【最新版!】マレーシアの主要自動車メーカー14選〜製造業界〜

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今回は、マレーシアの主要自動車メーカーに焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて14社を厳選してお届けしていきます!

それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。

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目次

マレーシアの主要自動車メーカー8選〜ローカル企業編〜

マレーシアの主要自動車メーカー

1993年にダイハツとの合弁で設立された第二の国民車メーカーで、自動車製造、研究開発、販売、アフターセールス、ボディ・塗装修理、中古車などの事業を手掛ける。

2021年9月30日時点で、同社は400万台以上を販売した実績を持つ。本社をセランゴール州ラワンの522エーカーの敷地に置き、本社ビルと2つの車両製造施設、テストコース付き研究開発施設、物流ストックヤード、パーツセンター、トレーニングセンターなどで構成されている。また、年間32万台の車両を生産することができる。

同社の従業員数は正規雇用で約1万1,500名、サプライヤーや正規ディーラーを合わせると約7万人にのぼる。

同社の2021年の市場シェアは37.4%で、年間生産台数は26万5,900台であった。最も販売台数が多かった車種はマイヴィで4万7,525台、そしてアジアが4万3,080台で続いた。

2021年4月には、同社は最も売れているSUV車種のアルスをシンガポールで発売することを発表した。同車種は、現地正規代理店であるペロコムオートで購入可能となる。

出典:https://www.perodua.com.my/ 

Proton Holdings Bhd (プロトン・ホールディングス)

1983年にマハティール首相(当時)が創設した国民車メーカー。当時はマレーシア重工業公社と三菱自動車工業、三菱商事が出資していた。同社の製造工場は1985年に開業し、マレーシア初の国民車であるプロトン・サガが発売されている。現在の株主構成はDRBハイコムが50.1%、ジーリー・オートが49.9%となっている。

販売市場はマレーシア国内だけでなく、オーストラリアとバングラデシュ、ブルネイなど13ヵ国にネットワークを展開している。

2020年には、同社のプロトンX70が「ミッドサイズ・クロスオーバー&SUV5シーター部門」で総合カー・オブ・ザ・イヤーを、そしてプロトン・サガが「エントリー・レベル・セダン部門」でカー・オブ・ザ・イヤーに選ばれている。

2022年1月、同社はプレミアムEVブランドのスマート・オートモービル・カンパニーと東南アジアにおいて新エネルギー車を共同で導入するための覚書に署名したことを発表した。

出典:https://www.proton.com/ 

DRB-HICOM Bhd (DRBハイコム)

マレーシアの大手コングロマリット企業で、自動車やサービス、不動産などを事業とする。2000年にマレーシア重工業公社と多角化資源公社が合併して誕生。同社グループは80以上の事業会社を所有しており、約4万6,000名を雇用している。

自動車部門では二輪車と商用車、防衛車両、バス、救急車、警察車両、消防車、ゴミ圧縮機などのカスタマイズ車両を含む幅広い車両の製造、組立、検査、流通、販売、アフターサービスを専門に提供している。また、世界の自動車メーカーやOEMの委託製造も手掛けている。

グループ会社としては、プロトン・ホールディングス、ハイコム・オート(フォルクスワーゲン)、ホンダ・マレーシア、いすゞ・マレーシア、三菱自動車マレーシア、航空部品を手掛けるコンポジット・テクノロジー・リサーチ・マレーシアなどがある。

2020年度の同社収益は131億5,541万リンギットで、5億4,010万リンギットの税引前利益を計上している。

出典:https://www.drb-hicom.com/ 

UMW Holdings Bhd (UMWホールディングス)

1917年、自動車修理を事業とするユナイテッド・モーターワークス社を設立し、1970年にマレーシア証券取引所に上場している。1982年には、トヨタ自動車とマレーシアにおけるトヨタ車の輸入・組立・販売を行う合弁会社(UMWトヨタ)を設立。1993年には、プルサハン・オートモビル・クドゥア社(プロドゥア)の筆頭株主になっている。また、2018年にコマツと合弁契約を締結し、戦略的パートナーシップを構築している。

同社の事業は自動車、装置、製造エンジニアリング、航空宇宙となっており、自動車事業で販売しているブランドはプロドゥア、トヨタ、レクサスとなってる。

2020年度における同社の収益は96億リンギットで、3億2,290万リンギットの税引後利益を計上している。また、自動車部門の収益は74億8,370万リンギットとなっている。

2021年におけるUMWトヨタの自動車販売台数は72,394台となり、国内自動車市場の非国産セグメントで首位となっている。

出典:https://www.umw.com.my/

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Bermaz Auto Bhd (ベルマツ・オート)

大手コングロマリットであるベルジャヤ・コーポレーションの関連会社で、2010年に会社設立。2016年10月より、マレーシア証券取引所に上場している。

同社完全子会社のベルマツ・モーターは、2008年2月にマツダとマレーシアにおけるのマツダ車の特定モデル、スペアパーツ、アクセサリー及び工具の販売代理店契約を締結している。車両は、マレーシア国内では自社支店及び第三者販売店を通じて、フィリピンでは第三者販売店を通じて販売している。

また、ベルマツ・モーターとマツダが出資するマツダ・マレーシアでは、現地部品と輸入部品によるマツダ車の現地組立を行っている。

2021年度の収益は22億9,000万リンギットで、1億6,890万リンギットの税引前利益を計上している。同年度の販売台数は1万4,685台で、マレーシアが1万3,440台、フィリピン1,245台となっている。l現在、第三者販売店ディーラーが運営するディーラーセンターが国内に70ヵ所あり、そのうち39ヵ所が3Sセンター、10ヵ所が2Sセンター、21ヵ所が1Sセンターとなっている。

出典:https://www.bauto.com.my/

Naza Group of Companies (ナザ・グループ・オブ・カンパニーズ)

1975年に自動車販売を事業とする会社として設立。現在、不動産やエンジニアリング、建設なども手掛けている。

自動車販売では、ナザ・イタリア社でフェラーリ―やマセラティなどの高級車を販売している。他にも、1996年より起亜、2013年にシトロエン、2021年にナザ・イースタン・モーターズ社がスズキの公式ディストリビューターに任命されている。また、1994年に設立されたNZホイール社は高級自動車販売事業を担っており、マレーシア最大級のメルセデス・ベンツ正規販売店でもある。

2002年に設立された傘下のナザ・オートモーティブ・マニュファクチャリングは、2018年にグループPSAとジョイントベンチャー契約を締結、域内におけるグループPSAの生産拠点となっている。

1975年に設立されたナザ・モーター・トレーディング社は中古車輸入を事業としており、自動車愛好家向けに国内最大のモーターショールーム「ナザ・オートモール」を開設している。

出典:https://www.naza.com.my/ 

Sime Darby Motors Sdn Bhd (サイム・ダービー・モータース)

大手コングロマリット企業であるサイム・ダービーの自動車部門で、小売、流通、組立、レンタカーといった事業に携わっている。マレーシア国内だけでなく、オーストラリア、中国、香港・マカオ、ニュージーランド、シンガポール、台湾、タイでも事業を展開する。

同社は40年以上の実績を持ち、BMWやマクラーレン、ロールスロイスなどの高級ブランドから、フォードやプジョー、現代などの大衆ブランド、そして日野などのトラックブランドを扱っており、合計で30ブランドの代理店となっている。

2004年にイノコム社の組立工場を買収し、2018年にはエンジン組立施設のサイム・ダービー・オート・エンジニアリングを立ち上げている。現在の生産能力は車両3万8,000台、エンジン10,000基で、乗用車、多目的車、スポーツ多目的車、小型商用車などを組み立てている。

2021年12月、同社は大手電力会社のテナガ・ナショナル社と、マレーシアの低炭素モビリティを実現するために協力する覚書を締結したことを発表した。両社は、電気自動車の採用を加速するため、様々なイニシアチブ模索で2年間協力する。

出典:https://www.simedarbymotors.com/
http://www.inokom.com.my/ 

Tan Chong Motor Holdings Bhd (タンチョン・モーター・ホールディングス)

1957年に日産/ダットサンの販売代理店として任命され、1972年10月に会社設立。1974年にマレーシア証券取引所に上場している。1993年には、同社の組立工場が東南アジアで初めて自動車組立工場としてISO 9002認証を取得している。

現在、自動車の組立・販売、自動車部品の製造、不動産投資、国内外での重機や産業機器、消費財の取引など、様々な事業を行う巨大コングロマリットとなっている。同社はマレーシアにおける日産乗用車・小型商用車、及びルノー車のフランチャイズホルダーでもある。

また、同社はマレーシア国内だけでなく、タイとカンボジア、ミャンマー、ラオス、ベトナムでも事業を展開する。自動車組立工場は、マレーシア以外にもベトナムとミャンマーにも設立している。

2020年度における同社収益は29億5,962万リンギットで、1億6,130万リンギットの税引前損失を計上している。

出典:https://www.tanchonggroup.com/ 

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マレーシアの主要自動車メーカー4選〜日系企業編〜

Honda Malaysia Sdn Bhd (ホンダ・マレーシア)

2003年に操業を開業し、最初の車としてCR-Vを発表。マラッカに2工場を所有しており、1日400台の生産能力を持つ。工場は80エーカーの敷地を持ち、グリーンファクトリーのコンセプトが積極的に推進されている。新生産ラインでは、自動化されたスマート溶接機や、スプレーロボット、アンダーボディコーティングなどの最新鋭の塗装設備といった新技術が採用されている。

販売では、国内全土において146の正規ディーラー店を持つ。2021年における販売台数は5万3,031台であり、市場シェアは10.4%であった。モデル別では、シティが36%、HR-Vが21%、CR-Vが14%を占めた。

2022年2月、同社はマレーシア人ユーザが検証済みのホンダの中古車を購入できるようにするホンダ認定中古車(HCUC)の導入を発表した。まずは、セランゴール州とペナン州、ジョホール州、パハン州の正規ディーラー6社で事業を開始する。

出典:https://www.honda.com.my/ 

Mitsubishi Motors Malaysia Sdn Bhd(三菱自動車マレーシア)

2005年1月、三菱商事(52%)とエダラン・オートモーティブ・ナショナル(48%)が、三菱自動車の販売代理店として6,000万リンギットの資本金で設立。

販売車両モデルはトライトンとエクスパンダ―となっており、国内全土に120のショールームを展開している。2021年における販売台数は1万7,489台で、エクスパンダの販売台数が7,397台であった。

また、同社では三菱車所有者専用のモバイルアプリケーション「三菱コネクトMY」を提供しており、新サービスの予約、最新ニュースとプロモーション情報取得、SOS応答、店舗検索などの機能が利用できる。

2021年11月には、COVID-19の影響を考慮して、クランバレーにおいて「同伴者なし試乗会」をオプションで提供することを発表した。試乗前に三菱自動車認定スタッフが試乗車を消毒しており、利用者は1時間自由に試乗することができる。

出典:https://www.mitsubishi-motors.com.my/

Hino Motors Sales (Malaysia) Sdn Bhd (日野マレーシア販売)

1977年、サラワクモーターインダストリーズと日野自動車、トーメンの合弁で日野マレーシアを設立。1989年には日野モーター・マレーシアが設立され、マレーシアとブルネイにおけるフランチャイズ・ホルダーとなる。2014年3月、ヌグリ・スンビラン州の製造工場が操業を開始し、年間1万台の生産能力を持っている。

同社ではトラックやバスの製造・販売を手掛けており、国内全土に73のディーラーを展開する。2020年には、10万台の販売を達成している。

2021年10月、同社とラピッドバス社は2019年に低床ミニバス「日野ポンチョ」 の初試行を2ヶ月間実施した後、2021年10月初旬から2022年4月末までの予定でクアラルンプール市内で2回目の試行を行うと発表。また、ペナン島でも試行が行われる。

2020年6月には、ハンダル・インダ社とMoUを締結し、ジョホールバルで低床ミニバスの試運転を実施している。

出典:https://www.hino.com.my/

Isuzu Malaysia Sdn Bhd (いすゞマレーシア)

同社はいすゞ自動車、三菱商事、DRBハイコムによる合弁会社で、同地域におけるいすゞのグローバル・リーチを強化することを目的として2004年9月に設立された。

同社はマレーシアにおけるいすゞ車の販売を手掛けており、国内全土に66のディーラーを展開している。また、いすゞ車両への信頼をさらに高めるため、24時間体制の「いすゞドクターモバイル」サポートを提供している。

2021年4月、同社は小売り大手のミスターDIYに中型トラック8台を納入したことを発表。ミスターDIYの全国展開と物流ニーズの増大に対応するためとなっており、合計100台のいすゞトラックを所有している。

また、2020年9月には宅配大手のシティーリンク・エクスプレス社へ、小型トラック、中型トラック、プライムムーバーなど277台を納入した実績を持つ。

出典:https://isuzu.net.my/

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マレーシアの主要自動車メーカー2選〜外資系企業編〜

Mercedes-Benz Malaysia Sdn Bhd (メルセデスベンツ・マレーシア)

メルセデスベンツAGの子会社として設立。国内で450人以上を雇用し、管理・営業・トレーニングセンターはセランゴール州プチョンのウィスマ・メルセデスベンツに、そしてパハン州に製造工場を持つ。

同社のポートフォリオはメルセデスベンツ・ブランド、メルセデスAMG、メルセデス・マイバッハ、メルセデス・ミーなどとなっている。事業領域はメルセデスベンツ車とスペアパーツの輸入、組み立て、卸売販売に加え、カスタマーサービスやグローバルセールスソリューション向けソフトウェア開発なども行っている。

販売網に関しては、7つのディーラーグループによって運営される35のプレミアム・アウトレットが展開されている。

2021年11月、同社とペトロナス・ダガンガン社、EVコネクションズ社は、2022年前半までにペトロナス・ステーションにDC急速充電器を展開する覚書を締結したことを発表。パイロットフェーズでは、5ヵ所のペトロナス・ステーションに急速充電器が設置される。

2022年2月には、同社とペトロサインス・ディスカバリーセンターは、中高生を対象として、持続可能で安全な生活に向けた責任あるエネルギー計画について考えることを目的としたバーチャル・プログラムを開始することで合意したことを発表している。

出典: https://www.mercedes-benz.com.my/ 

BMW Malaysia Sdn Bhd (BMWマレーシア)

BMWグループ・マレーシアはBMW AGの代理店として、BMWとBMWi、ミニ、BMWモトラッドの車両、スペアパーツ、アクセサリーの卸売・販売、マーケティング、アフターセールスなどを提供している。

国内事業拠点はサイバージャヤのナショナル・セールス・センターとナショナル・ファイナンシャル・サービス・センター、 BMWグループ・データセンター、BMWグループ地域トレーニングセンター、ケダ州クリム・ハイテク・パーク内に組立施設、そしてジョホール州セナイ国際空港自由工業区内にBMWグループ部品流通センターとなっている。また、同社のディーラー・ネットワークについては、国内で39店舗を展開している。

2021年における同社の販売台数は1万500台以上となり、マレーシアのプレミアム・セグメントで首位となっている。ブランド別では、BMWブランドが8,400台以上を納車しており、同セグメントで47%の市場シェアを獲得した。

出典: https://www.bmw.com.my/ 

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