【最新版!】マレーシアの主要加工食品メーカー18選

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マレーシアの加工食品業界は都市化や中間層拡大により成長が続き、市場動向は多様化しています。

本記事では、ローカル・日系・外資系を含む主要18社の最新情報を紹介し、日本企業の現地進出に役立つ最新市場分析をご提供します。

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目次

マレーシアの主要加工食品メーカー10選〜ローカル企業編〜

Kawan Food Bhd(カワン・フード)

Kawan Food Bhd(カワン・フード・ベルハッド)は、マレーシアを拠点に冷凍食品の製造・販売・輸出を手掛ける企業であり、1970年代から冷凍ペストリーや冷凍野菜、春巻き、餃子などの生産を続けている。同社は「高品質」「イノベーション」「信頼性」「成長」「公正」「社会貢献」を企業価値とし、市場リーダーとしての地位を確立している。

Kawan Food Bhdは、2つの工場を運営し、約660名の従業員を雇用している。製品は英国、オーストラリア、アメリカを含む40カ国以上に輸出されており、近年はeコマースや直接販売など多様な流通チャネルを通じてグローバルに展開している。ブランドは「カワン」「KGペストリー」「パッションベイク」「VEAT」「アマン」など多岐にわたり、それぞれ異なる市場や消費者層にアピールしている。

品質管理の面では、2007年に食品安全管理システムISO 22000:2005を取得、2009年にはBRCグローバルスタンダードおよびマレーシア・イスラーム開発庁(JAKIM)によるハラール認証を獲得している。また、中国工場(現在は閉鎖)でもISO 22000やBRC、ハラール認証を取得した実績を持つ。

2020年度の売上高は2億5,470万リンギット、税引後利益は2,765万リンギットを計上した。国内の主要小売チェーン(エコンセーブ、ジャイアント、イオン、NSKトレーディング・シティ、マイディン)との取引が国内売上高の13.2%を占め、売上高の56.3%は主に国際市場から得ている。eコマース事業も拡大しており、2020年度には約100万リンギットの販売、1万4,500人の会員登録数を達成している。

出典:http://kawanfood.com/

QL Resources Bhd(QLリソーシーズ)

QL Resources Bhd(QLリソーシズ・ベルハッド)は、1970年代に飼料会社として設立され、現在はマレーシア証券取引所に上場する農業・食品分野の大手持株会社である。同社は水産物製造、消費者向け食品製造、養鶏や卵生産などの総合畜産、小売業、パーム油・環境技術事業を中核とし、多角的な事業展開で地域の食産業をリードしている。

水産物製造分野では、すり身や魚粉の加工施設をマレーシアのジョホール州やペラ州、インドネシアのスラバヤに保有し、HACCPや食品衛生規則のMeSTI、適正製造基準(GMP)、ハラール認証など高い品質管理基準を取得している。傘下にはQLフィーゴ・フーズやQLマリーン・プロダクツなど、水産加工や消費者向け食品製造を担う複数の子会社が存在する。

2021年度のグループ収益は43億7,880万リンギット、税引後利益は3億2,518万リンギットを記録した。水産物製造の収益は12億5,710万リンギットで、全体の約29%を占めた。従業員数は1万2,300人を超え、マレーシア国内やインドネシア、ベトナムなどに拠点を構える。

2025年5月現在、QL Resourcesはコンビニエンスストア「ファミリーマート」のマスター・フランチャイズとしても成長し、健康的な即席食品や調理済み食品を幅広く提供している。また、パーム油・クリーンエネルギー事業では持続可能なバイオマス技術や再生可能エネルギー分野にも注力し、環境対応型の農業・食品企業として存在感を高めている。直近の業績も堅調で、2025年3月期の売上高は71億1,600万リンギット、純利益は4億8,500万リンギットと、さらなる成長を続けている。

出典:https://ql.com.my/ 

REX Industry Bhd(REXインダストリー)

REX Industry Bhd(レックス・インダストリー・ベルハッド)は、1965年に設立されたREXキャンニング社と、1992年に商業活動を開始したREXキャンニング・インドネシア社の全株式を取得し、1993年11月に設立された投資持株会社である。1995年11月にはマレーシア証券取引所へ上場し、現在も食品加工業界の中核企業として存在感を発揮している。

同社グループは、缶詰食品や飲料、製菓製品の製造・販売・輸出を手掛けており、主にマレーシア、インドネシア、米国、欧州、アジア(マレーシアを除く)など4つの主要地域で事業を展開している。工場ではHACCP、食品衛生規則のMeSTI、適正製造基準(GMP)、ハラール認証(MS 1500:2009)など国際的な品質・安全基準を取得しており、製品の品質管理と食品安全に注力している。

取り扱う製品は、豆料理や肉料理(カレー)、魚介料理、フルーツ缶詰など多岐にわたり、インドネシア工場で製造された製品は主に米国や欧州へ輸出されている。ブランドは「REX」「NOISETTE」「CINTA」「AAA」「FLOWER KING」「GOLDFISH」などがあり、80アイテム以上の製品ラインを持つ。

ハラール認証の要件を厳格に遵守するだけでなく、社内にハラール委員会を設置し、全製品がハラールであることを保証している点も特徴的である。

2021年度の収益は1億6,054万リンギット、税引前利益は391万リンギットであったが、最新の2025年3月期までの直近9か月間の売上は1億408万リンギット、当期純利益は858万リンギットと、業績は変動している。2025年3月期の第3四半期は売上が減少し、純損失を計上するなど、業績はやや不安定な状況だ。

従業員数は800人以上、工場はマレーシア・ペナンとインドネシアにあり、グローバルなサプライチェーンを構築している。

出典:http://www.rexmalaysia.com/ 

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PPB Group Bhd(PPBグループ)

PPB Group Bhd(PPBグループ・ベルハッド)は1968年にサトウキビ事業を主軸に設立され、現在はマレーシアを代表するコングロマリット企業として、穀物・アグリビジネス、消費者製品、映画配給、環境工学、不動産、投資など多角化した事業を展開している。本社はクアラルンプールにあり、マレーシア国内だけで4,800名以上の従業員を擁し、グループ全体では6,000人を超える規模となっている。

消費者製品事業では、傘下のイタリアン・ベーカリーが「マシモ(Massimo)」ブランドの食パンや菓子パンをセランゴール州クランで製造し、高品質・低価格な製品で国内パン市場の主要プレーヤーとなっている。一方、FMMフューチャー・プロセッシングは同じくクランの工場でソーセージ、チキンナゲット、ハンバーガーなどの食品加工を行い、「マリーナ」ブランドで販売している。

穀物・アグリビジネス分野では、FFMグループ傘下で国内5か所に製粉工場を持ち、日量約2,820トンの製粉能力を有し、マレーシア国内の小麦粉市場の約4割を占める最大手企業である。また、ベトナム、タイ、インドネシアなど海外にも製粉拠点を展開し、グローバルな事業基盤を築いている。

映画配給事業では、子会社のゴールデン・スクリーン・シネマが国内最大の映画興行会社として、全国52か所に498スクリーンを有し、国内興行収入の50%以上を獲得している。

2020年度の収益は41億9,100万リンギット、税引後利益は13億6,300万リンギットを計上したが、2024年度は売上高53億8,588万リンギット、純利益12億1,941万リンギットと推移しており、消費者製品事業の収益も安定しており、2020年度には6億2,800万リンギットとなっていた。2025年に入っても、穀物・アグリビジネス分野を中心に堅調な業績を維持し、映画配給事業も好調な映画ラインナップと観客動員の回復により成長が続いている。

出典:https://www.ppbgroup.com/ 
https://massimo.com.my/ 

OCB Bhd(オー・シー・ビー)

OCB Bhd(オー・シー・ビー・ベルハッド)は、マレーシア証券取引所に上場する投資持株会社で、消費者向け食品、寝具製品、建設資材の製造・販売を多角化した事業展開をしている。消費者向け食品分野では、子会社のイブフード・グループが「イブミー(Eve’s)」ブランドでインスタントヌードルを、「テリー(Terry’s)」ブランドでマヨネーズやシーズニングパウダー、ソースなどを製造している。製造拠点はセランゴール州とサラワク州にあり、国内市場だけでなく海外市場にも積極的に進出している。

「イブミー」のインスタントヌードルはペナンの伝統的な食文化を活かした製品として知られ、国内のみならずアフガニスタン、オーストラリア、カナダ、アメリカ、中国など14ヵ国にディストリビューターを持ち、輸出されている。このグローバル展開により、同社の消費者向け食品は国際的な知名度を高めている。

寝具製品分野では、子会社のKingkoil Bedding(Malaysia)Sdn. Bhd.やBedco Sistem(M)Sdn. Bhd.などを擁し、多様な寝具製品を製造・販売している。また、建設資材分野でも堅調な事業運営を行っている。

2020年度の収益は2億7,361万リンギット、税引前利益は496万リンギットを計上した。消費者向け食品事業の税引前利益は同年度で650万リンギットであり、主力事業としての役割を果たしている。2024年度の総収入は3億2,054万リンギット、当期純利益は423万リンギットであり、近年は収益が拡大傾向にある。

出典:https://ocbb.com.my/ 
https://www.ibumie.my/

Texchem Resources Bhd(テクスケム・リソーシーズ)

Texchem Resources Bhd(テクスケム・リソーシズ・ベルハッド)は1973年に設立され、ペナンを拠点とする多角化コングロマリット企業である。1993年からマレーシア証券取引所に上場し、現在は工業、ポリマーエンジニアリング、食品、レストラン、ベンチャー事業の5つのコア事業を展開している。グループ全体の従業員数は2025年時点で約3,500名に達し、マレーシア国内外に多数の事業拠点を持つ。

食品事業では、子会社のTexchem Food(テクスケム・フード)がペナン州でシーフード加工を行い、2003年にはミャンマーにも加工工場を設立して現地のアンダマン海で獲れた新鮮なシーフードを処理している。さらに、日本の水産研究機関やマレーシアサインス大学(Universiti Sains Malaysia)との共同プロジェクトも推進し、技術力と品質管理の強化に努めている。主な製品は生鮮・冷凍シーフード、すり身、魚粉、乾燥シーフード、バリューアディッド商品、サシミグレードの魚介類など多岐にわたり、国際的な食品衛生基準であるHACCP認証も取得している。

レストラン事業では、ハラル認証の日本食レストランチェーン「Sushi King」を運営し、2024年末時点でマレーシア国内に122店舗、インドネシアに4店舗を展開するほか、Hoshino CoffeeやDoutor Coffee、Mirakuなど複数のブランドを有する。

2020年度のグループ収益は10億1,745万リンギット、税引前利益は136万リンギットであったが、直近の2024年度の売上高は11億2,000万リンギット(TTMベース)、従業員数は2,689名となっている(一部情報源による)。ただし、グループ全体の従業員数は公式サイトで3,500名超とされており、事業拡大に伴い増加傾向にある。食品事業の2020年度収益は1億4,290万リンギット、税引前利益は230万リンギットだったが、2024年度の食品部門収益は1億8,110万リンギットと拡大している。ただし、ミャンマーの為替規制やコスト上昇の影響により、同年度は税引前損失を計上するなど、業績はやや不安定な状況だ。

出典:https://texchemgroup.com/ 
https://texchemfood.com/ 

Mamee-Double Decker (M) Sdn Bhd(マミー・ダブル・デッカー)

Mamee-Double Decker (M) Sdn Bhdは1971年にマレーシア・マラッカ州で創業され、現在も同州とセランゴール州スバンジャヤを拠点とするグローバルな食品・飲料メーカーである。主力ブランドである「マミー・モンスター・スナック」「ミスター・ポテト」「マミー・シェフ」など、50種類以上のスナック、ヌードル、ビスケット、飲料を展開し、100カ国以上に製品を輸出している。

同社は品質と安全に最大限の注意を払い、マレーシア国内およびインドネシア、ミャンマーにある全ての製造施設がISO 9000、ISO 22000、HACCP、ハラール認証を取得している。この徹底した品質管理により、世界的な信頼を得ており、2018年には世界ハラール会議で「成功したマレーシアのハラール企業賞」を受賞した。

2013年8月にはマラッカ州ジョンカー通りにコンセプトストア「マミー・ジョンカー・ハウス」を開設し、マミー・カフェやミュージアム、ワークショップなどを展開している。同施設では、ミ・タリック・ヌードルケーキや海南チキンライスボールなど、ハラール認証を受けた多彩なメニューを楽しめる。

また、電子商取引分野にも積極的に進出し、ラザダ、ショッピー、ポットボーイなどの大手プラットフォームにオフィシャルストアを開設しており、消費者への直接販売やブランド体験の拡大を図っている。

出典:https://mamee.com/ 

Lam Soon Edible Oils Sdn Bhd

Lam Soon Edible Oils Sdn Bhd(ラム・スーン・エディブル・オイルズ)は、1973年8月に設立されたマレーシア・セランゴール州シャーアラムを拠点とする食品・FMCG(ファスト・ムービング・コンシューマー・グッズ)企業である。同社は東南アジア全域で高品質な食用油脂製品のリーディングプロバイダーを目指して事業を展開し、インドアグリカルチャーや食品加工、石鹸・洗剤、オレオケミカルなど多角的な事業を手掛けている。

主な事業内容は、パーム油の精製・加工、マーガリンやファット、食用油、石鹸・洗剤、有機米および米関連製品の製造・販売・卸売りである。ブランドとしては「Knife」「Isomax」「Ace」「Fruitale」「Original」などがあり、長年にわたり地域の家庭や産業向けに幅広い商品を提供している。

Lam Soon Edible Oilsはマレーシアのみならず、シンガポール、タイ、ベトナムにも拠点を持ち、グローバルな販売ネットワークを構築している。全製造施設はISO 9001、ISO 14001、GMP(適正製造基準)、HACCPなどの国際的な品質・安全基準を取得しており、持続可能なパーム油生産のためのRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)およびMSPO(マレーシア持続可能なパーム油認証)も取得している。

2023年度は、世界的なインフレや原材料価格の高騰、消費者の節約志向の影響を受け、売上高は202億リンギット(約2,060億円相当、2022年比5.1%減)、税引前利益は1億420万リンギットとなった。主力ブランドである「Buruh」精製油や「Antabax」「Lion’s Shokubutsu」などの中間価格帯ブランドが業績を支えた。

従業員数は資料によって異なるが、グループ全体では数百人規模、Lam Soon Edible Oils Sdn Bhd単体では51~200人程度の規模とされている。

出典:https://www.lamsoon.com.my/

Yeo Hiap Seng (Malaysia) Berhad

Yeo Hiap Seng (Malaysia) Berhad(ヨー・ヒアプ・セン・マレーシア・ベルハッド)は、1901年に中国福建省で創業し、1935年にシンガポールで事業を開始、1940年代にマレーシアへ進出した食品・飲料メーカーである。現在はシンガポールのYeo Hiap Seng Limited(YHS)が過半数の株式を保有し、グループの主要な生産・販売拠点となっている。

本社はセランゴール州シャーアラムにあり、マレーシア国内ではペタリンジャヤやジョホールバルなど複数の工場を運営している。従業員数は1,400人以上で、グループ全体では1,700人規模に及ぶ。主な製品は豆乳、各種アジアンティー、インスタントヌードル、カレーやココナツなどの缶詰、ソース類、炭酸・ノン炭酸飲料など多岐にわたり、「Yeo’s」「Fizzi」「Goodtaste」「SoyRich」「Cintan」などのブランドを展開している。

品質管理においては、GMP、MeSTI、HACCP、ハラール認証を取得し、厳格な衛生基準とトレーサビリティを維持している。また、JAKIM(マレーシア・イスラーム開発庁)によるハラールトレーニングも定期的に実施し、全製品のハラール対応を徹底している。

グローバル展開も積極的で、マレーシア工場はインドネシア、ニュージーランド、オーストラリア、ヨーロッパ、インドシナ、米国などへの輸出拠点として機能している。輸出先は30か国以上に及び、近年はインドネシア、アメリカ、カンボジア、イタリアなどが主要市場となっている。

直近の業績では、2024年度のグループ売上高(Yeo Hiap Seng Limited全体)はシンガポールドル3億2,857万(約328億円相当)、うちマレーシア・ブルネイ市場が1億6,225万シンガポールドルと最大のシェアを占めている。マレーシア法人単体では2023年の売上高が前年比2.7%増、純利益率も上昇しており、堅調な成長を維持している。

出典:https://yeos.com.my/

Dutch Lady Milk Industries Berhad

Dutch Lady Milk Industries Berhad(ダッチ・レディ・ミルク・インダストリーズ・ベルハッド)は、1963年に設立され、1968年にマレーシア証券取引所(ブルサ・マレーシア)に上場した同国初の乳業メーカーである。主要株主は世界最大級の乳業コングロマリットであるオランダのロイヤルフリースランド・フーズ(FrieslandCampina)であり、ペルモダラン・ナシオナル・ベルハッドが第2位株主となっている。

同社は「Dutch Lady」「Dutch Baby」「Frisolac」「Friso Gold」「Dutch Lady PureFarm」などのブランドで、乳幼児用や成長期向けの特殊粉ミルク、液体ミルク、ヨーグルト、プロフェッショナルミルクなど幅広い乳製品を製造・販売している。代表的な製品ラインナップには「Dutch Lady 123」「456」「6+」などの成長期用ミルクや、UHTミルク、パスチャライズドミルク、全乳、低脂肪高カルシウムミルク、チョコレート・ストロベリー・コーヒー・バナナ・クルマ風味ミルク、ファミリーミルクパウダー、飲食用ヨーグルトなどがある。

品質管理においては、JAKIM(マレーシア・イスラーム開発庁)やセランゴール州イスラム教局(JAIS)などによるハラール認証を取得し、全ての製品が厳格なハラール基準を満たしている。また、Rainforest Alliance認証も取得し、持続可能な農業とトレーサビリティにも注力している。

従業員数は約600名で、グローバルな品質基準とイノベーションを重視し続けている。2025年1Qの売上高は3億7,340万リンギット、純利益は2,503万リンギットであり、コアミルク製品や乳児用ミルク、新製品の販売拡大が業績を支えている。

出典:https://www.dutchlady.com.my/

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マレーシアの主要加工食品メーカー2選〜日系企業編〜

Ajinomoto (Malaysia) Bhd(味の素マレーシア)

Ajinomoto (Malaysia) Bhd(味の素(マレーシア)ベルハッド)は1961年にマレーシアで設立され、味の素グルタミン酸ナトリウム(MSG)の製造を開始した、マレーシアで最も早く進出した日本企業の一つである。現在は国内8カ所に営業所を展開し、クアラルンプールを中心に事業を拡大している。

同社は1965年に現地工場の操業を開始し、同時期にハラール認証を取得した。1993年には第2工場を設立し、その後も品質・安全・環境・労働安全に注力し、1998年にISO 9001、2004年にHACCP、2006年にISO 14001、2008年にOHSAS 18001認証を取得している。これらの国際認証取得により、グローバルな食品業界の基準を満たす体制を整えている。

取り扱い製品は、小売向け調味料(AJI-NO-MOTO®、Seri-Aji®、AJI-SHIO®、TUMIX®など)、スポーツドリンク、甘味料、および工業用調味料・バインダー・テクスチャー改良剤など多岐にわたる。2020年7月には、ラザダやショッピーなどの大手eコマースプラットフォームに公式フラッグシップストアを開設し、オンラインショッピングチャネルへの進出も積極的に推進している。

2021年度の収益は4億4,312万リンギット、税引前利益は6,126万リンギットであったが、2024年度には収益が6億3,640万リンギット、2025年度の直近12か月(TTM)では6億8,450万リンギットまで拡大している。一方、2025年度の純利益は4,966万リンギットと、前年比で減少しているが、これは主に特別利益の影響によるものであり、コア事業としては安定した成長を示している。

2021年12月、同社はマレーシア・イスラーム開発庁(JAKIM)主催の全国ハラール会議において「ベストマレーシアハラール証明書ホルダー(大規模産業部門)」を受賞し、ハラール認証の厳格な遵守と信頼性の高さを公式に認められた。また、2022年以降はネゲリ・センビラン州のハラルハブに新工場を移転し、生産能力の拡大と持続可能な事業運営を強化している。

出典:https://www.ajinomoto.com.my/

Kewpie Malaysia Sdn Bhd(キューピー・マレーシア)

Kewpie Malaysia Sdn Bhd(キユーピー・マレーシア・ベルハッド)は2009年4月、日本のキユーピー株式会社(90%)と三菱商事株式会社(10%)が出資し設立された。同社はマレーシア・マラッカ州メルリマウ(Merlimau)に本社・工場を構え、マヨネーズやドレッシング、スプレッド、ソースなどの調味料を製造・販売している。

2010年7月にはマラッカ州に本格的な製造工場を竣工し、イスラーム圏への輸出も視野にマレーシア・イスラーム開発庁(JAKIM)からハラール認証を取得した。工場の敷地面積は8,000平方メートル、延床面積は2,500平方メートルで、従業員数は約50名規模となっている。同社は設立当初から「100%ハラール企業」として運営されており、ハラール認証の厳格な遵守とイスラム市場への対応力を強みとしている。

小売向けには「Kewpie Japanese Style Mayonnaise」「Kewpie Mild Type Mayonnaise」「Kewpie Half Salad Dressing」「Kewpie Chilli Mayo」「Kewpie Mayo Sauce」など多様なマヨネーズやドレッシング、スプレッド、ソースを展開している。業務用にはマヨネーズやドレッシング、スプレッド、機能製品(寿司調味料など)も提供しており、幅広い飲食業界に対応している。

製品はイオン、ジャイアント、ジャヤ・グローサー、エコンセーブなどの大手ハイパーマーケットで購入できるほか、電子商取引プラットフォームのショッピーに公式ストアを開設し、オンライン販売も強化している。また、フォーカスマーケティング(Focal Marketing)、DKSHマレーシア、チュアン・イー(Chuan Yee)などがディストリビューターとして流通を支えている。

2023年度の売上高は前年比8.15%増、総資産は11.36%増、純利益率も4.11%向上しており、堅調な成長を維持している。2024年には「Halal Prominent Brand Excellence Award」を受賞し、ハラール業界におけるブランド力とイノベーションが評価された。

出典:https://www.kewpie.com.my/ 
https://www.kewpie.com/

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マレーシアの主要加工食品メーカー6選〜外資系企業編〜

Nestlé (Malaysia) Bhd(ネスレ・マレーシア)

Nestlé (Malaysia) Bhd(ネスレ・マレーシア・ベルハッド)は1912年にアングロ・スイス煉乳会社としてペナンに設立され、1989年にマレーシア証券取引所へ上場した。現在は国内に6つの工場を運営し、2024年12月末時点で4,935名の従業員を雇用するマレーシアを代表する食品・飲料メーカーである。

同社は乳製品、シリアル、飲料、製菓、加工食品の製造・販売を幅広く手掛けており、代表的なブランドにはインスタントヌードルの「マギー(MAGGI)」、チョコレート菓子の「キットカット(KIT KAT)」、シリアルの「ネスレ・クッキー・クリスプ(NESTLÉ COOKIE CRISP)」、栄養補助食品の「ネスレ・ヘルスサイエンス(NESTLÉ HEALTH SCIENCE)」などがある。2025年にはMAGGIのエアフライヤー用マリネミックスや、NESTLÉ OMEGA GOLD、MILOビスケットなど新製品も続々と投入されている。

すべての現地生産製品はマレーシア・イスラーム開発庁(JAKIM)によるハラール認証を取得しており、世界50カ国以上に輸出されている。ネスレ・マレーシアはグループ内で最大規模のハラール製造拠点としても知られ、国際競争力の高いインフラを有している。

2020年度の収益は54億1,200万リンギット、税引前利益は7億2,500万リンギットであったが、2024年度は売上高が6億2,200万リンギット減少し、純利益も約37%減少した。しかし、2025年第1四半期(Q1)には売上高が1,770百万リンギット、税引後利益が161百万リンギットを計上し、前四半期比で大幅に回復している。この業績回復は、中国旧正月やラマダン・ハリラヤなどの季節要因や、ブランド投資、効率化・コスト削減策によるものである。

ネスレ・マレーシアは「Healthier Choice」認証製品の拡充や、デジタル化・自動化の推進、ESG(環境・社会・ガバナンス)への積極的な取り組みも特徴的である。2025年までにCO2排出量を20%削減、2030年までに半減、2050年までにネットゼロを目指すなど、持続可能性にも注力している。

また、2021年7月には「マギー・ブレイブ・ウーマン・メンター・プログラム」キャンペーンを展開し、全6話のリアリティテレビシリーズを発表した。このプログラムは出場者にスキルとリーダーシップを高める機会を提供し、料理やビジネス・起業に関する課題に挑戦する内容となっている。

出典: https://www.nestle.com.my/

Gardenia Bakeries (KL) Sdn Bhd(ガディニア・ベーカリーズ)

Gardenia Bakeries (KL) Sdn Bhd(ガディニア・ベーカリーズ(KL)・ベルハッド)は、シンガポール上場のQAF社とマレーシア大手のパディベラス・ナショナル社(BERNAS)による合弁会社として、1986年に設立された。同社は「ガディニア」ブランドでパン、ロール、ケーキ、ワッフル、スプレッド、イエローヌードルなど多様なベーカリー製品の製造・販売を手掛けている。

品質管理においては、2002年にISO 9001、2005年にHACCP、2020年にISO 22000を取得し、Good Manufacturing Practice(GMP)にも準拠している。全ての製造工場と製品はマレーシア・イスラーム開発庁(JAKIM)からハラール認証を取得し、社内にハラール委員会を設置し、原料調達から生産、保管、流通、販売まで厳格なハラール基準を徹底している。また、セランゴール州イスラム教局(JAIS)の「ホワイトリスト」にも掲載され、定期的な工場検査も行われている。

セランゴール州にある工場は24時間稼働し、毎日約3.8百万個の製品を製造している。2024年1月現在、西マレーシアに8つの工場があり、59種類の製品を生産している。工場見学プログラム「ブレッドタイムストーリーツアー」は1991年から実施されており、コロナ禍で一時中断したが2024年に新たな内容で再開され、年間平均4万人が参加している。

従業員数は500名以上で、主要社員は米国製パン協会など海外の専門機関で定期的に研修を受けるなど、グローバルな視点で品質向上とイノベーションに取り組んでいる。

出典: https://gardenia.com.my/ 

Mondelēz Malaysia Sales Sdn Bhd(モンデリーズ・マレーシア・セールス)

Mondelēz Malaysia Sales Sdn Bhd(モンデリーズ・マレーシア・セールズ・ベルハッド)は、米国に本社を置く世界最大級の食品・飲料企業モンデリーズ・インターナショナルのマレーシア法人である。セランゴール州ペタリンジャヤに本社を置き、ペナン州プラーイおよびセランゴール州シャーアラムなどに主要な製造拠点を持つ。マレーシア・シンガポール・インドネシア・フィリピン・タイ・ベトナムなど東南アジア地域で合計7,000人以上の従業員を擁し、地域のスナック業界をリードしている。

同社は「オレオ」「キャドバリー・デイリーミルク」「タイガー」「リッツ」「チップスモア」「ジャコブス」など、世界的に有名なブランドのスナックやチーズ、チョコレート、クッキー、クラッカーなどの製造・販売を手掛ける。マレーシア国内の全工場で生産される製品は、全てマレーシア・イスラーム開発庁(JAKIM)のハラール認証を取得しており、多民族・多宗教社会のニーズに応える信頼性の高いサプライチェーンを構築している。

2021年6月、同社は主要ブランド「キャドバリー・デイリーミルク」を通じて、フードエイド基金とのパートナーシップを発表した。これはCOVID-19の影響を受けた低所得世帯を支援する取り組みであり、1,100世帯(4,400人以上)に対して総額8万リンギットの現金寄付を行った。このうち3万リンギットは、99スピードマートとキャドバリー・デイリーミルク、オレオのパートナーシップによるもので、レイヤ期間中の食料支援や生活必需品の提供に活用された。

モンデリーズ・マレーシアは、製品の品質・安全・ハラール認証だけでなく、地域社会への貢献や環境・社会・ガバナンス(ESG)にも積極的に取り組んでいる。2025年までに工場内の食品廃棄物を15%削減、流通段階での廃棄物を50%削減する目標を掲げ、持続可能なサプライチェーンの構築を推進している。

出典: https://www.mondelezinternational.com/Malaysia 

Unilever (Malaysia) Holdings Sdn Bhd

Unilever (Malaysia) Holdings Sdn Bhd(ユニリーバ・マレーシア・ホールディングス・ベルハッド)は、1947年に最初のLever Brothers石鹸およびマーガリン製造工場がバンサールに設立されたことに始まる。当時はRM1200万(資料によってはRM12ミリオンと記載されることもある)を投じ、1分間に124個の石鹸を生産できる最先端の設備を誇り、マレーシア最大級の工場として注目を集めた。

現在のユニリーバ・マレーシアは、イギリスのUnilever PLCが70%、地場大手のPermodalan Nasional Berhad(PNB)が23%、Lembaga Tabung Hajiが7%を保有する合弁企業となっている。セランゴール州ラワンに食品工場を構え、約550名の従業員を擁する。

同社は栄養、衛生、パーソナルケア分野で圧倒的なブランド力を誇り、Dove、Lux、Clear、Lifebuoy、Ponds、Breeze、Ekonomi Handalan、Sunsilk、Fair & Lovely、Rexona、Wall’s、Lipton、Knorr、Lady’s Choice、Plantaなど、多くの家庭製品がマレーシア人の生活に深く根付いている。

ユニリーバ・マレーシアは、1994年にLever Brothersから現在の名称へと変更され、以降もマレーシアの経済成長や社会発展に寄与し続けている。現地の多様な文化や消費者のニーズを深く理解し、マーケティングやプロモーション活動にも積極的に取り組んできた。

2025年現在も、ユニリーバ・マレーシアは持続可能性やESG(環境・社会・ガバナンス)に注力し、地域社会への貢献とイノベーションを両立させている。また、2017年・2018年には「ベストカンパニー・トゥ・ワーク・フォー」や「サステイナブル・ビジネス・アワード」を受賞し、優れた企業文化と社会的責任への取り組みが評価されている。

出典:https://www.unilever.com.my/

Fraser & Neave Holdings Bhd

Fraser & Neave Holdings Bhd(フレーザー・アンド・ニーブ・ホールディングス・ベルハッド、略称F&NHB)は、シンガポールに拠点を置くFraser and Neave Ltd(F&N)グループのマレーシア法人であり、1883年に設立された歴史ある投資持株会社である。本社はセランゴール州シャーアラムに位置し、2025年4月現在で約3,700名の従業員を擁する。

同社はソフトドリンク、乳製品、コンデンスミルク、エバポレートミルク、ジュース、アイスクリームなどの製造・販売・マーケティングを主軸に、不動産開発・管理サービスも展開している。主要ブランドには「100PLUS」「F&N Fruit Tree」「F&N SEASONS」「F&N NutriSoy」「Coco Life」「F&N Ice Mountain」「Borneo」「OYOSHI」「F&N Magnolia」「Carnation」「Farmhouse」「Gold Coin」「TEAPOT」「Cap Junjung」「Ideal」「Sunkist」「Bear Brand」「Ranger」などがあり、マレーシア、ブルネイ、タイ、インドシナで事業を展開し、世界約85カ国に製品を輸出している。

2025年3月末の上半期(1H FY2025)決算では、グループ収益は1.4%増の27億2,390万リンギット、営業利益は4.3%増の4億3,480万リンギットを計上し、堅調な業績を維持している。ただし、第2四半期は前年同期比で1.4%減の13億3,410万リンギットとなり、営業利益も7.6%減少したものの、全体的には安定した成長を示している。

同社はハラール認証の取得にも積極的で、2022年にはマレーシア国際ハラールショー(MIHAS)において「Best Halal Achievement Award」を受賞し、ハラール産業のグローバル化と品質向上への貢献が評価されている。

出典:https://www.fn.com.my/

PK Agro Industrial Products (M) Sdn Bhd(PKアグロ・インダストリアル・プロダクツ)

PK Agro Industrial Products (M) Sdn Bhd(ピーケー・アグロ・インダストリアル・プロダクツ・ベルハッド)は、1975年にタイのチャローン・ポーカパン・グループ(CPグループ)の子会社として設立され、マレーシア国内で鶏肉加工食品やインスタント食品の製造・販売を手掛ける。製品ラインは冷凍・冷蔵鶏肉加工品を中心とし、「5スター」「CP」「チャンプ」「AyamPertiwi」などのブランドで流通している。

同社はヌグリ・スンビラン州セナワン、ジョホール州ポンティアン、ケダ州クリム、パハン州クアンタンに主要な工場を構え、垂直統合型の生産体制と厳格な品質管理を強みとする。食品安全マネジメントシステムISO 22000:2005規格に準拠し、マレーシア・イスラーム開発庁(JAKIM)によるハラール認証も取得している。これにより、多民族・多宗教社会のマレーシア市場で高い信頼を得ている。

流通チャネルは多岐にわたり、ヌグリ・スンビラン州とマラッカ州に5店舗の工場直販店を展開しているほか、イオン、イオン・ビッグ、ロータス、ジャイアントなどの大手ハイパーマーケットや、ドミノピザ、スターバックス・コーヒーなどの外食チェーンにも供給している。従業員数は201~500名規模で、効率的な飼育・加工・流通システムを導入し、生産性と品質を高めている。

出典: https://www.cpmalaysia.com/
http://cpbrand.com.my/

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林 千尋 Malaysia-Based Industry Analyst
クアラルンプール在住4年目の日本人。日本では飲料メーカーの営業を担当し、その後マレーシアへ移住。現地では食品商社にて営業および購買サポート業務に携わっている。
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