シンガポールの家具・ホームセンター業界は、ローカル・日系・外資系13社が競合する成長市場。2023年市場規模は15.9億米ドルと拡大を続け、Japandiやナチュラル志向の新トレンドも台頭。現地進出のヒントを徹底解説します!
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シンガポールの主要家具メーカー・ホームセンター6選〜ローカル企業編〜
HTL(Hwa Tat Lee / HTL International)
HTL(Hwa Tat Lee / HTL International Holdings Ltd.)は、1976年にシンガポールでPhua Yong Pinとその兄弟たちによって創業された世界的な家具メーカーである。創業当初はPVCソファの製造からスタートし、地元シンガポール市場での成功を足掛かりに、欧州の老舗皮革ソファメーカーLaauser GmbH(ドイツ)との技術提携を経て、革張りソファの技術とノウハウを獲得した。その後、マレーシア、香港、オーストラリア、日本など海外市場へ進出し、中国・昆山に初の海外生産拠点を設立、さらにシンガポールで自社の皮革タンナリーを運営するなど、垂直統合型サプライチェーンを構築した。
1993年にはシンガポール証券取引所メインボードに上場し、世界的な家具ブランドとして成長。2000年に社名をHTLに変更、2006年には経営者がシンガポールビジネスアワードの「Businessman of the Year」を受賞するなど、国内外で高い評価を得た。その後、ドイツのDomicilやイタリアのCorium Italia、Terasohなどのブランドを買収し、製品ラインナップとグローバル展開を強化した。
しかし、2020年代に入り、新型コロナウイルス感染拡大によるサプライチェーン混乱や欧米顧客からの回収遅延によりキャッシュフロー問題が深刻化。2023年には銀行に約4,600万ドルの債務を抱え、シンガポールで法的管理(Judicial Management)の申請を行い、再建を模索している。一方、関連会社であるHTL Marketingは2024年に売上高3億3,000万ドル、税引後利益1,100万ドルを記録し、B2Bサプライヤーとして欧州を中心に50カ国で事業を展開。2025年にはHomesToLifeによる買収が進行中で、今後もグローバル市場での存在感が維持される見通しだ。
出典:https://htljapan.co.jp/htl-international/
Mega Furniture (メガファニチャー)
2017年に設立されたMegaFurnitureは、モダンスタイルの家具を中心にさまざまな種類の家具を提供している。優れた、適応性のある、そしてコストを意識した家具を販売している。
家具の購入が時に面倒な作業になることを理解しているので、販売員が販売に圧力をかけることなく公正で透明性のある価格設定と低い諸経費により、顧客を満足させる手頃な価格のモダンな家具を提供することを意識している。
出典:https://megafurniture.sg
Born in Colour(ボーン・イン・カラー)
Born in Colorは2014年に設立されたシンガポールを拠点とする家具とライフスタイルの店で、住宅所有者にユニークで手頃な価格の家具とアクセサリーを提供する。
コンパクトでありながら機能的な高品質のデザイン家具を提供し、家具のすべての部分がどの家にも完全にフィットすることを保証する。
工場と直接協力して、販売代理店を経由せずに手頃な価格の高品質のデザイナー家具を届け、小売店の大規模なレンタルを減らして、節約分を価格に反映している。
ローカル会社なのでシンガポールの家のスペースを理解しており。そのため、トレンディでありながら機能的でコンパクトな家具を特別に厳選している。
出典:http://www.bornincolour.com/
Attic Living (アテックリビング)
Born in Colour(ボーンインカラー)は、シンガポールの家具・ライフスタイル小売業者で、2018年に法人登記され、Yishun Industrial Park AおよびTan Boon Liat Buildingに実店舗を構える現地法人だ。設立年は2014年とされる情報もあるが、公式な会社登録は2018年1月となっており、現在もアクティブに事業を展開している。
Born in Colourは、シンガポールの住宅事情に合わせた「コンパクトかつ機能的で高品質なデザイン家具」を幅広く提供し、住宅所有者にとってユニークで手頃な価格の家具やアクセサリーを揃えている。スカンジナビア、レトロ、ヴィンテージ、ミッドセンチュリー、エクレクティックなど多彩なスタイルを取り揃え、特に韓国ブランド「Macaron Family」など他では見つけにくい個性的な商品も取り扱う。また、家具のカバー交換やカスタムオーダーにも対応し、コストパフォーマンスとデザイン性を両立させている。
同社はメーカーと直接連携し、仲介業者を挟まないことでコストを削減し、その分を価格に反映している。このビジネスモデルにより、シンガポールの住宅スペースに最適化されたトレンディで実用的な家具を、リーズナブルな価格で提供できることが強みだ。物理的なショールームだけでなく、オンラインストアも充実しており、顧客は自宅から気軽に商品を選ぶことができる。
Born in Colourは、シンガポールの家具市場において「ユニークさ」「手頃さ」「機能性」を兼ね備えたブランドとして高い評価を得ており、特に若手世帯やインテリアにこだわる消費者から支持されている。2025年現在も、実店舗(北部・南部)とオンラインストアの両軸で事業を拡大中だ。
出典:https://www.atticliving.sg
Soul & Tables (ソウル&テーブルズ)
Soul & Tablesは、2012年にベルギー人起業家のJonathan RoelandtsとKatrien Bollenによってシンガポールで設立されたEthnicraft Onlineが前身となっている。当初からオンラインストアとショールームを組み合わせることで小売コストを削減し、その分を顧客に還元するビジネスモデルを採用したことで、シンガポールの家具市場で高い評価を得た。
2018年、Ethnicraft Onlineは「Soul & Tables」へとブランド名を変更し、より広範な家具ブランドへと進化を遂げた。2019年にはドバイにも新たなショールームをオープンし、グローバルな展開を加速させている。Soul & Tablesはオンラインでの存在感を高めながら、実店舗の拡充も進めており、現在ではシンガポールのTan Boon Liatに2つの大型ショールームを構えている。
Soul & Tablesは、高品質の木製家具をリーズナブルな価格で提供することを特徴とし、顧客サービスの水準も極めて高い。家具の無料配送や無料の生涯メンテナンス、ワンストップでのアフターサービスなど、付加価値サービスも充実している。また、エコ志向が強く、FSC認証を受けた持続可能な木材やリサイクル材を積極的に活用し、森林保護と廃材削減にも注力している。
単なる家具販売にとどまらず、ライフタイム保証や無料メンテナンス、1ヶ月の返品保証など、卓越したサービスと利便性を両立させている点が大きな強みだ。Soul & Tablesは、シンガポールやドバイを中心に、手作りの贅沢とエコ意識を兼ね備えたブランドとして、家具市場で確固たる地位を築いている。
出典:https://www.soulandtables.com.sg
SCANTEAK (スキャンチーク)
SCANTEAKは1974年、シンガポールのJoo Chiatにわずか400平方フィートのオフィススペースで事業を開始し、創業者Lim Pok Chinの手によって誕生した。わずか2年で2つのショールームを構えるまでに成長した。その後、高品質なティーク材を用いた家具の製造・販売に注力し、1988年には「Scanteak」ブランドを確立した。
2001年には「Singapore Small-Medium Enterprise 500 Award」を受賞し、2003年と2005年には「Singapore Promising Brand Award」を受賞するなど、シンガポールを代表する成長企業として認められた。2008年にはシンガポール、台湾、日本を含むアジア地域に70店舗以上のショールームを展開するまでに拡大し、現在では180店舗以上を世界各地に構えるグローバルブランドへと発展している。
SCANTEAKのデザインとクラフトはスカンジナビアのイデオロギーに触発されており、シンプルさと機能性を重視した家具作りが特徴だ。特に、自然な色合いとシンプルなデザインはエグゼクティブ層の住宅に最適とされ、耐久性と美しさを両立した製品が揃う。近年はサステナビリティにも注力し、FSC認証やインドネシアSVLK認証、CARB認証など厳格な環境基準を満たした素材を積極的に採用している。
2025年5月現在、SCANTEAKはシンガポール、台湾、日本を中心に、オンラインストアと実店舗の両軸で事業を拡大。都市化や所得の向上、持続可能性志向の高まりといった市場動向を背景に、グローバル家具市場で確固たる地位を築いている。また、デジタル化やAI活用による業務効率化、多ブランド戦略も推進し、長期的な成長を目指している。
出典:https://scanteak.com.sg/
シンガポールの主要家具メーカー・ホームセンター3選〜日系企業編〜
NITORI
NITORI Singaporeは、日本最大の家具・ホームファニッシングチェーンであるニトリホールディングスのアジア戦略の一環として、2022年3月にシンガポール初の店舗をオーチャードロードの「COURTS Nojima The Heeren」4階にオープンした。この旗艦店は約31,630平方フィートの広さを誇り、家具、デコレーション、ホームファッション、シリーズコレクション、特集コレクションなど多様なカテゴリーを取り扱う。
ニトリは「世界中の人々の豊かな住生活の基礎を提供する」というミッションを掲げ、高品質で機能的な製品を手頃な価格で提供することを特徴とする。自社で90%以上の商品を製造し、中国や東南アジアの工場と20年以上のパートナーシップを築いている。家庭用品の約60%は中国、Nクールファブリックやダイニング家具、キッチン用品はベトナム、木材製品はタイ、ソファはマレーシアで生産されている。
シンガポールでは、オンラインストアと実店舗の両方で事業を展開し、2025年3月末時点で4店舗を運営。今後5年間でシンガポールに10店舗を展開する計画も発表されており、アジア市場でのさらなる拡大を目指している。ニトリはグローバルで1,000店舗以上を展開し、2032年までに3,000店舗、売上高3兆円規模を目指す長期ビジョンを掲げている。
出典:https://www.nitori.com.sg/
Okamura International (オカムラ・インターナショナル)
株式会社オカムラは、日本の家具・産業用機器等の製造を主な業務とする大手メーカー。旧商号は株式会社岡村製作所。 本社は神奈川県横浜市に所在。製造・営業などの拠点を国内各所に持つほか、海外では米国、英国、オランダ、アラブ首長国連邦、タイ王国、マレーシア、インドネシア、中華人民共和国、そしてシンガポールに進出している。
1945年オカムラは、飛行機から家具まであらゆるものを設計する航空エンジニアの小さなグループによって設立。1960年代オカムラは、モダンなオフィス家具に焦点を当て始めるために、スチール製のデスクとシートを作成。
1992年岡村シンガポールを設立。2020年岡村シンガポールは、高さ7メートルの巨大な自動販売機とガチャポンマシンを備えたフラッグシップショールームを立ち上げた。
事務所の移転に伴うリニューアルオープンとなった新ショールームは、オフィス街のメインストリートに位置し。観葉植物や外光の取り込み、木目調の内装などバイオフィリックデザインを取り入れた空間となっており、家具の展示だけでなく人々が集い交流するオープンな場としても使用できる。
出典:https://okamura.com.sg/en/
DAISO SINGAPORE PTE. LTD.(ダイソー)
DAISO SINGAPORE PTE. LTDは、日本の大手ディスカウントリテーラー「DAISO INDUSTRIES CO., LTD.」が展開するグローバルブランドの現地法人である。同社は1977年に日本で創業され、2025年時点で世界28カ国・地域に5,542店舗以上を展開する巨大チェーンだ。
シンガポール市場においては、家電・文具・ホームグッズ・化粧品・キッチン用品など約70,000点に及ぶ幅広い品揃えが特徴で、すべての商品が「お買い得価格」で提供されている。2025年3月にはPunggol Coast Mallに新店舗がオープンし、同年春時点でシンガポール国内の店舗数は40店舗を超えている。Jurong Pointには約15,000平方フィートの大型フラッグシップ店もあり、Standard ProductsやThreeppyといった新ブランドも導入されている。
運営面では、セルフチェックアウトカウンターの導入やサプライチェーンの効率化によりコスト削減を推進し、商品の価格競争力を維持している。また、グローバル企業としての購買力とスケールメリットを活かし、現地の消費者ニーズに応じた商品開発やブランド展開も積極的に行っている。
出典:https://www.daisosingapore.com.sg/
シンガポールの主要家具メーカー・ホームセンター4選〜外資系企業編〜
IKEA (イケア)
KEAは、スウェーデンのエルムフルトで1943年にIngvar Kampradによって設立され、通信販売カタログからスタートした小さな会社が、現在では世界最大級の家具ブランドへと成長した企業である。ブランド名は創業者Ingvar Kamprad、彼が育った農場Elmtaryd、故郷の村Agunnarydの頭文字から取られている。
シンガポールには1978年に初進出し、Sixth Avenueに最初の店舗をオープンした。その後、1984年にAlexandra Roadへ移転し、2006年にはTampinesに大型店舗を開設した。2021年にはJurongのJemショッピングセンターに新たな小型店舗がオープンしたが、現在もAlexandra(約156,000平方フィート)とTampines(約293,000平方フィート)の2つの大型店舗が中心となっており、両店舗合計で約449,000平方フィート(倉庫スペースを含む)の規模を持つ。従来の「年間700万人近くの訪問者」という数値は、近年の公式データではさらに増加傾向にあり、実際には1店舗あたりの年間来店者数が大幅に上昇しているケースも見られるが、全店舗合計での正確な最新数値は公表されていない。
IKEAシンガポールは、オムニチャネル戦略(実店舗+eコマース)を展開し、2022年度の売上高は約3億9,200万シンガポールドルを記録している。家具やホームファニッシングに加え、レストランやスウェーデン食品の販売も人気を集めており、シンガポールの消費者にとって不可欠な存在となっている。2025年現在も、AlexandraとTampinesの2店舗が主力拠点として運営されており、Jurong店舗は小型店舗として引き続き営業しているという情報もあるが、公式には3店舗体制が維持されている。しかし、店舗面積に関しては、AlexandraとTampinesの合計で約449,000平方フィートとなり、400,000~410,000平方フィートという従来の数値よりやや大きくなっている。
出典: https://www.ikea.com/sg/
Haworth Singapore
Haworth Singaporeは、アメリカに本社を置くグローバルオフィス家具ブランド「Haworth(ハワース)」のアジア太平洋地域における主要拠点の一つだ。シンガポールには1980年代から進出し、1996年にHenderson Roadにショールームを開設、その後2000年にSuntecにオフィスを移転し、2008年には20 Anson Road、2015年には61 Robinson Roadへと拠点を拡大してきた。現在は72 Anson Road, Anson Houseに拠点を構え、75名以上の現地スタッフが在籍し、シンガポールおよびアジア太平洋地域の顧客に幅広くサービスを提供している。
Haworth Singaporeは、シンガポール証券取引所や政府機関、グローバル企業などのトップクラスのクライアントとパートナーシップを築き、職場の変革やサステナビリティ推進に積極的に取り組んでいる。ショールームは「Organic Workspace(有機的なワークスペース)」をコンセプトに設計されており、WELL Building Standard®に準拠した健康とウェルビーイングを重視した空間づくりが特徴だ。ここではワークショップやクライアント向けイベントも頻繁に開催され、最新のワークプレイストレンドや製品体験の場となっている。
製品ラインナップは、世界的に評価の高いタスクチェア「Fern」「Zody」「Very」「Soji」「Aloha」など多岐にわたり、シンガポール市場においてもエルゴノミクスやサステナビリティを重視した高品質なオフィス家具が幅広く選ばれている。特に「Fern」は革新的なバックサポートと全天快適性を実現し、長時間のデスクワークにも最適な設計が評価されている。
また、Haworthはグローバルでサステナビリティに注力し、2023年には業界で初めてSBTi(Science Based Targets initiative)によるネットゼロ目標の認定を受けた。2030年までに自社のCO₂排出量を60%削減、バリューチェーン全体では42%削減するなど、環境負荷低減に向けた具体的な目標を掲げている。
出典:https://www.haworth.com/ap/en/spaces/showrooms/singapore.html
Space Furniture (スペースファニチャー)
スペースは、1993年にシドニーで最初のショールームを立ち上げ、オーストラリアでのデザイン小売のベンチマークを迅速に確立した。それ以来東南アジアで最大かつ最も進歩的な現代デザインの小売業者に成長した。
現在スペースは、シドニー、メルボルン、ブリスベン、クアラルンプール、そしてシンガポールと5つの専用ショールームがあり、それぞれが家具コレクションの品質と厳格さを表す建築家が設計したインテリア環境を備えている。
アジアで最初のスペースショールームは2001年にシンガポールで営業を開始し、それ以来東南アジアで最大かつ最も進歩的な現代デザインの小売業者に成長した。
出典: https://www.spacefurniture.com.sg
King Living (キングリビング)
King Living(キング・リビング)は、1977年にオーストラリア・シドニーで設立された家族経営の家具ブランドであり、創業以来、高品質で受賞歴のある家具の設計・製造・小売を手掛けてきた。本社と主力工場はニューサウスウェールズ州シドニーに位置し、デザインから製造、流通まで一貫して自社で管理する垂直統合型ビジネスモデルを採用している。この体制により、品質管理やイノベーション、サステナビリティ推進を徹底し、コストパフォーマンスと耐久性を両立した製品を生み出している。
国際的なスタイルと卓越した技術力、そして優れたコストパフォーマンスが評価され、オーストラリア国内だけでなく、シンガポール、ニュージーランド(オークランド)、マレーシア、中国、カナダ、イギリス、アメリカなどグローバルに事業を展開している。2025年時点で、世界8カ国以上に30を超えるショールームを構え、今後もさらなる拡大を計画している。
持続可能性への取り組みは、King Livingの大きな特徴だ。設計段階からリサイクル可能な素材やモジュール構造を採用し、スチールフレームには25年間の保証を付与。カバーは着脱可能で、ライフスタイルの変化や洗濯・交換にも柔軟に対応できる。製造過程では廃棄物削減や素材の再利用を徹底し、サステナブルな資材や低VOC(揮発性有機化合物)の証明済みフォームを使用している。
2025年には「King Cinema Recliner」「Haven Sofa」「1978 High Back Sofa」がレッド・ドット・デザイン賞を受賞するなど、世界的な評価も高まっている。
出典: https://www.kingliving.com.sg

2017年よりシンガポール在住の日本人。元客室乗務員。大学ではマーケティングと経済を学び、卒業後は海外での生活と旅行を重ね、さまざまな国の文化や人々、食に関する豊富な知識を身につける。シンガポール人の旦那との結婚を機にシンガポールに移住し、現地で就労。現在はライター業と翻訳業を行っている。

