シンガポールの主要携帯キャリア14選と市場動向【2025年版】

シンガポールの携帯電話・通信業界は、シングテルを筆頭に5G展開が急速に進む、東南アジア随一の通信先進市場です。14社の主要事業者がモバイル・固定・エンタープライズICTの融合を進め、デジタル変革の加速を後押ししています。

今回は、そんなシンガポールの携帯電話事業者業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて14社の最新情報をお届けしていきます!

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シンガポールの携帯電話事業者業界 業界地図はこちら!
目次

シンガポールの主要携帯電話事業者企業6選〜ローカル編〜

シングテル(Singapore Telecommunications Ltd)

シングテルは1879年創業のシンガポール最大の通信事業者であり、SGXに上場し、テマセク・ホールディングスが筆頭株主として約51%を保有する。シンガポール国内において固定電話・モバイル・ブロードバンド・ペイテレビ・エンタープライズICTの包括的なサービスを提供し、国内モバイル加入者数は450万以上に上る。

グループとしてはインドのエアテル・インドネシアのテルコムセルなど21か国のパートナー通信事業者を通じて7億8,000万人超の顧客基盤を持ち、アジア最大の通信グループの一つに位置づけられる。FY2024の連結売上高は156億4,400万SGDに達した。

2024年にはデータセンター部門の拡充とAIインフラへの投資を加速させ、シンガポール・テック・コリドーにおける5Gキャパシティの整備も完了している。GOMOブランドを通じた低価格SIMオンリープランでMVNO市場への対応も行っている。

テマセク傘下の強固な財務基盤とグローバルネットワークを背景に、シンガポール通信市場のリーダーポジションを維持している。

出典:https://www.singtel.com/

スターハブ(StarHub Ltd)

スターハブは2000年にSGXに上場した総合通信事業者であり、モバイル・ブロードバンド・エンタープライズ・エンターテインメントの4セグメントで事業を展開する。

FY2024純利益は1億6,170万SGDと前年比7.7%増加し、総売上は24億SGDに達した。エンタープライズ部門では「DARE+」戦略のもとサイバーセキュリティ・クラウドソリューション・IoTの強化を推進しており、2024年にはサイバーセキュリティ関連売上が大幅に伸長した。

マルチブランド戦略としてgiga!(若者向け低価格SIM)などのサブブランドを擁し、多様な顧客セグメントへの対応を図っている。2025年にはマイリパブリックのシンガポール事業を吸収し、ブロードバンド加入者ベースの拡大を実現した。

5Gサービスの拡張においても積極的な投資を続けており、製造業・物流・ヘルスケア分野への企業向けプライベート5G提供を加速させている。

出典:https://corporate.starhub.com/

M1リミテッド(M1 Limited)

M1リミテッドは1997年にシンガポールで創業した総合通信事業者であり、モバイル・固定ブロードバンド・企業向け通信サービスを提供する。SGXに上場していたが2019年にケペルおよびSPHによる完全子会社化がなされ、現在はケペル・コーポレーション傘下の非上場企業として運営されている。

国内モバイル加入者数は約200万人規模であり、企業向け通信セグメントでは2024年に前年比50%超の収益成長を記録した。プライベート5G・海事通信・クラウドコンタクトセンターソリューションを中心にエンタープライズ事業を拡大してきた。

2025年8月にケペルがM1のテレコム事業をシンバ・テレコムに売却(取引額約14億3,000万SGD)すると発表し、業界再編の注目を集めた。IMDA(情報通信メディア開発庁)の承認を経て統合が完了した場合、シンバ+M1の合算加入者は320万人を超える見込みである。

2024年まで独立したMNOとして国内市場の健全な競争を支えてきた実績を持ち、シンガポール通信業界の歴史を語る上で重要な存在である。

出典:https://www.m1.com.sg/

レッドワン(redONE Pte Ltd)

レッドワン(redONE)はシンガポールを拠点とするMVNO(仮想移動体通信事業者)であり、月額定額制の「スーパープラン」を中心にシンプルかつ低コストの通信サービスを提供している。

データ・通話・SMS込みの月額一律プランを中心としたシンプルな料金体系が特徴であり、設定の煩雑さを嫌うライトユーザー層への訴求力が高い。SIMオンリーおよびマルチSIMプランを展開し、スマートフォン・タブレット・ルーターなど複数端末の同時管理を1回線で行えるサービスを提供している。

2024年にはデータ容量を強化したプレミアムスーパープランを刷新し、ストリーミング視聴用途の需要増加に対応した大容量プランの拡充を図った。法人向けにはグループ通話割引プランを設け、中小企業のコスト削減ニーズにも対応している。

低価格帯MVNOとして独自のポジションを築き、シンガポールの多様な通信需要に応えている。

出典:https://www.redone.com.sg/

VIVIFIシンガポール(VIVIFI Singapore Pte Ltd)

VIVIFIシンガポールは2019年に設立されたシンガポールのMVNO(仮想移動体通信事業者)であり、無制限データプランを主力サービスとしてデジタルユーザーへの訴求を図る。

「data-first」のアプローチを標榜し、シンガポール市場では先駆けて月額固定の完全無制限データSIMプランを提供した点が特徴である。動画ストリーミング・テレワーク・リモートラーニングなど大容量データを日常的に消費するユーザー層から支持を集め、コントラクト不要の柔軟な契約形態でデジタルネイティブ世代に対応している。

2024年には企業向けデータ専用SIM(IoT・デジタルサイネージ向け)の提供を開始し、法人市場への事業領域拡大を進めた。デジタルマーケティングへの投資を強化しており、コスト効率の高いデジタル運営モデルを維持している。

データ無制限という明確な訴求ポイントで差別化し、シンガポールのMVNO市場において独自のポジションを確立している。

出典:https://vivifi.me/sg/

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グリッド・モバイル(Grid Mobile Pte Ltd)

グリッド・モバイルはシンガポールに本拠を置くMVNO(仮想移動体通信事業者)であり、通信利用に連動したポイント還元プログラムを組み合わせた独自のサービスモデルでミレニアル世代・Z世代を主なターゲットとする。

スターハブのネットワーク回線を借り受けて国内全域でサービスを提供しており、5G対応のSIMオンリープランを主軸に展開している。アプリベースのセルフサービス管理機能を充実させており、使用状況の確認・プラン変更・ポイント確認がスマートフォン上で完結する仕様としている。

2024年にはポイント還元率の引き上げと提携加盟店の拡充を行い、通信サービスの枠を超えた生活密着型のエコシステム構築を推進した。企業向けフレキシブルプランの提供も開始しており、スタートアップやスモールビジネス向けの低コスト通信ソリューションとしての訴求を強化している。

ポイント連動型の独自モデルで差別化し、シンガポールの通信市場において着実に顧客基盤を拡大している。

出典:https://www.gridmobile.com.sg/

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シンガポールの主要携帯電話事業者企業4選〜日系編〜

楽天モバイルシンガポール(Rakuten Mobile Singapore Pte. Ltd.)

楽天モバイルシンガポール(Rakuten Mobile Singapore Pte. Ltd.)は2019年設立の楽天グループ完全子会社であり、完全仮想化・クラウドネイティブなモバイルネットワーク技術「Rakuten Communications Platform(RCP)」のアジア太平洋向け研究開発・販売拠点として機能する。

2021年8月に設立した「Rakuten Symphony」を通じ、世界各地でオープンRANインフラとサービスの提供を推進している。2025年3月現在、世界45社の顧客を有し、年末までに100社以上の獲得を目指している。

2025年2月のMWC 2025ではCisco・Tech Mahindra・Airspanとのパートナーシップを発表し、オープンRANの普及を推進している。富士通との提携によりO-RAN準拠の無線ユニット導入も進めている。

シンガポールをアジア太平洋のハブとして、通信インフラのオープン化・仮想化を主導するキープレイヤーとして存在感を高めている。

出典:https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2020/0630_01.html

SBテレコムシンガポール(SB Telecom Singapore Pte. Ltd.)

SBテレコムシンガポール(SB Telecom Singapore Pte. Ltd.)は1998年設立のソフトバンクグループ完全子会社であり、シンガポールを東南アジアの事業拠点として法人顧客向けにICTソリューションおよびグローバル通信サービスを提供している。

主な事業内容はネットワークアップグレード・サイバーセキュリティ強化・データ管理最適化などの高品質ITネットワークソリューション、国際通信ネットワーク構築・維持による企業の海外展開支援、ならびにネットワーク・サーバ関連機器の販売・運用・保守である。

デジタルマーケティング分野ではビッグデータ分析を活用したコンサルティングおよびソリューション提供を行い、企業の成長戦略を支援している。AI・IoT・ロボティクスなどの先端技術を活用したデジタルトランスフォーメーション支援にも注力している。

ソフトバンクグループのグローバルネットワークを活かし、日系企業のシンガポール・東南アジア展開における通信インフラ整備を包括的にサポートしている。

出典:https://www.softbank.jp/biz/contact/nw/global/support/asia/

KDDIシンガポール(KDDI Asia Pacific Pte Ltd)

KDDI Asia Pacific Pte Ltd(旧KDDI Singapore Pte Ltd)はKDDI株式会社の100%子会社であり、1961年のシンガポール連絡事務所設立を起源として2021年に現社名へ変更した。シンガポールを東南アジア・南アジア・オセアニア・中東地域の統括拠点とし、企業向けICTソリューション・ネットワークインフラ・クラウド・セキュリティ・IoTサービスを提供している。

日系企業のアジア太平洋進出において豊富な実績を有し、グローバルネットワークの設計から運用保守まで一貫したサポートを行っている。Circles AsiaとのSaaSプラットフォーム活用によるMVNO事業連携も推進している。

「povo2.0」のオンライン完結型通信サービス展開においても技術基盤として連携を強化し、ユーザーエンゲージメント30%増・ARPU8%向上の成果を記録した。

60年以上のシンガポール拠点運営実績を背景に、アジア太平洋における日系通信サービスの中核拠点として機能している。

出典:https://sg.kddi.com

NTTドコモアジア(NTT DOCOMO ASIA Pte. Ltd.)

NTTドコモアジア(NTT DOCOMO ASIA Pte. Ltd.)は2013年1月設立のNTTドコモ子会社であり、東南アジア・オセアニア地域における企業向けモバイルソリューション事業を担う。デバイス・センサー・ネットワーク・アプリケーションを組み合わせたカスタマイズソリューションで業務効率化とコスト削減を支援している。

2024年8月にはスターハブと共同でOpen RAN技術を活用した5Gネットワークのフィールドトライアルを成功させ、次世代通信インフラ開発に注力している。2025年2月にはGAOGAO Pte. Ltd.との提携によりWeb3技術を活用したソリューション提供を推進している。

NTTコミュニケーションズとのマルチプラットフォーム対応クラウドレンダリング技術の実証実験も進めており、2025年度中の商用サービス開始を目指している。

モバイルネットワーク・IoT・クラウド技術を組み合わせた包括的なデジタルトランスフォーメーション支援を通じ、アジア太平洋地域の日系通信企業の最前線を担っている。

出典:http://www.docomo-asia.com/company/

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シンガポールの主要携帯電話事業者企業4選〜外資編〜

シンバ・テレコム(Simba Telecom Pte Ltd)

シンバ・テレコムは2016年12月にTPG(オーストラリア)がシンガポール第4の通信ライセンスを1億500万SGDで取得したことを起源とし、2022年4月にTPGブランドからシンバへ改称した通信事業者である。「SIMBA」という名称はシンガポールのシンボルであるライオンにちなんでいる。

SGD10の低価格プランで50GBのデータを提供する戦略的な料金設定が市場に価格競争を促し、2024年には有料モバイル加入者が116万人に達して市場シェア約11%を確立した。5Gカバレッジの拡大に積極的な投資を継続し、2023年9月には全4Gプランを5G対応に拡充した。

2025年8月にはM1のテレコム事業を14億3,000万SGDで取得する合意を発表した。統合が実現すれば合算加入者数は320万人超となり、シングテルを除く市場における最大の通信グループに台頭する見込みである。

急成長するシンバはIMDA承認プロセスを通じてシンガポール通信市場の再編を主導するキープレイヤーとして業界の注目を集めている。

出典:https://www.simba.sg/

サークルズ・ライフ(Circles.Life)

サークルズ・ライフは2016年にシンガポールで創業したデジタル専業の通信サービス会社であり、独自開発のクラウドプラットフォームを基盤としたデジタルファースト戦略で、顧客はアプリのみで全手続きを完結できる利便性が特徴である。M1のネットワークを借り受けるMVNOとしてサービスを提供している。

データ容量のカスタマイズが可能な柔軟なプラン設計を採用し、余ったデータを次月に繰り越す機能や高速データ使い放題などの革新的なサービスで若年層を中心に顧客を獲得してきた。2025年3月現在、1TBの5Gデータプランを月額30SGDで提供するプロモーションを実施している。

2024年にはインドネシア・台湾から撤退し、2025年にはオーストラリア市場からも撤退を決定するなど海外事業を縮小し、事業資源をシンガポールへ再集中させる方針に転換した。国内においてはエンタープライズ向けソリューションとOmnichannel顧客サポートの拡充を強化している。

シンガポール発のデジタルMVNOの先駆けとして、同国通信市場の競争促進に重要な役割を果たしてきた。

出典:https://www.circles.life/sg/

AT&Tシンガポール(AT&T Singapore)

AT&T Inc.は1983年設立の米国を代表する多国籍通信企業であり、シンガポールに東南アジア地域本部を置き、現地企業および国際企業に対して幅広いネットワーキングソリューションを提供している。

シンガポール国内には3つのMPLS(マルチプロトコルラベルスイッチング)ネットワークノード・インターネットデータセンター・グローバルカスタマーサポートセンターを設置し、世界規模のサポート体制を構築している。販売・プリセールス・マーケティング・人事・財務・グローバル顧客サービス・サービス提供・サービス保証など多岐にわたる部門が現地で機能している。

提供サービスにはモビリティ・ネットワーク・ネットワークセキュリティ・クラウド・ホスティング・音声・ユニファイドコミュニケーション・アプリケーションサービスが含まれ、企業の多様な通信ニーズに対応している。

5G・IoT・AIなどの先進技術を活用したソリューションにより、シンガポールおよび東南アジア全域における企業のデジタルトランスフォーメーションを支援している。

出典:https://www.corp.att.com/worldwide/att-you-singapore/

ベライゾンシンガポール(Verizon Communications Singapore Pte. Ltd.)

ベライゾン・コミュニケーションズ(Verizon Communications)は米国ニュージャージー州を本社とする世界有数の通信・テクノロジー企業であり、シンガポール法人がOcean Financial Centre(10 Collyer Quay)に東南アジア地域本部を構えている。

シンガポール拠点ではMPLSネットワークノード・インターネットデータセンター・グローバルカスタマーサポートセンターを運営し、世界中の顧客に対するサポートを提供している。販売・プリセールス・マーケティング・人事・財務・グローバル顧客サービス・サービス提供・サービス保証など多岐にわたる部門が現地で機能している。

提供サービスにはモビリティ・ネットワーク・ネットワークセキュリティ・クラウド・ホスティング・音声・ユニファイドコミュニケーション・アプリケーションサービスが含まれ、企業の多様な通信ニーズに対応している。

5G・IoT・AIなどの先進技術を活用したエンタープライズソリューションを通じ、シンガポールおよびアジア太平洋地域の企業デジタル化を支援している。

出典:https://www.verizon.com/about/careers/locations/singapore-sg

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FAQ

シンガポールの携帯電話業界の主な特徴は何ですか?

シンガポールの携帯電話業界は、デジタル化の進展と5G技術の普及により、急速に変化しています。主要な企業は、ローカルの日系・外資系企業を含め、多様な通信サービスやデジタルソリューションを提供し、市場の成長とイノベーションを推進しています。

シンガポールの主要携帯キャリア5社の中で、特に注目すべき点は何ですか?

Singtelは長い歴史と多角的なサービス展開、StarHubはエンタープライズ事業の強化、M1は5Gの商用化と持続可能性への取り組み、そして各社はAIやIoTなどの先端技術に力を入れており、それぞれの強みを生かして市場拡大を図っています。

日本企業がシンガポールの携帯通信市場に参入する際のポイントは何ですか?

日本企業がシンガポール市場に参入するには、現地の規制や市場動向を理解し、革新的なデジタルソリューションや地域展開戦略を活用することが重要です。また、現地のパートナーシップや最新技術の導入も成功の鍵となります。

シンガポールの外資系通信企業についての特徴は何ですか?

外資系通信企業は、高度な技術やグローバルネットワークを活用し、5GやIoT、クラウドサービスなどの最先端ソリューションを提供しています。これにより、現地及びアジア全体の企業や個人のニーズに応え、市場シェア拡大を目指しています。

シンガポールの携帯キャリアの今後の展望について教えてください。

シンガポールの携帯キャリアは、5G、AI、IoTを基盤としたデジタルサービスの拡大により、今後も持続的な成長が期待されます。インフラ投資や新規市場の開拓によって、デジタル化と都市型生活に適応したサービス提供をさらに強化していく見込みです。

投稿者アバター
中村 美穂 Singapore-Based Industry Analyst
2017年よりシンガポール在住の日本人。元客室乗務員としての国際経験を活かし、現在はライターおよび翻訳者として、シンガポールの文化や生活、食に関する情報を発信している。
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