【最新版!】シンガポール食品卸業界の主要企業11社と最新市場動向

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シンガポールの主要食品卸業者は、ASEAN市場の玄関口として日本企業のビジネス拡大に不可欠な存在です。最新の市場動向やローカル・日系・外資合わせた主要企業11社の特徴を徹底解説し、競争力強化や現地パートナー選定のヒントを提供します。

今後の戦略立案に役立つ最新情報をぜひご覧ください。

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目次

シンガポールの主要食品卸業者4選〜ローカル編〜

Yong Wen Group (ヨンウェングループ)

Yong Wen Groupは2001年にシンガポールで設立され、シンガポール、マレーシア、香港の3か国にまたがるローカル流通ネットワークを確立している。現在、40か国以上への輸出実績を持ち、主要な食品卸売業者および輸出業者として成長を続けている。シンガポールの約100,000平方フィートの倉庫に多様な国から輸入した製品を保管し、顧客は多種多様な商品を一括して調達できる体制を整えている。

2008年からは自社ブランドの「Saporito」「Yowe」「Secret Lover」などを展開し、ブランド強化を図っている。これらのブランドはアジアを中心に欧州や中東市場にも輸出され、特に欧州市場ではアジア食材の需要増加を背景に販路拡大を目指している。グループは包装・ブランディング、物流、流通の3つの柱で顧客ニーズに対応し、ワンストップの食品ソリューションを提供している。輸出先はスリランカ、バングラデシュ、ケニアなど多岐にわたり、輸入はオランダ、インドネシア、インドから多く行われている。さらに、マレーシアの子会社Yong Wen Holdings Sdn Bhdは食品メーカーや卸売業者向けにパッケージングサービスを提供し、顧客のブランド開発支援も行っている。

2025年現在、従業員数は50~200名規模で、25台のトラックを保有し、物流体制も強化している。こうした包括的な体制により、Yong Wen Groupはアジア太平洋地域を中心に食品流通業界で確固たる地位を築いていると言える

出典:http://www.ywgroup.com.sg/

Nature Superfoods (ネイチャースーパーフード)

Nature’s Superfoodsは2011年にシンガポールで設立された主要なオーガニックスーパーフードブランドである。グルテン、精製糖、人工成分を含まない100%オーガニックのクリーンスーパーフードを輸入・流通・製造し、健康志向の消費者やB2B顧客に提供している。製品ラインナップは、穀物や種子、グルテンフリーの朝食シリアル、植物性プロテインパウダー、抗炎症スパイス、スムージーパウダー、スーパーフードギフトセットなど多岐にわたる。

すべての製品は厳格な品質管理と認証を受けており、非遺伝子組み換え(Non-GMO)で持続可能な農法に基づくトレーサビリティを確保している。Nature’s Superfoodsは、健康維持や免疫力向上をサポートする栄養価の高い食品を手頃な価格で提供し、スーパーマーケット、薬局、食品メーカー、外食産業、オンラインマーケットプレイスなど多様な流通チャネルを通じて顧客に届けている。アジア太平洋地域での健康志向の高まりとともに、同社は持続可能な農業と倫理的調達を重視し、消費者教育にも力を入れている。

2025年現在、Nature’s Superfoodsはシンガポールを拠点に約11~50名の従業員を擁し、アジア市場におけるオーガニックスーパーフードのリーディングブランドとしての地位を確立している。世界的なスーパーフード市場は2025年に約2,000億ドル規模に達し、特にアジア太平洋地域は21%以上の市場シェアを占めて急成長していることから、Nature’s Superfoodsの成長余地は大きい。健康志向の高まり、機能性食品への関心、持続可能性の重視が今後の市場拡大を後押しすると見られている。

出典:https://organicandwholesale.com/

Foodsterr (フードスター)

Foodsterr Pte Ltdは2016年にケン・デイビス、ギャレス・デイビス、ディピカ・パテル、ニハル・パテルの4名によって設立されたシンガポール拠点の食品専門オンライン小売・卸売企業である。ケン・デイビスは20年の業界経験を持ち、世界各地から高品質な食材を輸入している。

ギャレス・デイビスはシンガポールで革新的なホットサンドイッチ自動販売機事業を運営し、ディピカ・パテルは元投資専門家でありながら小売部門の多くの製品選定を担当している。ニハル・パテルはITの専門家で、最高品質の食品と利便性の高いオンラインショッピング体験を融合させている。取り扱う商品は有機・天然のスーパーフード、ドライフルーツ、ナッツ、種子、穀物、特殊油、小麦粉、離乳食、トリュフなど多岐にわたり、栄養価が高く手頃な価格で提供している。食品はISO 22000認証を取得した主要な流通業者から調達し、鮮度保持のため冷蔵保管を徹底。再封可能な高品質スタンドアップパウチ包装や防水ラベルを採用し、品質維持に注力している。顧客層は家庭の料理愛好家、ベーカー、フィットネス愛好者など多様で、スーパーフードや健康志向食品の需要増加に応え、シンガポール国内外での販売を拡大している。

2025年のシンガポール食品市場は約126億米ドル規模で年率4.7%の成長が見込まれ、オンライン食料品市場も急成長中であることから、Foodsterrの利便性と品質を両立したビジネスモデルは今後も成長が期待される。所在地はシンガポールの4 Leng Kee Roadで、従業員数は10名未満の規模で運営されている。

出典: https://www.foodsterr.com/

Frosts (フロスト)

Frosts Food & Beverageは1996年にシンガポールのトゥアス地区にて事業を開始した。27,000平方フィートの施設には、約500パレット分の容量を持つ3つの大型冷凍室、チラールーム、乾物保管スペースを備えている。創業当初は主に輸入と流通を手掛けていたが、姉妹会社のQuix Pte Ltdを設立し、生鮮食品の現場加工も開始した。この取り組みにより、主要なコンビニエンスストアチェーンやガソリンスタンドへの供給が可能となり、鮮度保持が難しい商品の小分けや特殊な凍結・解凍物流を専門的に扱うことで、頻繁かつ小規模な店舗への配送に対応している。2024年末には倉庫容量を75,000平方フィートに拡大し、冷凍・冷蔵・常温食品の保管・配送を強化している。シンガポール国内のスーパーマーケット、外食産業、航空機内食業者など多様なチャネルにサービスを提供するほか、東マレーシア、ブルネイ、オーストラリア、インド、フィリピン、タイ、スリランカ、ネパール向けの輸出を担当する子会社Frosts Food International Pte Ltdを通じて地域統合物流も展開している。

2023年にはマレーシアのNatrad Food Sdn. Bhd.を買収し、同地域での流通ネットワークを拡充した。従業員数は51~200名規模で、食品の品質管理と市場投入の迅速化に注力し、持続可能なブランド価値の構築を目指している。Frostsは多様な冷凍・冷蔵食品の輸入・流通においてシンガポール及び東南アジア市場で確固たる地位を築いている企業である。

出典:https://www.frosts.com.sg

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シンガポールの主要食品卸業者4選〜日系編〜

Makoto – Ya (マコトヤ)

Makoto-Ya Singaporeは1992年に設立され、シンガポールおよびマレーシアにおける日本食・飲料の大手輸入・卸売業者である。創業当初はわずか2製品の取り扱いから始まったが、現在では200ブランド以上、1,000点を超える多様な商品を取り揃え、主要なホテル、レストラン、スーパーマーケット、小売店、さらにはeコマースプラットフォームと強固な取引関係を築いている。特に日本酒、焼酎、リキュールなどの酒類に関しては多くの独占販売代理店ライセンスを保有し、品質と鮮度を維持するために高度な保管・流通設備を整備している。秋田県の自社農場で育てたプレミアム米を最適な条件で輸入し、注文時に精米することで最高品質を保証している点も特徴的である。さらに、開会式や日本酒鑑賞会などのイベントサービスも提供し、顧客の多様なニーズに応えている。2017年にはマレーシア・クアラルンプールに地域拠点「Makoto House」を開設し、東南アジア市場への展開を強化している。

2025年現在、従業員数は51~200名規模で、年間売上高は約500万米ドルに達している。Makoto-Yaは誠実さを企業理念に掲げ、最新の日本食品・飲料を直接日本から調達し、シンガポールおよび周辺地域の食文化向上に寄与しているリーディングカンパニーである。

出典:https://makoto-ya.sg/

Toho Singapore (トーホー)

トーホーシンガポールは、2019年8月にMarukawa Trading (S) Pte Ltd、Tomo-ya Japanese Food Trading、Shimaya Tradingの3社が合併して誕生した、日本食材の輸入・卸売を手掛ける総合食品流通会社である。2000種類以上の日本食および高級食品を幅広く取り扱い、豊洲市場からの新鮮な空輸プレミアムシーフードや野菜の輸入にも豊富な実績を持つ。主な顧客は一流ホテルグループ、寿司チェーン、統合型リゾート施設、高級レストラン、船のチャンドラー、地域の輸入業者などであり、各種ニーズに応える専任のビジネスパートナーとして信頼を得ている。

物流面では、シンガポール北部(Woodlands)、西部(Bukit Batok)、中部(Ang Mo Kio)に拠点を持ち、約25,000平方フィートの倉庫と20台の配送車両(商用バン、冷凍・冷蔵トラック)を運用し、週5.5日体制で配送を行っている。さらに、2024年4月には業務用水産品卸売会社Golden Ocean Seafood (S) Pte Ltdを吸収合併し、活きロブスターなどの活魚を含む水産品の取り扱いを強化。これにより経営効率を高め、シンガポールにおける事業基盤を一層強化している。トーホーシンガポールは、豊富な市場経験と専門知識を活かし、高品質かつコスト効率の良い食材を安定供給し、顧客の多様な要望に応える体制を整えている。2025年現在、資本金は54万シンガポールドル、所在地は36 Woodlands Terraceである。

出典:https://to-ho.com.sg/en

KOKUBU (コクブ)

国分グループ本社の100%子会社であるKOKUBU SINGAPORE Pte. Ltd.は、2020年5月にシンガポールのコモンウェルスグループの卸売事業会社TCGC Pte. Ltd.(後にKOKUBU Commonwealth Trading Pte. Ltd.に社名変更)に70%出資し、卸売事業を立ち上げた。国分は日本で300年以上の歴史を持ち、日本食と酒類の総合卸売業およびコールドチェーン物流の専門家である。コモンウェルスグループはシンガポールを拠点に製造、物流、小売まで幅広いF&Bポートフォリオを持つ企業グループだ。両社の合弁会社であるKCTは、知識とネットワークを融合し、シンガポール国内での販売強化と周辺国との輸出入事業拡大を目指している。

さらに、2024年にはKOKUBU Commonwealth Tradingがシンガポールの食品卸売会社San Sesan Global Pte. Ltd.の株式80%を取得し、卸売事業の強化と商流・物流・商品開発機能の向上を図っている。国分グループはシンガポールをASEAN事業の中核地と位置付け、アセアン統括会社のKOKUBU SINGAPORE、食品卸売のKOKUBU Commonwealth Trading、低温物流のCommonwealth KOKUBU Logisticsの3社体制で、食のネットワーク強化を推進している。2023年にはシンガポールに4温度帯対応の大型物流センターを開設し、最大80,000パレットの保管能力を持つ施設で高品質な物流サービスを提供している。これらの取り組みにより、国分グループはシンガポールおよびアセアン地域での食品卸売・物流事業の拡大を加速し、海外事業の基幹化を進めている。

出典:http://www.commonwealthcapital.asia

YOSHIMURA FOOD HOLDINGS (ヨシムラフードホールディングス)

ヨシムラフードホールディングス株式会社は2008年3月に設立され、後継者不足や経営難に直面する中小食品企業の事業承継を支援するため、M&Aによるグループ化を推進している。2024年2月末時点で連結子会社28社を擁し、2025年2月期の連結売上高は約622億円、営業利益は約35億円を見込んでいる。独自の「中小企業支援プラットフォーム」を構築し、グループ各社の強みを共有しながら経営管理、商品開発、購買・物流、品質管理などの機能を横断的に支援している。2017年には最高財務責任者の安藤俊氏のリーダーシップのもと、東京証券取引所第1部に上場を果たした。

海外展開にも積極的で、2019年4月にシンガポールにヨシムラフードホールディングスアジア株式会社を設立し、アジア市場での事業拡大を進めている。シンガポール現地法人は2023年度に約1億100万シンガポールドルの売上を計上し、従業員数は約150名に達している。2017年12月にはシンガポールの日本食製造・販売会社JSTT SINGAPORE PTE. LTD.の株式を取得し、寿司などの日本食を大手スーパーで販売している。さらに2018年9月にはシンガポールを中心にアジア地域で冷凍水産品の卸売を行うSIN HIN FROZEN FOOD PRIVATE LIMITEDの株式を取得し、現地での卸売事業を強化した。これらの子会社を通じて、シンガポールおよび東南アジア市場における日本食材や水産品の供給体制を拡充し、成長を加速させている。

国内外でのM&Aを軸にした成長戦略により、2025年2月期第3四半期では売上高が前年同期比25.1%増の約433億円、営業利益は120.6%増の約30億円と大幅な増収増益を達成している。特にホタテの市況回復やワイエスフーズグループの取り込みが寄与している。今後も日本の中小食品企業の潜在力を引き出しつつ、アジア市場での事業拡大を進めることで、持続的な成長と食文化の発展に貢献していく方針である。

出典:https://www.yoshimura.com.sg

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シンガポールの主要食品卸業者3選〜外資系編〜

Lim Siang Huat (リムシャンフアット)

Lim Siang Huat(LSH)は1940年に創業者の林美誉(Lim Mui Er)によってシンガポールで設立された。英国軍および駐在員コミュニティ向けの食料品店としてスタートし、以来70年以上にわたり「他者を支援し、友情を築き、仕事の機会を提供する」という家族の理念を守り続けている。現在はリム家の第3世代が経営を担い、アジアのF&Bブランドのハブとして高い評価を得ている。LSHは5,000点以上の製品を取り扱い、6つの自社ブランドを展開し、マリーナベイサンズ、フェアプライス、コールドストレージ、スタークルーズなどの主要顧客に食品を供給している。

地域展開も積極的で、1994年のマレーシア進出を皮切りに、インドネシア、フィリピン、カンボジア、ラオス、ベトナムに拠点を設置し、現地企業との提携を通じて販売網を拡大している。物流面ではジュロン地区に約25,000平方フィートの倉庫を持ち、最新の在庫管理システムを導入し、迅速かつ効率的な配送を実現している。2024年にはEnterprise SingaporeのScale-up SGプログラムに参加し、経営コンサルタントの支援を受けて海外成長戦略の策定や人材定着策を強化している。LSHは信頼性と利便性を兼ね備えた製品群で、シンガポールおよびアジア地域の飲食業界を支える重要なパートナーとしての地位を確立している。

出典: https://www.limsianghuat.com/

Angliss(アングリス)

70年の歴史を持つシンガポールの大手⾷品卸売のAnglissは香港を本社としている。Anglissは1948年頃に「The Malayan Refrigering Company」という名前で設立され、肉屋事業は東南アジア地域への食品の輸入と流通に成長した。

 ニュージーランド、オーストラリア、ブラジルでのVesteyの牛の飼育と加工からの牛肉製品の供給で知られているが、Anglissはこれらのユニットを売却し、1990年代半ばに事業を再編成して、製品の提供とサプライヤーの基盤を多様化することを選択。 この戦略的な動きにより、新世紀の大手フードサービス企業になることができた。

2007年、AnglissはInternational Bidvest Groupに買収され、Bidvest Asia Pacificの一部となり、オーストラリア、ニュージーランド、香港、中国、マレーシア、マカオ、シンガポールにその範囲を拡大しました。現在、Anglissは、シンガポールだけで3,000を超える顧客に、肉、シーフード、乳製品、その他のさまざまな食品を含む高品質の製品のフルラインを提供する統合フードサービス企業となった。

Anglissはまた日本産の食品・食材・飲料等のシンガポールへの輸出及び販売の拡大で協力することで合意し、業務提携した。

出典: http://www.angliss.com.sg/home/

DKSH (ディーケーエスエイチ)

DKSHは、アジア地域を中心に、法人を対象とする包括的事業サポートサービスを提供する商社。外資系企業でありながら日本の神奈川県横浜市で創業された、ユニークな経歴を有する。日本法人はDKSHジャパン株式会社。本社をスイス・チューリッヒに置き、世界37カ国以上で取引を展開している。

DKSHシンガポールは、19世紀に石炭、灯油、ゴム、海運、保険を扱う伝統的な貿易会社として始まった。

2018年12月21日、シンガポールとマレーシアでAuric Pacific(Auric)の消費財流通事業を1億6000万スイスフラン(2億2200万SGD)で買収すると発表し、 2019年3月29日、スイス、チューリッヒ– DKSHは、シンガポールとマレーシアのオーリックパシフィックの消費財流通事業の買収を無事に完了。

この動きにより、DKSHは利益率の高い外食産業へのエクスポージャーを拡大し、アジアの消費財業界での存在感を拡大する。

出典: https://www.dksh.com/sg-en/
https://www.auricgroup.com

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中村 美穂 Singapore-Based Industry Analyst
2017年よりシンガポール在住の日本人。元客室乗務員としての国際経験を活かし、現在はライターおよび翻訳者として、シンガポールの文化や生活、食に関する情報を発信している。
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