今回は、マレーシアの主要バイクメーカーに焦点を当て、ローカル・日系合わせて12社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
読了時間の目安:5分
[toc]
マレーシアの主要バイクメーカー8選〜ローカル企業編〜
Motosikal dan Enjin Nasional Sdn Bhd(モーターサイクル・ダン・エンジン・ナショナル)
1995年にオートバイを設計・開発・製造する会社として、DRBハイコム社と川崎重工業による出資で設立。車名頭文字から「モデナス」と呼ばれており、二輪車の設計・開発・製造を行っている。また、同社の二輪車の販売は完全子会社のエダラン・モデナスが担っている。
2007年6月には、累積100万台目となる生産を達成しており、現在ではスクーターやモペットなど約50種類の二輪車を生産している。
台湾のキムコ、中国のZongshen、インドのバジャージ・オートといったグローバルな二輪車メーカーと提携しており、製品の多様化とギリシャ、南米、ロシア、タイといった国際市場への参入を目指している。
2021年10月、エダラン・モデナスはマレーシアにおける新たなカワサキ車両の正規販売代理店に指定されたことを発表した。同社は車両、スペアパーツ、アクセサリーを含むカワサキ製品全般の卸売り、必要に応じて技術サービスやリコール情報を含む顧客サービスの情報を提供する。
2020年8月には、モデナス所有者向けモバイルサービス「ダイレクト・トゥ・ユアー・ドア」 の開始を発表した。利用者はモバイルアプリを介して修理サービスの予約を行うだけで、同社のモバイルサービスチームが予約日に顧客宅を訪問し、修理サービスを提供する。
出典:https://modenas.my/v2/
Tree Technologies Sdn Bhd(ツリー・テクノロジーズ)
セランゴール州のペタリンジャヤを拠点として、日本の信頼性とアメリカの大胆なデザインを融合させた電気車両の製造・販売を手掛ける。 マレーシアで初めて完全な電動バイクを現地生産した企業であり、マレーシア市場及びそれ以外の市場に向けに販売している。
現在販売しているバイク製品としては、T-70 eモーターサイクル、T-エクスプレスeモーターサイクルとなっている。T-70は最大時速65キロメートル、フル充電で100キロメートルを走行することがで、価格は8,347リンギットとなっている。T-エクスプレスは商用利用に役立つデザインとなっており、最大時速80キロメートル、フル充電で80キロメートルの走行が可能。
現在、国内ではセランゴール州とマラッカ州、ケランタン州、サラワク州に各1社のディーラーを抱えている。
2021年4月には、インドネシアのPTパシフィック・サキ・エンジニアリングとの3年間のパートナーシップ(販売代理店)を発表した。同代理店を通じて、インドネシアに電動バイクを20万台供給する。また、インドネシアに組立工場を設立する計画があり、PTパシフィック・サキ・エンジニアリングと合弁会社を設立する。
出典:https://treeletrik-ev.com/
Naza Group of Companies(ナザ・グループ・オブ・カンパニーズ)
1975年に自動車販売を事業とする会社として設立。現在、不動産やエンジニアリング、建設なども手掛けている。
バイク事業ではネクスト・バイク社を傘下に持ち、2000年11月よりマレーシアにおけるドゥカティ・ブランドの総輸入販売代理店として、スーパーバイクやデュアルスポーツバイク、ツーリングバイク、ストリートバイク、クラシックバイクなど幅広く取り扱っている。
2020年2月には、東南アジアで2番目に大きなドゥカティ・ショールームをセランゴール州ペタリンジャヤに開設している。16,339平方フィートの広大な敷地に8つの作業ベイとサービスエリアを備えており、月間最大450台ものバイク整備を行うことができる。
2021年11月には、第28回ドゥカティAPACナショナルミーティングにおいて、ドゥカティ・マレーシアはベスト・コマーシャル・アフターセールス賞とベスト・マーケティング賞を受賞したことを発表している。
出典:https://www.naza.com.my/
DNC Asiatic Holdings Sdn Bhd(DNCアジアティック・ホールディングス)
マレーシアの国際貿易産業省からライセンスを受けた二輪車メーカーで、2002年に同社とその子会社であるデマック・グループが設立されている。
セランゴール州を拠点としており、自社ブランド「デマック」を展開する。取り扱っているのは、アンダーボーン・バイク、バイク、ユーティリティ・ビークルなどとなっている。現在、マレーシア国内6ヵ所でサービスセンターを運営している。
同社は西マレーシアと東マレーシアに工場を持つ唯一のバイクメーカーであり、2002年には250ccまでのエンジン、近年では500cc超のエンジンが認可されている。
セランゴール州には一般組立工程、研究開発工程、ショールームを持ち、サービスセンターも併設、マレーシアの東西両市場と国際市場のニーズに対応している。生産ビルの総面積は169,563平方フィートで、月間6,000~8,000台の生産能力を持つ。
また、デマック・グループはスリランカの100%子会社であるデマック・マニュファクチャリング社を通じて、南アジア大陸においても事業を展開している。
出典:http://dncmotorcycle.com/
Mforce Bike Holdings Sdn Bhd(Mフォース・バイク・ホールディングス)
2008年に設立されたペナン最大のバイク販売会社の1つ。マレーシア国内で二輪車を販売するだけでなく、タイやベトナム、インドネシア、台湾などのアジア諸国へも二輪車を輸出している。2017年には、ペナンにおける最大のバイク組立会社としてサンライト・パワー社を設立。
同社は、ベネリやキーウェイ、SYM、ブリクストン、ユーといった高級バイクブランドの総販売代理店となっている。さらに、自社ブランドであるSMスポーツとWmotoも展開する。
現在、ペナン本社以外にもクアラルンプールとジョホール州、ペラ州にて支店兼サービスセンターを運営している。また、国内全土において240のディーラーネットワークを構築している。
2020年5月、同社はオンラインでスペアパーツが注文できる体制を構築、電話又はワッツアップで予約し、銀行振込で製品を購入することができる。
2021年7月には、同社はWmotoエクストリーム150iの発売を発表。同車種は、マレーシアのオートバイ評価プログラムで5つ星を獲得したスクーター・モデルとなっている。
出典:https://www.mforce.my/
https://www.sunlightpower.mforce.my/
Motorcycle Dealers Holdings Sdn Bhd(モーターサイクル・ディーラーズ・ホールディングス)
1983年、二輪販売業者によって設立さた会社で、セランゴール州アンパンを拠点とするオートバイ部品メーカー。1984年にフィズウィナ社を買収したことで、同社はマレーシアにおけるオートバイ用スプロケット、チェーン、スペアパーツの国内製造でマーケットリーダーの1つに成長しており、国内市場の50%以上のシェアを誇る。2007年には、品質管理システムであるISO 9001認証を取得している。
同社の主要製品はカスタムメイドのオートバイ用スプロケット、チェーン、スペアパーツで、ヤマハやホンダ、モデナス、スズキ、デマック、SYMなどのブランド向けスプロケットを取り扱っている。
国内全土に247のディーラーネットワークを持っており、さらにマレーシア国内だけでなく、ベトナムやバングラデシュ、インドネシア、パキスタン、オーストラリア、フィリピン、シンガポール、ナイジェリア、日本にも市場を拡大している。
出典:https://www.mdh.com.my/
MOFAZ Group of Companies(モファズ・グループ・オブ・カンパニーズ)
1977年に日用消費財と一次産品の貿易を行う会社として設立、現在ではレジャー・海洋産業、自動車、不動産・建設、ホスピタリティ、モータースポーツなど幅広い事業を手掛けている。
バイクでは、1992年にモファズ・モーターサイクル社(MOMOS)を設立、MVアグスタとカジバの総代理店であるとともに、マレーシア国内及び海外市場において、二輪車の組み立て、スペアパーツやアクセサリーの取り引き、二輪車関連のあらゆる商品の販売に携わっている。
マレーシアだけでなく、スリランカや南アフリカ、ドバイ、ベトナムといった市場でもMOMOSブランドを拡大している。
2005年、同社は独自のハイテク製造工場を設立しており、マレーシア工科大学やペトロナスからの技術サポートを受けることで、アジア市場に対応したモーターサイクル・モデルを生産することを可能としている。
出典:https://mofaz.com/
Bike Continent Sdn Bhd(バイク・コンティネント)
2011年、ライフスタイル・バイクを市場で展開することを目的として、ジョホール州でモーターレジェンド・エンタープライズ社が設立される。2012年初頭、フラッグシップモデルであるMLE XTM 200ccモタードを、2015年には英国ブランド「スコマディ」のスクーターを発売開始している。また、2016年に3つのコンセプトストアを設立。2018年には、タイのバイクブランドである「GPXレーシング」、そしてスコマディのタイでの販売代理店権を獲得し、バイク・コンティネント社を法人化している。
現在、同社が販売しているのはGPXレーシング(デーモン・シリーズ、GPXレジェンドなど)のバイクと、スコマディのスクーター(排気量125cc)となっている。
国内全土において64のディーラーネットワークを持っており、クアラルンプールにサービスセンターを設立している。
出典:http://www.bikecontinent.com.my/
マレーシアの主要バイクメーカー4選〜日系企業編〜
Boon Siew Honda Sdn Bhd(文秀ホンダ)
1957年、文秀社がホンダの二輪車の輸入販売を開始したのが始まりで、1957年には二輪車の現地生産を開始している。文秀ホンダが設立されたのは2008年9月で、ホンダとオリエンタル・ホールディングスとの合弁会社となっている。2017年11月時点で、655名の社員を雇用する。
マレーシアにおけるホンダ製二輪車の生産・卸売り・サービスを行っており、ペナンに本社・工場、クアラルンプールとジョホール州、トレンガヌ州に支店を持つ。また、国内全土に210のディーラーネットワークを構築している。
販売しているのはカブとスクーター、スポーツバイク、大型バイクとなっている。また、2018年より初のEVモデル(ホンダPCXハイブリッド)を市場に投入している。
2021年9月、同社はペナン州保健局のパンデミック対策用資金として、10万リンギットを寄付したことを発表。州政府がCOVID-19治療・検疫センター増設向けに寄付を呼び掛け、対応したものとなっている。
出典:https://boonsiewhonda.com.my/
https://global.honda/
Hong Leong Yamaha Motor Sdn Bhd(ホンリョン・ヤマハモーター)
1979年にホンリョン・インダストリーズとヤマハ発動機との合弁会社として設立、コングロマリット企業であるホンリョン・グループ・オブ・カンパニーズに属している。
同社は、1978年よりヤマハの二輪車及びATVのCKD(ノックダウン車)とCBU(完成車)の公式フランチャイズホルダーに指名されており、1979年に最初のCKDバイク生産をシャーアラム工場で開始した。現在、月産3,500台の生産体制となっており、2018年までに400万台の販売を達成している。
同社はセランゴール州とジョホール州、パハン州、ペナン州、ペラ州に支店を展開しており、国内に246のディーラーネットワークを構築している。
また、同社では自社のオンラインショップサイトにおいて、アパレル品や付属品などの販売も行っている。
2021年4月、同社は新型NVXの発売を発表、マレーシアのヤマハモデルとして初めて「Y-Connect」アプリを搭載した。ライダーはスマートフォンとヤマハNVXをペアリングすることで、エンジンオイルやバッテリーの状態、燃費などの情報を取得することができる。
出典:https://www.yamaha-motor.com.my/
Kawasaki Motors (Malaysia) Sdn Bhd(カワサキモータース・マレーシア)
1988年に生産・販売会社としてマレーシア法人を設立、セランゴール州シャーラムを拠点としている。同社は、マレーシア及びブルネイにおけるカワサキ製バイクやジェットスキー、ATV、スペアパーツ、アクセサリー等の輸入・組み立て・販売総代理店として、フランチャイズ契約を締結している。
販売しているオートバイとしては、ニンジャ、Zシリーズ、ヴェルシス、バルカン、 KXシリーズ、KLXシリーズなどとなっている。また、国内全土にカワサキ・エクスペリエンス・サービスセンターを展開しており、修理などに対応している。
また、同社では自社のオンラインショップサイトにおいて、関連商品(ベルト、バイクカバー、グローブ、アパレル商品)や付属品、スペアパーツなどの販売も行っている。
出典:https://www.kawasaki.com.my/home/
https://www.kawasaki-cp.khi.co.jp/
Suzuki Malaysia Sdn Bhd(スズキ・マレーシア)
セランゴール州シャーラムを拠点として、スズキ・ブランドのバイク及びスペアパーツ、アクセサリーなどを販売する。
販売しているバイクはスーパースポーツバイク(GSX-R1000/R)、ハヤブサ、カタナ、Vストローム、ストリートバイク(GSX-S750、SV-650)、スクーターなどとなっている。
同社は国内全土において、スズキ・ビッグバイク・ワールド・ディーラーを9店舗、スズキ・ステーション・プラス・ディーラーを15店舗、スズキ・ステーション・ディーラーを46店舗展開する。
また、スズキ・サービス・センターをセランゴール州とペナン州、ペラ州、ケランタン州に持ち、スズキ専門サービスセンターをクランバレーとケダ州、そして16のスズキ・サービス・コーナーを国内全土に持つ。
出典:https://www.suzuki.com.my/
クアラルンプール在住4年目の日本人。大学卒業後、東京で飲料メーカーの営業を担当。その後、マレーシアのクアラルンプールへ移住し食品商社の営業及び購買のサポートを担当。