中国の自動車業界は、電気自動車(EV)や新エネルギー車(NEV)の急成長により、世界的な注目を集めています。本記事では、2025年最新の市場動向とともに、中国国内外の主要企業14社を厳選してご紹介します。日本企業が中国市場で成功するためのヒントも満載です!
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中国の主要自動車メーカー4選〜ローカル企業編〜
五菱 (WULING)
五菱(WULING)は、1985年に中国の広西チワン族自治区柳州で設立された。2002年には、上海汽車集団公司、ゼネラルモーターズ(中国)社、柳州五菱汽車有限公司の3社が共同出資し、上汽通用五菱汽車股份有限公司(SGMW)を設立した。2017年からはインドネシアにも製造拠点を設け、現地市場向けの生産と販売を開始している。
五菱の製品ラインナップには、ピックアップトラック「征途」、小型商用車「荣光」、SUV「星辰」、バン「征程」などがある。特に注目すべきは、小型電気自動車(EV)である「宏光MINI EV」シリーズである。このシリーズは、2020年の発売以来、手頃な価格と実用性で中国国内外で高い人気を博している。2025年2月には、宏光MINI EVシリーズの累計販売台数が150万台を突破し、5か月連続でセグメント内の販売台数トップを維持している。
2025年2月には、四ドア版の宏光MINI EVが発売された。この新モデルは、全長3,256mm、ホイールベース2,190mmで、後部座席へのアクセス性が向上している。CLTC基準での航続距離は205kmで、全モデルが直流急速充電に対応し、35分でバッテリー容量の30%から80%まで充電可能である。価格は4.48万元(約70万円)からとなっている。
さらに、2025年3月18日には、1.5Lエンジンを搭載した増程版の五菱宏光が発表された。このモデルは、電動モーターとエンジンを組み合わせたシステムで、バッテリーが低下した際にエンジンが発電機として機能し、航続距離を延ばす。車両サイズは全長4,515mm、全幅1,725mm、全高1,790mm、ホイールベースは2,850mmで、純電動版と同様の寸法である。
販売実績においても、五菱は好調を維持している。2025年3月の上汽通用五菱汽車股份有限公司の販売台数は148,000台で、前年同月比29.81%増加し、2025年の累計販売台数は353,000台に達している。
五菱は、手頃な価格と実用性を兼ね備えた車両を提供し続け、市場での存在感を強めている。特に、宏光MINI EVシリーズは、都市部での短距離移動や日常の足として、多くのユーザーから支持を集めている。
出典:https://www.wuling.com/
吉利汽车(Geely Auto)
中国浙江省杭州市に本社を置く浙江吉利控股集団の子会社。親会社の浙江吉利控股集団は2010年にフォードからボルボカーズを買収、2020年11月にはダイムラーとハイブリット車用のガソリンエンジンの共同開発を発表している。
1,000以上の国内販売拠点と400以上の海外販売・サービス拠点を持ち、2020年10月末には、世界累計販売台数が1000万台を突破。中国ブランド初の乗用車の生産・販売台数1000万台を達成している。
吉利汽车は、小型セダンの「帝豪」、SUVの「博越」、「缤越」シリーズが人気で、2021年の販売台数は「帝豪」が183491台で中国国内のセダン販売ランキング部門12位、「博越」が224895台で中国国内のSUV販売ランキング部門で3位、「缤越」が144367台で中国国内のSUV販売ランキング部門14位であった。
出典:https://www.geely.com/
长安汽车 (CHANGAN AUTO)
吉利汽車(Geely Auto)は、中国浙江省杭州市に本社を置く浙江吉利控股集団の子会社である。親会社の浙江吉利控股集団は、2010年にフォードからボルボ・カーズを買収し、2020年11月にはダイムラーとハイブリッド車用ガソリンエンジンの共同開発を発表している。
2024年、吉利汽車は年間販売台数2,176,567台を達成し、前年同期比32%の増加を記録した。このうち、海外市場への輸出は403,923台で、前年同期比53%の増加となった。
2025年1月には、吉利汽車は新世代SUV「Geely EX5」をオーストラリアとニュージーランド市場で正式に発売し、5大陸への進出を果たした。
また、2025年3月には、吉利汽車は「フルドメインAIスマートビークル」技術システムをCES 2025で発表し、AIを活用した車両のスマート化を推進している。
吉利汽車は、2025年の販売目標を271万台に設定し、さらなる成長を目指している。
主要モデルとしては、小型セダンの「帝豪」、SUVの「博越」や「缤越」シリーズがあり、これらのモデルは中国国内外で高い人気を博している。
出典:https://www.changan.com.cn/
比亚迪 (BYD)
比亜迪(BYD)は、1995年2月に広東省深セン市で設立された。現在、香港と深センの証券取引所に上場しており、2025年4月時点での時価総額は約1.09兆人民元(約1519億米ドル)に達している。
2024年の年間売上高は7771億元(約1079億米ドル)で、前年同期比29%の増加を記録した。純利益も34%増の403億元(約56億米ドル)となり、いずれも過去最高を更新している。
新エネルギー車(NEV)の分野では、2024年に427万台を販売し、前年同期比41.3%の増加を達成した。このうち、プラグインハイブリッド車(PHEV)が約60%を占めている。
研究開発(R&D)にも積極的に投資しており、2024年のR&D投資額は542億元(約76億米ドル)で、前年同期比36%増となった。累計R&D投資額は1,800億元(約253億米ドル)を超えている。また、2024年末時点で、全世界で48,000件以上の特許を出願し、30,000件以上が認可されている。
従業員数も増加しており、2024年第3四半期時点で約90万人の従業員を擁し、そのうち約11万人がR&Dエンジニアである。
海外市場への展開も加速しており、2024年の海外販売台数は240,000台を超え、前年同期比337%の成長を遂げた。2025年には海外販売台数を80万台以上に倍増させる計画である。
技術革新の面では、2024年に「統合車両インテリジェンス」戦略を発表し、電動化とスマート技術のシームレスな統合を推進している。特に、DiPilot高度運転支援システムは、全国規模のマップレス都市ナビゲーションを提供し、自動運転技術の分野で先駆的な地位を築いている。
これらの成果により、BYDは2024年のフォーチュン・グローバル500で143位にランクインし、世界的な影響力を一層高めている。
出典:https://www.byd.com/cn/index.html
中国の主要自動車メーカー4選〜日系企業編〜
日产 (NISSAN)
日産自動車(NISSAN)は、2003年6月に中国の自動車メーカーである東風汽車と合弁会社「東風日産乗用車公司」を設立し、中国市場での事業を本格化させた。2004年2月には北京市に日産の100%子会社である日産(中国)投資有限公司を設立し、中国における投資管理、広報、ブランドマネジメント、知的財産権管理、部品の調達・輸出などの重要な役割を担っている。
中国市場での日産のスローガンは「技术日产 人·车·生活」であり、「国際的に優れたヒューマンテクノロジーで、中国の消費者に豊かで彩り豊かなモバイルライフを創造し続ける」という理念を掲げている。
販売面では、2024年の中国における日産の累計販売台数は696,631台であった。このうち、東風日産が12月単月で70,342台を販売している。
モデルラインナップに関しては、2024年11月の広州モーターショーで、東風日産が新型電動セダン「N7」を発表した。このモデルは、中国市場向けに開発された初の完全電動モデルであり、日産の中期計画「The Arc」の一環として導入された。
e-POWER技術に関しては、2024年10月末時点で、日産のe-POWER車両の累計生産台数が世界で150万台を超えた。
中国市場での販売減少に対応するため、日産は2024年11月に年間営業利益予想を70%下方修正し、9,000人の人員削減と世界生産能力の20%削減を含むコスト削減計画を発表した。 これらの取り組みを通じて、日産は中国市場での競争力強化と持続可能な成長を目指している。
出典:https://www.nissan.com.cn/
丰田 (TOYOTA)
トヨタ自動車(TOYOTA)は、1964年にクラウンの中国輸出を皮切りに中国市場への進出を開始した。1980年には北京に外資系自動車メーカーとして初のアフターサービスセンター「豊田汽車維修服務中心」を開設し、1995年には天津に「豊田汽車国産化技術支援中心」や複数の部品会社を設立するなど、中国市場での基盤を強化してきた。2000年には「天津豊田汽車有限公司(現 天津一汽豊田汽車有限公司)」を、2001年には「豊田汽車(中国)投資有限公司」を設立し、中国での現地生産を本格的に開始した。
近年、トヨタは中国市場での電気自動車(EV)戦略を強化している。2020年には中国の自動車メーカーBYDと共同で電気自動車の研究開発合弁会社「比亜迪豊田電動車科技有限公司」を設立し、バッテリーEVの共同開発を進めている。
2024年の広州モーターショーでは、中国市場専用の新型電動セダン「bZ7」コンセプトを発表した。このモデルはBYDのパワートレインを搭載し、2025年の発売が予定されている。
しかし、2024年の中国におけるトヨタの販売台数は約178万台で、前年同期比6.9%の減少となった。 この背景には、中国国内の電気自動車メーカーとの競争激化がある。これに対応するため、トヨタは2030年までに中国での年間生産台数を少なくとも250万台に増やす計画を立てており、販売と生産の統合を進め、現地の開発チームにより多くの権限を与える方針である。
さらに、2025年2月には上海市金山区に新たな完全子会社を設立し、バッテリーEVとバッテリーの開発・生産を行う計画を発表した。 この新工場は2027年に稼働開始予定で、レクサスブランドのEVを年間10万台生産する計画である。
出典:http://www.toyota.com.cn/
本田 (HONDA)
本田(HONDA)は、1981年に中国への二輪車技術提供を開始し、1992年8月に「五羊-本田摩托(広州)有限公司」を設立して中国市場への進出を果たした。その後、1994年12月に「東風本田汽車零部件有限公司」を設立し、自動車部品の現地生産を強化した。さらに、1998年7月に「広汽本田汽車有限公司」、2003年7月に「東風本田汽車有限公司」を設立し、中国での現地生産と販売の基盤を築いた。
2021年4月からは、中国の自動運転開発スタートアップ企業「AutoX」と提携し、同社の「AutoX Generation5自動運転システム」を搭載したホンダ・アコードとインスパイアの自動運転試験を開始している。
2024年には、中国市場向けの新しい電気自動車ブランド「Ye」を立ち上げ、同年4月の北京モーターショーで「Ye P7」と「Ye S7」を発表した。これらのモデルは、2025年3月の発売が予定されている。
また、2024年10月には、東風本田が武漢市に新エネルギー車(NEV)専用の生産工場を開設し、年間12万台の生産能力を持つこの工場で、電気自動車の生産を開始した。
しかし、2024年の中国市場における本田の販売台数は減少傾向にあり、同年上半期の販売台数は前年同期比21.48%減の415,906台となった。
これらの状況を受け、本田は中国市場での電動化戦略を加速させ、現地の技術企業との協業を強化することで、競争力の向上を図っている。
出典:https://www.honda.com.cn/
马自达 (MAZDA)
マツダ(MAZDA)は、2005年9月に長安汽車有限公司50%、マツダ株式会社25%、フォード社25%の出資で合弁会社「長安フォードマツダ汽車有限公司」を設立し、中国市場への本格的な進出を果たした。2019年1月には、フォード社が保有していた同社の全株式をマツダが取得し、社名を「長安マツダ汽車有限公司」に変更した。
2024年4月の北京モーターショーでは、新型電動セダン「マツダEZ-6」を発表した。このモデルは長安汽車との共同開発によるもので、バッテリー電気自動車(BEV)とレンジエクステンダー付き電気自動車(EREV)の2種類が用意されている。価格は13万9,800元(約270万円)から17万9,800元(約350万円)で、2024年10月26日に中国市場で発売された。
販売面では、2024年11月の長安マツダの総販売台数は9,048台で、そのうち「マツダCX-5」が3,275台、「マツダ3アクセラ」が2,334台、「マツダEZ-6」が2,445台を占めている。
さらに、マツダと長安汽車は2027年までに電気自動車の開発に100億元(約1,400億円)を投資する計画を発表し、中国市場での電動化戦略を加速させている。
これらの取り組みを通じて、マツダは中国市場での競争力を強化し、電動化時代に対応した製品ラインナップの拡充を図っている。
出典:https://www.mazda.com.cn/
中国の主要自動車メーカー6選〜外資系企業編〜
大众 (Volkswagen)
フォルクスワーゲン(Volkswagen)は、1984年10月に北京の人民大会堂で中独合弁契約の調印式を行い、上海大众汽车有限公司(現・上汽大众汽车有限公司)を設立した。1991年には吉林省に一汽大众汽车有限公司を設立し、中国市場での事業基盤を強化してきた。
2021年9月には、中国・合肥市に初のバッテリーシステム生産工場の建設開始を発表し、2023年11月に稼働を開始した。この工場はフォルクスワーゲンが中国で初めて完全所有するバッテリーシステム工場であり、安徽省合肥市に位置している。
販売面では、2024年のフォルクスワーゲングループの世界販売台数は約903万台で、前年同期比2.3%減少した。特に中国市場では、販売台数が9.5%減の約293万台となり、BYDに販売台数で初めて抜かれる結果となった。
電気自動車(EV)分野では、2024年にSAIC-VolkswagenのID.シリーズが合弁企業としては中国市場で最も売れたEVとなった。 しかし、同年1月のID.7の販売台数は9台にとどまり、前年同月比で99.6%減少するなど、課題も見られる。
これらの状況を受け、フォルクスワーゲンは中国市場での競争力強化を図るため、現地生産能力の向上や新モデルの投入を進めている。
出典: https://www.vw.com.cn/
特斯拉 (Tesla)
特斯拉(Tesla)は、2018年5月に上海に外資系自動車メーカーとして初めて100%出資の「特斯拉(上海)有限公司」を設立し、20億ドルを投資して工場を建設した。2020年1月から上海工場で生産した「Model 3」の欧州輸出を開始し、2021年には「Model Y」の生産を開始している。
しかし、2025年第1四半期には、世界全体での車両納入台数が336,681台と、前年同期の387,000台から減少し、アナリスト予測の390,000台を下回った。この減少は、中国での競争激化、特にBYDの台頭、ヨーロッパでの消費者の反発、米国での需要減少など、複数の要因が影響している。
中国市場では、テスラの市場シェアが12%から7%に低下し、BYDなどの競合他社が急速に台頭している。また、モデルの刷新に伴う生産調整が販売に影響を及ぼし、ヨーロッパでの登録台数も大幅に減少している。さらに、46,000台のサイバートラックの大規模リコールが発生し、ブランドイメージに打撃を与えている。加えて、CEOのイーロン・マスク氏の政治的関与がブランドイメージに悪影響を及ぼし、株価は12月以降40%下落している。
これらの課題に対応するため、テスラは中国市場向けに刷新された「Model Y」を発表し、2025年3月に納車を開始した。新モデルは外観デザインの更新や性能向上が図られており、価格は従来モデルより約5%高い26万元(約520万円)からとなっている。
また、テスラは2025年3月31日、刷新された「Model Y」に対して3年間の無利子ローンを提供すると発表し、2025年4月30日まで適用される。さらに、「Model 3」の後輪駆動および長距離全輪駆動バージョンに対しては5年間の無利子ローンが提供される。
出典: https://www.tesla.cn/
别克 (Buick)
ビュイック(Buick)は、1997年にゼネラルモーターズ(GM)の中国進出における最初のブランドとして、上海ゼネラルモーターズを通じて中国市場に参入した。1999年4月から中国でのビュイックセダンの量産を開始し、2018年9月には中国市場における累計販売台数が1,000万台を突破した。
近年の販売動向を見ると、2023年のビュイックの中国における販売台数は517,650台で、前年同期比19.7%減少した。 この減少傾向は2024年も続き、具体的な販売台数は明らかにされていないものの、全体的な市場シェアの低下が示唆されている。
車種別では、小型セダン「英朗(Excelle)」シリーズが長年にわたり人気を博していたが、2023年7月以降、ビュイック中国の公式ウェブサイトから姿を消し、生産終了が示唆されている。 一方、多目的車(MPV)「GL8」は依然として堅調な販売を維持しており、2024年のMPV販売ランキングで5位となる64,688台を記録した。
顧客満足度に関しては、ビュイックはJ.D. パワーの2023年中国セールス満足度指数(SSI)調査でマスマーケットブランド部門の2位タイにランクインし、2024年の同調査では6位となった。 また、2024年の中国車両信頼性調査(VDS)でも、マスマーケットブランド平均を上回る評価を受けている。
これらの状況を踏まえ、ビュイックは中国市場での競争力を維持するため、新エネルギー車(NEV)の投入やサービス品質の向上に注力している。
出典: https://www.buick.com.cn/
宝马 (BMW)
BMWは、2003年5月に遼寧省瀋陽市で合弁会社「華晨宝马汽車有限公司」(BBA)を設立し、3シリーズや5シリーズの生産を開始した。現在、約2万人を雇用し、中国市場向けのBMWブランド車の生産、販売、アフターサービスを行っている。2020年末時点で、中国におけるBMWのディーラーおよびサービス拠点は666カ所に達している。
瀋陽の生産拠点は、BMWのグローバル生産ネットワークの中で最大の規模を誇り、スポーツ・セダンのBMW 1シリーズ、BMW 3シリーズ、BMW 5シリーズLi、BMW X1ロング・ホイールベース、BMW X2、BMW X3、そして中国で生産され、世界に輸出される初のモデルであるBMW iX3など、多彩な車種を生産している。
2022年2月11日、BMWはBBAへの出資比率を75%に引き上げ、合弁契約を2040年まで延長した。この契約延長は、BMWの中国市場への長期的なコミットメントを示すものであり、瀋陽の生産能力拡大や新工場の建設など、今後の成長と発展の基盤を強化するものである。
出典: https://www.bmw.com.cn/zh/index.html
奥迪 (August Horch)
アウディは1988年5月17日、中国の第一汽車(FAW)と「第一汽車におけるアウディ生産のための技術移転ライセンス契約」を締結し、アウディ100モデルの組立生産を開始した。1995年には一汽大衆汽車有限公司と技術移転契約を結び、アウディシリーズの正式な受託生産を開始した。2006年1月には一汽大衆奥迪販売部門が正式に設立され、中国市場におけるアウディの販売とアフターサービス体制が強化された。
2017年、アウディと中国第一汽車集団公司は「第一汽車とアウディの10年事業計画」を正式に締結し、長期的な戦略的パートナーシップを深化させた。この計画の一環として、2022年6月に吉林省長春市で新エネルギー車(NEV)専用の生産拠点「奥迪一汽新能源汽車有限公司(アウディ一汽)」の建設が開始された。総投資額は350億元(約6960億円)で、年産能力は15万台以上を予定している。
2024年12月、アウディ一汽の新工場が稼働を開始し、中国市場専用の電気自動車(EV)である「Q6L e-tron」の生産を開始した。続いて、EVセダン「A6 e-tron」の生産も予定されている。これらのモデルは、アウディとポルシェが共同開発した高級EV用プラットフォーム「プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック(PPE)」を採用しており、中国の消費者ニーズに合わせたデザインとデジタル機能が特徴である。
さらに、アウディは2024年11月、長年のパートナーである上海汽車(SAIC)との合弁事業を拡大し、中国市場向けのEV専門ブランド「AUDI」を立ち上げた。この新ブランドは、従来のフォーリングスのエンブレムではなく、大文字アルファベットの「AUDI」をブランド名として掲げ、中国の若いテック志向のEV購入者をターゲットとしている。第1弾となる電動ステーションワゴンの「E」コンセプトは、わずか18か月で開発され、2025年に生産開始が予定されている。また、2026年と2027年にはセダンとSUV、計3車種が中国で導入される予定である。
出典: https://www.audi.cn/
现代 (Hyundai)
現代自動車(Hyundai Motor Company)は、中国市場における事業を積極的に展開している。2002年10月には北京市に北京現代自動車を設立し、これは中国のWTO加盟後に承認された初の中外合弁プロジェクトであった。
2010年10月、現代自動車は中国四川省最大の商用車メーカーである四川南駿汽車集団公司と協力協定を締結し、商用車市場への正式参入を果たした。この協定に基づき、両社は2011年4月に50:50の合弁会社「四川現代汽車有限公司」を設立し、トラック、バス、エンジンの生産、研究開発、サービスなど、多角的な協力関係を築いている。 China Daily
さらに、現代自動車グループは水素燃料電池事業にも注力している。2021年1月、広州市に100%出資の水素燃料電池システム製造・販売会社「HTWO広州」を設立し、2023年6月から生産を開始した。この工場は、韓国外で初めての燃料電池システム生産拠点であり、年間6,500基の生産能力を持つ。
また、現代自動車は中国市場向けに水素燃料電池車(FCEV)の導入も進めており、2022年には「NEXO」SUVの中国市場投入を計画している。
出典: https://www.beijing-hyundai.com.cn/

上海在住で杭州出身の中国人。一橋大学の経済学修士課程修了。日本企業でマーケットインサイト部門で就労後、中国のIT会社でユーザー研究・マーケットリサーチに携わる。コンサル業界・証券業界の友人が多いため、リサーチ関連で助けとなっている。

