今回は、インドネシアの主要携帯キャリアに焦点を当て、ローカル12社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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目次
- インドネシアの主要携帯キャリア12選〜ローカル企業編〜
- PT Telekomunikasi Selular(テレコムニカシ・セルラー)
- PT XL Axiata Tbk(XLアクシアタ)
- PT Hutchison 3 Indonesia(ハチソン3インドネシア)
- PT Indosat Tbk(インドサット)
- PT Smartfren Telecom Tbk(スマートフェン・テレコム)
- PT Sarana Menara Nusantara Tbk(サラナ・ムナラ・ヌサンタラ)
- PT Dayamitra Telekomunikasi Tbk(ダヤミトラ・テレコムニカシ)
- PT Tower Bersama Infrastructure Tbk(タワー・ブルサマ・インフラストラクチュール)
- PT Inti Bangun Sejahtera Tbk(インティ・バングン・スジャトラ)
- PT Centratama Telekomunikasi Indonesia Tbk(セントラタマ・テレコムニカシ・インドネシア)
- PT Gihon Telekomunikasi Indonesia Tbk(ギホン・テレコムニカシ・インドネシア)
- PT Visi Telekomunikasi Infrastruktur Tbk(ビシ・テレコムニカシ・インフタストラクチュール)
インドネシアの主要携帯キャリア12選〜ローカル企業編〜
PT Telekomunikasi Selular(テレコムニカシ・セルラー)
1995年に設立されたインドネシアの携帯電話事業者。インドネシアの国有電話会社PT Telekomunikasi Indonesia Tbk (Telkom)とPT Indosat Tbk (Indosat).によって設立された。
2001年シンガポールのSingapore Telecom Mobile Pte Ltdが資本参加。現在、Telkomが65%、Sintel Mobileが35%の比率で株式を保有している。2020年末現在のユーザー数は約1億7千万人で圧倒的No.1シェアの携帯電話キャリアである。うちデータユーザー数は1億2千万人。インドネシア全国に展開するBTS(基地局)」数は約23万局。
Telkomselの顧客の中で後払いをする顧客は「kartuHalo」を利用している。一方、顧客の約96%を占めるプリペイドの顧客は、中産階級を狙ったsimPATI、ベストバリューを求めるKartu As、若者向けのLOOP、デジタルユーザー向けのby.Uの4つの特徴的なブランドを利用している。2020年の売上高は87兆1,030億ルピアで業界No.1。うちデジタル事業の売上高は72%を占める。
出典:https://www.telkomsel.com/
https://www.telkomsel.com/about-us/investor-relations
PT XL Axiata Tbk(XLアクシアタ)
1989年に設立されたインドネシアの携帯電話事業者。設立当初の社名はPT Grahametropolitan Lestariであった。1996年にGSM 900の運用ライセンスを取得し、セルラー・モバイル電話事業を開始。
2005年にインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「EXCL」である。筆頭株主はAxiata Investments (Indonesia) Sdn. Bhd.(マレーシア系通信会社アクシアタグループ)で61.16%を保有している。
2020年末のXL Axiataのユーザー数は58百万人。その内スマートフォンを使用するユーザーの比率は89%まで上がっている。ユーザーニーズに対応するため、4G-LTEサービスはインドネシアのほぼすべての州の458都市で利用可能で、全国に設置されているBTS(基地局) 144千局の内、54千局を超えるBTSが4Gに利用できる。さらに、4.9Gテクノロジーを実装することでより高速で安定した接続を提供することに取り組んでいる。2020年の売上高は、26兆180億ルピアであった。
出典:https://www.xlaxiata.co.id/en
https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202104/b597b7320f_9e26daa2d3.pdf
PT Hutchison 3 Indonesia(ハチソン3インドネシア)
2007年に設立されたインドネシアの携帯電話事業者。「3」はインドネシア全土の335の県で運営されており、4,000を超える準地区と37,000以上の村をカバーするインドネシアを代表するモバイル通信サービスプロバイダーの1つ。
とりわけ若いインドネシア人をターゲットにしており、顧客の95%は、スマートフォンに精通したユーザーである。現在、「3」と「Indosat Ooredoo」は統合され、「3」ブランドを維持しながらIndosat Ooredoo Hutchisonとなった。
4.5G LTEテクノロジーによってサポートされている新しい「3」ネットワークは、スマトラ、ジャワ、カリマンタン、バリ、ロンボク、スラウェシを含むインドネシア全体に広がっており、特に東インドネシアのより多くの地区で4.5GLTEカバレッジが拡大し続けている。また、最新の5GNewRadio技術と互換性のある機器と技術を使用し、ネットワークの安定性を向上させるために大規模な光ネットワークの構築を行っている。
出典:https://tri.co.id/
https://www.linkedin.com/company/pt-hutchison-3-indonesia/about/
PT Indosat Tbk(インドサット)
1967年に設立されたインドネシアの通信会社。1980年に国有化され、2002年に政府が株式を売却するまで国有会社であった。1994年にインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「ISAT」である。現在の筆頭株主はOoredoo Asia Pte. Ltdで65.64%を保有している。
1995年にはPT Telekomunikasi Indonesia Tbkと合弁でPT Telekomunikasi Selularを設立し、携帯電話事業を始める。2001年にPT Indosat Multi Media Mobile(「IM3」)を設立することにより、Indosatとしてインドネシアの携帯電話市場に参入。
2015年に「Indosat Ooredoo」としてブランド名を変更し、インドネシアで最初の商用4G-LTEサービスを開始した。2018年には全国的に4GLTE対応を行い、2019年にはIndosat Ooredooのインドネシア全土での4G人口カバレッジは±90%に拡大した。2020年末のユーザー数は約6千万人でTelkomselに次いでインドネシアでNo.2 。2020年の売上高は27兆9,257億ルピアであった。
出典:https://ioh.co.id/
https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202103/65f673c067_34da12a55a.pdf
PT Smartfren Telecom Tbk(スマートフェン・テレコム)
2002年に設立されたインドネシアの携帯電話事業者。設立当初の社名はPT Mobile-8 Telecomであった。
2003年に携帯電話事業者のKomselindoとMetroselを買収し、「FREN」というブランド名でCDMA2000-1Xネットワークベースのプリペイド製品を発売。2004年に携帯電話事業者のTeleseraを買収。2006年にインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「FREN」である。筆頭株主はPT Global Nusa Data で25.9%を保有している。また、この年に3Gサービスを開始した。
2011年にPT Smart Telecom(Smartel)を買収し、社名をPT Mobile-8 Telecom TbkからPT Smartfren Telecom Tbkに変更した。2015年にインドネシアで最初の商用4G LTE Advancedサービスを開始。2016年にはVoice over LTE(VoLTE)サービスをインドネシアで初めて商用で提供。2020年のユーザー数は28百万人。2020年の売上高は9兆4,100億ルピアであった。
出典:https://www.smartfren.com/id/overview/
https://www.smartfren.com/assets/corporate/img/annual/pdf/ar20-2020.pdf
PT Sarana Menara Nusantara Tbk(サラナ・ムナラ・ヌサンタラ)
2008年に中部ジャワ州のクスドゥに設立された通信タワー事業者。同年、2003年に設立されたPT Profesional Telekomunikasi Indonesia (Protelindo)を買収。99.99%子会社のProtelindo が通信タワーのリース事業を運営している。
Protelindoはインドネシア最大の通信タワー事業者である。2021年9月30日現在、Protelindoは主にスマトラ、ジャワ、バリ、カリマンタン、スラウェシ、マルク、パプアに40,456を超えるテナントを持ち、約21,639の通信タワーを運営している。また、Protelindoの主要顧客はPT Telekomunikasi Selular(Telkomsel)、PT XL Axiata Tbk(XL Axiata)、PT Indosat Tbk(Indosat)、PT Hutchison 3 Indonesia(H3I)などのインドネシアの主要な通信事業者である。
2010年にインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「TOWR」である。筆頭株主はPT SAPTA ADHIKARI INVESTAMAで54.424%を保有している。2020年の売上高は7兆4,454億ルピアであった。
出典:https://www.ptsmn.co.id/
https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202105/7cd6fe475b_f429087578.pdf
https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202112/2f14ec562c_0b1a2c5fc9.pdf
PT Dayamitra Telekomunikasi Tbk(ダヤミトラ・テレコムニカシ)
1995年に設立された通信タワー事業者。2008年にPT Dayamitra Telekomunikasiは通信タワー事業を行うことについて親会社である国有電話会社PT Telkom Indonesia (Persero) Tbkの承認を得た。
2008年にTelkomとPT XL Axiata Tbkと通信タワーのリース契約を締結。2009年にはPT Natrindo Telephone Seluler (NTS)とPT Hutchinson CP Telecommunication(HCPT)と通信タワーのリース契約を締結。2017年には所有する通信タワーが1,000基を超え、インドネシアで3番目の事業者となる。2019年には通信タワーを1,017基保有するPT Persada Sokka Tamaを買収。そして、PT Indosat Tbkから通信タワー2,100基を購入し、インドネシアで2番目の事業者となった。
2020年の売上高は6兆1,870億ルピアであった。2021年にインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「MTEL」である。筆頭株主はPT Telkom Indonesia (Persero) Tbkで71.869%を保有している。
出典:https://www.mitratel.co.id/
https://mitratel-network.tandigital.id/wp-content/uploads/2021/09/Mitratel-Annual-Report-2020.pdf
PT Tower Bersama Infrastructure Tbk(タワー・ブルサマ・インフラストラクチュール)
2004年に設立された通信タワー事業者。同年、PT Telenet Intermusaを買収。PT Telekomunikasi Indonesia Tbk(Telkom)およびPT Telekomunikasi Selular(Telkomsel)との契約を締結。2006年には当時のPTMobile-8Telecom Tbk(現在のPT Smartfren Telecom Tbk)から通信タワーを買収。当時のPT Bakrie Telecom TbkおよびPT Mobile-8 Telecom(現在のPT Smartfren Telecom)との契約を締結。
2007年にはPT Bali Telekomを買収。当時のPT Natrindo Telepon Seluler (現在のPT Axis Telekom Indonesia), PT Hutchison CP Telecommunication (現在のPT Hutchison 3 Indonesia) and PT XL Axiata Tbkらとの契約を締結。2009年にはPT Indosat Tbkとの契約を締結。
2010年にインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「TBIG」である。筆頭株主はPT WAHANA ANUGERAH SEJAHTERAで34.23%を保有している。2020年の売上高は5兆3,277億ルピアであった。
出典:http://www.tower-bersama.com/
https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202105/a60367cf6a_44995e725b.pdf
https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202105/ad2ad7edb6_21d7d4be3c.pdf
PT Inti Bangun Sejahtera Tbk(インティ・バングン・スジャトラ)
2006年に設立されたインドネシアの通信タワー事業者。設立当初はビル内システムソリューションプロバイダーであった。2009年に114タワーを買収してタワー事業への進出を開始。2011年には通信タワーは17倍の1,989サイトに拡大。
2012年にインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「IBST」である。筆頭株主はPT Bakti Taruna Sejatiで61.88%を所有している。同年、IBSTはビル内システムに関連するすべての資産を売却し、事業の焦点を通信タワーとネットワークインフラストラクチャーに集中した。
2015年に453の新しいタワーを建設し、4GLTEプロジェクト実施をサポートするために4,278kmに達する全国的な光ファイバーネットワークインフラストラクチャの開発を完了。2017年にはPT Sampoerna Telekomunikasi Indonesiaから371のタワーを購入。2020年末の通信タワー保有数は5,768基である。2020年の売上高は1兆1,223億ルピアであった。
出典: https://www.ibstower.com/
https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202106/a5b4e6af47_0a79f7c25d.pdf
PT Centratama Telekomunikasi Indonesia Tbk(セントラタマ・テレコムニカシ・インドネシア)
1987年に設立されたインドネシアの通信タワー事業者。設立当社の社名はPT Centrindo Utamaで、コンピュータ機器の販売を行っていた。1996年にはインターネットサービスプロバイダーの分野での事業を開始した。
2001年にインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「CENT」である。現在の筆頭株主はEP ID Holdings PTE.Ltdで76.799%を保有している。上場時に社名をPT Centrin Online Tbkに変更した。2008年にはインターネット電話サービスを行うPT Khasanah Timur Indonesiaの株式の51%を取得。2013年に現在のPT Centratama Telekomunikasi Indonesia Tbkに社名変更した。
2014年にインターネットアクセスサービス分野の事業セグメントを第三者であるPT Ultima Globalindoに譲渡し、通信インフラ事業にシフトした。2020年の売上高は1兆960億ルピアであった。通信タワーリースが66%、ビル内DASが30%を占めている。
出典: https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202105/d0881f8460_3d3310b408.pdf
https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202106/d3bff4dfb6_ed60ac562b.pdf
PT Gihon Telekomunikasi Indonesia Tbk(ギホン・テレコムニカシ・インドネシア)
2001年に設立された通信タワー事業者。創業当初は通信タワー事業者のサブコンとして事業活動を行っていた。しかし、2003年に東ジャワ、中部ジャワ、西ジャワ、バンテン、さらにはスラウェシでPT Indosat Tbkの通信塔開発請負業者となって以降、直接携帯電話通信事業者に通信タワーを提供するようになった。
2005年にはPT XL Axiata Tbkの通信塔開発請負業者となった。2007年にはXL Axiataの B2S 戦略的パートナーにもなった。2018年にインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「GHON」である。筆頭株主はPT Tower Bersama Infrastructure Tbk(TBIG)で50.425%を保有している。
2020年末現在の保有通信タワー数は713基で前年より50基増加している。2020年の売上高は1,430億ルピアであった。内訳はXL Axiataが42%、 Indosatが20%、Telekomselが17%、T Hutchison 3が14%とSmartfrenが7%であった。
出典: https://www.gihon-indonesia.com/
https://www.gihon-indonesia.com/investors/
PT Visi Telekomunikasi Infrastruktur Tbk(ビシ・テレコムニカシ・インフタストラクチュール)
1995年に設立された通信タワー事業者。設立当初はPT Bima Nuansa Cempakaという名称で商業不動産管理および様々なテナントのための商業不動産賃貸業を行っていた。2002年にPT Golden Retailindoに社名変更された。
2010年にインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「GOLD」である。現在の筆頭株主はPT TOWER BERSAMA INFRASTRUCTURE TBKで51.09%を保有している。2016年に主な事業活動を通信タワー事業者に変更した。
現在、GOLDは子会社のPT Permata Karya Perdana(PKP)を通じて、通信タワーを携帯電話事業者のHutchison 3 Indonesia、XL Axiata、Telkomsel、Smartfen、Indosatにリースしている。また、PKPは、通信需要の高い人口密集地域を中心にアルファグループとコラボでアルファグループの店舗(アルファマート、アルファミディ、ローソンなど)を利用して通信タワーを設置している。2020年の売上高は398億ルピアであった。
出典: http://www.ptvti.co.id/
https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202105/c333249b1b_b0344174ca.pdf
https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202105/8c083c72ca_da546303b6.pdf