【最新版!】シンガポールの主要酒類製造メーカー11選〜飲食・製造業(食品)業界〜

シンガポールの酒類業界は、タイガービールで知られるアジア・パシフィック・ブリュワリーズを筆頭に、大手メーカーとクラフトビール新興勢が共存する市場です。Brewerkz・Brewlanderなどローカルクラフト勢を含む11社が、精醸文化の広がりとともに存在感を高めています。

今回は、そんなシンガポールの酒類業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて11社の最新情報をお届けしていきます!

読了時間の目安:5分

シンガポールの酒類業界 業界地図はこちら!
目次

シンガポールの主要酒類企業6選〜ローカル編〜

Brewerkz (ブリューワークス)

Brewerkzは、1997年にシンガポールにおけるクラフトビールの先駆者として誕生した同国最古のマイクロブルワリーである。Riverside Pointの旗艦店を皮切りに、複数のレストラン併設店舗と約9,000平方フィートの独立醸造施設を運営している。

West Coast IPAやNitro Stoutなど本格派の醸造技術と多彩なレシピで知られ、Asia Beer Championship 2022・2023ではChampion Mid-Sized Breweryに選出された。2022・2023・2024年と3年連続でCountry Champion Brewery – Singaporeを受賞している。

運営はBrewerkz Group傘下で、Crystal Wines、Cafe Iguana、Shunjuu Izakaya等のF&B事業群と連携できる強みを持つ。直近決算ではコロナ前比で売上が50%以上伸長したと公表されている。

2026年5月時点では、缶詰・小売・輸出を加速し、副産物アップサイクル等のサステナビリティ施策も特徴である。

出典:https://brewerkz.com/

Brewlander & Co. (ブリューランダー)

Brewlander & Co.は、2016年10月に元金融プロフェッショナルのJohn Wei氏が設立したシンガポールの独立系クラフトビール醸造会社である。創業当初は自社醸造所を持たず、海外提携先で生産するジプシーブルワリーとして始まった。

2021年、コロナ禍のさなかにTuasへ大型の自社醸造所を新設し、同国最大級の独立クラフトブルワリーへと飛躍した。Tuas MRT駅から徒歩2分の立地で、マッシュから缶・瓶詰までを一気通貫で行う体制を備える。

主要シリーズは「Love」「Hope」「Courage」など感情をテーマにしたラインで、IPAやスタウト、サワーエールまで幅広いスタイルを手掛ける。国内オンプレ・オフプレに加え、香港・マレーシア・オーストラリア等への輸出も展開する。

2026年5月時点では、地元食材活用の限定リリースやガイドツアー付きテイスティング等、シンガポール発のクラフト文化発信を続けている。

出典:https://brewlander.com/

Tanglin Distillery (タングリン・ディスティラリー)

Tanglin Distilleryは、2018年7月1日にシンガポール初の本格商業ジン蒸留所として稼働を開始した蒸留メーカーである。Charlie van Eeden氏、Chris Box氏、Tim Whitefield氏、Andy Hodgson氏の4人によって創業された。

旗艦製品は「Orchid Gin」で、バニラ・プラニフォリア・オーキッド、アムチュール、ジャワペッパー等アジア由来のボタニカルを採用する。ラインアップにはOrchid Gin、Singapore Gin、Black Powder Gin、Mandarin Chilli Ginなどがある。

2022年にはBlack Powder GinがSan Francisco World Spirits Competitionでアジアン・スピリッツ初のPlatinum Awardを獲得し、国際的評価を確立した。免税・トラベルリテール限定品も投入している。

販売面ではNimbilityと提携し、中国・豪州・日本などアジア太平洋展開を加速。2026年5月時点ではシンガポール製プレミアムスピリッツの代表格として存在感を高めている。

出典:https://tanglin-gin.com/

SUTL Consumer Goods (エスユーティーエル・コンシューマー・グッズ)

SUTL Consumer Goodsは、SUTL Corporation Pte Ltdの完全子会社として、シンガポールおよびアジア圏でのプレミアム酒類・消費財の輸入販売を担う有力ディストリビューターである。母体のSUTLは1968年に船舶用品・免税品の取扱業として創業し、半世紀以上の流通実績を有する。

酒類事業ではMoët Hennessy Diageo(MHD)製品の正規販売代理店として、選定チャネル向けにJohnnie Walker、Smirnoff、Gordon’s、Jack Daniel’sなどグローバル・ブランドを取り扱う。タバコ、ワイン、スピリッツ、ビール、化粧品まで取扱は多岐に及ぶ。

販売チャネルはNTUC FairPrice、Cold Storage、Giant等の小売、The Westin Singapore等ホテル、Brewerkz等F&Bをカバーする。オンラインではShopee、Lazada、Redmart、Qoo10、GrabMartにも展開する。

2026年5月時点ではアジア30市場のグループ流通網を活かし、プレミアム酒類市場での販売基盤を強化している。

出典:https://www.sutl.com/consumer-goods/

Crystal Wines (クリスタル・ワインズ)

Crystal Wines Pte Ltdは、1998年にシンガポールで設立されたファインワインの輸入・卸・小売を手掛けるローカル系酒類ディストリビューターである。創業時より40年以上の業界経験を持つ3兄弟の創業者が運営に携わり、確かな目利きと品揃えで業界での地位を築いてきた。

アルゼンチン、オーストラリア、チリ、フランス、イタリア、ニュージーランド、スペインなど世界の名門ワイナリーから直接買付を行い、ボルドー、ブルゴーニュ、バローロ、ナパ等のプレステージ銘柄を多数取り揃える。フラッグシップにDoña Paula等を持つ。

親会社はEasy & Light Groupで、傘下にはBrewerkz、ビール流通、複数のF&Bアウトレットを擁する。グループ間の販売シナジーにより業務用・小売・オンラインの全チャネルへ供給できる。

2026年5月時点では、コーポレートギフトやウエディング向けの専用サービス、テイスティングイベントを通じてB2C層への直販を強化している。

出典:https://crystalwines.com/

シンガポールの酒類業界 業界地図はこちら!

Cellarmaster Wines (セラーマスター・ワインズ)

Cellarmaster Wines Singapore Pte Ltdは、1991年4月に設立されたシンガポールを代表するワイン専業インポーター兼小売事業者である。創業時は友人同士のワインクラブとして始まり、現在では同国を代表する独立系ワインディストリビューターへと成長した。

取扱はイタリア、スペイン、フランス、オーストラリア、米国、南アフリカ、ニュージーランド、ドイツ、チリなど世界各国の銘柄に及び、デイリーからプレミアム帯まで幅広いSKUを揃える。さらにオーストリアの高級グラスウェアブランドRIEDELの独占代理店として、シンガポール最大級の品揃えを誇る。

販売チャネルはホテル・レストランなど業務用、コーポレートギフト、ウエディング、加えて自社EC・実店舗による直販を組み合わせる。法人向けセミナーやペアリングイベントも継続展開する。

2026年5月時点では富裕層・在留外国人など多様な顧客層に向けた限定銘柄やプライベートセラーサービスを強化している。

出典:https://www.cmwines.com.sg/

シンガポールの酒類業界 業界地図はこちら!

シンガポールの主要酒類企業1選〜日系編〜

Asiaeuro Wines & Spirits Singapore (アジアユーロ・ワインズ・アンド・スピリッツ・シンガポール)

Asiaeuro Wines & Spirits Singapore Pte Ltdは、1999年に設立されたシンガポールおよびマレーシアを拠点とする酒類インポーター・ディストリビューターである。コーポレートヘッドクォーターはクアラルンプールに置かれ、シンガポール法人はASEAN圏の高付加価値酒類流通を担う。

同社の最大の特徴は、ジャパニーズウイスキー等の日系プレミアム酒類取扱に強みを持つ点である。2023年3月にはキリンホールディングスの旗艦ジャパニーズウイスキー「FUJI」を、仏・米・豪に次ぐ4番目の輸出市場として同国に正式導入した。

取扱はKirin Single Grain Whisky FUJI、Kirin Single Blended Japanese Whisky FUJIに加え、FUJI 30 Years Old、FUJI 2022 Masterpiece、スコッチ、自社の京都産日本酒「Saito」など多彩である。

2026年5月時点では、ジャパニーズクラフトスピリッツへの旺盛な需要を背景に、メーカー直結のキュレーションで存在感を高めている。

出典:https://www.asiaeurowines.com.sg/

シンガポールの酒類業界 業界地図はこちら!

シンガポールの主要酒類企業4選〜外資編〜

Asia Pacific Breweries Singapore (アジア・パシフィック・ブリュワリーズ・シンガポール)

Asia Pacific Breweries Singapore(APB Singapore)は、シンガポールで最も歴史と規模を誇るビール醸造会社である。1931年にMalayan Breweries Limitedとして設立され、翌1932年に同国を象徴する「Tiger Beer」を発売した。

醸造拠点はTuasに置かれ、約2億ドルを投じた最新鋭設備により年産能力は約200万ヘクトリットルに達する。生産ブランドはTiger、Heineken、Guinness、Strongbow、Archipelago、Kirin Ichiban、Anchor、ABC Extra Stoutなど多岐にわたる。

2012年にHeinekenがFraser & Neaveの保有株を約41億米ドルで取得し完全子会社化、2013年にHeineken Asia Pacificと統合した。これによりシンガポールはアジア太平洋全域の戦略本社機能を担う。

2026年5月時点では、サステナビリティ施策とプレミアム化に注力し、Tiger Crystal Lightなど低アルコール製品も拡充している。

出典:https://www.apbsingapore.com.sg/

Carlsberg Singapore (カールスバーグ・シンガポール)

Carlsberg Singapore Pte Ltd(CSPL)は、デンマークに本社を置く世界4位級のビールメーカーCarlsberg Groupのシンガポール現地法人である。Carlsberg、Tuborg、1664 Blanc、Somersby、Connor’s Stout Porter、Sapporo等の輸入販売を担う中核拠点として位置付けられる。

子会社のMaybev Pte Ltdを通じて業務用・小売双方に強固な流通網を構築し、ホテル、F&Bアウトレット、スーパーマーケット、コンビニチェーンを広範にカバーする。販売・マーケ・物流統合型の体制が強みである。

2023年6月、アサヒグループHDとの10年以上の独占販売契約を相互合意により非更新とし、2023年12月31日でアサヒブランドの取扱を終了した。これに伴い2024年からはサッポロ・プレミアムビールおよびYebisuの共同流通権を取得した。

2026年5月時点では、プレミアム化と低アルコール需要の拡大を背景に、ポートフォリオ最適化とブランド構築投資を継続している。

出典:https://carlsbergsingapore.com.sg/

Moët Hennessy Diageo Singapore (モエ・ヘネシー・ディアジオ・シンガポール)

Moët Hennessy Diageo Singapore Pte Ltdは、フランスLVMHのワイン・スピリッツ部門Moët Hennessyと、英国Diageoとの合弁会社として1979年にシンガポールに設立されたラグジュアリー酒類インポーター・ディストリビューターである。

Moët Hennessy側からはHennessyコニャック、Moët & ChandonやVeuve Clicquot、Dom Pérignonなどのシャンパーニュ、Belvedere Vodka、Glenmorangieなどを、Diageo側からはJohnnie Walker、Smirnoff、Tanqueray、Don Julio、Bailey’sなど世界的ブランドを扱う。

ビジネスモデルはオンプレミス(高級ホテル・レストラン・バー)とオフプレミス(プレミアム小売・空港免税)双方を統合的に攻略する体制で、ブランド体験を重視したマーケ投資を行う。

2026年5月時点ではプレミアム化・スーパープレミアム化の進展を背景に、限定リリース、コラボイベント、デジタル販売基盤の強化を進めている。

出典:https://www.mhdkk.com/en

Pernod Ricard Singapore (ペルノ・リカール・シンガポール)

Pernod Ricard Singapore Pte Ltdは、フランスに本社を置く世界第2位の酒類メーカーPernod Ricard S.A.のシンガポール法人である。ASEAN地域における重要拠点として、シンガポール、インドネシア、ラオス、カンボジア、ミャンマー、タイの6カ国の事業を統括する。

取扱ブランドはAbsolut Vodka、Chivas Regal、Ballantine’s、Jameson、Havana Club、Beefeater、Martell、The Glenlivet、Royal Salute、Mumm、Perrier-Jouëtなど、スピリッツとシャンパーニュの世界的プレミアム銘柄が中心である。

本社オフィスは6 Battery Road #25-01に構え、地域全体のマーケ、ブランドビルディング、物流戦略を担う。アジアトラベルリテール部門との連携でChangi Airport発の免税チャネルも強い。

2026年5月時点では、プレミアム以上の需要拡大とジャパニーズウイスキー人気を踏まえ、KirinのFUJI取扱を含むポートフォリオ拡張を継続している。

出典:https://www.pernod-ricard.com/en/locations

シンガポールの酒類業界 業界地図はこちら!

FAQ

日系企業で特に注目されている企業はどこですか?

日系編ではAsiaeuro Wines & Spirits Singaporeが主な日系企業として取り上げられ、ジャパニーズウイスキーの取り扱いを強みとしています。

外資系の代表的な企業にはどんな企業がありますか?

外資系の代表として Asia Pacific Breweries Singapore、Carlsberg Singapore、Moët Hennessy Diageo Singapore、Pernod Ricard Singapore などが挙げられ、各社がプレミアム化やブランド構築に注力しています。

Brewerkzの特徴は何ですか?

Brewerkzは1997年創業のシンガポール最古のマイクロブルワリーで、West Coast IPAやNitro Stoutなど多彩なレシピを持ち、Asia Beer Championshipで受賞歴があります。グループ内の他事業と連携し、サステナビリティ施策にも取り組んでいます。

2026年時点のシンガポール酒類市場の動向はどのようなものですか?

2026年時点ではサステナビリティ施策の強化とプレミアム化の進展、地元産品の活用やオンライン・輸出の拡大、アジア30市場のグループ流通網を活用したプレミアム酒類市場での販売基盤強化が特徴です。

投稿者アバター
中村 美穂 Singapore-Based Industry Analyst
2017年よりシンガポール在住の日本人。元客室乗務員としての国際経験を活かし、現在はライターおよび翻訳者として、シンガポールの文化や生活、食に関する情報を発信している。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次