【最新版!】タイの主要テレビ局・新聞メーカー・出版社13選〜エンタメ・IT・個人サービス業界〜

タイ 放送・全国紙・出版業界 業界地図

タイの放送・メディア業界は、デジタルTVチャンネルの林立とOTT・SNSの普及により、急速な構造転換が進む市場です。BEC World(チャンネル3)やMCOTなど老舗放送局を含む13社が、コンテンツのデジタル展開と視聴者層の多様化に対応した収益モデルの再構築を急いでいます。

今回は、そんなタイの放送・全国紙・出版業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて13社の最新情報をお届けしていきます!

読了時間の目安:5分

タイの放送・全国紙・出版業界 業界地図はこちら!
目次

タイの主要放送・全国紙・出版企業13選〜ローカル編〜

BEC World PCL / Channel 3 (BECワールド・チャンネル3)

BEC World Public Company Limited(SET上場、証券コード:BEC)は1967年設立のタイを代表する民放テレビ局「チャンネル3」運営持株会社である。地上波放送・デジタルプラットフォーム・コンテンツライセンスを3本柱とする総合メディアグループを形成する。

公式IR資料によると、2024年の事業収益は42.5億バーツ、純利益0.96億バーツ。2025年は純利益が前年比110%増の2.06億バーツへ改善し、コスト管理の成果が表れた。一方、広告収入はOTT・ソーシャルメディアへの予算シフトで下落基調が続く。

2024年11月には約300名(全従業員の約30%)の人員削減を含む大規模リストラを実施。子会社BECi CorporationのOTTサービス「3Plus」を主要流通窓口として本格稼働させ、デジタル転換を加速させている。

2026年5月時点、チャンネル3はドラマ・ニュース・バラエティの制作力を維持しながら、コスト削減とOTT収益化の両立を最重要課題として位置付けている。参照:BEC World公式IRサイト(becworld.com)、2026年5月時点。

出典:https://www.becworld.com/en/home

MCOT PCL (MCOTエムシーオーティー)

MCOT Public Company Limited(SET上場、証券コード:MCOT)は2004年8月に設立、同年10月にSETへ上場した国営放送グループである。前身は大蔵省直轄のマスコミュニケーション機構で、現在も大蔵省が65.8%、政府貯蓄銀行が11.5%の株式を保有する。

主要事業は「Modernine TV(チャンネル9)」のテレビ事業、「MCOTラジオネットワーク」、「タイ通信社(Thai News Agency)」、デジタル地上波施設の賃貸・保守の4部門で構成される。

2024年9月末時点の総資産は約106億バーツで財務基盤は安定している。公共放送セクター全体で透明性強化が求められる中、デジタル放送インフラの維持管理と収益事業の多様化を同時に推進している。

2026年5月時点、公営放送の使命を堅持しながら、デジタルコンテンツの拡充と施設の効率運営を通じた収益改善に取り組んでいる。参照:investor.mcot.net、2026年5月時点。

出典:https://investor.mcot.net/en/home

Mono Next PCL (モノ・ネクスト)

Mono Next Public Company Limited(SET上場、証券コード:MONO)は2002年設立のタイを代表する映画・シリーズ専門メディアコングロマリットで、2014年9月にSETへ上場した。旧社名Mono TechnologyからMono Nextへ2018年に変更している。

中核事業は「MONO29チャンネル」のデジタル地上波テレビ放送、OTTサービス「MONOMAX」、「Mono Original」によるコンテンツの制作・ライセンス販売の3本柱である。2024年のMONO29売上目標は約12億バーツ、MONOMAXは6.5〜7億バーツが目安とされた。

2024年第3四半期までの純損失は約3億バーツで、地上波広告縮小が収益を圧迫した。コンテンツライセンスの海外展開とMONOMAX加入者増加による多様化が優先課題となっている。

2026年5月時点、映画・ドラマの独自IPを軸にデジタルコンテンツの国際展開とサブスク収益の拡大を推進している。参照:mono.co.th、2026年5月時点。

出典:https://www.mono.co.th/

Workpoint Entertainment PCL (ワークポイント・エンターテインメント)

Workpoint Entertainment Public Company Limited(SET上場、証券コード:WORK)は1994年設立、2004年9月にSETへ上場した独立系メディア・エンターテインメント企業である。テレビ番組制作・デジタルコンテンツ配信・コンサート・イベントマーケティングを主要事業とする。

公式IRデータによると、2024年通期の総売上高は23.4億バーツで、うちTV番組関連収益16.4億バーツ(構成比約70%)、コンサート・演劇3.2億バーツ、イベントマーケティング2.8億バーツ。一方、純損失2.01億バーツを計上しており、地上波広告市場の縮小が収益を圧迫している。

デジタル面では2025年11月時点でYouTubeチャンネル登録者数約4,300万人、Facebookフォロワー約2,500万人に達し、タイのメディア企業の中で際立って大きなオンラインオーディエンスを確保している。

2026年5月時点、デジタルプラットフォームでの収益化モデル確立を最優先課題とし、OTT展開や海外ライセンス販売を推進している。参照:workpoint.co.th、2026年5月時点。

出典:https://www.workpoint.co.th/en/home

Nation Group (Thailand) PCL / Nation Multimedia Group (ネーショングループ・タイランド)

Nation Group (Thailand) Public Company Limited(SET上場、証券コード:NATION)は英字日刊紙「The Nation」、ビジネス紙「クルンテープ・トゥラキット」、デジタルテレビ2局(Nation TV・Now26)、コンテンツ制作を手掛けるタイ最大の総合メディアグループの一つである。

同社の公式発表によると、2024年は前年比6%の増収を達成しオンライン販売は33%増加した。デジタル事業のEBITDAは2024年5月に黒字転換し、AIアナウンサー「ナッチャ」の導入など編集効率化も奏功。デジタルオーディエンスは6,240万ユーザーに拡大している。

「The Nation RECONNECT」構想のもと2024年にデジタルメディアへの全面移行を完了させ、タイと世界をつなぐインテリジェントニュースプラットフォームとして再編した。10を超えるコンテンツブランドで多様なセグメントに展開している。

2026年5月時点、AI・デジタル技術の積極導入によるメディア再生モデルの構築が注目されている。参照:nationmedia.com、2026年5月時点。

出典:https://www.nationmedia.com

タイの放送・全国紙・出版業界 業界地図はこちら!

Amarin Printing and Publishing PCL (アマリン・プリンティング・アンド・パブリッシング)

Amarin Printing and Publishing Public Company Limited(SET上場、証券コード:AMARIN)は1976年創業のタイを代表する総合出版・メディアグループである。書籍・雑誌出版を基盤に、テレビ放送・旅行サービス・イベント開催へ多角化している。

主要出版タイトルには「バーンレ・スアン」「プラーオ」「チーワジット」「National Geographic Thailand」などがある。放送事業では「Amarin TV HD Channel 34」を運営し、2024年1月にPixotope社のバーチャルプロダクション技術を導入してライブニュースを刷新した。

SET開示情報によると2024年の年間売上高は約39.7億バーツで、出版・テレビ・旅行・イベントの複合事業体として収益を分散させている。第13回タイ・ソーシャル・アワーズでも2部門を受賞している。

2026年5月時点、デジタルコンテンツとテレビ放送の融合に注力しながら、ライフスタイル・メディアの旗手として存在感を保っている。参照:amarin.co.th、2026年5月時点。

出典:https://amarin.co.th/en

The One Enterprise PCL (ザ・ワン・エンタープライズ)

The ONE Enterprise Public Company Limited(SET上場、証券コード:ONEE)はタイのエンターテインメント産業で上流から下流まで一貫したバリューチェーンを持つ総合メディア企業である。「ONE31チャンネル」を中核に、GMM 25のマーケティング管理、EFM・Green Wave等のラジオ局、ドラマ・バラエティ番組の制作・ライセンス事業を展開する。

StockAnalysisの開示によると2024年の売上高は66.7億バーツ(前年比2.37%増)で業界トップクラスの規模を誇る。コンテンツを国際プラットフォームへ配信するライセンス事業も拡大を続けている。

2024〜2025年はドラマ制作とアーティストマネジメントを強化し、メディアシナジーの向上を追求した。YouTubeや各種OTTへの配信も加速させ、デジタルシフトへの対応を急いでいる。

2026年5月時点、タイのエンターテインメント産業を代表するコングロマリットとして、国際ライセンスとデジタル配信収益の拡大を成長の主軸としている。参照:theoneenterprise.com、2026年5月時点。

出典:https://www.theoneenterprise.com/en/

Bangkok Broadcasting & TV Co., Ltd. / Channel 7 (バンコク・ブロードキャスティング・チャンネル7)

Bangkok Broadcasting & Television Co., Ltd.(BBTV)は1967年設立のタイ「チャンネル7 HD」を運営する放送事業者である。タイ王国陸軍が実質的株主として知られる準国営的な性格を持ち、本社はバンコクに置く。

タイ語ドラマ・バラエティ・スポーツを中心とした番組編成で地方・中間層視聴者から支持を集め、長年チャンネル3と並ぶ民放二強の一角を形成してきた。非上場のため詳細財務数値の公表はないが、Statista推計では2019年時点の売上高は約48億バーツとされていた。

2024〜2025年にかけてタイ伝統的テレビ局全般がOTT・ソーシャルメディアへの広告予算シフトで収入減に直面している。Nielsen Thailandの調査ではタイ成人の従来型テレビ視聴率が2024年時点で53%まで低下しており、デジタルコンテンツ配信の強化が急務となっている。

2026年5月時点、ドラマ・格闘技・スポーツ中継を主力に地方エリアの地上波基盤を維持している。デジタル転換への対応が今後の成長を左右する課題である。参照:ch7.com、2026年5月時点。

出典:https://ch7.com

Thai PBS Television Station (タイ・ピービーエス)

Thai PBS(タイ公共放送サービス、タイ語:ไทยพีบีเอส)はタイ唯一の公共放送局で、「テレビ・ラジオの公共放送事業を行う法人」として2008年1月に設立された。政府機関でも国営企業でもなく、予算管理法上の独自の地位を持つ独立した公的機関である。

主要財源は酒類・タバコ税の一定割合で、法定上限は年間20億バーツ(約65百万米ドル)。その範囲内でスポンサーシップや寄付金・知財収入による補完的収益も認められている。2024年時点の総資産は69億バーツで、2022年の73.7億バーツから減少傾向にある。

2026年2月にはタイ会計検査院長が歴代初めてThai PBSへの特別監査(16名の調査チーム)を命令し、公共メディアとしての費用対効果や目的適合性の検証が行われている。Thai PBS World(英語チャンネル)を通じた国際発信も継続している。

2026年5月時点、商業広告に依存しない独立した公共放送の使命のもと、報道・教育・文化コンテンツの提供を続けている。参照:thaipbs.or.th、2026年5月時点。

出典:https://en.thaipbs.or.th/

The Vacharaphol Co., Ltd. / Thairath (ザ・ワチャラポン・タイラート)

The Vacharaphol Co., Ltd.はタイ最大の発行部数を誇る大衆日刊紙「タイラート(ไทยรัฐ)」を運営する非上場の家族経営企業である。1962年にカンポン・ワチャラポンが創業し、本社はバンコクのヴィパワディ・ランシット通りに置く。

タイラートはタイ語読者層最大の日刊紙として知られ、政治・社会・スポーツを中心に1日100万部超の発行部数を維持してきた。デジタル展開ではThairath Onlineに加え、「タイラートTV」でのテレビ番組制作・配信にも参入している。

Statista 2024年調査によると、タイラートのオンライン版は週次リーチ率46%でタイ国内ニュースブランド中1位を記録し、デジタル移行でも圧倒的な地位を確立している。紙媒体全体が縮小するなか、ブランド力を活かしたデジタルへの読者誘導が奏功している。

2026年5月時点、タイ最大の新聞ブランドとして紙媒体とデジタルの双方で圧倒的なリーチを維持し、タイ語メディアの最大手として不動の地位を占める。参照:thairath.co.th、2026年5月時点。

出典:https://www.thairath.co.th

タイの放送・全国紙・出版業界 業界地図はこちら!

Bangkok Media & Broadcasting Co., Ltd. / PPTV HD36 (バンコク・メディア・アンド・ブロードキャスティング・PPTVチャンネル36)

Bangkok Media & Broadcasting Co., Ltd.はデジタル地上波テレビ「PPTV HD Channel 36」を運営する放送事業者で、バンコク病院グループのプラサート・プラサートトン・オソット氏が管理する。2013年設立、2014年4月に落札金額34.6億バーツで放送免許を取得した。

最大の特徴は国際スポーツ中継の充実にある。プレミアリーグ、ラリーガ、ブンデスリーガ(2025〜26シーズン68試合)、セリエA、MotoGPの無料放送権を保有し、タイのスポーツファンに不可欠なプラットフォームとして機能する。スポーツ以外はニュース・報道を中心とした編成を維持している。

Workpoint Entertainment PCL(SET上場)が関連会社として位置づけられコンテンツシナジーが図られている。バンコク病院グループが資本的後ろ盾となり財務安定を支えている。

2026年5月時点、スポーツ・ニュース特化のブランドポジションを維持し、タイ人視聴者の有力な無料放送プラットフォームとして機能する。参照:pptvhd36.com、2026年5月時点。

出典:https://www.pptvhd36.com

Bangkok Post PCL (バンコクポスト)

Bangkok Post Public Company Limited(SET上場、証券コード:POST)は1946年創刊のタイ最古の英字日刊紙「Bangkok Post」を発行するメディア企業である。バンコクに本社を置き、新聞・雑誌・デジタルコンテンツの制作・配信に加えテレビ番組制作も展開する。

公式IRサイトおよびStatisticaの公開データによると、2023年の総収入は約3.86億バーツで新聞・広告セグメントが主収益源となっている。英字紙市場全体が紙媒体広告の縮小とデジタル移行の過渡期にあり収益構造の転換が進んでいる。

タイ英字紙の最大手として在タイ外国人・多国籍企業・観光業・外交官向けに高い権威性を持つ報道媒体の地位を保っている。bangkokpost.comで経済・ビジネス・政治の深掘り報道を提供し、ライフスタイル誌(GURU・B Magazine)とともにマルチプラットフォーム戦略を継続している。

2026年5月時点、外資系企業や駐在員コミュニティにとって不可欠な情報源として独自のポジションを堅持している。参照:bangkokpost.co.th、2026年5月時点。

出典:https://www.bangkokpost.co.th

SE-Education PCL / SE-ED (エスイー・エデュケーション・エスイーエド)

SE-Education Public Company Limited(SET上場、証券コード:SE-ED)は1970年代に設立されたタイ最大手の書籍販売・出版・流通グループである。本社をバンコクに置き、小売事業・流通事業・学校向け事業の3セグメントで構成される。

SE-EDブックセンターを旗艦ブランドとして全国の大学構内・商業施設・独立店舗にネットワークを展開している。流通部門では自社刊行物に加え他社出版物を全国の書店・その他販売チャネルへ卸す業務も行っている。出版部門では学術書・語学教材・一般書籍の企画・制作・印刷を手掛けている。

Investing.comの開示情報によると直近12ヶ月の売上高は約56.7百万米ドルで、タイの出版・書籍流通市場における最大手の地位を維持している。SET証券取引所に長期上場を継続し、情報開示の透明性も確保されている。

2026年5月時点、デジタル書籍・eラーニングへの対応を進めながら、全国の教育機関へのリーチを活かした学校向け事業の拡大を優先課題として推進している。参照:se-ed.com、2026年5月時点。

出典:https://www.se-ed.com

タイの放送・全国紙・出版業界 業界地図はこちら!

FAQ

タイの主要テレビ局・新聞・出版社の動向とは?

この記事はタイの主要テレビ局、新聞メーカー、出版社の事業内容や企業情報を詳しく紹介し、理解を深めることを目的としています。

タイの主要テレビ局や出版社の中で特に代表的な企業は何ですか?

代表的な企業として、BEC WORLD PCL、MCOT PCL、Mono Next PCL、Workpoint Entertainment PCL、Nation Multimedia Group PCLなどがあります。

BEC WORLD PCLの事業内容は何ですか?

BEC WORLD PCLはデジタルテレビ放送やインターネットコンテンツ配信、グローバルコンテンツライセンス事業などを展開しており、「チャンネル3」を運営し、ニュース、ドラマ、バラエティなどを提供しています。

タイの政府系メディア企業について教えてください。

MCOT PCLは1977年創業のタイの政府系メディア企業で、デジタルテレビ放送やラジオ放送、ニュース配信など多岐にわたる事業を展開しています。

タイの出版業界の主要企業とその活動内容は何ですか?

タイの出版業界には、Bangkok Post、SE-Education PCL、Amarin Printing and Publishing PCLなどがあり、新聞や雑誌の出版、小売、オンライン販売、書籍の印刷・流通などを行っています。

投稿者アバター
スラシット チャンペッチ Thailand-Based Industry Analyst
バンコク在住のタイ人。6年以上にわたり、タイにおける日系企業向けの翻訳・通訳業務に従事。経済・ビジネス・IT分野を中心に、企業調査や情報収集を得意とする。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次