今回は、タイの主要文房具・事務用品メーカーに焦点を当て、ローカル・日系合わせて14社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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タイの主要文房具・事務用品メーカー8選〜ローカル企業編〜
Berli Jucker PCL. (バーリ・ユッカー)
1882年に創業した総合商社。1975年にタイ証券取引所SETに上場した。2001年よりタイの財閥企業Thai Charoen Corporation (TCC)の傘下となっている。同社の4つの事業分野の一つ、小売事業ではハイパーマーケットのBig C Supercenterを運営し、文房具・事務用品の取り扱いもある。また、傘下のAsia Books Co., Ltd.では、書籍や文房具などを取り扱うAsia BooksおよびBookazineブランドの小売店を70店舗展開する他、タイ国内での書籍・文房具の流通を手掛け、300か所以上の流通拠点および400以上の図書館、教育機関などへの流通チャンネルを持っている。
2020年度の売上高は前年比9.4%減の157,697百万バーツ、純利益は前年比45%減の4,001百万バーツであった。
出典:https://www.bjc.co.th/
Officemate (Thai) Ltd. (オフィスメイト・タイ)
1994年に設立されたオフィス用品店。タイの小売り大手セントラル・グループの傘下、セントラル・リテール・コーポレーション(CRC)が運営している。デスク・チェアなどのオフィス用家具、ノートなどの文房具、プリンターなどのオフィス用家電を取り扱う。他にもベッドやTV、キッチン用品など家庭用の商品やギフト類など、幅広い品揃えがある。また、ソフトウェア製品のインストール、オフィスのクリーニング、ITソリューションなどのサービスも提供する。店舗はタイ全国に105店舗を展開しており、セントラルやその他のショッピングモール内に存在する場合が多い。公式サイトではオンラインショッピングにも対応している。
2020年度の売上高は前年比10%増の3,750百万バーツ、純利益は前年比93%減の12百万バーツであった。
出典:https://www.officemate.co.th/th
B2S Co., Ltd. (ビートゥーエス)
1995年に設立された書籍・文具店。タイの小売り大手セントラル・グループの傘下、セントラル・リテール・コーポレーション(CRC)が運営している。書籍、文房具、オフィス用品、IT製品、家具、図画工作用品などを取り扱う小売店、B2Sを運営する。文房具ではボールペン、鉛筆、定規、ノート、プリンター用紙、はさみなどの様々なブランドの商品を取り揃えている。商品は計8万点以上にのぼり、年に250万人の顧客に利用されている。店舗はセントラル・グループのショッピングモール内を中心にタイ国内に130か所が存在する。また、自社のオンラインショッピングも展開している。
2020年度の売上高は前年比27%減の3,287百万バーツ、純損益は286百万バーツの赤字であった。
出典:https://www.b2s.co.th/
Modernform Group PCL. (モダンフォーム・グループ)
1930年に創業した家具メーカー。1992年よりタイ証券取引所SETに上場している。イス、テーブル、収納などの家具のデザイン・製造を行い、オフィスやコンドミニアムなどのインテリアデザインまでを手掛ける。今までにタイ石油公社PTT傘下のPTT RMや大手飲料メーカーのThai Beverageなど大手企業のオフィスのインテリアをデザインした実績がある。タイ国内に本社含め5か所のショールームがあり、カンボジアにも拠点が存在する。日系の家具メーカー、イトーキとの合弁でItoki Modernform Co., Ltd.という会社も運営する。
2021年度の売上高は前年比19%減の2,429百万バーツ、純利益は前年比38%減の88百万バーツであった。
出典:https://www.modernform.co.th/
Double A (1991) PCL. (ダブル・エー)
1991年に創業した製紙メーカー。各種サイズのコピー用紙、ノート、付箋などの紙製品全般を中心に、ペンやマーカー、修正液などの文房具、マスクや消毒液、ウェットティッシュなどの衛生用品まで幅広い商品を取り扱っている。また、Double A Copy Centerというプリントサービス拠点や、Double A Stationery Shopという小売店をタイ全国に300店舗以上展開している。さらにはアプリケーションを使って手軽に印刷ができるDouble A Fast Printという印刷機を全国に2,000機設置している。海外展開も積極的に進めており、2001年のアジア諸国への進出をきっかけに、現在では世界130か国以上で同社製品が流通している。
2020年度の売上高は前年比21%減の18,469百万バーツ、純利益は前年比47%減の516百万バーツであった。
出典:https://www.doubleapaper.com/th
DHA Siamwalla Ltd. (ディーエイチエー・サイアムワラー)
1942年に創業した文房具メーカー。プラスチック、紙、金属など様々な材料を加工する技術・設備を有し、各種文房具を製造している。代表的なブランドは1974年より展開しているElephantで、ボールペンやノート、ホチキス、バインダーなどがある。特にバインダーは世界的ブランドとして知られ、年に5-7百万の製造キャパシティを持つ。その他にもQuantum、Master Art、Renaissanceなどのブランドを取り扱う。バンコクに本社が、中部アユタヤに工場および物流拠点が存在する。製品はアジアだけでなく、ヨーロッパ、アフリカ、南米など世界80か国以上で流通している。
2020年度の売上高は前年比15%減の2,773百万バーツ、純利益は前年比1.3%増の344百万バーツであった。
出典:https://dhas.com/
Practika Co., Ltd. (プラクティカ)
1986年に創業したインテリア製品メーカー。イス、ソファ、机、収納といった家具のデザイン・製造から、それらの配置を決める空間デザイン、輸出用の梱包作業、配送・据付、メンテナンス、移転時のサポートまで一貫したサービスを提供している。現在までに企業のオフィス、政府機関、病院、住居、小売店、学校、ホテルなど様々な顧客のインテリアをデザインしてきた。通常の家具だけでなく、病院の治療用機器、小売店のディスプレイ用の棚、ホテルのカウンターなど特殊な形状のものも取り扱うことが可能。拠点はバンコクに本社および工場がある他、ラオスに展示ギャラリーが存在する。
2020年度の売上高は前年比37%減の470百万バーツ、純損益は77百万バーツの赤字であった。
出典:https://www.practika.com/
Sakura Products (Thailand) Co., Ltd. (サクラ・プロダクツ・タイランド)
1971年に創業した文房具・オフィス用品の販売代理店。海外の有名ブランドの正規代理店として、各社製品のタイ国内の流通を手掛ける。商品は日本のサクラクレパスのクレヨン、ボールペン、絵具パレット、彫刻刀などに加え、マレーシアのブランドのg’softのボールペン、韓国のDong-Aのマーカーペン、シャープペンシルなど10以上のブランドを取り扱っている。また、上記の一般用の文房具に加えて、業務用の定規、はさみ、拡大鏡、接着剤、マーカーなどの製品も販売している。拠点はバンコクに1か所で、自社サイトでオンラインショッピングも展開している。
2020年度の売上高は前年比19%減の336百万バーツ、純利益は前年比38%減の8.0百万バーツであった。
出典:https://www.sakura.in.th/en/index.php
タイの主要文房具・事務用品メーカー6選〜日系企業編〜
Siam Okamura International Co., Ltd. (サイアム・オカムラ・インターナショナル)
日系の家具メーカー、オカムラのタイ拠点。タイでは1996年に設立された。イス、オフィス用デスク、テーブルなどの家具類を製造し、オフィスのレイアウトや小売店のディスプレイも含めたインテリアデザインを行う。バンコクにオフィスが存在し、東郊サムットプラカーンには生産拠点としてSiam Okamura Steel Co., Ltd.がある。2020年度の売上高は前年比26%減の418百万バーツ、純損益は8.0百万バーツの赤字であった。
オカムラは1945年に創業した。オフィス環境、商業店舗のレイアウト・内装のプランニングから施行、メンテナンスまで一貫して手掛けている他、物流システム事業も行う。現在では海外およそ10か国に拠点を持ち、従業員は3,800人ほどが在籍している。
出典:https://www.siamokamura.com/
The Pilot Pen (Thailand) Co., Ltd. (パイロット・ペン・タイランド)
日系の文房具メーカー、Pilotのタイ拠点。タイでは1952年に設立された。万年筆、ボールペン、シャープペンシル、マーカーペンなどの筆記具を中心に、手帳・ノート、修正テープ、のり、消しゴムなどの幅広い種類の事務用品を販売している。2020年度の売上高は前年比28%減の219百万バーツ、純利益は前年比60%減の36百万バーツであった。
Pilotは1918年に創業した。筆記具・事務用品のメーカーとして長い歴史を持ち、現在では筆記具単一ブランドとしては世界No.1の売上高となっている。1926年から海外に進出し、海外でも4工場を含む22か所の拠点が存在するほか、製品は世界190か国以上で使用されている。
出典:https://www.pilot.co.jp/
Pentel (Thailand) Co., Ltd. (ペンテル・タイランド)
日系の文房具メーカー、ぺんてるのタイ拠点。タイでは1983年に設立された。タイでも同社ブランドのボールペン、シャープペンシル、鉛筆、マーカーペン、修正液、クレヨンなどの筆記用具を製造・販売している。バンコクにオフィスが、東郊サムットプラカーンに工場が存在している。2020年度の売上高は前年比14%減の454百万バーツ、純利益は前年比83%減の3.2百万バーツであった。
ぺんてるは1946年に創業した。筆記用具全般を化粧品大手カネボウ化粧品と共同で化粧品も開発している。海外展開も進め、海外6工場を含む20拠点以上がアジアだけでなくヨーロッパ、アフリカ、オセアニア、北米、南米など世界各地に存在している。
出典:http://www.pentel.co.th/
KOKUYO International (Thailand) Co., Ltd. (コクヨ・インターナショナル・タイランド)
日系の文房具・家具メーカー、コクヨのタイ拠点。タイでは2004年に設立された。ボールペン、ノート、ホチキスなどの文房具、およびオフィス用のイス、テーブルなどを製造・販売している。また、オフィスのインテリアデザイン、家具の配送・据付までをサポートすることも可能。2020年度の売上高は前年比38%減の295百万バーツ、純利益は前年比77%減の15百万バーツであった。
コクヨは1905年に創業した。文房具の製造・販売、家具・インテリアデザイン、オフィス向けの通信販売の3つの事業領域を展開する。現在は中国、香港、タイ、マレーシアなどアジア7か国に進出している。全体の従業員は計6,000人以上、売上高は3,000億円以上にのぼる。
出典:https://www.kokuyo.co.th/
Mitsubishi Pencil (Thailand) Co., Ltd. (ミツビシ・ペンシル・タイランド)
日系の文房具メーカー、三菱鉛筆のタイ拠点。タイでは2012年に設立された。Uniブランドのボールペン、シャープペンシル、マーカーペンなどの筆記用具を販売している。拠点はバンコクにオフィスが1か所存在し、同社製品の輸入・販売を行っている。製品は国内の文房具店およびスーパーマーケットなどの店舗やオンラインショッピングで購入可能である。2020年度の売上高は前年比39%減の135百万バーツ、純利益は前年比68%減の7.6百万バーツであった。
三菱鉛筆は1887年に創業した。現在は筆記用具事業に加え、応用技術を用いて産業資材事業、化粧品事業などを展開している。海外では中国、香港、ベトナムに製造拠点を持つほか、アメリカやヨーロッパ、オーストラリアでも商品を展開している。
出典:https://www.uni-ball.co.th/en/
Tombow (Thailand) Co., Ltd. (トンボ・タイランド)
日系の文房具メーカー、トンボ鉛筆のタイ拠点。タイでは1990年に設立された。MONOブランドの鉛筆、シャープペンシル、消しゴム、マーカーペン、修正テープなどの文房具を製造・販売している。バンコク東郊サムットプラカーンに工場が存在している。製品の販売は代理店のEastern Pioneer Sales and Service Co., Ltd.が行う。2020年度の売上高は前年比16%減の105百万バーツ、純利益は前年の赤字から回復し45百万バーツであった。
トンボ鉛筆は1913年に創業した。現在はMONO、PIT、Zoomなどのブランドの文房具を製造・販売しているほか、化粧品分野にも進出している。タイ、ベトナムに工場を所有し、製品は代理店を通じて世界各地で流通している。
出典:https://tombowth.com/
バンコク在住のタイ人。タイにおける日系企業向け翻訳・通訳を6年間以上行う。経済、ビジネス、IT分野に興味があり、マーケティングや流通を含めた企業調査や、企業調査といった情報収集が得意。