【最新版!】フィリピンの主要化粧品メーカー22選

フィリピンの化粧品業界は、ローカル・日系・外資系企業がしのぎを削る成長市場です。

本記事では、売上・ブランド力・市場シェアに優れた主要22社の最新動向と事業内容を詳しく紹介します。フィリピン進出を検討する日本企業の経営者・担当者必読の業界地図をお届けします!

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フィリピンの化粧品業界 業界地図はこちら!
目次

フィリピンの主要化粧品メーカー11選〜ローカル企業編〜

Sunnies Face (サニーズ・フェース)

2018年にフィリピンで創業されたサニーズフェイス(Sunnies Face)は、ラグジュアリーな処方と幅広い肌色に対応するカラーラインナップで、グローバルな注目を集めるヴィーガンコスメブランドだ。すべての製品はパラベンフリー(防腐剤不使用)であり、動物実験も一切行わないクルエルティーフリーのクリーンフォーミュラを採用している。サニーズフェイスのコスメは、オーナー自身や友人・家族によるテストのみで安全性を担保し、妊娠中や授乳中の女性も安心して使える点が支持されている。

看板商品の「Fluffmatte Lipsticks」は、クリーミーで軽やかな質感と肌馴染みのよさが特徴で、フィリピン国内では30秒に1本売れるほどのベストセラー商品となっている。このリップスティックは24色展開で、ピンクやヌード、レッドなど幅広いトーンが揃い、世界中のセレブやメイクアップアーティストにも愛用されている。

サニーズフェイスはフィリピン国内のみならず、アメリカやイギリスなど海外市場にも進出し、オンラインショップや有名店舗ワトソンなどで販売されている。オンラインショップではフォロワー数22万8,900人のうち8万1,400人が評価4.9という高い評価を獲得している。また、SMモールやアヤラセンターなどフィリピン国内の主要ショッピングモールに15店舗を展開し、オフラインでも人気を集めている。

2025年5月時点におけるサニーズフェイスの企業規模は、設立当初の10名から大きく成長し、現在は34名以上の社員が在籍している。

出典:https://www.sunniesface.com/

Happy Skin (ハッピースキン)

Happy Skinは、2013年10月に設立されたフィリピンの美容ブランドで、世界クラスの品質を目指し、日本・韓国・台湾といった美容の中心地から調達した高品質なOEM製品を提供している。同ブランドはフィリピン国内でトップクラスのローカル企業として成長し、市場のニーズに応えるべく全ての製品は発売前に厳格なテストを実施している。

主力商品の一つは、399ペソと手頃な価格が魅力のauthencityジェネレーションハッピースキンマイリップスだ。また、649ペソのスキニーシッピングは2016年以降、国内で最も人気を集める商品となっている。さらに、シアバターとコラーゲンを配合したハネムーングローシャットアップ&キスミーモイスチャライジングリッピー(540ペソ)も、しなやかで潤いのある使用感が特徴で、いずれも欠品が続くほどの高い人気を誇る。

現在、Happy Skinはメイクアップだけでなく、スキンケアやネイルケア製品もラインアップに加え、肌にやさしく使いやすい化粧品を幅広く展開している。創業者のマナンキルトリロは2021年に方向性の違いにより辞任したが、ブランドはフィリピン国内で高い評価を維持し、今なお成長を続けている。

出典:https://www.happyskincosmetics.com/

Colourette Cosmetics (カラーレット・コスメティックス)

2015年に設立されたColourette Cosmeticsは、フィリピン発の多目的メイクブランドとして、性別・年齢・職業・民族などに関係なく誰もが自分らしさを表現できることを目指し、幅広い層に支持されている。創設者のニナ・エレイン・ディゾンは、フィリピン人の多様な肌色やライフスタイルに寄り添う製品開発に注力し、フィリピン人によるフィリピン人のためのコスメを提供することをブランド理念としている。

Colourette Cosmeticsは、PETAのGlobal Beauty Without Bunnies Programによってクルエルティーフリー(動物実験なし)認定を受けている。このプログラムは、現在から将来にわたって製品開発や販売の全段階で動物実験を一切行わない企業として認められるものであり、同ブランドはヴィーガンおよびパラベンフリーの処方を多く採用している。

主力商品であるColourtintは、目・頬・唇のどこにも使えるマルチメイクとして展開され、24ものバリエーションが用意されている。この製品は累計200万本以上を売り上げ、フィリピン国内で圧倒的な人気を誇る。また、12色展開の肌色にフィットするスキンティントや、ティントリップバーム、ジェリータイプのチークなど、多様なニーズに対応したラインナップが特徴だ。

価格は手頃で、フィリピンの消費者が購入しやすい設定となっている。オフラインではSMモールやロビンソンなどの主要ショッピングモールに店舗を展開し、7-Elevenなど全国のコンビニでも購入可能なほか、オンライン販売も活発に行われている。

出典:https://www.colourette.ph/

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Ever Bilena Cosmetics Inc (エバービレナコ・スメッティクス)

Ever Bilena Cosmetics Inc.は、1983年にディオセルド・シーによって設立されたフィリピン最大級の化粧品企業である。創業者のディオセルドは、祖父のポマード事業でメッセンジャーとして働いた経験や、フィリピンの大物実業家であるヘンリー・シーやジョン・ゴコンウェイからの指導を受けながら、強い決意で事業を立ち上げた。同社は現代的で勤勉なフィリピン人をターゲットに据え、誰もが手軽に美しさを表現できることを理念としている。

Ever Bilenaは「Ever Bilena」「Careline」「Spotlight」など14ブランドを展開し、カラー化粧品を中心に、バス用品やスキンケア、フレグランス、ホームケアまで幅広い品揃えを持つ。特にリップ製品は人気が高く、2021年3月8日には「あなたの肌のトーンを補完する完璧な口紅の色合い」を提供することをコンセプトに新商品を投入した。リップキットには、クリスマットリップリキッドリップスティック、クリスマティックリップスティック、クリスマットリップライナーなどがあり、赤系のカラーが多く展開されている。

インフルエンサーであるViy Cortez(24歳)は、Youtubeで390万人、Instagramで150万人、TikTokで170万人のフォロワーを抱え、Ever Bilenaのアンバサダーとしてブランドの認知度向上や売上拡大に大きく貢献している。同社はLazadaやShopeeなどの大手オンラインショッピングモールに公式ページを設置し、ネット販売にも注力している。

本社のアクティブスタッフは約400〜500人規模だが、グループ全体の従業員数は1,800人を超え、さらに全国に1,001〜5,000人規模で展開しているとの情報もある。Ever Bilenaはフィリピン国内5,000以上の小売店舗で販売され、250,000以上のディーラーが販売活動を行うなど、圧倒的な流通網を持つフィリピンの化粧品市場を代表する企業である。

出典:https://everbilenacosmetics.com.ph/

SkinPotions (スキンポーションズ)

SkinPotionsは、フィリピンの姉妹であるJonalynとAileen Sisonによって2013年に設立された国産スキンケア・メイクアップブランドだ。創業のきっかけは、妹のJonalynが10代の頃にニキビに悩み、自分に合う適切な製品を探した経験から生まれた。彼女たちはスキンケアやメイクアップを通じて人々の生活を変えたいという強い思いを持ち、ブランドを立ち上げた。

SkinPotionsは設立後、世界中の100以上の再販業者や販売業者と協力し、グローバルな販売ネットワークを築いた。2015年にリリースされた「スノーベリースリーピングクリームマスク」は発売以来大きなヒットとなり、群衆のお気に入り商品となった。この成功をきっかけに、SkinPotionsは米国、イタリア、日本、アブダビ、台湾、オーストラリアなど海外市場にも進出し、フィリピン発のオーガニックスキンケアブランドとして認知度を高めた。

2016年にはフィリピン国内のSMスーパーモールズに3つのキオスクを開設し、2017年にはフランチャイズ(FC)化を導入した。現在、SkinPotionsはスノーベリークリームマスクやローション、メイクアップベースなどの化粧品、美容機器を取り扱うほか、美容院の経営支援やBtoB事業も展開している。店舗数は3店舗だが、フランチャイズやオンライン販売を通じて幅広く消費者に支持されている。

SkinPotionsはオーガニックスキンケアを中心に、自然由来成分を重視した製品開発を行っており、フィリピンのローカルブランドとして確固たる地位を築いている。

出典:https://skinpotionsph.com/

Refinette Cosmetic Manufacturing Corporation (リフィネット化粧品製造)

Refinette Cosmetic Manufacturing Corporationは、1991年設立のフィリピン・ブラカン州ギグイントに本社を構える、契約製造・研究開発に特化した化粧品メーカーである。同社は当初「1993年設立」とされることもあるが、公式情報や業界団体の評価では1991年創業が主流である。主な事業内容は、スキンケアやヘルス&ウェルネス製品、石鹸、洗浄剤、トイレ部品の製造および開発で、特に革新的で効果的な製品の研究開発契約メーカーとして高い評価を受けている。

同社は30年以上の実績を持ち、企業方針としてプロ意識・適性・誠実さを最前線に掲げる。取扱製品は抗菌エッセンシャル、化粧品、石鹸、栄養化粧品(抗酸化成分配合)など多岐にわたり、純粋な化粧品メーカーとしてだけでなく、化学製品の製造販売も行うことで他社との差別化を図っている。

コントラクトマニュファクチャリング(受託製造)のワンストップショップとして、顧客ごとにカスタマイズした製品開発や生産を提供。500人以上の専門家・熟練労働者を擁し、FDA(米国食品医薬品局)およびGMP(適正製造規範)に準拠した製造プラント・施設を運営するBtoB企業である。

出典:http://www.refinette.net、https://bit.ly/35YEDec

Skin Solutions Cosmeceuticals Inc. (スキン ソリューションズ カスメシューティカルズ)

Skin Solutions Cosmeceuticals Inc.は、フィリピン国内において顧客の仕様に合わせてカスタマイズされたスキンケア製品を開発・製造するBtoB企業だ。最先端の設備と革新的なソリューションを駆使し、創造的なアイデアから生まれた調合品を提供することで、一般市場での競争力を高めている。同社は操業初日からわずか2か月で生産量が4倍に増加するなど、急成長を遂げた実績を持つ。

顧客アカウントの増加に対応するため、従業員数を3倍に拡大するなど、事業規模は急速に拡大している。現在、Skin Solutions Cosmeceuticals Inc.は無数の石鹸ラインや幅広い優れた調製品、多種多様なスキンケア製品をラインナップし、市場での存在感を高めている。同社の専門家チームは、科学的に優れ、収益性の高いスキンケア製品を自社ブランドの下で提供している。

取り扱い製品は、水系乳化技術や有機合成関連技術の研究開発を活かしたファイシャルマスク、スキンケア、美容キット、ボディソープ、専門製品など多岐にわたる。企業規模は社員数700名以上、売上高は1億米ドル(100ミリオン米ドル)以上とされている。この規模感はフィリピンの化粧品業界でも屈指であり、同社は厳格な規制や国際基準への準拠、高い品質管理を徹底することで、国内外の顧客から高い信頼を得ている。

出典:https://bit.ly/35YEDec、https://skinsolutions.com.ph

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South Care Cosmetics (サウスケア・コスメティクス)

サウスケアコスメティックスマニュファクチャリング・インク(South Care Cosmetics Manufacturing Inc.)は、2010年にサンペドロ、ラグナで設立されたフィリピンの化粧品・スキンケア・パーソナルケア製品の総合メーカーだ。同社は研究開発、配合、設計、製造、流通までを一貫して担うワンストップソリューションを提供し、創業からわずか2か月で生産量が4倍に増加、従業員数も3倍に拡大した実績を持つ。

現在、サウスケアコスメティックスは液体および粘性のスキンケア製品、数多くの石鹸製品など幅広いラインナップを揃え、経験豊富で訓練されたチームが科学的に優れたスキンケア製品を生み出している。同社の製品はユーザーから高い評価を受けており、既存のストックフォーミュラから選択するだけでなく、顧客のニーズや仕様に合わせてカスタマイズできる点が大きな特徴だ。

OEM生産受託、ストックフォーミュラ、オールインワンマニュファクチャリング、カスタムフォーミュラ、処方研究開発支援など多様なサービスを提供し、コスト効率と高品質なアウトプットでフィリピン国内のスキンケアブランドや起業家から高い信頼を得ている

出典:https://southcarecosmetics.com

SCC Innovasia Inc. (エスシーシー・イノバシア)

SCC Innovasia Inc.は、1991年に設立された100%フィリピン資本の民間企業であり、フィリピン国内で最大規模のパーソナルケアおよびスキンケア製品の契約製造メーカーの一つだ。同社は長年にわたり、主要顧客であるJohnson & Johnsonからサードパーティメーカーオブザイヤー賞を、またParanaque商工会議所からSalambao Award for Business Excellenceを受賞するなど、高い評価と実績を誇っている。

2014年にはフィリピン労働雇用省から一般労働基準および労働安全衛生基準のコンプライアンス証明書を授与されており、従業員の権利や安全衛生に配慮した企業運営を行っている。公式資料や業界サイトでは従業員数は「500人規模」とされる場合が多いが、一部情報では「155名」と記載されることもある。これは時期やカウント対象の違いによるもので、実際には200~500名規模の従業員を擁する非組合製造企業とみられる。

カビテ州カルモナのゴールデンマイルビジネスパークにある「SCC Innovasia Global Inc.(SIGI)」はPEZA(フィリピン経済特区庁)登録企業であり、輸出市場にも対応した先進的な化粧品・石鹸・洗浄剤の製造拠点となっている。製造ラインは業界の変化するニーズに応えるため、常に設備のアップグレードを行っており、特に暖房・換気・空調(HVAC)システムの改善や、環境・健康・安全分野への取り組みが注目されている。

出典:http://scc.com.ph

Gold Win(ゴールドウイン)

Goldwin Manufacturing Laboratories Corp.は、1994年1月6日に設立されたフィリピンのマリキナ市に本拠を置くファミリー企業だ。当初は現地市場向けの化粧品流通パートナーシップとしてスタートし、その後さまざまなスキンケア製品の受託製造に進出した。特にコールドプロセスによる石鹸製造を専門とし、技術力と品質管理に強みを持つ。

同社は現在、約100人の従業員を擁し、技術研究所・製造・倉庫・オフィス機能を備えた2つの高層ビルをマリキナ市の商業・工業エリアに構えている。製品ラインはハーブ石鹸や特殊石鹸、フェイシャル・ボディクレンジング、クリーム・ローション、ヘアケア製品、その他のケア・化粧品まで多岐にわたる。自社ブランドのほか、契約メーカー(トールマニュファクチャラー)としても活躍し、国内外の顧客に向けて高品質な製品を提供している。

事業提携先には、マリキナバレー商工会議所、フィリピン輸出業者連盟、フィリピン化粧品科学協会、フィリピン化粧品技術支援センター財団などがあり、海外ではフィリピン-サウジアラビア、カタール、南アフリカのビジネス評議会と提携している。これにより、東南アジア、中東、アフリカにも製品を展開し、フィリピンのパーソナルケア・スキンケア業界をリードする存在となっている。

出典:http://www.pureskin.com.ph

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Human Nature

uman Natureは、2008年にAnna Meloto-Wilk、Dylan Wilk、Camille Melotoによって設立されたフィリピン発のオーガニックコスメ・パーソナルケアブランドだ。運営母体は社会起業家組織Gandang Kalikasan Inc.(GKI)であり、フィリピンの貧困問題解決や地域経済支援、環境保護を重視する「PRO-PHILIPPINES」「PRO-POOR」「PRO-ENVIRONMENT」を掲げている。

製品はスキンケア、ヘアケア、パーソナルケア、ホームケアと幅広く、ココナッツオイル、モリンガ、ヒマワリ油、アロエベラなど自然由来成分を中心に配合している。製品開発から製造、流通まで全てフィリピン国内で完結し、動物実験を一切行わないクルエルティーフリー(PETA認証)かつ、有害化学物質を含まない安心・安全な仕様が特徴だ。

代表的な商品には、ピュアヴァージンココナッツオイル、モリンガ配合のハイドレーティングフェイストナー、コールドプレス製法のホホバオイル、香り付きリップバーム、シャンプーや石鹸などがある。価格は手頃で、1アイテム150~500ペソ程度が主流だ。

Human Natureは地元の農家や地域コミュニティと連携し、原材料を市場価格より高く買い取ることで貧困層の生活向上にも貢献している。また、Gawad Kalingaの住民を雇用し、地域社会の活性化や雇用創出にも寄与している。

出典:https://humanheartnature.com/buy/

BLK Cosmetics

BLK Cosmeticsは、フィリピンの女優・スタイルアイコンAnne Curtisとビューティー専門家Jacqui Yuengtian Gutierrezによって2017年に設立された人気コスメブランドだ。ブランド名は「黒(black)」に由来し、誰にでも似合うクラシックでエレガント、かつ飽きのこない製品を目指している。

BLK Cosmeticsは「Uncomplicated. Pure. Kind.」をミッションに掲げ、シンプルで使いやすいメイクアップとスキンケア製品を提供している。すべての製品は100%ヴィーガン、クルエルティーフリー(PETA認証)、パラベン・フタル酸エステル・SLS/SLES・ミネラルオイル・染料・アルコール・人工シリコーン・人工香料など8つの有害成分を含まない、肌にやさしい処方だ。また、売上の一部を環境保護団体「1% for the Planet」に寄付するなど、社会貢献活動にも積極的である。

主力商品はリップティントやリキッドリップスティック、リップクリーム、アイシャドウパレットなど多彩で、特にモレナ(褐色肌)に似合う色展開が特徴だ。ファンデーションやコンシーラー、スキンケア(クレンザー・モイスチャライザー・フェイスマスク・セラム・サンスクリーン・ナイトクリーム)もラインアップし、多機能で日常使いしやすい製品設計となっている。

BLK Cosmeticsは、フィリピン国内の主要オンラインショップや専門店、ZALORAなどの大手ECサイトでも購入可能で、手頃な価格と高品質が支持されている。本社はケソンシティにあり、従業員数は約40~50名規模とされる

出典:https://blkcosmetics.com.ph/

Belo

Beloは、フィリピンで最も有名な医師Dr. Vicki Beloによって1990年に設立された、国内最大級の医療美容クリニックおよびスキンケアブランドだ。Belo Medical Groupは、フィリピン初の本格的な美容医療クリニックとして業界を牽引し、現在は全国に14~15拠点を展開するフィリピン美容界のリーディングカンパニーである。

Beloブランドは、美容医療サービス(Botoxやフィラー、レーザー治療、脂肪吸引など)と、一般消費者向けのスキンケア製品「Belo Essentials」の両輪で成長を続けてきた。Belo Essentialsは、Dr. Vicki Belo監修のもと、パラベンフリーで低刺激、肌にやさしい処方のスキンケアラインとして、フィリピン国内8,000店舗以上で販売され、26カ国にも輸出されている。

主力商品は「Belo Prescriptives Tyrosinase Inhibitor」「Dermese-A Cream」「Belo Thick and Shiny Shampoo」などで、オンラインショップや大手ドラッグストア「ワトソン」でも人気を集めている。近年は「Belo Essentials SunExpert(日焼け止め)」や「Belo Nutraceuticals(美容サプリ)」など新商品も積極的に投入し、市場拡大を図っている。

Beloはフィリピン人特有の肌悩みに精通し、美白やアンチエイジング、ニキビ対策など幅広いニーズに対応する48の製品ラインを持つ。2023年は前年比20%増の成長を記録し、今後も二桁成長を目指すなど、フィリピンのスキンケア・美容市場で確固たる地位を築いている。企業規模は従業員数501~1,000名規模とされ、フィリピン国内のみならず、海外在住のフィリピン人にも支持されている。

出典:https://belomed.com/

Kaiser Dream Cosmetics Manufacturing (カイザー ドリーム コスメティクス・マニュファクチャリング)

ラグナ州ビニャンのBrgyTimbaoにある当社の製造工場は、FDA基準に準拠しており、厳格な適正製造基準に準拠している。フィリピン国内で各企業へのOEM生産を行っている。

SPA製品・美白やアンチエイジングのスキンケア製品の製造も専門としている。主に小売、卸売、バルク、または顧客のオリジナルブランドの下で個人的にラベル付けされた製品を提供。KDSコスメティックスは、小規模企業が低資本投資で美容事業を開始できるよう支援することを目的としているため、最小注文要件なしで在庫のあるフォーミュラ製品を提供している。同社の製造能力は、小規模から非常に大規模まで、あらゆるサイズの実行に対応できる。

提供製品:美容石鹸、ボディローション、フェイシャルクリーム、ボディスクラブ、フェイシャルウォッシュ/クレンザー、トナー、収斂剤、フェイシャルマスク、香水、オードトイレタリー、ケルン、ボディミスト、ヘアケア製品など、さまざまなパーソナルケア製品。

出典:https://kdscosmetics.ph

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フィリピンの主要化粧品メーカー3選〜日系企業編〜

Shiseido Philiipines (資生堂フィリピン)

資生堂フィリピン株式会社(Shiseido Philippines Corporation)は、2019年に本格稼働を開始した合弁会社であり、フィリピンにおける資生堂グループのプレゼンス強化と市場拡大を目的に設立された。母体は資生堂の100%子会社である資生堂アジアパシフィック(シンガポール法人)と、シンガポールを拠点とする美容流通大手LUXASIA社で、出資比率は資生堂アジアパシフィックが過半を占める。

フィリピンの化粧品市場は東南アジアで3番目に大きく、市場規模は約30億ドル(約3400億円、現地通貨換算や推計年により異なる)とされるが、2025年現在の最新情報では、全体の市場規模が3000億円を超える成長市場となっている。資生堂は2013年以降、フィリピンで二桁成長を続けており、新会社設立によりさらなる拡大を目指している。資生堂フィリピンは、SHISEIDO、NARS、ローラ メルシエなどのプレステージブランドに加え、フレグランス、コスメティックス、パーソナルケアの全カテゴリーを一括して扱い、マーケティング投資を強化している。

2025年現在、フィリピン国内には27店舗を展開しているが、資生堂ブランドのマーケットシェアは10%未満にとどまっている。2025年1~3月期のグループ売上高は2,282億円、コア営業利益は83億円となっている。2024年実績では年間売上高は9,906億円、コア営業利益は364億円である。

出典:https://shop.shiseido.com.ph/

MANDOM Philippines(マンダム・フィリピン)

Mandom Philippines Corporation(マンドム・フィリピンズ・コーポレーション)は、1992年に設立されたMandom Corporation(本社:日本・大阪)の100%子会社であり、フィリピン・マカティ市(マニラ首都圏)に拠点を置く化粧品・トイレタリーの輸入・販売・マーケティング企業である。

Mandom Philippines Corporationは、GATSBY、LUCIDO、MANDOM、BIFESTA、Tancho、Baby Veil、Pixyなど、男性向けスキンケアやヘアケア、トイレタリーを中心に、フィリピン市場の嗜好に合わせた商品を展開している。特にGATSBYは、フィリピンの若年層を中心に高い人気を誇るヘアスタイリングブランドとして定着している。

企業規模について、2024年12月31日時点の資本金は3億1千万フィリピンペソ、従業員数は17名となっている。

フィリピン国内での販売は主に代理店流通を通じて行われており、Lazada、Shopee、TikTok Shopなどの主要ECサイトでもGATSBYやBIFESTAなどの主力ブランドが展開されている。

Mandom Corporationのグローバルグループ全体では、2025年3月31日時点で従業員数2,587名(連結)、資本金113億9,481万7,459円、アジア各国に13社以上のグループ会社を有している。

出典:https://www.mandom.com.ph/

KOSE(コーセー)

株式会社コーセー(KOSE Corporation)は、日本で70年以上の歴史を持つ化粧品の製造・販売企業であり、グローバル市場にも積極的に展開している。フィリピン市場には2003年から参入し、現地法人は設立せず、主にオンライン販売チャネルを通じて商品を提供している。代表的な販売先はPerfumestore、Happy Beauty、Shopee、Lazada、Caloussel、フィリピンCosmo Store、My Bentaなど多岐にわたり、特にFacebookとの連携で訴求を強化している。

フィリピンで人気のコーセー製品には「SEKKISUIホワイトフェイスウォッシュクリーム(80g/120g)」や「コスメポートソフティモホワイト薬用クレンジングフォームフェイシャルウォッシュ(190g)」があり、価格帯は120ペソから6,500ペソと幅広い。2025年5月にはKOSE COSMEPORTが日焼け止めブランド「SUNCUT(R)」をフィリピンでローンチし、現地アスリートを起用したマーケティングも展開している。

グループ全体の最新業績は、2025年3月期の連結売上高が約3,419億円(341.9B JPY)で、前年比4.55%増加している。従業員数は2024年12月末時点で8,130名と増加傾向にある。過去に「社員数14,403名」とされた情報は、時期やカウント方法の違いによるもので、直近の公式発表では8,130名が正確である。また、純利益(親会社株主に帰属する当期純利益)も年々増減があるものの、2025年は約165億円(16.57B JPY)が見込まれる。

出典:https://www.cosmeticsnow.ph/items/kose
https://www.kose.co.jp/company/ja/info/bases/

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フィリピンの主要化粧品メーカー5選〜外資系企業編〜

L’Oréal(ロレアル)

ロレアル(L’Oréal)は、フランス・クリシーに本社を置く世界最大の化粧品会社であり、ユーロネクスト・パリに上場するグローバル企業である。フィリピン進出は1989年で、2025年現在で36年の歴史を有する。ロレアルフィリピンは、フィリピンの多様な美意識と文化に寄り添い、化粧品、ヘアカラー、ヘアケア、スキンケア、日焼け止め、香水、皮膚科学分野など幅広いカテゴリーで事業を展開している。

フィリピン国内で利用可能なロレアルブランドは10種類以上あり、マスマーケット、デパート、ドラッグストア、ヘアサロン、旅行小売店舗、eコマースなどあらゆる流通チャネルで展開されている。2025年5月、ロレアルフィリピンは新本社「Balai Beauté」をオルティガス・パシグ市のThe Podium West Towerに開設し、持続可能な成長と地域社会への貢献を強化する新たな拠点とした。本社はLEED GOLD認証のビルに位置し、100%再生可能エネルギーで運営され、美容技術やデジタル教育、コラボレーションスペースも備えている。

ロレアルフィリピンは、フィリピン人の美の多様性と包摂性を重視し、「Beauty for Each」戦略の下で美容技術(Beauty Tech)を活用したパーソナライズ体験を提供している。たとえば、Lancôme Skin Screen(肌分析)、Kerastase K-Scan(頭皮分析)、Kiehl’s Instant Skin Reader(スマート写真診断)など、先端技術を用いたサービスを導入している。

サステナビリティ分野では、フィリピン特有のプラスチック問題に対応し、2023年から「Recycle for Rewards」プログラムを通じて875トン以上のプラスチック廃棄物を回収・アップサイクルしている。また、2024年にはラグナ州カランバに6万平方メートルの新たな流通センターを開設し、サプライチェーンの効率化と環境負荷低減(再生可能エネルギー、スマート照明、雨水利用、プラスチックフリー包装)を実現した。

ロレアルフィリピンは、脆弱な立場にあるフィリピン人女性や若者を対象に「Beauty For A Better Life」や「Inclusive Sourcing」などのプログラムを展開し、約3,000人に美容・デジタル教育と生計支援を提供している。2030年までに1万人のフィリピン人をエンパワーすることを目標に掲げている。

グローバル企業規模としては、2024年末時点で従業員数は95,023名、年間売上高は434.8億ユーロ(約5兆7,000億円)を記録している。ロレアルは、世界21か所に研究開発センターを持ち、4,000人以上の科学者と8,000人のデジタル人材を擁する「Beauty Tech」分野のリーダーでもある。

出典: https://www.lorealparisusa.com/
https://www.loreal.com/en/
https://www.loreal.com/en/philippines/

Avon Cosmetics Inc. (エイボン化粧品)

Avon Cosmetics Inc.(エイボン・コスメティックス・インク)は、フィリピン・マカティ市に拠点を置く、化粧品・香水・スキンケア・ヘアケア製品の製造・販売を行うグローバル企業だ。フィリピン市場には1978年に地元美容会社Beautifontを買収して参入し、1983年に社名をAvon Cosmetics Inc.へと正式に変更した。

Avonは創業1886年、グローバル本社はイギリス(ロンドン)に置かれているが、フィリピン法人はマカティに拠点を構え、世界最大規模の直接販売モデルを基盤に事業を展開している。フィリピン国内では、従業員の70%、マネージャーの65%、シニアリーダーの58%が女性で占められており、女性の活躍と経済的自立を強く推進している。

Avonは世界的なイノベーションセンターを有し、科学者・エンジニア・美容専門家による最先端の研究開発体制を整えている。特にスキンケア分野では、アルファヒドロキシ酸(AHA)をすべての女性が利用できるよう市場に広めた先駆的なブランドであり、ANEWシリーズなど独自の特許技術(例:Anew Reversalist Infinite Effects、US特許9,956,151および9,968,538)も保有している。グローバルで750以上の特許をライセンス供与し、科学的根拠に基づいた高品質な製品を提供し続けている。

企業規模としては、フィリピン法人には約282名の従業員が在籍し、卸代理店やパートナー企業を含めると1,800社以上が関与している。グローバルでは68か国で500万人以上の営業担当者を擁し、フィリピンはAvonにとって世界最大の市場となっている。2024年にはWatsonsやSM Beautyとの戦略的提携により、直接販売だけでなく小売店舗でも製品が手に入るようになり、オムニチャネル戦略を強化している。

Avonは女性の経済的自立を支援する「Beauty with a Purpose」の精神を掲げ、販売収益の20%以上を営業担当者のスキルアップや、乳がん啓発、ジェンダーに基づく暴力撲滅などの社会貢献活動に充てている。フィリピン国内のラグナ州にアジア最大規模の製造拠点を持ち、現地生産比率も高い。

出典: https://www.avon.ph/avon-ph/about-us.html

Estee Lauder(エスティローダー)

エスティローダーカンパニーズ(Estée Lauder Companies Inc.)は、1946年にエスティローダー夫人によって設立された、世界有数の高級化粧品・美容ブランドのグローバルリーダーだ。70年以上の歴史を誇り、エレガンス、ラグジュアリー、卓越した品質を追求し続けている。同社はプレステージメイク、スキンケア、フレグランス、ヘアケアなど幅広いカテゴリーに特化し、約150の国と地域で25以上のブランドを展開している。

代表的なブランドには、Estée Lauder(エスティローダー)、Clinique(クリニーク)、MAC(M·A·C)、La Mer(ラ・メール)、Bobbi Brown(ボビイブラウン)、Aveda(アヴェダ)、Jo Malone London(ジョーマローン ロンドン)、Bumble & bumble(バンブルアンドバンブル)、Tom Ford(トムフォード)、Smashbox(スマッシュボックス)、Le Labo(ルラボ)、Dr.Jart+(ドクタージャルト)、The Ordinary、DECIEM(ディシーム)などがあり、それぞれ独自の強みとターゲット層を持つ。

025年現在、エスティローダーカンパニーズの従業員数は約48,000名とされ、グローバルな事業展開と多様な人材が特徴だ。売上高について、2021年の142.9億ドル(約1兆5,000億円)という数値は過去のもので、2024年度の年間売上高は約160億ドル規模の見通しだが、2025年はアジア旅行小売(トラベルリテール)市場の低迷や中国市場の回復遅れにより、売上は最大9%下落する見込みとなっている。

出典: https://www.esteelauder.com/

Chemico(CMC) (ケミコグループ)

Chemico(CMC)グループは、1994年に設立され、アジア、中東、ヨーロッパで化粧品、家庭用品、食品、栄養補助食品、健康・美容機器などの分野において高品質な原材料や製品を供給する専門代理店だ。本社はタイ・バンコクにあり、フィリピン、ベトナム、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、インド、ロシアなど7か国に8つの関連会社を展開している。

Chemicoグループは、グローバルに400人以上の従業員を擁し、そのうち170人以上が健康・美容関連の機器やサービスに従事する専門家である。グループのビジョンは、技術志向かつ迅速な納品サービスを提供し、アジアの健康・美容分野における卓越した技術サービス拠点となることだ。グループは各地に研究所を設け、化粧品、家庭用品、食品、栄養補助食品の開発・サポート体制を強化している。

Chemico Philippinesは、2001年にタイのChemico Inter Corporation Co., Ltd.の下で、フィリピン・マカティに設立された。当初は化粧品および家庭用品向けの高品質原材料の輸入・販売を主業務としていたが、設立後3年間の大きな成功を受けて、食品、栄養補助食品、健康・美容機器分野にも事業を拡大した。現在はカビテ州カルモナに広大なオフィスと倉庫を構え、ISO 9001認証(2018年取得)を有し、現地市場の需要に対応している。

Chemico Philippinesは、パーソナルケア・家庭用品ラボ、カラーコスメラボ、食品ラボを備えたアプリケーションセンターを運営し、タイ本社の専門ラボと連携して顧客満足度向上に努めている。また、80人収容のセミナー室なども備え、技術支援やトレーニング体制も充実している。

フィリピン法人の従業員数は約50名とされ、グループ全体では400名以上が在籍する。グループ売上は165億円規模となっており、フィリピン国内でも信頼性の高い原材料輸入・販売企業として高い評価を得ている。

出典: http://www.chemicogroup.com
https://www.chemicogroup.com/page-company/22/Chemico-Philippines.html

Revlon(レブロン)

Revlon(レブロン)は、1932年にアメリカ・ニューヨークでチャールズ・レヴソン、ジョセフ・レヴソン、化学者のチャールズ・ラックマンの3名によって設立された世界的な化粧品・スキンケア・フレグランスブランドである。エリザベス・アーデンは別の創業者であり、後にRevlonが買収したブランドであるが、1878年にアーデンが創業した伝説とは直接関係しない。

Revlonは創業当初から画期的なネイルエナメルを発売し、1937年には百貨店や薬局での販売を開始、1940年代までに数百万ドル規模の企業へと成長した。第二次世界大戦後にはアメリカ国内トップ5の美容ブランドとなり、1960年代以降はフランス、イタリア、アルゼンチン、メキシコ、アジアなどに子会社を設立し、フレグランス市場にも進出した。

2025年現在、Revlonは世界150か国で製品を販売し、グローバルな美容ブランドとしての地位を維持している。主力製品はリップ、ファンデーション、コンシーラー、パウダーなどで、リップ製品はアメリカ製、一部のファンデーションやコンシーラー、パウダーは中国製となっている。フィリピン市場でも、オンラインや大手ドラッグストア、百貨店など幅広いチャネルで展開されており、プロフェッショナルヘアケア分野でも主要プレーヤーのひとつとして認知されている。

企業規模については、従業員数は2019年時点で7,300名とされた時期もあるが、2022年時点では5,600名となっている。売上高は2018年に27億ドル、2019年に24億ドル、2020年に19億ドル、2025年には19.8億ドル(約1.98ビリオンUSD)となっている。2022年に経営破綻(チャプター11)を申請したが、2023年5月に再建を果たし、現在もグローバル市場で事業を継続している。

出典: https://www.revlon-japan.com/
https://www.revlon.com/

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