今回は、マレーシアの主要消費財メーカーに焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて13社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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マレーシアの主要消費財メーカー4選〜ローカル企業編〜
NTPM Holdings Bhd(NTPMホールディングス)
1975年、ティッシュペーパーやトイレットペーパーなど紙製品の製造・販売を手掛ける会社として設立。1986年よりシンガポール市場にも進出している。同社は国内に8営業所兼配送センターを所有しており、6つはマレー半島に、そしてサバ州とサラワク州、シンガポールに各1つずつを展開し、3,500名以上の従業員を雇用している。
消費者向けティシュセグメントでは、ティッシュペーパーやトイレットペーパー、キッチンタオルロール、ナプキンを販売しており、「プレミア」や「ロイヤル・ゴールド」、「チュティ」などのブランドを展開している。また、パーソナルケアセグメントでは女性用衛生製品、綿製品、ベビー用紙おむつ、失禁用製品を販売している。業務用としても、ティッシュ製品や石鹸、ディスペンサーなどのソリューションを提供している。
同社の生産能力は日産250トン、年間で9万トンに及び、合計16台の抄紙機を所有している。また、同社ではHACCP、ISO 14001、ISO 9001の認証を取得している。
2021年度における同社収益は7億4,966万リンギットで、6,327万リンギットの税引後利益を計上している。セグメント別では、ティシュセグメントが全収益の70%を占める5億2,505万リンギットとなっている。
出典:https://www.ntpm.com.my/
SANRIX PAPER Sdn Bhd(サンリック・ペーパー)
消費者用及び業務用ティッシュと紙製品の開発・製造・供給・販売を専門とする企業で、ジョホール州を拠点としている。Ho.Re.Ca.(ホテルやレストラン、カフェ)、AfH( アウェイ・フロム・ホーム)、小売向けを主要市場としている。
事業範囲としている製品は、トイレティッシュとジャンボロールティッシュ、ティッシュペーパー、ペーパータオル(シート&ロール)、紙ナプキンなどとなっている。製造・販売の他にも、ブランディングとマーケティングのサポートも行っている。
また、自社ブランドとして「ニュートラ・ティシュ」(シンガポールのみ)、「ベローラ・エブリデイ」(シンガポール、北アジア)、「ホワイトシルク」(東南アジア、オーストラリア)を展開している。
同社はISO 9001及びISO 14001を取得しており、森林管理協議会とPEFC森林認証プログラムにも参画している。
出典:https://sanrixpaper.com/
Yeong Chaur Shing Paper Mill Sdn Bhd( ヨン・チャウル・シン・ペーパー・ミル)
ティッシュペーパーメーカーとして1973年に設立、マレーシア最大のティシュペーパーメーカーに成長し、国内外に製品を供給している。
マラッカに製造工場を所有しており、230名以上の従業員を雇用する。また、クアラルンプールに事務所兼配送センター、マラッカ州とペラ州に倉庫を所有している。同社ではISO 9001及びISO 14001、ISO 22000、HACCP、GMP、FSC、シンガポール・グリーンラベルなどを取得している。
取り扱っている製品はF&B向け、医療機関向け、消費者向け、オフィス/工場/ショッピングモール向け、教育機関向けとなっており、「ベラックス」ブランドでティッシュやキッチンタオルロール、キッチンタオル、紙ナプキン、ジャンボロールティッシュ、トイレットペーパーロール、ハンドタオル、ディスペンサー、クリーニング製品などを販売している。
出典:http://www.ycspapermill.com/
Lam Soon Group(ラム・スン・グループ)
1950年に缶詰などの貿易を行う会社として設立。1958年には、セランゴール州に食用油と石鹸を製造する最初の工場を開業している。
現在、同社はシンガポールとマレーシア、タイ、ベトナムで事業を展開しており、プランテーション・製粉、食用油精製、マーガリン、特殊油脂、石鹸・洗剤、油脂化学品の製造を手掛けている。マレーシアとタイの工場は、ISO 9001、ISO 14001、GMP(適正製造基準)、HACCPに準拠している。
日用品においては、100%植物ベースの有効成分から作られた各種洗剤の「バイオホーム」、各種洗剤やクリーナーの「ジップ」 、粉末洗剤の「バイオ・ジップ」、食器用洗剤の「レイバー」といったブランドを販売している。
2021年8月、同社ブランドである「バイオホーム」は、ザ・ブランドローリエイトの「FMCG-環境にやさしいクリーニング製品」部門において最優秀ブランド賞を受賞している。
2020年度における同社の収益は24億2,200万リンギットで、2億1,400万リンギットの税引前利益を計上している。
出典:http://www.lamsoongroup.com/
マレーシアの主要消費財メーカー5選〜日系企業編〜
Southern Lion Sdn Bhd(サザン・ライオン)
日本の大手生活用品メーカーであるライオンのマレーシア法人で、1987年設立、ジョホール州のラーキン工業団地で創業を開始している。現在は同州のテブラウ工業団地を拠点として、クアラルンプールにマーケティング事務所を持つ。また、同社ではラム・スン・グループをディストリビューターとしている。
工場は1999年にISO 9001、2003年にISO 14001とGMP、2006年にマレーシア・イスラーム開発庁のハラール認証を取得している。
同社では、洗剤やパーソナルケア製品、口腔ケア製品を販売しており、洗剤では「トップ」や「バイオ・ジップ」、「プテリ・エマス」、「ドビ」といったブランドを展開している。
2021年には、COVID-19対応支援として保健省のフロントライナーやKPJヘルスケアのワクチン接種者などへ、17,000パックの洗剤「トップ」を配布したことを発表している。また、「トップ」はフロントライナーやワクチン接種者などを応援する音楽ビデオを公開したとしている。
出典:http://www.southernlion.com.my/
Kao (Malaysia) Sdn Bhd(花王マレーシア)
花王のマレーシア法人で、1973年に花王とボースティード・ホールディングス、フェルダホールディングが出資して設立している。
ビューティケア、ファブリック・ホームケア、ヒューマンヘルスケア(生理用品、ベビー用紙オムツ)業界のリーダーとして、アタック、ビオレ、ロリエ、リーゼ、マジッククリーン、メンズバイオレ、メリーズなどの幅広い商品とブランドを販売している。
同社はセランゴール州ペタリンジャヤを拠点して、マレーシア半島に3つの地域営業所(ペナン州、ジョホール州、パハン州)を持つ。また、東マレーシアとブルネイについてはディストリビューターを任命している。
2020年1月、同社はマレーシアイオン財団に加盟し、日常の衛生管理と保護へのアクセスを改善し、生活を豊かにするための取り組みを行うことを発表した。
出典:https://www.kao.com/my/index.html
Earth Home Products (Malaysia) Sdn Bhd(アース・ホーム・プロダクツ・マレーシア)
アース製薬のマレーシア法人として2019年3月に設立。アース製薬の完全子会社であり、資本金は550万リンギット、クアラルンプールを拠点としている。
アース製薬においては、アセアンにおける同社プレゼンスを高め、グループ全体の収益向上に貢献することを目的として設立されており、虫ケア用品及び家庭用品の販売・輸出入を事業とする。
現在展開してい製品としては、虫ケア用品や消臭芳香剤、衛生製品、クリーナー・消毒剤がある。
2020年には、オンラインプラットフォームのショッピーとラザダに公式サイトを開設している。また、同年には「アース除菌スプレー」と「アース除菌ルームフォッガー」の発売を、2021年にはナチュケア ファブリックスプレー、虫ケア用品のARSシリーズ(ゴキブリ、蟻、リザード)の発売を開始している。
出典:https://www.earth-my.com/
https://corp.earth.jp/
Uni-Charm Corporation Sdn Bhd(ユニ・チャーム・コーポレーション)
1997年6月、ユニ・チャームが100%出資の子会社としてセランゴール州ペタリンジャヤに資本金800万リンギットで設立。2022年2~3月に増資され、1億8,900万リンギットとなる計画が発表されている。
同社は生理用品やベビーケア用品、成人用排泄ケア用品、ハウスホールド用品、ペット用品などの卸・輸出入を事業とする。取り扱っている製品としては、ベビーケアの「マミーポコ」、生理用品の「ソフィー」、化粧用コットンの「うるうるコットン」、成人用おむつの「ライフリー」などがある。
2020年12月期における同社の売上高は2億5,700万リンギットで、1,500万リンギットの純利益を計上している。
2020年9月には、デングウイルスを媒介する蚊をおむつに寄せつけない世界初アンチモスカプセル搭載の紙おむつ「マミーポコ・エクストラ・ドライ・プロテクト」が、マレーシア国内で販売開始されている。
出典:http://www.unicharm.com.my/index.html
https://www.unicharm.co.jp/
Kobayashi Healthcare (Malaysia) Sdn Bhd(小林ヘルスケア・マレーシア)
2011年10月に、小林製薬のマレーシア法人としてクアラルンプールに設立。同社はマレーシアにおける市場開拓を担い、小林製薬グループ製品のマーケティングと販売を行う。
同社が取り扱っている製品は、医薬品(アンメルツヨコヨコ、のどぬーる)、パーソナルケア製品(クールフィーバー冷却ジェルシート)、家庭用品(サワデー・フレグランスリキッド、クリアワイプ)などとなっている。
同社製品は、主要な薬局やスーパーマーケット、ハイパーマーケット、コンビニエンスストア、中国の医療ホールで販売されている。また、オンラインプラットフォームのショッピーに公式ストアを開設している。
2013年には、同社のクリエイティブな広告キャンペーンにより、「2013年グローバルアワード」においてマレーシアにおけるファイナリストの1社に選出された実績を持っている。
出典:https://kobayashi-my.com/
マレーシアの主要消費財メーカー4選〜外資系企業編〜
Unilever (Malaysia) Holdings Sdn Bhd(ユニリーバ・マレーシア・ホールディングス)
イギリス・ロンドンを拠点とする世界有数の一般消費財メーカーであるユニリーバのマレーシア法人で、70年以上に渡ってマレーシア国内で事業を行う。
国内では、ホームケア、美容&パーソナルケア、食品&リフレッシュメントを事業範囲としている。パーソナル・ケア製品では、「ダブ」や「ラックス」、洗剤の「サンライト」や「ブリーズ」などを販売する。
2020年、同社は2019年タレントコープの「ライフ・アット・ワーク・アワード」において、CEOチャンピオンを受賞している。過去にも、2017年と2018年に「働きがいのある会社」に選ばれ、 2018年には「サステナブル・ビジネス・アワード・マレーシア」において総合優勝を獲得している。
2020年4月、同社はCOVID-19パンデミック時に、弱者向けに120万リンギットの食料と個人用衛生用品を寄付したことを発表。また、取り組みを通じて同社はマレーシア保健省と提携、22,000個以上の石鹸などを医療機関に配布する計画を示した。
出典: https://www.unilever.com.my/
DKSH Holdings (Malaysia) Bhd(DKSHホールディングス)
スイス系商社であるDKSHグループの子会社。マレーシア法人は1923年にハーパーズ・トレーニングとして設立され、1987年にDKSHに買収される。3,300名の専門家を擁しており、国内に26拠点を展開、消費財や素材、技術、ヘルスケアなどの商品を取り扱っている。
日用消費財においては、パーソナルケアとして紙おむつや消臭剤、フェイシャルケア、ヘアケア、オーラルケア、ボディケアなどの製品を展開している。
2020年度のグループ収益は63億5,570万リンギットで、4,889万リンギットの税引後利益を計上している。
2021年12月、同社の消費財ユニットは、ヘルスケア製品プロバイダーであるレンタス・ヘルス社から、「カリーエ(Callie)」ブランドで高品質のフェイスマスク・シリーズを販売する任命を受けたことを発表。同製品は、2021年12月1日より国内全土で販売を開始する。
出典: https://www.dksh.com/my-en/home
Vinda Marketing (M) Sdn Bhd(ビンダ・マーケティング・マレーシア)
香港証券取引所に上場、家庭用紙製品の製造・販売を手掛けるビンダグループのマレーシア法人で、セランゴール州シャーラムを拠点とする。2019年には、ビンダグループがマレーシアにアセアン本社の建設を開始しており、パーソナルケア分野の生産と研究能力の拡大を目指している。
取り扱い製品は多目的消毒ワイプ、トイレットペーパー(4Dデコエンボス加工、ロールタイプ)、キッチンタオル(ウエットキッチンタオル、ドライキッチンタオル)、ティッシュペーパー、抗菌ハンドサニタイザー、使い捨て医療用フェイスマスクなどとなっている。
同社の製品は、イオンやイオンビッグ、エコンセーブ、ジャヤ・グローサー、99スピードマートなどの大手スーパーマーケットで購入可能となっている。
また、オンラインプラットフォームのショッピーとラザダに公式ストアを開設しており、さらに同社のビンダモールでも製品を購入することが可能となっている。
同社は、「2020年マレーシア女性のエンパワーメント原則アワード」のジェンダーレスポンシブ・マーケットプレイス部門において、国内優勝を果たしたことを発表している。
2020年度におけるビンダグループのマレーシアにおける収益は14億7,501万香港ドルで、グループ全体の9%を占めた。
出典: https://vinda.com.my/
https://vindagroupsea.com/
http://www.vinda.com/
Gentle Supreme Sdn Bhd(ジェントル・シュプリーム)
インドネシアを拠点とするウイングスグループのマレーシア法人で、セランゴール州を拠点として1999年に事業を開始している。
現在の製品は、様々な種類とサイズの洗濯用洗剤、柔軟剤、床用洗剤、ステインキラー、美容石鹸などを範囲としており、洗濯用洗剤の「ダイア」、粉末洗剤の「ブーム」、美容入浴剤の「GIV」といったブランドを展開している。
同社製品は、国内のスーパーマーケットで購入することができる。他にも、同社はオンラインプラットフォームのショッピーとラザダに公式ストアを開設している。
これまでの実績として、「ダイア」ブランドは2002年から2006年まで連続してブランド・エクイティ・アワードを受賞している。また、粉末洗剤「ダイア・カラーシールド」は、2015/2016年のプロダクト・オブ・ザ・イヤーを受賞している。
出典: http://www.gentlesupreme.com.my/
クアラルンプール在住4年目の日本人。大学卒業後、東京で飲料メーカーの営業を担当。その後、マレーシアのクアラルンプールへ移住し食品商社の営業及び購買のサポートを担当。