【最新版!】フィリピンの主要酒類製造メーカー13選〜飲食・製造業(食品)業界〜

フィリピン 酒類業界 業界地図

フィリピンの酒類業界は、サンミゲル・ブルワリーやエンペラドールなど地場大手が国内外で存在感を示す主要企業として名を連ねる市場です。ラム酒やジンなど地場スピリッツの輸出拡大に加え、アサヒやキリンなど外資系の展開も進んでいます。

今回は、そんなフィリピンの酒類業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて13社の最新情報をお届けしていきます!

読了時間の目安:5分

フィリピンの酒類業界 業界地図はこちら!
目次

フィリピンの主要酒類企業9選〜ローカル編〜

San Miguel Brewery(サンミゲイル・ブルワリー)

San Miguel Brewery Inc.(サンミゲイル・ブルワリー)は、フィリピン最大のビールメーカーであり、San Miguel Food and Beverage(SMFB)傘下の上場企業だ。1890年創業を起源とし、2007年にSan Miguel Corp.からビール事業が分割された。現在はSMCとKirin Holdingsが共同保有する。

フィリピン国内のビール市場シェアは95%超であり、San Miguel Pale Pilsen・San Mig Light・Red Horseなどを軸に全国471,000か所の小売店に供給する。国内6カ所の生産施設を有する。

2024年12月期は売上高1,534億PHP(前年比4%増)、純利益256億PHP(同1%増)を達成した(SMFB 2024 Annual Report、2025年3月開示)。親会社SMFBの純利益は409億PHPとなった。

2025年1〜9月は需要軟化で売上がやや減少したが純利益は前年同期比微増の187.95億PHPを確保した(2025年第3四半期開示)。プレミアム化と海外展開を継続している。

出典:https://www.sanmiguelbrewery.com.ph/

Emperador Inc.(エンペラドール)

Emperador Inc.(エンペラドール)は、Alliance Global Group傘下のアルコール飲料専業持株会社であり、PSEにEMIのティッカーで上場している。子会社Emperador Distillers(EDI)を通じてブランデーの製造・瓶詰め・販売を行い、国内ブランデー市場で販売量ベース97.5%のシェアを保持する世界最大のブランデーメーカーだ。

2014年と2015年にWhyte & Mackay(英国)及びBodegas Fundador(スペイン)を買収し、アジア・北米・中東・欧州の40か国以上で展開する。ウイスキー売上比率を5年以内に30%まで高める方針を掲げている。

2024年12月期の業績は売上高616億PHP、純利益63億PHPとなった(Emperador Inc. PSE開示、2025年5月)。上半期は競合激化で売上が前年同期比6%減と苦戦したが下半期に巻き返し、通期では前年から概ね横ばい圏で着地した。

フィリピン国内とスペイン・英国を含むグローバル市場でのブランデー・ウイスキーの販売拡大を継続推進している。

出典:https://emperadorinc.com/

Asia Brewery(アジアブルワリー)

Asia Brewery, Inc.(アジアブルワリー)は、1982年設立のフィリピン第2位のビールメーカーであり、ラグナ州を拠点とする飲料・工業用包装企業だ。ルシオ・タン財閥LT Group傘下で、Tanduay Holdingsが実質的な親会社となっている。

自社ブランド「Tanduay Ice」のほかハイネケン・タイガーのフィリピン国内正規販売代理店でもあり、日本のアサヒスーパードライについても2013年以降独占流通体制を維持する。「Summit Natural Drinking Water」「Cobra Energy Drink」などのノンアルコール飲料も展開する。

2024年12月期は売上高182.1億PHP(前年比5%増)、純利益841百万PHP(同46%増)と好調で主力製品ラインの販売量が増加した(LT Group 2025年3月開示)。2025年上半期の純利益も489百万PHPと順調に推移している。

酒類・飲料に加え工業用包装事業も持つ同社は、グループシナジーを活かしてフィリピン飲料業界の主要プレイヤーの地位を維持している。

出典:https://asiabrewery.com/

Ginebra San Miguel(ジネブラ・サンミゲル)

Ginebra San Miguel Inc.(ジネブラ・サンミゲル)は、San Miguel Corporation(SMC)傘下の酒類専業上場企業であり、PSEにGSMIのティッカーで取引されている。主力商品「Ginebra San Miguel」は1834年にマニラで誕生したフィリピン最古のジンブランドであり、販売量ベースで世界最大のジンメーカーとして知られる。

国内5か所の瓶詰め施設に加えタイ・カンチャナブリにも拠点を持つ。「GSM Blue」「Ginebra San Miguel Premium Gin」「Tondena Manila Rum」「Antonov Vodka」など多彩なブランドを擁しISO・GMP・HACCP認証も取得している。

2024年12月期は売上高625億PHP(前年比17%増)、純利益73億PHP(同3%増)と力強い成長を示した(同社公式IR、2025年開示)。2026年第1四半期も売上高167億PHP(前年比3%増)、純利益9%増と堅調だ。

国内市場でのシェア拡大と海外展開を引き続き推進し、SMCグループ酒類部門の主力を担う。

出典:https://www.ginebrasanmiguel.com/

Tanduay Distillers(タンデュアイ・ディストラーズ)

Tanduay Distillers, Inc.(タンデュアイ・ディストラーズ)は、LT Group(ルシオ・タン財閥)傘下の蒸留酒メーカーであり、160年以上の歴史を持つフィリピン最大の蒸留酒専業企業だ。1988年にTanduayブランドを取得し、1999年に現社名に改称した。

主力商品「Tanduay Rum」はDrinks Internationalの販売量集計で2024年まで8年連続世界第1位を達成し、2024年の販売量は2,380万ケースリットルとバカルディ(1,970万)を凌駕する。ラム酒のほかジン・ウォッカ・ブランデー・ウイスキーも製造する。

2024年12月期は売上高338.5億PHP(前年比13%増)、純利益21.5億PHP(同37%増)と過去最高を更新した(LT Group PSE開示、2025年4月)。国内シェアは全国32.2%、ビサヤ地方70.6%、ミンダナオ地方79.6%と地方部で圧倒的強さを誇る。

2025年上半期の純利益も過去最高水準13.6億PHPに達し(2025年8月開示)、国内外での成長を継続している。

出典:https://ph.tanduay.com/

フィリピンの酒類業界 業界地図はこちら!

AWC Philippines(AWCフィリピン)

AWC Philippines(AWCフィリピン)は、2013年設立のフィリピン独立系ワイン輸入・流通専業企業であり、マカティ市マガジャネス地区に本社を置く。世界主要ワイン産地から400種以上のワインを独占販売しており、30以上のワイナリー及び5つのボルドー・ネゴシアンと直接契約を結ぶ点が特徴だ。

フランス・スペイン・イタリア・米国・オーストラリア等多国からの独占輸入権を持ち、シャングリラ・グランド・ハイアット・フェアモント・デュシタニなど5つ星ホテル・高級レストランへの業務用供給で知られる。Wine Dropのブランド名で小売店舗も運営する。

2022年にマカティ2号店「Wine Drop Makati」を開設し温度管理倉庫型ショールームとして機能させた。フィリピンの中間層・富裕層のワイン消費拡大を背景に輸入高級ワインの需要は増加傾向にある。

独立系ローカル企業として大手グループには属さず、高級ワイン流通のニッチ市場で差別化されたポジションを維持している。

出典:http://www.awc.com.ph/

The Keepers Holdings(ザ・キーパーズ・ホールディングス)

The Keepers Holdings, Inc.(ザ・キーパーズ・ホールディングス)は、フィリピン国内の輸入酒類・ワイン流通を専業とする持株会社であり、PSEにKEEPRのティッカーで上場している。ルシオ・コ(Lucio Co)がオーナーを務め、Montosco・Meritus・Premier Wine & Spiritsの3社を束ね全国430か所以上の小売拠点に供給する。

国内輸入スピリッツ市場で販売量ベース74.0%のシェアを持ち(2020年)、Alfonso Brandy・Johnnie Walker・Jim Beam・Glenfiddichなど多彩なブランドを扱う。

2024年12月期の売上高は前年比13.6%増の185.3億PHP、上半期純利益14.3億PHP(前年同期比23%増)と好調だ(同社PSE開示)。2024年11月に輸入ビール最大手Booze Online(Hoegaarden・Stella Artois等)を約1.6億PHPで買収する方針を決定した。

2025年7月にはプレミアムローカルスピリッツ分野への参入も発表し事業多角化を推進している。

出典:https://thekeepers.com.ph/

Alcoline Corporation(アルコリン・コーポレーション)

Alcoline Corporation(アルコリン・コーポレーション)は、1996年にケソンシティの小売店としてスタートした輸入酒類の販売・流通専業企業であり、現在はマカティ市に本社を構える。創業以来バーや飲食店への卸売を核としてきたが、2006年に戦略を転換し企業向けB2B供給に軸足を移した。

2010年にタイガービール(Heineken International傘下)とフィリピン国内独占販売契約を締結しプレミアムブランドの販売も強化。2017年にセブ島に支店を開設してビサヤ地方へも展開した。関連会社Clink.ph(オンライン酒類販売)を10年以上運営しEC販売力も持つ。

独立系ローカル企業として大手グループには属さないが、輸入プレミアムビール・スピリッツ流通に特化することで安定した市場ポジションを維持している。顧客基盤は全国の高級ホテル・レストラン・企業ユーザーに広がる。

フィリピンの輸入酒類市場の拡大を背景に富裕層向けプレミアムブランドの需要を取り込みながら事業を継続している。

出典:https://alcoline.ph/

Werdenberg International Corporation(ヴェルデンベルク・インターナショナル・コーポレーション)

Werdenberg International Corporation(ヴェルデンベルク・インターナショナル・コーポレーション)は、1987年設立のフィリピン独立系食品・飲料・ワイン輸入販売企業であり、Euro-Swiss Food Inc.との提携から始まった。飲料・食品・機器の輸入販売を軸とし世界各国のワインを取り扱う大手輸入業者だ。

傘下のSäntis Delicatessen(ザンティス・デリカテッセン)は計12店舗展開した実績を持ち現在もマニラ首都圏・タガイタイで稼働中だ。自社のソーセージ工場も持ち食品・ワインを一体的に提供する独自モデルで展開する。

2024年10月にはBarilla Pasta Championship Asia Finalsのフードサービスパートナーとして参加した。スペインのCastillo de Canebaを独占販売代理店に迎えポートフォリオを拡充している。

ファミリー関連企業5社・従業員470名超を擁し外食・ホテル・小売向けに輸入酒類・食品を供給するニッチ専業企業として市場での地位を維持している。

出典:https://www.werdenberg.com/

フィリピンの酒類業界 業界地図はこちら!

フィリピンの主要酒類企業2選〜日系編〜

Kirin Holdings(キリンホールディングス)

Kirin Holdings(キリンホールディングス)は、2009年にSan Miguel Brewery Inc.(SMBI)の株式48.3%を取得しフィリピンのビール市場に本格参入した日本の大手飲料グループだ。SMBIはSan Miguel Corporation(SMC)が51%、キリンが48.3%を保有する共同保有企業であり、2024年もキリンは取締役を派遣して経営に関与している。

2019年以降はKIRIN ICHIBAN(キリン一番搾り)のフィリピン国内生産・販売を開始した。一番搾りはオンライン通販や現地高級スーパーでも販売され、プレミアム日本産ビールとして認知を獲得している。

SMBの2024年12月期業績は売上高1,534億PHP(前年比4%増)、純利益256億PHP(同1%増)を達成した(SMFB 2024 Annual Report、2025年3月開示)。キリンはこの収益の約半分に相当する利益還元を受ける構造だ。

フィリピンでのSMBとの協業はキリングループのアジア戦略の重要な柱として位置づけられ、プレミアム化戦略を継続推進している。

出典:https://www.kirinholdings.com/

Asahi Group Holdings(アサヒグループホールディングス)

Asahi Group Holdings(アサヒグループホールディングス)は、2013年にAsia Brewery Inc.(ABI)との提携を通じてアサヒスーパードライをフィリピン市場に本格導入した日本最大のビールグループだ。Asia Breweryがタイのアサヒ委託工場から月間2〜3万ケースを輸入し、ルシオ・タングループの全国50か所以上の販売拠点ネットワークで流通する体制が構築されている。

アサヒスーパードライは富裕層・プレミアム嗜好層をターゲットとし高級ホテル・レストラン・百貨店に展開されている。SMBが95%超のシェアを占める中、ABIの販売力を活用してプレミアムビール市場への浸透を図る戦略をとる。

アサヒグループホールディングス全体の2024年12月期売上高は約2兆6,100億円であり、アジア・太平洋地域の売上は前年比3.7%増を達成した(2025年2月開示)。東南アジアでの日本ブランドビールの普及は重点課題だ。

フィリピンではAsia Breweryとの流通提携を継続し、プレミアム輸入ビール市場の成長を取り込みながら存在感を高めている。

出典:https://www.asahigroup-holdings.com/

フィリピンの酒類業界 業界地図はこちら!

フィリピンの主要酒類企業2選〜外資編〜

Hitejinro Philippines Inc.(ハイツジンロ・フィリピン)

Hitejinro Philippines Inc.(ハイツジンロ・フィリピン)は、韓国最大手の蒸留酒・ビールメーカーHiteJinro Co., Ltd.のフィリピン現地法人として2019年に設立されマカティ市に拠点を置く。本社HiteJinroは80か国以上で販売されJINROは世界蒸留酒市場でウイスキー等を大幅に上回る販売量を誇る。

フィリピンでの焼酎「Jinro」の販売は2022〜2024年に年率41.7%の驚異的な成長を記録し焼酎市場の67%のシェアを獲得した(The Korea Herald、2025年報道)。K-POPや韓国文化の浸透により現地フィリピン人への広がりが進み2024年にはレギュラー焼酎が68%を占め定着が見られる。

HiteJinroグループの2020年連結売上高は約2.26兆ウォン、従業員3,189名。フィリピン子会社は従業員20名と小規模ながら57社の取引先ネットワークを持ち2030年に海外焼酎売上5,000億ウォンを目指す計画でフィリピンを重点市場に位置づける。

K-カルチャーを活用したマーケティング施策を強化し市場浸透を図る方針だ。

出典:https://en.hitejinro.com/

Diageo Philippines, Inc.(ディアジオ・フィリピン)

Diageo Philippines, Inc.(ディアジオ・フィリピン)は、英国に本社を置く世界最大級の蒸留酒グループDiageo plcの完全子会社であり、フィリピンのマカティ市に拠点を置く。1997年に現地法人を設立しDiageo Global Business Operations(300名超)とともにフィリピンでの全事業を担う。

Johnnie Walker・Guinness・Don Julioなどのブランドを180か国で展開するDiageoのフィリピン窓口として高級ホテル・カジノ・免税店へ供給する。2021年12月にはフィリピン最高の職場(Top Employer)トップ10に認定されている。

Diageo本社FY2025のオーガニック純売上高成長率は1.7%と改善した(Diageo Preliminary Results、2025年8月)。ただしアジア太平洋地域の純売上高はオーガニックベースで3.2%減と苦戦し消費環境への対応が課題だ。

フィリピンの富裕層・中間層の消費拡大を背景にジョニーウォーカーを軸としたプレミアムウイスキーの普及を推進する。

出典:https://www.diageo.com/

フィリピンの酒類業界 業界地図はこちら!

FAQ

フィリピンの主要酒類メーカーについて詳しく教えてください。

この記事では、フィリピンの主要酒類製造メーカーに焦点を当て、ローカル企業、日系企業、外資系企業を含めて計15社を詳しく紹介しています。各社の詳細な情報や事業内容も解説しています。

フィリピンの主要酒類メーカーの中で最大のビールメーカーは何ですか?

フィリピン最大のビール生産企業はサンミゲイル・ブルワリー(San Miguel Brewery Inc.)です。同社は1963年に設立され、国内外で市場シェアを拡大しています。

フィリピンに進出している日系の酒類メーカーはどこですか?

主な日系企業には、キリンとアサヒがあります。キリンはサンミゲルと提携し、アサヒはAsia Breweryを通じて高品質のビールを提供しています。

Emperador Inc.はどのような製品を扱っていますか?

Emperador Inc.は、ブランデーをはじめとする高品質の蒸留酒とその他のアルコール飲料を製造、瓶詰め、流通しています。世界最大のブランデーメーカーのひとつです。

フィリピンの酒類業界における外資系企業の代表例は何ですか?

外資系企業の代表例としては、Hitejinro Philippines Inc.とDiageo Philippinesがあります。Hitejinroは韓国本社の蒸留酒とビールの卸売業者であり、Diageoはジョニーウォーカーなどの有名ブランドを扱っています。

投稿者アバター
大野 麻美 Philippine-Based Industry Analyst
マニラ在住5年目の日本人。法政大学経済学部卒業後、Web業界を目指す社会人向けスクールでインストラクターとしてコーディングや画像編集ソフトの指導を担当。青年海外協力隊としての海外経験を活かし、フィリピンのデジタル教育や人材育成分野を中心に情報発信を行っている。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次