今回は、マレーシアの主要スイーツ・カフェ運営会社に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて13社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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マレーシアの主要スイーツ・カフェ運営会社9選〜ローカル企業編〜
Secret Recipe Cakes & Café Sdn Bhd(シークレットレシピ・ケーキ・ アンド・カフェ)
1997年にペタリンジャヤに開業したシークレットレシピは、チーズケーキをメインとした各種ケーキで人気となったカフェ。現在、ケーキ&カフェのチェーン店をマレーシアとシンガポール、インドネシア、タイ、ブルネイ、モルディブ、バングラデシュなどで380店舗以上を展開している。
また、同社のカフェはマレーシア・イスラム開発庁(JAKIM)からハラール認証を取得している。
同社は、「2020年MRCA国際エクスポネンシャルグロース賞」、マレーシア・ブランディング協会から「2019年マレーシアの最優秀ブランド」、2020年のスター優秀ビジネス賞において「ベストイノベーション賞銀賞」などを獲得している。
同社工場ではクリーン・エネルギー使用に取り組んでおり、本社ビルの屋上にソーラーパネルが設置されている。また、毎日数トンの廃棄物を排出しているが、専任のスタッフが分別した後に外部の業者がさらに処理を行っている。
出典:https://www.secretrecipe.com.my/
Will Group(ウイル・グループ)
マレーシアとシンガポール、香港、中東で貿易を行うビジネス開発会社。鉱業事業(州洪水軽減プロジェクトなど)と建設事業、食品・飲食事業を手掛けている。
食品・飲食事業では、2017年3月に台湾のラ・カッファ・インターナショナルから「チャタイム」のマスター・フランチャイズを取得、バブルティーの「チャタイム・マレーシア」を運営している。
同社は、2017年5月に3,500万リンギットを投じて拡張工事を実施。現在、国内全土で77店舗を展開しており、全店がハラール認証を取得している。
また、BrandLaureateの2018年ブランドアワードにおいて、同社は「年間最優秀ブランド賞」を受賞している。
2019年1月には、同社はマレーシア航空のロイヤルティプログラムである「エンリッチ」と提携したことを発表している。
出典:http://willgroup.com.my/
https://chatime.com.my/
Loob Holding Sdn Bhd(ルーブ・ホールディングス)
2010年に設立された会社で、バブルティーのティーライブやバスクベア・コーヒー、ソーダエクスプレス、ワンダーブリューといったブランドを運営している。
ティーライブはマレーシアとベトナム、ミャンマー、ブルネイ、フィリピン、オーストラリア、イギリス、カンボジアで500店舗超を展開しており、大手プライベートエクイティグループであるクレアドールの支援を受けている。
バスクベア・コーヒーはマレーシア国内を対象としたバーチャル・コーヒー・ブランドで、100以上の場所で非接触型の配達と受け取りが可能となっている。
2021年12月、同社は中古車向けeコマースプラットフォームのカーサムとの提携を発表、ティーライブ店舗にカーサム・インスペクション・ポイントを設置するとしている。
2020年QSRメディア・アジア・アワードにおいては「最高のマーケティングキャンペーン」、2020年アジアeコマースアワードでは「最優秀eコマース(ブランド):飲食店」などを受賞している。
出典:https://www.loob.com.my/
PappaRich Group(パパリッチ・グループ)
本格的なマレーシア料理を提供するレストランとして、2006年に1号店をマレーシアで開業。国内だけでなく、オーストラリアとシンガポール、米国、中国、ブルネイ、韓国、台湾、ニュージーランド、カンボジア、スリランカへも展開している。
国内ではクランバレーとジョホール州、ヌグリ・スンビラン州、サバ州、サラワク州で21店舗を運営している。
また、同社は食品・飲料業界で10年以上の実績を持ち、消費財市場にも事業を拡大しており、マレーシアで唯一のホワイトコーヒーメーカーでもある。
同社が提供するのはマレー料理、中華料理、インド料理などで200種類以上にもなり、デザートや軽食、飲料なども取り揃えている。また、マレーシア・イスラーム開発庁(JAKIM)よりハラール認証を取得している。
出典:https://papparich.com.my/
Top Leader Sdn Bhd(トップ・リーダー)
セランゴール州スリ・カンバンガンを拠点として、中国のデザート(小豆スープや豆花など)や海南コーヒー、ホワイトコーヒー、油条、おかゆなどを提供する「I LOVE YOO!」を展開している。
同社の食品は非遺伝子組み換えのカナダ産大豆とその他の天然素材を使用しており、保存料や人工着色料、人工香料、MSGを一切使用していない。
現在、国内全土で57店舗を、そしてシンガポールで2店舗、ブルネイで2店舗を運営している。
2017年7月には、マレーシア・イスラーム開発庁(JAKIM)からハラール認証を取得し、内部ハラール委員会及び中央キッチン管理によって厳密に管理されている。また、同社キッチンは適正製造基準ガイドライン及びHACCPに従っている。
「I LOVE YOO!」のフランチャイズ料金は、初回5年間は5万リンギット、以降の5年間は2万5,000リンギットとなっている。
出典:https://www.iloveyoo.com.my/
Texchem Resources Bhd(テクスケム・リソーシーズ)
1973年に設立し、ペナンを拠点として製造業と食品事業、レストラン業などを展開するコングロマリット企業。1993年よりマレーシア証券取引所に上場している。
レストラン事業部傘下のD&Nコーヒー・アンド・レストラン・マレーシアにおいて、クランバレーとペナンで4店舗の星野珈琲店を運営している。1号店は2017年12月にミッドバレーに開業、そして2018年3月にペナンのクイーンズベイモールに2店舗目を開業している。同店舗では、和の要素を取り入れた職人技のコーヒー(アラビカ種を使ったハンドドリップコーヒー)や食事、ドリンク(抹茶、煎茶など)を提供している。
また、2019年度においては、同社がクランバレーとジョホール州で運営していたドトール・コーヒー3店舗が不採算事業としてすべて閉鎖されている。
出典:https://texchemgroup.com/
https://www.hoshinocoffee.com.my/
SDS Group Bhd(SDSグループ)
1987年、ジョホール州でベーカリー製品の製造・小売りを手掛けるシン・リー・ヒアング・ベーカリーを設立。現在、同社はベーカリー製品サプライヤーとしてケーキや菓子(出産祝い、結婚祝いなど)を販売しており、マレーシア証券取引所に上場している。
店舗としてはSDSベーカリー&カフェを26店舗、SDSベーカリー・エクスプレス1店舗、そしてイオンショッピングモール内で6店舗のラ・ボエームを運営している。
2014年には、子会社であるSDSトップベイカーがベーカリー及び菓子製品の製造で食品安全マネジメントシステム-フードチェーンのISO 22000:2005認証を取得している。
同社の2021年度の収益は1億7,378万リンギットで、708万リンギットの税引後利益を計上している。また、同年度における総資産は1億3,902万リンギットで、約1,200名を雇用している。
2020年には、ヌグリ・スンビラン州ニライとセランゴール州バンギに小売店を開業し、またケダ州に卸売流通センターを設立している。
出典:https://sdsgroups.com/
Berjaya Starbucks Coffee Company Sdn Bhd(ベルジャヤ・スターバックスコーヒー・カンパニー)
1998年5月、スターバックスをフランチャイズ展開する会社として設立され、外食大手であるベルジャヤ・フードの傘下にある。1998年12月17日に1号店をファーレンハイト88に開業、また、2019年にはバンサービレッジIIにて世界初のスターバックス手話店を開業している。
2021年度における同社の収益は6億2,540万リンギットで、9,010万リンギットの税引前利益を計上した。また、国内店舗数は前年度から11店舗増加して327店舗となり、ドライブスルー店舗も58店舗へ拡大した。
2021年度においては、同社は新しいロイヤリティプログラム「スターバックス・リワード」を開始し、利用率は47.2%を記録。2021年6月時点での登録会員数は約370万人となっている。
2021年3月には、国内最大規模となる「スターバックス・リザーブ・トロピカーナ・ガーデンズ」の開業を発表、没入型コーヒー体験を提供するものとなっている。
出典:https://www.berjaya.com/
https://starbucks.com.my/
Wonderful Lifestyle Sdn Bhd(ワンダフル・ライフスタイル)
1979年に米国で設立されたグロリア・ジーンズ・コーヒーをマレーシアで提供しており、グルメコーヒー事業で20年以上の実績を持つ。2006年11月、マレーシア・インターナショナル・フランチャイズ社がグロリア・ジーンズ・コーヒー・マレーシアのフランチャイズ権を獲得しており、また、マレーシアだけでなくブルネイとインドネシア、ミャンマーのマスター・フランチャイズ権も所有している。
同社店舗では、世界最高級のグルメコーヒーを40種類以上取り揃えており、他にもスムージーなどの飲料も販売している。
現在、クランバレー内のショッピングモールや病院を中心として14店舗を展開しており、起業家に対してフランチャイズ権を提供している。
また、同社ウエブ上でセルフオーダーと呼ばれるシステムを提供しており、配達や店内飲食、持ち帰り、ドライブスルーに対応している。
出典:http://www.gloriajeanscoffees.my/
マレーシアの主要スイーツ・カフェ運営会社2選〜日系企業編〜
Big Apple Donuts and Coffee(ビッグアップル・ドーナツ・アンド・ カフェ)
2007年5月、豊富な種類のプレミアムドーナツとコーヒー、お茶を提供するカフェとして開業。ドーナツは20種類以上の輸入原材料を厳選し、独自のプレミックス製法で製造している。
2017年2月、環境衛生やフードサービスを手掛けるダスキンが同社の株式90%を取得し、子会社化している。同社の持つマレーシアでのビジネスノウハウと、ダスキンが持つフランチャイズによる多店舗化のノウハウを融合し、高付加価値商品・サービスの提供と事業拡大を目指す。
現在、同社はマレーシア国内では76店舗、そしてカンボジアで7店舗を展開している。
製造・販売する製品は、全てマレーシア・イスラーム開発庁(JAKIM)よりハラール認証を取得している。また、ビッグアップル・シャリーア・アドバイザリー・カウンシルが、食品製造プロセス全体を厳格に監督している。
出典:https://www.bigappledonuts.com/
https://www.duskin.co.jp/
F Innovators Malaysia Sdn Bhd(Fイノベーターズ・マレーシア)
フードイノベーターズ・ジャパンのマレーシア法人で、クアラルンプールを拠点として2017年8月に設立。資本金は100万リンギット。
飲食店運営及びコンサルティングを提供しており、クランバレーで「ベーカリーカフェ八」を運営する。同グループは、シンガポールと台湾でも事業を展開している。
4店舗の「ベーカリーカフェ八」をクアラルンプールで運営するとともに、豚麺処 官兵衛を1店舗持つ。
「ベーカリーカフェ八」では、湯種法を使用して小麦本来の甘さを引き出し、しっとりふわふわに焼き上げた食パンや、日本のパンの特徴である柔らかいパンを数多く取り揃えており、あんぱんやクリームパン、メロンパンなど約40種類にものぼる。他にもサンドイッチや焼き菓子、フルーツジャムの販売、そして朝食とランチの提供も行っている。
出典: https://fi-m.my/
https://bakerycafehachi.com/
マレーシアの主要スイーツ・カフェ運営会社2選〜外資系企業編〜
Oldtown Sdn Bhd(オールドタウン)
1999年にセランゴール州スバンジャヤで設立され、13ヵ国以上にサービスを提供する大手ホワイトコーヒーメーカー。同社の事業はホワイトコーヒーを中心とするカフェ店舗の運営、コーヒー及びその他の飲料の製造、コーヒー及びその他の飲料のマーケティング・販売となっている。
2018年初頭より、数多くの飲料ブランドを所有するジェイコブス・ダウエ・エグバートの傘下に入っている。
すべての店舗は、マレーシア・イスラーム開発庁(JAKIM)よりハラール認証を取得している。また、同社では「オールドタウン2GO」と呼ばれる食事配達サービスも展開しており、オンラインフードデリバリーサービスのフードパンダを介して飲料やマレーシア料理を注文できる。
同社のフランチャイズ・プログラムは店舗面積などに応じて「キオスク」、「コピティアム」、「カフェ」から選べる形態となっている。
出典: https://oldtown.com.my/
https://www.jacobsdouweegberts.com/
https://www.jdepeets.com/
San Francisco Coffee Sdn Bhd(サンフランシスコ・コーヒー)
1997年、リンダラヒム・ベンチャーズがプレミアムコーヒーを提供するカフェとしてサンフランシスコ・コーヒーを開業。2016年3月には、シンガポールを拠点とするエンヴィクタス・インターナショナル・ホールディングが同社株式の85%を、そして2016年8月に残り15%の株式を取得している。
2020年10月にはペナンのクイーンズベイモールへ新規店舗を開業したものの、2020年度には8店舗が閉鎖となり、現在は合計で50店舗体制となっている。また、2020年度の収益は3,420万リンギットで、前年度から5.8%の減少となっている。
同社では、企業の社会的責任の一環として、新進気鋭のアーティストや写真家に壁画や絵画、写真を提供してもらい、新店舗の目玉とする「地元芸術の支援」を展開している。
また、同社はSNSを介した顧客とのコミュニケーション向上や2018年初頭に導入したクラウドPOSシステムと統合する「デジタルSFコーヒーアプリ」の開発を行っている。
出典:http://sfcoffee.com/
https://www.envictus-intl.com/
クアラルンプール在住4年目の日本人。大学卒業後、東京で飲料メーカーの営業を担当。その後、マレーシアのクアラルンプールへ移住し食品商社の営業及び購買のサポートを担当。