今回は、インドネシアの主要広告代理店に焦点を当て、ローカル・日系合わせて12社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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インドネシアの主要広告代理店7選〜ローカル企業編〜
PT Fortune Indonesia Tbk (フォーチュン・インドネシア)
1970年に設立された広告代理店。設立時の名称はPT Fortune Indonesia Advertising Companyであった。
1978年には「ネスレ」のインスタント粉乳と「サンポルナ」のフィルター付きシガレットの画期的な広告で消費者の嗜好や購買行動を変えることに成功。1985年には全国家族計画委員会(BKKBN)の家族計画プログラムで「コンドーム25」の避妊推進広告で成功。2002年に広告代理店としてインドネシアで初めてインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「FORU」である。筆頭株主はKARYA CITRA PRIMAで89.25%を保有している。
FORUには3つの100%子会社がある。コミュニケーションソリューションサービスを行うPT FORTUNE Ramana Rangang、グラフィックデザインおよび展示サービスを行うPT Fortune Adwiciptaとマーケティングコミュニケーションサービスを行うPT Fortuna Network Indonesiaである。FORUの2020年の売上高は424億ルピアであった。
出典:https://foru.co.id/
https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202106/4f9c0958fc_72d70e73b7.pdf
Dwi Sapta Pratama(ドゥイ・サプタ・プルタマ)
1981年に設立されたインドネシアの広告代理店。設立時はPhoto Studioからスタート。1985年にスクリーン印刷を行うPT Intan Gading Kencana Persadaを設立。1989年にDwi Sapta Advertisingをスタートし、広告代理店の第一歩を踏み出す。
1995年に広告制作会社のNetracom Film Productionを設立。2004年には国際標準の編集施設とオーディオ&ビジュアル設備と専門家を備えたNeopost Productionを設立。Dwi Saptaグループは傘下にクリエーティブ、メディア、デジタル、PRなどを専門に扱う 9 つの会社と 400 名もの従業員を抱え、独立系では インドネシア最大のフルサービスを提供する総合広告会社である。
メディアサービスではグローバルエージェンシーが上位を占める中、4 位の規模を誇り、DaihatsuやKaoといった日系企業を含むインドネシアを代表する有力企業約150社に対して広告サービスを提供している。2017年に日本の電通が51%の株式を取得。
出典:http://www.dwisapta.com/https://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2017010-0125.pdf
PT Digital Mediatama Maxima Tbk(ディジタル・メディアタマ・マクシマ)
2015年に設立されたデジタル・マーケティング会社。2019年にインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「DMMX」である。筆頭株主はPT NFC Indonesia Tbkで27.65%を保有している。
DMMXのサービスは6つ。①管理サービス:広告用ハードウェア、オペレーティングシステム、ハードウェアとインフラストラクチャの定期保守、広告コンテンツの管理に至るまでのエンドツーエンドのサービスを提供。②サービスとしてのインフラストラクチャ(IAAS):デジタルキオスクや看板などの広告インフラストラクチャ・リースビジネスシステム。③広告交換ハブ:顧客が広告主のニーズに応じて場所と時間に基づいて広告サービスを提供できるシステム。
④Trade Marketing:広告およびマーケティングプロモーション。⑤デジタルコンテンツとエンターテインメント。⑥ゲームハブ:消費者向けのタイアップゲームプラットフォーム。2020年の売上高は5,172億ルピアであった。
出典:https://www.dmmgroup.id/
https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202107/04a4c04f70_15a0469f0b.pdf
PT Arkadia Digital Media Tbk(アルカディア・ディジタル・メディア)
2012年に設立されたデジタルメディア会社。2018年にインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「DIGI」である。筆頭株主はIwa Sukresno Karuniaで23.03%を保有している。
主な事業分野はコンテンツプロバイダーサービスとWebポータル管理でSuara.comはDIGIの最初のデジタルメディアプラットフォームである。また、Arkadia Mobileを通じてインドネシアの主要な通信事業者と協力して、携帯電話加入者に魅力的なコンテンツを提供している。Arkadia Productionでは、最先端の設備と創造的でプロフェッショナルなチームによって数百本のビデオを毎月制作している。また、クライアント向けにビデオコンテンツを制作している。Arkadia Eventはクライアントのブランド認知度を高めるためのさまざまなイベントを作成実施する。
日系ではダイハツ、ヤマハなど、ローカルではindosat、Bank BRIなどが主なクライアント。2020年の売上高は351億ルピアであった。
出典:http://www.arkadiacorp.com/https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202106/fc4507e9f6_39c33b467a.pdf
PT Solusi Sinergi Digital Tbk(ソルシ・シネルギ・ディジタル)
2012年に設立されたデジタルメディア会社。設立時は「Lucaffe」ブランドのコーヒーを販売。
2019年にデジタル製品とサービスの開発を行うPT Kreasi Kode Digital(KKD)の買収を皮切りに、広告サービス事業を行っているPT Media Jalan Tol(MJT)とPT Integrasi Omudas Media(IOM)の2社を買収。Webポータルとデジタルプラットフォームを提供するPT Mitra Digital Ekosistem(MDE)とPT Solusi Pariwisata Digital(SPD)を買収。コンピュータ装置管理のコンサルティングサービスを行うPT Jalani Operasional Bersama(JOB)らを矢継ぎ早に買収して、デジタルメディア企業へと転換を図った。
2020年にインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「WIFI」である。筆頭株主はPT Investasi Sukses Bersamaが73.2%を保有している。同年、支払ゲートウェーのプロバイダーSolusi Pembayaran Gerai(SPG)を設立した。2020年の売上高は475億ルピアであった。
出典:https://surge.co.id/
https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202106/22387b61e7_40d95ed48c.pdf
PT Metra Digital Media(メトラ・ディジタル・メディア)
2013年に設立されたデジタル広告会社。親会社は国有電話会社PT Telekomunikasi Indonesia Tbkの持ち株会社のPT Multimedia Nusantara(TelkomMetra)である。PT Metra Digital Media(MDMedia)はさまざまなコミュニケーションプラットフォームを通じて、ブランドコミュニケーションに最高のアイデアと創造性を提供している。
主なサービスは3つ。①クリエイティブデジタルコミュニケーションサービス:デジタルコンテンツサービス、メディアの選択、印刷広告からセミナー、TVCからポッドキャストまで提供。②統合デジタルメディアサービス:DOOH、ADSQOO、Email Blast、Socmed Ad、SMS Targeted、WhatsApp Business APIなどのさまざまなデジタルメディアプレースメントを通じて、ビジネスブランドの認知度を高める。③デジタル印刷サービス:高品質で費用対効果の高いカスタム印刷製品を提供。
MDMediaの主な顧客は、観光業界、金融業界、e-コマースと小売業界である。
出典:https://mdmedia.co.id/
PT Paragon Pratama Technology(パラゴン・プラタマ・テクノロジー)
2017年にインドネシアのジャカルタで設立された広告代理店。ブランドは「StickEarn」。デジタルテクノロジーを活用して広告主を多様な広告プラットフォームに接続し、印象的で強力な広告を掲載できるようにする。
「StickEarn」の主要なサービスは3つ。①輸送用機器を媒体とした固定広告:StickMob(自動車)、StickMotor(2輪車)、StickBus(バス)、StickTrain(電車)、StickPlane(飛行機)、StickAngkot(乗り合いミニバス)など動く広告塔として活用。②屋外デジタル広告:Mobile LED(トラックに取り付けた液晶ディスプレー)、DigiTron(ビルの壁面に設置したデジタルビルボード)など。③インドアデジタル広告マーケットプレース:StickDigitalである。
「StickEarn」のビジョンは、10,000のインテリジェント資産ネットワークを構築すること。OOH(Out of home)メディア向けのプログラマティックテクノロジーを開発することと革新的なテクノロジーでOOHメディアを測定可能なものにすることである。
出典:https://stickearn.com/
インドネシアの主要広告代理店5選〜日系企業編〜
Dentsu(電通)
電通はインドネシアに3つの子会社を有する。
1つ目はインドネシアの広告業界のパイオニアであり、クリエイティブ・ビジネス・ソリューション・コンサルタントとして、ブランドのマーケットにおけるニーズを開拓するDentsu Mcgarrybowen(Dentsu MB)である。2つ目は消費者インサイトに精通し、インドネシア特有の多様性と急速に変化する多文化社会に則した統合コミュニケーションサービスを提供するDentsu One Jakartaである。3つ目は深いローカルインサイトとグローバルなネットワークにより、高水準な統合クリエイティブソリューションを提供するDentsu MainAdである。
また、2017年に2社ローカルの広告代理店を買収した。1社はDwi Saptaグループで51%の株式を取得。1981年設立され、業界4位の規模を誇り、約150社の顧客を持つ。もう1社はPT Valuklikで100%の株式を取得。2012年設立され、検索エンジンマーケティング、ソーシャルメディア、運用型広告を扱う。
出典: https://www.dentsu.co.jp/aboutus/summary/dentsubrandagencies.html
PT Hakuhodo Indonesia(博報堂インドネシア)
博報堂は2001年にPT Hakuhodo Indonesiaを設立して、多数のクライアント企業のマーティング活動を支援してきた。
経済成長著しいインドネシアに対して日系企業の進出が拡大し、2012年の国内総広告費の対前年増加率は19.6%という高い数字が見込まれる中、2拠点体制を確立して成長著しいインドネシアでのさらなる業務拡充とクライアント企業へのサービス強化を実現すべく、2012年に博報堂ロータス(PT Harkat Fitrah Mahir)の営業を開始した。社名のインドネシア語での意味は「品格のある高潔なエキスパート達」である。
このほか、インドネシアでの博報堂グループ会社には、PT Hardana Widya Mahir、PT Hita Wistara Mahir、PT Hadya Wirya Mahir、PMG Indonesia、PT Digital Marketing IndonesiaとPT Daniswara Amanah Ciptaがある。また、2015年から共同通信グループのNNAと「インドネシアにおけるメディア論調分析サービス」を共同で立ち上げ、企業向けに提供を開始している。
出典: https://www.hakuhodo.co.jp/news/newsrelease/6331/
PT DAIKO INDONESIA CONSULTING(大広インドネシア・コンサルティング)
広告代理店の「大広」は2014年、インドネシアに子会社のPT. DAIKO INDONESIA CONSULTING(大広インドネシア)を設立した。設立の趣旨は、現地法人設立によるサービスの拡充と、安定的な運営体制の確立により、日本からインドネシアに進出している日系クライアントに対し、日本同等のよりきめ細やかな広告事業の支援サービス提供すること。
2015年にはアセアンにおける日系企業のみならずローカル企業のマーケティングコミュニケーションの需要の高まりに対応するため、デジタルからメディア、アクティベーションまでグループ内でほぼ内製可能な体制を取るシンガポールの現地広告代理店AD PLANET グループとの間で合弁会社AD PLANET DAIKO PTE.LTD.を設立した。
2016年にはAD PLANET DAIKO PTE.LTD.とインドネシアのPT Haraya Nusan Taraとの間でで現地法人アドプラネット大広(インドネシア)を設立。インドネシア市場で事業拡大を図っている。
出典: https://www.daiko.co.jp/dwp/wp-content/uploads/2016/02/20160210_release.pdf
PT ADK Connect Emotions Indonesia(ADKコネクト・エモーションズ・インドネシア)
株式会社ADKホールディングスは2013年に「VISION 2020」を発表し、従来の広告ビジネスの枠を超えて、消費者の行動を喚起するソリューションにより、クライアントの課題を解決しビジネス成果に貢献する「コンシューマー・アクティベーション・カンパニー」への変革を目指している。
今回の新たなサービスブランド「ADK CONNECT」はこの「VISION 2020」のもと立ち上がったもので、日本のみならずアジア・中国地域においても、従来型広告に加え、クライアントの成果に直結するパフォーマンス領域でのマーケティング強化、ROI最適化に貢献していく体制を整備していく方針。
アジアでの「ADK CONNECT」推進の第1弾として、2020年1月、ベトナムで「ベトバズアド社」を買収。続いて、7月にはシンガポール子会社の社名を「Connect」を加えてADK Connect Singapore Pte. Ltd.に変更。そして、インドネシアにPT ADK Connect Emotions Indonesiaを新たに設立した。
出典: https://www.adk.jp/news/103324/
https://www.adk.jp/news/393/
PT MicroAd Indonesia(マイクロアド・インドネシア)
2011年にインドネシアに設立された日系の広告代理店。親元は株式会社マイクロアド(東京都渋谷区桜丘町20-1)で広告、デジタルメディア、モバイルゲーム、インターネット投資などの事業活動を行うインターネットコングロマリットグループであるCyberAgentの子会社。
PT MicroAd Indonesiaは、インドネシアにおいて、統合されたデジタルキャンペーンのほか、クリエイティブなWebとモバイルの開発、広告の実行、ソーシャルメディアの開発と管理、バイラルビデオマーケティングなどの他のサービスで多国籍クライアントにサービスを提供している。マイクロアドグループではASEANにインドネシア以外にシンガポールとベトナムに支店を展開している。
PT MicroAd Indonesiaが現在取り組んでいるプロジェクトは、久光製薬の「BYEBYEFEVER(赤ちゃんの熱さまし)」の広告宣伝、ダンロップのウェブサイトとソーシャルメディアでのクリエイティブコンテンツの制作など。
出典: https://microad.co.id/
https://www.microad.co.jp/about/