インドネシアのメディア業界は、地場大手が放送・出版・デジタルを統合した複合メディア戦略を展開しています。スマートフォンの急普及を受け、主要企業はストリーミングサービスやSNS展開を加速させています。
今回は、そんなインドネシアの放送・全国紙・出版業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて11社の最新情報をお届けしていきます!
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インドネシアの主要放送・全国紙・出版企業11選〜ローカル編〜
PT Media Nusantara Citra Tbk(MNCグループ)
PT Media Nusantara Citra Tbk(IDX:MNCN)は、MNC Asia Holdingグループの中核メディア持株会社である。1989年設立で、インドネシア最大の民間放送局RCTIをはじめMNCtv・GTV・iNewsTVの4チャンネルを保有し、合算視聴率はFTA市場の約40%を占める。
2026年5月時点でOTT事業においてもRCTI+(AVODスーパーアプリ)とVision+(SVOD)を展開し、ComScoreが2025年1月にMNCグループのOTTプラットフォームをインドネシア国内ストリーミング1位と認定した。OTT部門の利益は前年比51%増を記録している。
okezone.com・sindonews.com・inews.idを含むニュースポータル群が月間数億PVを集め、テレビとデジタルを融合したコンテンツエコシステムを構築している。
2025年通期の売上高はUSD換算で約4,980億円相当であり、OTT収益とコンテンツライセンスによる構造転換が進んでいる。
出典:https://www.mncgroup.com/
PT Elang Mahkota Teknologi Tbk(Emtek)
PT Elang Mahkota Teknologi Tbk(IDX:EMTK)は、インドネシア第2位の放送メディアグループである。傘下のPT Surya Citra Media(SCMA)を通じてSCTV・Indosiarの2大FTA局を運営し、デジタル領域ではOTTプラットフォームVidioを展開している。
2025年通期の連結売上高は前年比56.3%増、純利益は361.8%増の68億ルピアと飛躍的な成長を記録した。傘下のPT Bukalapak.com(BUKA)が2025年に初の黒字転換を達成したことも、グループの信用力を高めた。
Emtek Connect 2026では「メディア乗数(Media Multiplier)」概念を提唱し、コンテンツ・クリエイター・メディア配信を一体化したコマース統合エコシステムの実現を目指す戦略を公表している。
EMTK株(IDX上場)の2026年2月時点の時価総額は、グループ全体の資本力と成長性を反映した水準を維持しており、インドネシアメディア業界の代表的な上場企業として位置づけられている。
出典:https://emtek.co.id/
Trans Media(CTコープ)
PT Trans Media Corporaは、CT Corp(オーナー:チェアルル・タンジュン)傘下の総合メディア持株会社である。地上波テレビのTrans TV(2001年開局)とTrans7を核に、CNN Indonesia・CNBC Indonesiaを加えた4チャンネル体制を展開している。
デジタル部門ではDetikcom(PT Trans Digital Media)がインドネシア最大のオンラインニュースポータルとして機能し、2021年Reutersの調査で国内最多利用ニュースソースに選出された。1日約1億8,000万PVを記録する。
CNBC Indonesiaは2026年2月、親会社の世界的再編(NBCUniversalからVersantへ)に連動してロゴを刷新した。Trans7は2026年までMotoGP放送権を延長するなどコンテンツ競争力を維持している。
Transvision(有料テレビ)やInsertLive(エンタメ情報)も含め、放送・デジタル・VODを横断する垂直統合モデルでインドネシアメディア市場の中枢的な役割を担い続けている。
出典:https://www.transmedia.co.id/
PT Visi Media Asia Tbk(VIVAグループ)
PT Visi Media Asia Tbk(IDX:VIVA)は、バクリエグループ傘下の統合メディア持株会社である。2004年設立で、地上波エンタメ局ANTV(1993年開局)と24時間ニュース専門局tvOne(2008年開局)を運営し、デジタルポータルVIVA Networks・VODサービスvlix.idなどを通じてマルチプラットフォーム展開を図っている。
2026年5月時点のANTVはインド・トルコ系ドラマを主軸にジャワ系中間層へリーチし、tvOneは政治・経済ニュース専門局として上位中産階級に訴求している。国政選挙や災害報道でのtvOneの影響力は高く評価されている。
2024年末にANTVで人員削減が実施されるなど構造改革が進んでいる。広告収入の圧迫に対し、VIVAはFTA・デジタル・OTTを一体運営するコンテンツコマーシャルメディアへの転換を模索しており、2026年以降の事業再構築の方向性が注目されている。
バクリエ家とメディアグループの政治的結びつきは、グループの資金調達と規制対応において引き続き重要な要素となっている。
出典:http://www.vivagroup.co.id/
Metro TV(メディアグループ)
Metro TVは、インドネシア初の24時間ニュース専門局として2000年11月25日に開局した。Media Group(オーナー:スリヤ・パロー)が運営し、西ジャカルタを拠点に全国53か所以上の送信所網を構えている。報道・時事・教育・文化コンテンツを軸に、上位中産階級・知識層をターゲットとした高品質ジャーナリズムで地位を確立している。
2025年11月25日に開局25周年を迎え、会長は「Metro TVがこの国のポジティブエネルギーであり続けてほしい」と述べた。2023年頃からの視聴率低迷を受け、2025年3月には新プライムタイム番組「Meet Nite Live」を投入して巻き返しを図っている。
スリヤ・パロー会長は与党国民民主党(Nasdem)の創設者でもあり、ニュースポータルMedia Indonesiaとの相乗効果を活かした政治・経済報道に定評がある。
2026年以降はグループ経営の一部を息子のプラナンダ・スリヤ・パロー氏へ移行する動きが報じられており、次世代経営体制への移行が着実に進んでいる。
出典:https://www.metrotvnews.com/
PT Kompas Gramedia(コンパスグラメディア)
PT Kompas Gramediaは、1963年創刊の全国紙「Kompas」を核に、メディア・出版・小売・ホスピタリティ・教育・デジタルの8大事業部門を擁するインドネシア最大級の複合メディア企業である。グループ全体で400超の事業体を運営している。
2026年5月時点、Kompas.comは月間約1億8,600万PVを集めインドネシア国内ランキング3位を維持している。Tribun Networkと合わせてSPS Awards 2025では計16の賞を受賞し、報道品質の高さを再確認した。2025年には「AI Media Intelligence for SDGs」を導入し、持続可能性レポーティングを強化した。
印刷媒体では日刊紙の発行部数が縮小傾向にあるものの、Grid Network傘下のNova・Bobo・National Geographic Indonesiaなどのブランドはデジタル版でも高い支持を得ている。
Kompas TVは教育・ニュース専門チャンネルとして全国放送を継続し、書籍小売Gramedia Books(約120店舗)がグループブランドの価値向上に貢献している。
出典:https://www.kompasgramedia.com/
PT Tempo Inti Media Tbk(テンポメディア)
PT Tempo Inti Media Tbk(IDX:TMPO)は、インドネシアを代表する独立系メディア企業で、1971年創刊の調査報道週刊誌「Tempo」を旗艦媒体として擁する。週刊Tempo・Koran Tempo・Tempo English・Majalah Aha!・オンラインポータルtempo.coを展開している。
2025年通期の純利益は前年比17.7%増の25.7億ルピアと改善した一方、売上高は17%減の2,109億ルピアとなった。売上減少の主因は2024年総選挙の選挙用紙印刷という一時的収入の消滅であり、通常事業の収益構造は安定している。
Tempoは編集独立性への厳格な姿勢で知られており、政府・財界への批判的報道を続けてきた歴史が国内外で高い評価を受けている。デジタル版のtempo.coはサブスクリプション型コンテンツへの移行を進めている。
2026年5月12日に開催された年次株主総会では2025年度財務諸表を承認。インドネシアのメディア産業における独立系ジャーナリズムの旗手として、印刷とデジタルの二本立て戦略で事業継続性を維持している。
出典:https://www.tempo.co/
Jawa Pos Group(ジャワポスグループ)
Jawa Pos Groupは、スラバヤを本拠地とするインドネシア最大規模の地方紙・メディアコングロマリットである。1949年創刊のJawa Pos紙を起点に、1987年にJawa Pos News Network(JPNN)を設立し、現在では全国170超の地方紙・タブロイド・雑誌と40か所の印刷拠点を擁する。
2026年5月時点、グループは印刷媒体を基盤としながらもデジタルへの移行を着実に進めている。旗艦デジタルメディアのJawaPos.comは2014年に開設され、2016年以降はテキスト・写真・動画のマルチメディア形式での情報発信を本格化した。
JPNNは地方政治・社会ニュースの配信ネットワークとして機能し、全国各地の読者へのリーチを維持している。テレビ事業にも参入しており、複数の地方局を傘下に持つほか、イベント・デジタル広告への多角化も進行中である。
グループの2026年時点の年間売上高は推定3,200万ドル相当と伝えられており、170超の地域ブランドを統合したネットワーク力はインドネシアの出版・報道産業において独自の競争優位を形成している。
出典:https://www.jawapos.com/
Kapanlagi Youniverse(KLY)
Kapanlagi Youniverse(KLY)は、インドネシア最大規模のデジタルライフスタイル・エンタメメディアグループの一つである。2003年創業のKapanlagi.comを起点に、2018年3月にKapanLagi NetworkとLiputan6が合併して誕生した。現在はPT Surya Citra Media(Emtek傘下)が所有する。
2026年5月時点、Liputan6.com・KapanLagi.com・Bola.com・Merdeka.comなど複数の人気ポータルを運営し、月間利用者数は全国で1億人超に達する。ライフスタイル・芸能・スポーツ・時事情報を幅広く提供している。
2025年のKLBB BRIフェスティバルではブランドエンゲージメントを強化した。IdeaFest 2025ではCCOがメディア多様化戦略を発表し、デジタルコンテンツの革新を推進している。
2026年推定年間売上高は1,600万ドル相当で、EMTKグループのデジタルエコシステムを担う戦略的メディアプレイヤーとして位置づけられている。
出典:https://www.kly.id/
Vidio(PT Vidio Dot Com)
Vidio(PT Vidio Dot Com)は、PT Surya Citra Media(Emtek傘下)が運営するインドネシア最大の国産OTTプラットフォームである。ライブ放送・VOD・スポーツ・オリジナルコンテンツを組み合わせた総合エンタメサービスとして月間アクティブユーザー数で国内首位を維持している。
2026年5月時点で110本以上のリニアチャンネルと3万5,000時間超のVODを提供する。2025年5月には縦型ショートドラマ「Vidio Mini Drama」を立ち上げ、同年8月に新タグライン「Lebih Dari Hiburan」を発表してコンテンツ×コマース統合戦略への転換を明確化した。
2021年に米アフィニティから1億5,000万ドルの出資を受け、評価額は約9億ドルに達した。インドネシア証券取引所(BEI)への上場が2026年に向けて準備中である。
EMTKグループの中核デジタルメディアとして、コンテンツ・クリエイター・広告・コマースを一体化したエコシステムの旗手的存在となっている。
出典:https://www.vidio.com/
Detikcom(PT Trans Digital Media)
Detikcom(PT Trans Digital Media)は、インドネシア最大かつ最古参のオンラインニュースポータルの一つで、CT Corp傘下のTrans Mediaが運営する。1998年設立で2011年にTransMediaが買収し、政治・経済・スポーツ・芸能など専門化した20以上のサブポータルで構成するDetik Networkを展開している。
2026年5月時点、1日あたり約1億8,000万PVを記録し、Reutersの調査でインドネシア国内最多利用ニュースソースの地位を維持している。世界ウェブサイトランキングでも上位250以内に位置する規模を誇る。
2026年2月にはモバイルアプリの大規模アップデートを実施した。Trans Mediaの傘下でTransTV・Trans7・CNN Indonesia・CNBC Indonesiaとクロスメディア連携を行い、動画コンテンツの拡充にも力を入れている。
インドネシアのデジタル広告市場の成長とともに収益基盤を強化しており、個人データ保護法(2025年1月完全施行)への対応を含む法令遵守体制の整備も進めている。
出典:https://www.detik.com/
FAQ
インドネシアの主要テレビ局・新聞・出版企業はどのような企業があるのですか?
インドネシアの主要なテレビ局や新聞、出版社には、PT Media Nusantara Citra、PT Visi Media Asia、PT Surya Citra Media、Metro TV、TVRI、PT MNC Sky Vision、PT Mahaka Radio Integra、Kompas Gramedia Group、Jawa Pos Group、PT Tempo Inti Media、PT Mugi Rekso Abadi、PT Mahaka Mediaがあります。
PT Media Nusantara Citraの事業内容と歴史について教えてください。
PT Media Nusantara Citraは1989年に設立されたインドネシアのメディア企業で、2001年に複数のテレビ局を統合しました。東京都のメディアグループであり、主要なテレビ局の運営や放送事業を行っています。2014年には新たな全国テレビ局も立ち上げ、2020年の売上高は約7兆9,562億ルピアでした。
PT Visi Media Asiaの主な放送チャンネルとその特徴は何ですか?
PT Visi Media Asiaは、ANTVとtvOneという2つの主なチャンネルを運営しています。ANTVは広範な視聴者層に向けたドラマやエンターテインメントを提供し、tvOneはニュースや時事問題、スポーツなどを24時間放送し、社会経済的に中上層を対象としています。
PT Surya Citra Mediaの設立とその事業範囲について説明してください。
PT Surya Citra Mediaは1999年に設立され、2002年に証券取引所に上場しました。テレビ局の運営と合併・買収を重ね、無料全国テレビ局SCTVとIndosiarを中心に、衛星放送も行っています。2020年の売上高は約5兆1,011億ルピアです。
インドネシアのテレビ放送の歴史を簡潔に述べてください。
インドネシアのテレビ放送は1962年にTVRIとして始まり、全国をカバーする最初のテレビ局でした。それ以降、民間放送局も登場し、これまでに多くのテレビ局が設立され、インドネシアのメディア景観が拡大しています。

