シンガポールのホテル業界は、パン・パシフィックやマリーナベイ・サンズなど世界的に知名度の高いホテルが集積する、アジアのMICEとレジャーの拠点市場です。16社の主要ホテルグループがサービスの高付加価値化と施設投資を加速させています。
今回は、そんなシンガポールのホテル業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて16社の最新情報をお届けしていきます!
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シンガポールの主要ホテル企業8選〜ローカル編〜
Pan Pacific Hotels Group (パン・パシフィック・ホテルズ・グループ)
Pan Pacific Hotels Group(PPHG)はシンガポール拠点のホテルチェーンで、SGX上場の不動産大手UOL Group Limitedの完全子会社である。Pan Pacific、PARKROYAL COLLECTION、PARKROYALの3ブランドを展開する。
2025年時点で世界30都市以上に50軒超のホテル・リゾート・サービスアパートメントを保有・運営し、アジア太平洋、北米、欧州、アフリカに事業を拡大している。シンガポールではPan Pacific Singaporeなど旗艦施設を擁する。
2025年9月にPan Pacific Serviced Suites Nairobiを、11月にPan Pacific Dalianを開業し中国7軒目を達成した。同年内には超ラグジュアリー・サブブランドReserve Collectionも導入した。
UOL Group全体の戦略「Version 2.0」の下、シンガポール発のグローバルチェーンとして保有・運営両輪で成長を続けている。
出典:https://www.panpacific.com/
Far East Hospitality (ファー・イースト・ホスピタリティ)
Far East Hospitalityはシンガポール最大の民営不動産複合体Far East Organizationのホスピタリティ部門である。SGX上場のFar East Orchard Limitedを通じて投資・運営を行い、Oasia、Quincy、Rendezvous、Village等の自社・提携ブランドを展開する。
2025年時点で10カ国・100軒超の物件、計17,000室超を保有・運営している。シンガポール国内ではラグジュアリーからミッドスケール、サービスアパートメントまで幅広いセグメントをカバーしている。
2013年にオーストラリアのToga Groupと折半出資で設立したToga Far East Hotels(TFE Hotels)を通じ、Adina、Vibe、Quincy、Travelodge等7ブランドをアジア太平洋・欧州で展開する。
2025年はToga系ブランドのシンガポール導入と既存物件のリブランドを進めている。世界25,000室目標は遅延しているが、オーナーのNg一族の長期視点での投資が継続している。
出典:https://www.fareasthospitality.com/
Millennium Hotels and Resorts (ミレニアム・ホテルズ/CDL系)
Millennium Hotels and Resorts(MHR)はSGX上場City Developments(CDL)傘下のホスピタリティ部門で、創業者Kwek家が支配株主である。世界20以上の国・地域で160軒超のホテルを保有・運営している。
Kwek Leng Beng会長は長期目標として運営軒数500軒を掲げる。ブランド構成はGrand Millennium、Millennium、Copthorne、M Hotel、M Social、Studio M等多岐にわたる。
シンガポール国内ではOrchard Hotel Singapore、Grand Copthorne Waterfront、M Hotel Singapore、M Social Singaporeなど旗艦施設を運営する。
2025年7月にマレーシア・ペナンでM Social Resort Penang(318室)を改装オープン、同年内にM Social Hotel New York Downtown(569室)を開業した。米サニーベール等でも2027年完成予定の建設が進行中である。
出典:https://www.millenniumhotels.com/
Capella Hotel Group (カペラ・ホテル・グループ)
Capella Hotel Groupは2003年に米国の伝説的ホテリエHorst Schulze氏(Ritz-Carlton創業者の一人)が設立した超ラグジュアリーホテルチェーンで、2017年にシンガポールのKwee一族が支配するPontiac Land Groupに100%買収された。本社はシンガポールに置く。
旗艦施設のCapella Singaporeはセントーサ島に2009年開業した112室の超ラグジュアリーリゾートで、英Foster + Partnersが設計した。2018年6月の米朝首脳会談の会場としても国際的に知られる。
Kwee家はシンガポール屈指の富豪一族で、Pontiac Land GroupはConrad Singapore Marina BayやThe Capitol Kempinski等の主要ラグジュアリーホテル物件も所有する。
Capellaブランドはシンガポール、ハノイ、バンコク、シドニー、上海等で展開し、近年はライフスタイル系のPatinaブランドも導入。超富裕層向けチェーンとして独自のポジショニングを確立している。
出典:https://capellahotels.com/en
Resorts World Sentosa (リゾート・ワールド・セントーサ)
Resorts World Sentosa(RWS)は2010年にセントーサ島に開業した統合型リゾート(IR)で、SGX上場のGenting Singapore Limitedが運営する。マレーシアの華人系コングロマリットGenting Group(Lim一族)の傘下にある。
IR内にはHotel Ora、Equarius Hotel、Hard Rock Hotel、Beach Villas、Hotel Michael、The Laurus等のブランドが集積し、計約1,500室超を擁する。Universal Studios SingaporeやSingapore Oceanariumも併設している。
2024年11月、総額68億シンガポールドル規模の拡張計画「RWS 2.0」を正式に起工した。新ウォーターフロント開発では700室超の2棟の高級ホテルを建設する。
2025年初頭にはS.E.A. AquariumをSingapore Oceanariumとして再開業し、Minion Landも開業した。CEOは2030年の全体完成を目指して投資継続を表明している。
出典:https://www.rwsentosa.com/
Four Seasons Hotel Singapore (フォー・シーズンズ・ホテル・シンガポール)
Four Seasons Hotel Singaporeは1994年にオーチャード地区に開業した259室のラグジュアリーホテルで、カナダ・トロント本社のFour Seasons Hotels and Resortsが運営する。物件はSGX上場のHotel Properties Limited(HPL)が50%出資で所有する。
HPLはシンガポール拠点の不動産・ホテル会社で、四季等の旗艦ブランドをアジア・欧州で保有・運営する。同社創業者Ong Beng Seng氏が長年主導し、2025年のAGMにて経営体制の刷新が進んでいる。
2014年に大規模改修を実施し、客室・スパ・レストランを全面リニューアルした。広東料理レストランJiang-Nan Chun(江南春)はミシュランスターを連続取得するなど食の面でも高い評価を誇る。
フォーブス・トラベルガイドでホテルとスパの両カテゴリーで5つ星を維持しており、オーチャード地区を代表するラグジュアリー施設として富裕層・MICE需要を取り込んでいる。
出典:https://www.fourseasons.com/singapore/
Andaz Singapore (アンダーズ・シンガポール)
Andaz Singaporeは2017年12月にBugis地区のDUO Towerに開業した342室のラグジュアリーライフスタイルホテルで、米国NYSE上場のHyatt Hotels Corporationが運営するAndazブランドの東南アジア初進出物件である。
建物はドイツの著名建築家Ole Scheeren設計のDUO複合開発の上層部(25〜39階)を占め、旧Bugis・Kampong Glamの伝統的ショップハウスにインスパイアされた内装を採用する。MRTブギス駅に地下通路で直結する好立地にある。
物件は2019年にシンガポール系不動産デベロッパーHoi Hup Realtyが約4億7,500万シンガポールドルでM+S Pte Ltdから取得した。Hyattsは運営契約を継続している。
2026年1月時点でDUO全体(オフィス・ホテル・小売)の売却検討についてJLLが助言しているが、ホテルの運営自体は継続中である。ロビーバーのMoonstone Barは国際的な評価を受けている。
出典:https://www.hyatt.com/andaz/en-US/sinaz-andaz-singapore
Swissotel The Stamford Singapore (スイソテル・ザ・スタンフォード)
Swissotel The Stamford Singaporeは1986年に開業した高さ226m・70階建て・1,252室のホテルで、開業当時世界最高層として知られた。仏AccorグループのSwissôtelブランドが運営し、Raffles City複合開発の一棟を構成する。
物件はSGX上場のCapitaLand Integrated Commercial Trust(CICT)が2006年以降所有する。2025年通期でCICTはホテル部門を含む同施設で過去最高業績を達成した。
施設内に12軒のレストラン・バー(ミシュラン2つ星のJaanを含む)、Raffles City Convention Centre、アジア最大級のWillow Stream Spaを擁する。2026年2月〜4月に客室改修工事を実施した。
隣接するFairmont Singaporeとともに「Raffles City Hotel Complex」として一体運営され、MICE需要とトランジット旅行者の双方から高い稼働を維持している。
出典:https://www.swissotel.com/hotels/singapore-stamford/
シンガポールの主要ホテル企業8選〜外資編〜
Marina Bay Sands (マリーナベイ・サンズ)
Marina Bay Sandsは2010年4月にマリーナベイ地区で開業した、米Las Vegas Sands Corp(NYSE上場)傘下の統合型リゾート(IR)である。3棟の高層タワーと屋上を貫くサンズ・スカイパーク、世界最大級の屋上インフィニティプールを特徴とする。
施設は約2,560室のホテルに加え、カジノ、MICE施設、ショッピングモールThe Shoppes、ArtScience Museum等を擁する大型複合型で、シンガポールの観光ランドマークとなっている。
2025年7月には拡張プロジェクト「Marina Bay Sands IR2」の起工式がローレンス・ウォン首相臨席のもと行われた。総投資額約80億米ドルで、570室のラグジュアリースイートを擁する新タワーと15,000席のアリーナを建設する。
2026年3月にはシンガポール建設大手Woh Hupと建設契約を締結し、2030年完成・2031年初頭の開業を予定している。シンガポールの観光・MICE産業の中核を担う存在として位置付けられている。
出典:https://www.marinabaysands.com/
Raffles Hotel Singapore (ラッフルズ・ホテル・シンガポール)
Raffles Hotel Singaporeは1887年に英アルメニア系のサーキーズ兄弟が創業した、シンガポール代表のヘリテージホテルである。シンガポール政府により1987年に国家記念物(National Monument)に指定され、植民地時代の建築様式を留める世界でも数少ない19世紀創業ホテルの一つである。
運営は仏AccorグループのラグジュアリーブランドRaffles Hotels & Resortsが担い、物件はQatar Investment Authority(QIA)が所有する。全室スイート仕様で115室を備える。
シンガポール・スリングを生んだLong BarやTiffin Roomなど象徴的なF&B施設を併設する。2017年から2019年にかけて大規模改修を実施し、新スイートカテゴリーや新レストランを導入した。
直近ではThe World’s 50 Best Hotels 2025にランクインし、引き続き世界的評価を維持している。シンガポール観光局の旗艦的なラグジュアリー施設として、富裕層・MICE需要を取り込んでいる。
出典:https://www.raffles.com/singapore/
The Fullerton Hotel Singapore (フラトン・ホテル・シンガポール)
The Fullerton Hotel Singaporeは1928年に英国植民地時代の中央郵便局として建てられた新古典主義建築を改装し、2001年1月に開業した。香港上場のSino Land(Sino Group)が1997年にURAから取得し、約3億シンガポール・ドルを投じて改修した。
客室数は約400室で、マリーナ湾を望むロケーション、24時間営業のジムやスパ、複数のレストランを備える。2015年12月にシンガポール政府より国家記念物に指定された。
姉妹施設としてマリーナ湾対岸にThe Fullerton Bay Hotel Singapore(100室)を擁し、両物件で「The Fullerton Heritage」エリアを形成している。Sino Groupはシンガポールの主要な香港系不動産オーナーの一つである。
近年はTravel + LeisureのWorld’s Best Awards等で継続的に高評価を獲得しており、ヘリテージとMICE機能を両立した中心市街地のシンボル的存在として知られる。
出典:https://www.fullertonhotels.com/fullerton-hotel-singapore
The Fullerton Bay Hotel Singapore (フラトン・ベイ・ホテル・シンガポール)
The Fullerton Bay Hotel Singaporeは2010年にCollyer Quay沿いのマリーナ湾眺望立地で開業した100室のラグジュアリーホテルである。物件は香港上場のSino Land(Sino Group)が所有し、The Fullerton Hotels and Resortsブランドとして運営する。
姉妹施設The Fullerton Hotel Singaporeとともに「The Fullerton Heritage」エリアを形成し、歴史的建造物と現代建築が融合した都心部のラグジュアリー拠点を構成する。全100室はモダンなデザインで、マリーナ湾の水上眺望を特徴とする。
屋上バーThe Lanternはシンガポール有数のルーフトップバーとして国内外の旅行者から高い支持を得ている。MICE機能を備えた小規模ラグジュアリーホテルとして富裕層需要を取り込む。
Sino Groupはシンガポールにおける香港系主要不動産オーナーの一つで、The Fullerton Heritage全体への長期的投資方針を維持している。
出典:https://www.fullertonhotels.com/fullerton-bay-hotel-singapore
Mandarin Oriental Singapore (マンダリン・オリエンタル・シンガポール)
Mandarin Oriental Singaporeは1987年にマリーナベイ地区Marina Squareに開業した、シンガポール屈指のラグジュアリーホテルである。運営は香港拠点のMandarin Oriental Hotel Group(英Jardine Mathesonグループ傘下)で、シンガポール証券取引所およびロンドン証券取引所に上場している。
2023年4月から9月にかけて大規模改修を実施し、英DESIGNWILKES監修のもと客室・スイート、レストラン、ロビーを全面刷新した。改修後は計約510室を擁し、新設のプレジデンシャル・スイートおよびRoyal Marina Bay Penthouseを導入した。
眺望ではマリーナベイ、南シナ海、市街地の三方向を選べる構成で、フォーブス・トラベルガイドの5つ星評価をホテルおよびスパで連続獲得した実績を持つ。
Mandarin Oriental Hotel Groupは2025年通期決算でも堅調な業績を示しており、シンガポールはアジア太平洋ポートフォリオの旗艦の一つに位置付けられる。
出典:https://www.mandarinoriental.com/en/singapore/marina-bay
Shangri-La Singapore (シャングリ・ラ・シンガポール)
Shangri-La Singaporeは1971年4月に開業した、香港拠点Shangri-La Group(Shangri-La Asia Limited、香港証券取引所上場)の旗艦ホテルであり、同ブランド発祥の地である。Shangri-La GroupはマレーシアのKuok Groupが支配株主である。
オーチャード地区に隣接する15エーカーのトロピカルガーデン内に位置し、Tower Wing(1971年)、Garden Wing(1978年)、Valley Wing(1985年)の3棟構成で約790室を擁する。Valley Wingは各国元首・要人の宿泊実績を持つ。
2016年から2017年にかけてTower Wingを大規模改修し、日本のデザイン事務所Bondが503室を全面刷新した。新Horizon Club Loungeや家族向け客室を導入した。
Shangri-La Groupは世界70軒超のラグジュアリーホテルを運営する。シンガポールは創業地として象徴的な位置付けにあり、毎年開催されるアジア安全保障会議の会場としても知られる。
出典:https://www.shangri-la.com/singapore/shangrila/
Hilton Singapore Hotels (ヒルトン・シンガポール・ホテル群)
Hilton Worldwide Holdings Inc.は米ヴァージニア州マクリーン本社、NYSE上場の世界大手ホテルチェーンで、世界140以上の国・地域に8,500軒超を擁する。シンガポール市場には1970年に進出して以来、旗艦施設を運営し続けている。
現在はConrad Singapore Marina Bay(旧Conrad Centennial、2025年4月改名、約512室)、Hilton Singapore Orchard(約1,080室、2022年に旧Mandarin Orchardから転換)、Conrad Singapore Orchard(旧Regent Singapore、2023年1月Conrad転換、約445室)等を展開する。
ブランドポートフォリオはWaldorf Astoria、Conrad、Hilton、Hampton等にわたる。2025年は東南アジアでの拡大を加速した。
ロイヤルティプログラムHilton Honorsは世界1.9億人超の会員を擁し、シンガポール市場でも主要MICE・ビジネス需要を取り込む位置付けにある。
出典:https://www.hilton.com/en/locations/singapore/
Marriott International Singapore (マリオット・インターナショナル・シンガポール)
Marriott International, Inc.は米メリーランド州ベセスダ本社、NASDAQ上場の世界最大のホテルチェーンで、世界140以上の国・地域に9,000軒超・160万室を擁する。シンガポールでは1995年のSingapore Marriott Tang Plaza Hotel開業以降、プレゼンスを拡大している。
現在はThe Ritz-Carlton Millenia Singapore(約610室)、The St. Regis Singapore(299室)、JW Marriott Singapore South Beach(634室)等を擁する。
2026年1月1日に旧InterContinental Singaporeが「Frasers House by The Luxury Collection」としてMarriott傘下に転換し、約406室の旗艦的存在となった。
ロイヤルティプログラムMarriott Bonvoyは世界2.1億人超の会員を擁し、2025年通期決算でも東南アジア部門は堅調な成長を維持している。
出典:https://www.marriott.com/
FAQ
シンガポールの主要ホテル企業について知りたいです。
本記事では、シンガポールのローカルおよび外資系を含む11の主要ホテル企業について詳しく紹介しています。
シンガポールの主要ホテルの特徴は何ですか。
シンガポールの主要ホテルは高級感と多彩な施設を兼ね備え、観光やビジネスの中心地として洗練されたサービスを提供しています。
シンガポールのおすすめのホテルはどこですか。
リーダーズチョイスアワードのスコアや独自の魅力を基に、マリーナベイサンズやカペラシンガポールなどが特におすすめです。
シンガポールのホテルのロケーションはどのようになっていますか。
多くのホテルが市内中心部やシンガポール川の河口付近に位置し、観光や交通アクセスが非常に便利です。
シンガポールのホテル業界に関する資料は入手できますか。
はい、以下のダウンロードリンクから入手可能です。こちらの資料は、シンガポールのホテル業界の主要プレイヤーおよび動向がまとめられています。

