今回は、インドネシアの主要自動車メーカーに焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて12社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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インドネシアの主要自動車メーカー3選〜ローカル企業編〜
Auto2000(オート2000)
1975年にインドネシアで設立されたトヨタディーラー。設立当初はAstra Motor Salesという名称でトヨタのスペアパーツ販売サービスネットワークから始まった。1989年には名称がAuto2000に変更され、PT Astra International Tbk の完全な管理下にある。
現在、インドネシア全国に140店舗以上の支店がある。最も多いのはDKIジャカルタの33店舗。2番目は西ジャワの28店舗。3番目は東ジャワの27店舗である。 Auto2000では実店舗での販売のみならず、「Auto2000 Digiroom」アプリをダウンロードするとトヨタの公式車、スペアパーツ、およびアクセサリーを販売するためのeコマースも利用できる。Auto2000は、新しいWebサイトAuto2000.co.idを使用して、デジタルプラットフォームでの購入拡大を図り、顧客がスマートフォンの画面上で簡単に、新車、アフターセールス、スペアパーツ、アクセサリーの購入、および中古車の下取りと購入を行うことができるようにしている。
出典:https://auto2000.co.id/
https://apps.apple.com/id/app/auto2000-digiroom/id421805050#?platform=iphone
Sun Motor Group(サン・モーター・グループ)
1974年にインドネシアで設立された自動車ディーラーである。設立当初はPT UD Sun Motorという名称でソロに本拠を置き、中央ジャワのいくつかの都市で自動車ローンの事業を始めた。その後、大型の自動車とオートバイのディーラーに事業を拡大した。現在では複数の自動車メーカーのディラー業以外に、ホテル業や不動産、金融サービス、レンタカー事業など多角的に事業を拡大している。
現在、Sun Motorにはジャカルタ、ブカシ、ソロ、スラバヤ、スマラン、マラン、デンパサール、およびインドネシアの他の主要都市に26の主要な三菱販売店を含む50を超える支店のネットワークがある。
Sun Motorが取り扱う自動車ブランドは、三菱、トヨタ、スズキ、ニッサン、マツダ、FUSO、日野、DFSK、HYUNDAI、MAN、MG、SITRAKの12ブランドに及ぶ。Sun Motorはインドネシアの自動車ビジネスにおける主要プレーヤーの一つとして市場では認知されている。
出典:https://www.sunmotor.com/
PT Solo Manufaktur Kreasi(ソロ・マニュファクチュール・クレアシ)
2007年に設立されたインドネシアの自動車会社。インドネシア民族だけで独自に自動車が作れることを証明したいという人々がESEMKAと呼ばれるコミュニティを形成したのが始まり。ジョコ・ウィ大統領がソロ市長を務めていた時代に「ESEMKA Rajawali」が誕生し、ソロ市で公用車として使用された。そして、ESEMKAコミュニティを形成する人々が出資して民間資本100%の会社PT Solo Manufaktur Kreasiを設立した。
現在までにPT Solo Manufaktur Kreasiは、さまざまなバリエーションの8種類の軽トラックを製造してきた。Esemka Bima 1.0 M / T、1.2 M / T、1.3 M / T、1.3L M / T、1.8 D M / T、Esemka Digdaya 2.0 M / T、Esemka Garuda 2.0(4×4)M / T、Esemka Borneo 2.7 Dである。
PT Solo Manufaktur Kreasiでは、「ESEMKA」の商標と特許を知的財産総局に登録している。工場は中部ジャワ州のボヨラリにあり、地域の職業高校(SMK)から200名が従業員として採用され運営されている。
出典:https://esemkaindonesia.co.id/
インドネシアの主要自動車メーカー7選〜日系企業編〜
PT Toyota Motor Manufacturing Indonesia(トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・インドネシア)
1971年にトヨタ自動車(TMC)はインドネシア現地パートナーのPT Astra International Tbk(AI)と49:51%の出資比率で合弁会社PT Toyota-Astra Motor(TAM)を設立した。当初TAMはトヨタブランド車の輸入販売代理店として5つの主要ディーラーを任命して販売ネットワークを構築した。
1973年にはPT Multi-Astraを組立工場として設立。生産量の増加を図り、完全かつ独立した品質チェック体制を取った。1976年にはPT Toyota Mobilindoを設立し、商用車用ボディ部品の製造を始めた。1982年にはPT Toyota-Engine Indを設立し、このエンジン工場は1985年に本格稼働を始めた。
1989年にTAM、マルチアストラ、トヨタモビリンド、トヨタエンジンの4社が合併した。2003年には完成車輸入と国内販売を行うPT Toyota Astra Motor(AI 51%/TMC 49%)と製造と輸出を行うPT Toyota Motor Manufacturing Indonesia(TMC 95%/AI 5%)の二つの会社に分離した。
出典:https://www.toyota.astra.co.id/home
PT Honda Prospect Motor(ホンダ・プロスペクト・モーター)
1973年にインドネシアにおけるホンダ自動車の総代理店としてPT Prospect Motorが設立された。1977年にはPT Imora Hondaが設立され、1978年には生産を開始。1999年には、まず、PT Prospect Motor、 PT Imora HondaとPT Honda Prospect Engine Manufacturingが合併し、本田技研工業とPT Prospect Motorの間で合弁会社のPT Honda Prospect Motorが設立された。出資比率は本田技研51%:プロスペクト49%である。
2002年には西ジャワ州のカラワンに第1工場が建設された。2014年にはカラワンに第2工場が建設された。2016年にはエンジンテストベンチ施設とクランクシャフト工場を開設。生産能力は、第1工場が8万台/年、第2工場が12万台/年で合計20万台/年である。
2017年には累計生産台数100万台を達成した。カラワン工場は、敷地面積が第1工場:9.7万㎡、第2工場:14.6万㎡で合計24.3万㎡ある。工場の延べ床面積は合計で9.8万㎡である。
出典:https://www.honda-indonesia.com/
PT Astra Daihatsu Motor(アストラ・ダイハツ・モーター)
1979年にダイハツはインドネシアにPT Daihatsu Indonesiaを設立し操業を開始する。1985年にはエンジン工場の操業を開始。1992年には新合弁会社PT Astra Daihatsu Motorを設立。
1995年、ワンボックスカー「Zebra」をフルモデルチェンジ。1999年、「Taruna」新発売。2002年にはPT Astra Daihatsu Motorへ増資、子会社化する。2005年、生産能力15万台へ増強。2006年、新型SUV車「Terios」発売。2007年、小型商用車「Gran Max」発売。2008年にはインドネシアから日本向け完成車両輸出を開始。2009年、小型ワゴン車「Luxio」発売。
2012年にはトヨタとのインドネシアでの新たな協業を発表。インドネシア政府のLCGC(Low Cost Green Car)政策に対応するための「ダイハツ・AYLA(アイラ)/トヨタ・AGYA(アギア)」をダイハツブランドで販売するとともにトヨタへもOEM供給するというもの。2013年には「アイラ」生産のためにインドネシアに新工場を設立。
出典:https://www.astra-daihatsu.id/
https://www.daihatsu.com/jp/company/history_main_1975.html
https://www.daihatsu.com/jp/company/know/04.html
PT Astra Multi Trucks Indonesia(アストラ・マルチ・トラック・インドネシア)
1984年にインドネシアでUDトラックを販売するPT United Imers Motorsが設立された。1996年には、PT United Imers MotorsにPT Astra International、日本の丸紅と日産ディーゼル(UDトラック)の3社が資本投入し、社名をPT Astra Nissan Diesel Indonesiaに変更した。
2010年にトラックのブランド名が「UD Nissan Diesel」から「UD Trucks」に変更されたのに伴い、2011年に社名をPT Astra Multi Trucks Indonesia(AMTI)に変更された。現在の持ち株比率は、PT Astra International Tbkが75%、UDトラックス株式会社が12.5%、丸紅株式会社が12.5%である。
現在、ASMIには、メダン、プカンバル、パダン、ジャンビ、パレンバン、ジャカルタ、ブカシ、バンドン、スマラン、スラバヤ、マラン、バンジャルマシン、バリクパパン、サマリンダ、マカッサルとインドネシア全国に広がる正規ディーラー網を通じて、必要なすべてのシステムとインフラストラクチャを提供している。
出典:https://astraudtrucks.co.id/
http://seputarsemarang.com/astra-ud-trucks-pt-astra-multi-truk-indonesia/
PT Hino Motors Sales Indonesia(日野モータース・セールス・インドネシア
2003年にインドネシアで設立された日野トラックの販売会社。PT Hino Motors Sales Indonesia(HMSI)の資本金は8百万USD。日野自動車株式会社が40%、現地のPT Indomobil Sukses Internasional Tbkが40%と住友商事が20%出資している合弁会社である。
現在、インドネシア全国に178か所(ジャワ島:97か所、スマトラ島:27か所、カリマンタン島:25か所、スラウェシ島:12か所、その他:17か所)の正規代理店網がある。
一方、日野トラックのインドネシア現地製造会社は、2003年に設立されたPT Hino Motors Manufacturing Indonesia(HMMI:前身は1982年に設立されたPT Hino Indonesia Manufacturing)である。HMMIの資本金は112.5百万USDで日野自動車株式会社が90%、PT. Indomobil Sukses Internasional Tbkが10%出資している。工場は 西ジャワ州プルワカルタ県にあり、ディーゼルエンジンの組み立て、トラックの組み立てを行っている。
出典:https://hino.co.id/
https://www.hino.co.jp/j/corporate/newsrelease/pressrelease/detail.php?id=266
PT Isuzu Astra Motor Indonesia(いすゞ・アストラ・モーター・インドネシア)
1960年、インドネシアで最初に販売されたいすゞの車は「Isuzu Bison」であった。1974年にはいすゞの販売代理店PT Pantja Motoが設立された。1991年には、PT Astra International TbkがPT Pantja Motoの過半数の株式を買収し支配株主となった。
同年、多目的商用車「いすゞパンサーTBR 52(2,300㏄ディーゼル直噴エンジン)」を発売。1995年には「いすゞELF(2,800㏄ディーゼル直噴エンジン)」と中型トラックの「いすゞボルネオ」を発売。2008年にはPT Pantja Motoにいすゞ自動車が50%出資し、社名はPT Isuzu Astra Motor Indonesia(IAMI)に変更された。
輸出に関しては、1997年に「いすゞパンサー」をフィリピン、台湾に輸出し、2005年にベトナムとインドを追加した。2019年には「いすゞトラガ」をフィリピンに輸出開始している。現在、いすゞ車は、西ジャワ州カラワンのスーリヤチプタ工業地帯に30万㎡の敷地を有し、年間最大8万台の生産能力を持つIAMIの工場で現地生産されている。
出典:https://isuzu-astra.com/
https://www.isuzu.co.jp/company/global/
PT Krama Yudha Tiga Berlian Motors(カラマ・ユダ・ティガ・ブルリアン・モーター)
1970年、三菱自動車と三菱ふそうトラックバス株式会社はPT New Marwa 1970 Motorsをインドネシアでの正規販売代理店とした。
1973年にはPT Krama Yudha Ratu Motor(KRM)が三菱ふそうトラックの組立工場として設立され、PT New Marwa 1970 Motorsは社名をPT Krama Yudha Tiga BerlianMotorsに変更した。また、PT Mitsubishi Krama Yudha Motors and Manufacturing(MKM)がエンジン、ボディパーツ、シャーシアセンブリの工場として設立された。
2017年からは事業セグメントに注力するため、2つの会社に分離し運営することになった。1社は、PT Krama Yudha Tiga Berlian Motors(KTB)で三菱ふそうトラックバス株式会社(MFTBC)ブランドの商用車セグメントの製造および販売代理店である。もう1社は、PT Mitsubishi Motors Krama Yudha Sales Indonesia(MMKSI)で、Mitsubishi Motors Corporation(MMC)ブランドの乗用車および小型商用車セグメントの販売代理店である。
出典:https://www.mitsubishi-motors.co.id/
http://www.ktbfuso.co.id/
https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/bg/automotive-and-mobility-group/project/indonesia/
https://www.mitsubishi-motors.com/jp/company/facilities/world.html
インドネシアの主要自動車メーカー2選〜外資系企業編〜
PT Sokonindo Automobile(ソコニンド・オートモビル)
2008年にインドネシアで設立された中国企業との合弁自動車会社。中国のChongqing Sokon Industry Stock Group Co.,Ltd.とインドネシアのPT.Kaisar Motorindo Industriによる合弁会社である。
PT Sokonindo Automobileの工場はバンテン州セランにあるチカンデ近代工業団地の中にある。敷地面積は20ヘクタール。工場の主な施設は、プレス工程、溶接工程、塗装工程と組立工程である。最大生産能力は年間5万台で、東南アジアを含む国内外の市場のニーズに応えることができる。
PT Sokonindo AutomobileではChongqing Sokonの「DFSK」ブランドの車を生産販売する。車種は「Glory」のミニバス、ミニバスEVタイプ、SUV、Intelligent SUVと「Super Cab」のピックアップ軽トラックである。現在、DFSKのディーラー網はジャワ島、スマトラ島、スラウェシ島、カリマンタン島、その他の島を含むインドネシア全国に100店舗以上あり、店舗数は今後も拡大する予定である。
出典: https://www.dfskmotors.co.id/id
PT SGMW MOTOR INDONESIA(SGMWモーター・インドネシア)
2015年にインドネシアに設立された自動車会社。中国のLiuzhou Wuling Motors CoLtd(上汽通用五菱汽車)とSAIC MOTOR(上海汽車集団股份有限公司)と米国のGeneral Motorsが合弁で設立したSAIC-GM-WulingAutomobile(SGMW)がインドネシアに保有する会社である。
2015年に西ジャワ州ブカシのチカランにあるグリーンランド国際工業センターの60万平方メートルの土地に工場を建設。2017年には量産を開始した。工場の総投資金額は約7億USD。年間生産能力は15万台である。PT SGMW MOTOR INDONESIAは、中国系自動車メーカーとして初めてインドネシアで現地生産を行った会社である。
現在、SGMWが取り扱う車は、「Almaz」、「Cortez」、「Confero」、「Formo」の4車種である。また、インドネシア全国に130店以上の正規ディーラー網を有する。最も店舗数が多いのは「Arista」系列店の56店舗、次が「Kumala」の22店舗、3番目が「AJM」の16店舗である。
出典: https://wuling.id/id/