料会員moPlusなどサービス強化へ軸足を移している。
出典:https://www.momoshop.com.tw/
Yahoo Shopping (Yahoo!奇摩購物中心/ヤフー)
Yahoo奇摩購物中心は、米Yahoo Inc.傘下で台湾事業を担う香港商雅虎資訊が運営する大手モール型ECである。Yahooは2021年にApollo Global Management傘下の独立企業となり(Verizonが約1割の出資を保持)、現在に至る。
公式ブランドストアを数多く集め、信頼性を重視する利用者に支持されてきた。統一企業グループのOPENPOINTポイント経済圏と連携し、会員基盤を厚くしている。
「Yahoo奇摩24h」などの迅速配送や、企業・大口向けの購買入口も備える総合プラットフォームである。品揃えと決済の利便性を武器に台湾の主要ECの一角を占める。
2025年から2026年にかけても618セールや会員日などの販促を継続し、安定して稼働している。
出典:https://tw.buy.yahoo.com/
books.com.tw (博客來/ブックス)
博客來は1995年に張天立によって設立され、1996年に本格営業を開始した、台湾で最も早いオンライン書店である。運営会社は博客來數位科技で、2001年に統一超商(7-ELEVEN/統一企業グループ)が過半数を出資し、以後は同グループ傘下にある。
書籍・電子書籍を中核に、映像や雑貨、生活用品へ品揃えを広げ、紙書籍と電子書籍を合わせた出版物通路として台湾最大規模を誇る。
最大の強みは全土の7-ELEVEN店舗での受取ネットワークで、海外の受取拠点も3,000カ所を超え、宅配は150カ国超に及ぶ。会員向けのポイント制度も統一グループと連携している。
近年は電子書籍の定額配信やオーディオブック、動画講座など事業を拡張しており、2026年時点でも台湾の書籍ECを代表する存在である。
出典:https://www.books.com.tw/
buy123 (生活市集/バイイーアーサン)
生活市集は創業家兄弟(KuoBrothers、証券コード8477)が運営するB2Cの共同購入型ECで、日用品や食品を低価格・多品目で扱うフラッシュセールを軸とする。創業家兄弟は2012年に設立され、2016年にTPExへ上場した。
2024年2月には森鉅科技材料が公開買付で創業家兄弟株の約6割を取得し、経営権を握った。
2024年通期の連結売上高は8.78億台湾元(前年比約33%減)、EPSはマイナス3.63元と縮小が続く。2025年も月次売上が前年比で大きく落ち込むなど、競争激化の影響を受けている。
低価格帯の日用品需要を取り込みつつ、グループのEC事業再編のなかで運営体制の立て直しを進めている。
出典:https://www.buy123.com.tw/
ETMall (東森購物/イーティーモール)
東森購物(ETMall)は、1999年に王令麟が設立した東森得易購が運営する、台湾初のテレビ通販を起源とするオムニチャネル小売である。東森集團系列で、テレビ通販(東森購物1〜5台)とEC、実店舗型の森森購物を組み合わせて展開する。
会員は900万人超を数え、越境美容ECの草莓網(Strawberrynet)なども傘下に持つ幅広い事業ポートフォリオを備える。
一方、本土EC競争の激化で業績は逆風にあり、EC売上は2021年の約106億元から2024年に約45億元へ縮小した。2024年末には約200人規模の人員削減を実施している。
王令麟は実店舗への回帰やAI活用を掲げ、テレビ・EC・リアル店舗を束ねる事業再編を進めている。
出典:https://www.etmall.com.tw/
PCone (松果購物/ピーシーワン)
松果購物は2016年に創業家兄弟が設立した、モバイル起点のB2B2C型マーケットプレイスである。多数の店舗が出店し、日用品から食品、雑貨まで幅広い品目を低価格で扱っている。
2021年に興櫃(エマージング市場)での取引を終了し、株式交換によって創業家兄弟の完全子会社となった経緯を持つ。
2025年には上曜集團系の世紀民生が松果購物を100%取得し、創業家兄弟グループから離れた。新体制ではAIを活用した健康関連商材やライブコマース(直播帯貨)へ軸足を移す方針を掲げており、集客モデルの転換を図っている。
サイトは全品3割引を起点とする低価格訴求を続けており、2026年時点でも正常に営業を継続している存在である。
出典:https://www.pcone.com.tw/
Pinkoi (果翼科技/ピンコイ)
Pinkoiは2011年に顏君庭らが台湾で創業した、アジア最大級のデザイン・ハンドメイド商品マーケットプレイスである。運営法人は果翼科技で、審査制の出店により独自性の高い商品を集めている。
会員は625万人超、掲載商品は520万点超で、77カ国・5万を超えるブランドが参加し、150カ国へ販売するとされる。
2015年にSequoiaなどから約900万米ドルを調達して英語版を公開し、2016年には日本の手作りEC「iichi」を買収して日本市場を強化した。台湾・日本・香港・タイなどアジア各地へ展開している。
近年はAIを活用した「台日直送」など、越境需要の取り込みを積極的に進めている。
出典:https://www.pinkoi.com/
台湾の主要通販・ネット通販企業1選〜日系編〜
Rakuten Taiwan (台灣樂天市場/ラクテン)
台灣樂天市場は、楽天グループ(東証プライム、証券コード4755)が運営する日系のB2B2C型モール型ECである。2008年に台湾へ進出し、日本の商品や出店ノウハウを持ち込んで市場を開拓してきた。
多数の出店者を束ねるモール形態をとり、ポイントやクーポンを軸とした購買体験を提供する。楽天トラベルや楽天Koboなど関連サービスも台湾で展開している。
2026年1月1日からキャッシュバック系サービス「Rakuten Rebate」の買い物機能を一時停止し、関連の「樂天點數App」も2025年末で終了する。ただしモール本体は継続して稼働している。
日本発の品揃えと会員経済圏を強みに、台湾市場での事業を続けている。
出典:https://www.rakuten.com.tw/
台湾の主要通販・ネット通販企業2選〜外資編〜
Shopee (蝦皮購物/ショッピー)
蝦皮購物(Shopee)は、シンガポールのSea Limited(NYSE:SE)が展開するEC事業で、2015年に台湾へ参入した。台湾では品揃えと価格競争力で最大手級とされ、三大ECの筆頭に挙げられる。実店舗受取の「蝦皮店到店」など物流網も広げている。
親会社Seaの経営陣は、台湾を品揃え・価格で最大のECと位置づけている。
ShopeeのGMVは2024年に全社で1,000億米ドルを超え、2025年は約25%成長の見通しで、第3四半期の受注件数・GMVはいずれも前年比約28%増だった。
台湾はSeaが二桁成長・市場を上回る成長と言及する重点市場であり、C2CからB2Cまで幅広い取引を取り込んでいる。
出典:https://shopee.tw/
Coupang (酷澎/クーパン)
酷澎(Coupang)は、韓国系で米ナスダック上場のCoupang Inc.(NYSE:CPNG)が展開するECであり、2021年に台湾で事業を開始し、2022年10月に「火箭速配(ロケット配送)」を本格化した。
有料会員「WOW」向けの迅速配送と越境直送を武器に、台湾で急速にシェアを伸ばしている。
台湾経済部の承認ベースで、2023年に約24.8億台湾元、2024年に約60.6億台湾元、累計85.3億台湾元を物流拠点へ投資し、2026年3月には4カ所目のスマート物流センターを桃園に開設した。
親会社の決算では台湾が最速で成長する市場と位置づけられ、2025年第2四半期の関連売上は前四半期比54%増と急拡大した。
出典:https://www.coupang.com.tw/
FAQ
台湾の主要EC・ネット通販運営会社について、どのような企業が紹介されていますか?
この記事では、ローカル企業、日系企業、外資系企業を含む12社の主要な台湾のEC・ネット通販運営会社を詳しく紹介しています。
PChome(PCホーム)についての基本情報は何ですか?
PChomeは台湾最大級のB2Cオンラインショッピングサイトで、1998年に設立されました。アメリカやタイにも進出し、Skypeの台湾代理店も務めています。
露天拍賣(ルーティエン)の特徴は何ですか?
露天拍賣は2006年に誕生したECサイトで、オークション機能も備えています。最大のeコマースプラットフォームで、総取引額は2018年に3,305億台湾ドルに達しました。
Yahoo奇摩購物中心の運営や特徴について教えてください。
Yahoo奇摩購物中心は2001年に運営を開始し、台湾の大手ECサイトです。幅広い商品を取り扱い、オークション形態のECも展開しています。2019年にはAIを活用した自動物流センターも開設しています。
台湾の外資系EC企業の例と、その特徴は何ですか?
シンガポールに本社を持つ蝦皮購物(ショッピー)は2009年に設立され、台湾や他のアジア諸国で展開しています。C2CからC2CとB2Cのハイブリッドモデルへと進化し、現地の消費者に広く利用されています。

