台湾の酒類業界は、臺灣菸酒や金門酒廠實業などローカルの国営・公営メーカーに加え、日系のサントリーやキリンビール、外資のハイネケンやディアジオも展開する市場です。台湾の主要企業はウイスキーなど高付加価値酒類の強化を進めています。
今回は、そんな台湾の酒類業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて13社の最新情報をお届けしていきます!
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台湾の主要酒類企業6選〜ローカル編〜
Kinmen Kaoliang Liquor (キンメンカオリャンリキュール)
金門酒廠實業股份有限公司(KKL)は、金門県政府が所有する公営企業である。前身は1952年に設立された九龍江酒廠で、1998年2月に現在の会社組織へと改組された。金門島の地下花崗岩水と高粱を用いた白酒「金門高粱酒」で広く知られる。
台湾を代表する高粱酒ブランドとして、コンビニから贈答市場まで幅広く流通し、国民的な認知度を持つ。中国大陸市場やグローバル市場にも積極的に輸出しており、添加物を用いない純天然醸造を特徴とする。
金門県の財政を支える基幹企業でもあり、酒販収入は県の歳入の相当部分を占める。近年は若年層や海外市場を意識した低度数商品やパッケージ刷新にも取り組んでいる。
2025年時点でも、高粱酒の製造販売を中核に安定した収益を確保している。中国大陸向け輸出や国際的な酒類コンペティションでの受賞を追い風に、台湾を象徴する蒸留酒メーカーとしての地位を保っている。
出典:https://www.kkl.com.tw/
Taiwan Tobacco & Liquor Corporation (臺灣菸酒/タイワンタバコアンドリカー)
臺灣菸酒股份有限公司(TTL)は、タバコと酒類を製造・販売する国営企業である。起源は1901年に大日本帝国台湾総督府が設けた専売事業にさかのぼり、2002年の専売制度廃止に伴い現在の株式会社へ改組された。財政部が全株式を保有し、本部を台北市中正区に置く。
主力の酒類では、紅標米酒、台灣啤酒、玉山高粱酒などを擁し、とりわけ台灣啤酒は国内ビール市場で約8割の圧倒的シェアを持つ。米酒でも国民的ブランドとして家庭料理に不可欠な存在である。
近年は南投酒廠のシングルモルトウイスキー「OMAR」やクラフトビールなど高付加価値商品にも注力する。一方で花雕雞麵などの加工食品事業の売上は伸び悩んでいると報じられている。
2025年時点でも、年間売上はおよそ800億台湾ドル規模を維持している。人件費増や本業の縮小圧力に直面しつつ、酒類の高付加価値化と観光酒廠事業で収益基盤の維持を図っている。
出典:https://www.ttl.com.tw/
Uni-President Enterprises (ユニプレジデント)
統一企業股份有限公司(ユニプレジデント)は、傘下にセブン-イレブンを擁する台湾最大級の食品グループの中核企業である。1967年に設立され、インスタント麺の製造から出発し、現在は飲料・乳製品・加工食品・流通・小売まで幅広く展開する。本部は台南市永康区に置く。
酒類分野では、統一グループの飲料事業を通じてビールや調製酒、輸入酒類の製造・販売に関与しており、コンビニ網を通じた酒類流通でも大きな影響力を持つ。証券コードは1216で、台湾証券取引所に上場している。
グループはセブン-イレブン、星巴克(スターバックス)台湾、家樂福(カルフール)台湾など小売・外食を広く傘下に持ち、川上から川下までを統合する。中華職棒の統一ライオンズも保有する。
2025年時点でも、連結売上は6000億台湾ドル規模に達する台湾食品業界の最大手である。中国大陸やアジア市場での事業拡大を進めつつ、国内では小売・飲料事業を軸に安定した収益を確保している。
出典:https://www.uni-president.com.tw/
Hey-Song Corporation (ヘイソン)
黑松股份有限公司(ヘイソン)は、台湾を代表する老舗の総合飲料メーカーである。日本統治時代の1925年に設立され、炭酸飲料、茶飲料、コーヒー、ジュースなど幅広い商品を扱う。台湾と中国大陸の双方に生産・運営拠点を持つ。証券コードは1234である。
代表商品は1950年発売の「黑松沙士」やスポーツ飲料「FIN」などで、長年にわたり国民的ブランドとして親しまれてきた。酒類分野では日本のCHOYA梅酒の輸入販売を手がけるなど、飲料と酒類の双方で事業を展開する。
近年は本業の飲料に加え、保有する不動産の開発・賃貸事業も収益の柱となっており、事業の多角化を進めている。健康志向やパッケージ革新に対応した新商品も投入している。
2025年時点でも、飲料事業と不動産事業を両輪に安定した収益を確保している。長い歴史で培ったブランド力と全国的な流通網を強みに、台湾の飲料市場で確固たる地位を維持している。
出典:https://www.heysong.com.tw/
AGV Products Corporation (アイノアジ)
愛之味股份有限公司(AGV)は、台湾中南部の嘉義県に本社を置く中堅の食品・飲料メーカーである。1971年の創業以来50年以上の歴史を持ち、缶詰食品や機能性飲料を中心に事業を展開してきた。証券コードは1217である。
主力商品は「分解茶」「黑豆水(黒豆水)」などの健康志向ドリンクで、缶詰・漬物などの加工食品も手がける。傘下の中央健康科学研究所に博士・修士級の人材と検査設備を備え、機能性食品の研究開発に力を入れている点が特徴である。
酒類・飲料分野では中国の燕京啤酒など海外大手との協業実績を持ち、近年は華潤グループ傘下の著名ブランドとの戦略提携も進めてきた。
2025年時点でも、健康系飲料と加工食品を軸に事業を継続している。原料相場や競争激化の影響を受けつつ、機能性ドリンクの開発力と地場での知名度を強みに、中堅メーカーとしての存在感を保っている。
出典:https://www.agv.com.tw/
King Car / Kavalan Distillery (カバラン)
金車噶瑪蘭威士忌酒廠(King Car/Kavalan)は、飲料大手・金車企業(King Car Group)が2005年に宜蘭県員山郷に設立した台湾初のウイスキー蒸留所である。2008年に台湾初のシングルモルトウイスキーを発売し、亜熱帯の気候を活かした短期熟成で世界的な評価を獲得した。
金車グループは1979年創業で、「伯朗咖啡(Mr. Brown Coffee)」などの飲料事業を母体とする。ウイスキー事業では「柏克金(Buckskin)」ビールも手がけ、酒類分野を拡大している。
Kavalanは、2015年のWorld Whiskies Awardsで「Solist Vinho Barrique」が世界最高のシングルモルトに選ばれるなど、国際コンペティションで数多くの賞を受けてきた。創業者の李添財らはウイスキー殿堂入りも果たしている。
2025年時点でも、Kavalanは台湾を代表するプレミアムウイスキーとして国内外で高い需要を持つ。宜蘭の観光酒廠には多くの来場者を集め、輸出とインバウンドの双方で成長を続けている。
出典:https://www.kavalanwhisky.com/
台湾の主要酒類企業3選〜日系編〜
Suntory Taiwan (サントリー)
台灣三得利股份有限公司(Suntory/サントリー)は、日本の大手酒類・飲料メーカーであるサントリーの台湾法人である。1994年に台湾でウイスキーの輸入を開始し、2003年に支店を設立した。ウイスキー、ワイン、リキュールなどの酒類販売を主力とする。
台湾では、ジャパニーズウイスキーの「山崎」「白州」「響」や「角瓶」などのブランドを展開し、ハイボール文化の浸透とともに存在感を高めている。清涼飲料水やサプリメントなど健康関連商品でも一定の地位を築いている。
親会社のサントリーホールディングスは1899年に大阪で創業し、酒類・飲料・健康食品・外食など多角的な事業を展開する世界的な企業グループである。
2025年時点でも、台湾三得利はプレミアムウイスキーを中心とした酒類の輸入販売を軸に事業を継続している。ジャパニーズウイスキー人気の高まりを追い風に、台湾市場での販売基盤を拡大している。
出典:https://suntory.com.tw/suntory/
Asahi Beer Taiwan (アサヒビール)
臺灣朝日啤酒股份有限公司(Asahi/アサヒビール)は、日本の大手ビールメーカーであるアサヒビールの台湾法人である。台湾法人は2017年8月に設立され、輸入酒類の販売を手がける。
台湾では、日本の「アサヒスーパードライ」を中核に、イタリアの「PERONI」、チェコの「PILSNER URQUELL」「KOZEL」、カルピスサワーやフルーツサワーなどを輸入販売している。プレミアムビールから低アルコール飲料まで幅広い商品構成を持つ。
親会社のアサヒグループホールディングスは、2020年に豪AB InBev事業を買収してAsahi International Limitedを設立するなど、海外事業の拡大を積極的に進めてきた。
2025年時点でも、台湾朝日啤酒はスーパードライを中心とした輸入ビール・RTD(缶入り調製酒)の販売を軸に事業を継続している。日本ブランドへの信頼を背景に、台湾のプレミアムビール市場で存在感を高めている。
出典:https://www.asahibeer.tw/
Taiwan Kirin (キリンビール)
台灣麒麟啤酒股份有限公司(Taiwan Kirin/キリンビール)は、日本のビール大手キリンの台湾法人である。前身の台灣麒麟工程が1988年に設立され、1997年に現在の社名へ改称した。1995年から日本産の「一番搾(一番搾り)」ビールの輸入販売を開始している。
日本からの輸入ビールに加え、2002年には台湾向けオリジナルブランド「Bar啤酒」を開発するなど、現地市場に合わせた商品展開を進めてきた。ビール以外でも、午後の紅茶や生茶などの飲料、「冰結(氷結)」ブランドのRTD(缶入りチューハイ)を手がける。
近年は「GRAND KIRIN」などのクラフトビールや、2024年に投入した「富士山麓」ウイスキー事業へと領域を広げている。健康志向や共有価値創造(CSV)を軸とした経営転換も進める。
2025年時点でも、台湾麒麟は一番搾を中核とする輸入ビールとRTDの販売を軸に事業を継続している。日本ブランドへの高い信頼を背景に、台湾のプレミアムビール市場で存在感を保っている。
出典:https://www.kirin.com.tw/
台湾の主要酒類企業4選〜外資編〜
Direct Wines Taiwan (ダイレクトワイン)
香港商樂事會酒業有限公司台灣分公司(Direct Wines/ダイレクトワイン)は、英国に本社を置く世界最大級のワイン通販会社Direct Wines Limited(DW)の台湾拠点である。DWは1969年に設立され、台湾の現地法人(分公司)は2014年に台北市内湖区に置かれた。
DWグループは、英国、米国、スイス、ドイツ、オーストラリア、香港などで100万人を超える顧客を抱え、年間6000万本(約500万ケース)以上のワインを供給している。フランスや南オーストラリアに自社ブドウ園とワイナリーを持つ点も特徴である。
台湾では会員制の通信販売を軸に、世界各地のワインを直接消費者へ届けるビジネスモデルを展開している。試飲や定期購入といった仕組みで顧客基盤を築いてきた。
2025年時点でも、台湾のワイン通販市場で事業を継続している。ECの拡大と家庭内消費の定着を背景に、産地直送型のワイン販売という差別化戦略を強みに事業を続けている。
出典:http://www.directwines.com.tw/
Heineken Taiwan (ハイネケン)
荷蘭商海尼根股份有限公司台灣分公司(Heineken/ハイネケン)は、オランダのビール大手ハイネケンの台湾拠点である。ハイネケンやアムステルを主軸に、欧州・アジアを中心とした強力な販売網を持ち、世界有数のビール製造企業として知られる。
親会社は140年以上の歴史を持ち、毎日2500万本以上のハイネケン瓶ビールを生産して世界約192カ国に供給している。世界全体でおよそ8万5000人が従事する。台湾の現地法人は台北市信義区に置かれ、従業員数は約170人である。
水資源の保護、CO2排出削減、持続可能な原料調達など環境への取り組みを重視しており、再生可能エネルギーへの転換を進めている。台湾市場では輸入プレミアムビールとして高い認知度を持つ。
2025年時点でも、台湾のプレミアム・輸入ビール市場でハイネケンブランドの販売を軸に事業を継続している。世界的なブランド力とサステナビリティ戦略を強みに、台湾での存在感を保っている。
出典:https://www.heineken.com/tw/zh/home
Diageo Taiwan (ディアジオ)
帝亞吉歐有限公司台灣分公司(Diageo Taiwan/ディアジオ)は、英国に本社を置く世界最大の蒸留酒メーカー、ディアジオの台湾拠点である。ジョニーウォーカー(約翰走路)、シングルトン(蘇格登)、タリスカーやモートラックなど、多数のスコッチウイスキーブランドを台湾で展開している。
台湾は世界有数のシングルモルト消費市場であり、ディアジオはその中で最大級のシェアを持つ外資系烈酒(蒸留酒)グループの一つである。とりわけ「蘇格登(The Singleton)」は台湾で圧倒的な人気を誇るブランドとして知られる。
親会社ディアジオは、スコッチのほかウォッカ、ラム、テキーラ、ビール(ギネス)など幅広い酒類ポートフォリオを世界180カ国以上で展開する。
2025年時点でも、台湾分公司はスコッチウイスキーを中核に、プレミアム・スピリッツの輸入販売を軸に事業を展開している。台湾のウイスキー人気と贈答・飲食需要を背景に、市場を牽引する存在であり続けている。
出典:https://www.diageotwcsr.com/
Pernod Ricard Taiwan (ペルノリカール)
台灣保樂力加股份有限公司(Pernod Ricard Taiwan/ペルノ・リカール)は、フランスに本社を置く世界第2位の蒸留酒・ワインメーカー、ペルノ・リカールの台湾法人である。台北市に拠点を置き、ウイスキーを中心とした酒類の輸入販売を手がける。
主力ブランドには、ブレンデッドスコッチの「起瓦士(シーバスリーガル)」や「皇家禮炮(ロイヤルサルート)」、シングルモルトの「格蘭利威(ザ・グレンリベット)」「亞伯樂(アベラワー)」などがある。台湾のプレミアムウイスキー市場でディアジオと並ぶ主要プレイヤーである。
親会社ペルノ・リカールは、コニャックの「馬爹利(マーテル)」、ウォッカの「絕對伏特加(アブソルート)」など多彩な酒類ブランドを世界規模で展開している。
2025年時点でも、台湾保樂力加はスコッチウイスキーを中核とする烈酒の輸入販売を軸に事業を展開している。旺盛なウイスキー需要と贈答文化を背景に、台湾市場で確固たる地位を保っている。
出典:https://www.pernod-ricard.com/
FAQ
台湾の酒類業界の主要企業にはどのような種類がありますか?
台湾の酒類業界には、ローカル企業、日系企業、外資系企業の主要なメーカーが存在します。これらはそれぞれ特色ある商品と事業展開を行っており、国内外に向けて酒類を製造・販売しています。
金門酒廠の特徴と代表商品について教えてください。
金門酒廠は台湾を代表する高粱酒メーカーで、中国大陸市場やグローバル展開も積極的に行っています。高品質の純天然醸造酒が特徴で、台灣高粱酒のブランド名で広く知られています。代表商品には純正の高粱酒があります。
臺灣菸酒股份有限公司の主要な商品とその展開について教えてください。
臺灣菸酒股份有限公司は、紅標米酒、台灣啤酒、長壽菸などの酒類のほか、加工食品も手掛けています。国内外の賞も受賞しており、多彩な商品ラインナップで展開しています。
外資系企業の中で、ハイネケンの台湾での活動内容と持続可能性への取り組みは何ですか?
ハイネケンの台湾法人は、140年以上の歴史を持ち、毎日2500万本以上のビールを製造しています。持続可能な成長のため、水資源保護やCO2削減、再生可能エネルギーの活用などに積極的に取り組んでいます。
台湾の酒類業界のバリューチェーンや主要な流通の特徴は何ですか?
台湾の酒類業界のバリューチェーンは、地元のメーカーから国内外の市場へと広がっています。大手企業や多国籍企業が流通や販売を担い、多様な商品が国内外で流通しています。また、観光や輸出も業界の重要な要素となっています。

