今回は、マレーシアの主要テレビ局・新聞メーカー・出版社に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて13社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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マレーシアの主要テレビ局・新聞メーカー・出版社11選〜ローカル企業編〜
Astro Malaysia Holdings Bhd(アストロ・マレーシア・ホールディングス)
1996年より、マレーシアでデジタルDTH(ダイレクト・トゥー・ホーム)衛星放送の有料テレビサービスとラジオ番組を開始する。現在、マレーシア証券取引所に上場。
マレーシアの大手コンテンツ・エンターテインメント企業として、テレビ、ラジオ、デジタル、コマースなどのプラットフォームを通じて、サービスを提供している。また、国内最大のコンテンツ制作会社として、年間9,000時間を超えるローカル及び現地語コンテンツを制作・委託していてる。
2021年度における同社の収益は43億6,000万リンギットで、6億9,300万リンギットの税引前利益を計上。また、同年度の世帯普及率は74%であった。
2022年3月、同社はTVコンテンツ・パッケージとバンドルしたアストロ・ファイバー・ブロードバンドを発表。最大800Mbpsのブロードバンドと共に、ネットフリックスなどのグローバル・ストリーミング・サービスを楽しむことができる。
2021年12月には、世界最大の独立系ビデオソフトウェアプロバイダであるシナメディアと、東南アジアで初のアドレサブルTV広告サービスを開始するためのパートナーシップを締結したことを発表している。
出典:https://corporate.astro.com.my/
Al Hijrah Media Corporation(アルヒジュラ・メディア)
2009年6月に、マレーシア初の無料イスラーム・テレビ局として放送開始、クアラルンプールを拠点としている。国有企業が所有運営する無料衛星テレビネットワークで、首相府イスラーム局の傘下にある。
放送コンテンツはイスラーム教徒と非イスラーム教徒の全年齢層に向けたものとなっているが、主には40歳未満のグループを対象としており、イスラームの知識、情報、考えを共有するためのプラットフォームとして重要な役割を果たしている。
同社は、国内初のデジタル・テクノロジー及び高解像度(HD)放送アプリケーションを実現する無料テレビ局として、最先端の放送テクノロジーを提供している。
また、同社の国内世帯カバー率は10の送信機を通じて75%となっており、全国的に急速に範囲を拡大している。また、衛星を介して国内全土で視聴すること、そしてインターネットを通じて海外で視聴することもできる。
出典:https://www.tvalhijrah.com/
MEASAT Satellite Systems Sdn Bhd(ミアサット・サテライト・システムズ)
同社は大手放送局やDTH(ダイレクト・トゥー・ホーム)プラットフォーム、通信事業者向けに通信・映像サービスを提供しており、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、オーストラリアの130ヵ国、世界人口の80%をカバーしている。
会社はマレーシア初の通信衛星システムのプロジェクト名を略してミアサットと名付けられている。元々は通信大手のマキシス・グループ傘下にあったが、2001年に独立している。
サイバージャヤのミアサット・テレポート・放送センターを拠点として、ミアサット-3a、ミアサット-3b、ミアサット-3d、そしてミアサット-5といった衛星を運用している。
2022年2月、同社は放送及びコネクテッドTV向けのクラウドベースSaaS技術のグローバルリーダーであるアマジ社(Amagi)と、ミアサット-3aを介してToonz Kidsを配信する契約を締結したことを発表している。
出典:http://www.measat.com/
Media Prima Bhd (メディア・プリマ)
2003年に設立され、テレビ放送や印刷、ラジオ局、屋外広告、コンテンツ制作、デジタルメディアなどのメディア関連事業を手掛けるマレーシアの大手総合メディア企業。マレーシア証券取引所に上場する。
テレビ放送ではTV3、8TV、ntv7、TV9の4つのチャンネルを持ち、ホームショッピング・ネットワークの「ワオショップ」、ビデオ・ストリーミング・ポータルの「トントン」も展開する。
また、デジタル部門のREVメディア・グループはマレーシアの大手デジタル出版社で40以上のブランド取り扱っており、インターネット人口の約75%に相当する1,500万人以上に毎月配信できる環境を持つ。
2020年度における同社の収益は10億4,157万リンギットで、579万リンギットの税引前損失を計上している。また、同年度の雇用者数は2,332名となっている。
2021年10月には、同社はセルコム・アシアタ及びLGユープラス社と独占提携を締結し、マレーシアの消費者向けにVR及びAR技術を駆使した5Gコンテンツ及びサービスの可能性について検討することを発表している。
出典:https://www.mediaprima.com.my/
Media Mulia Sdn Bhd(メディア・ムリア)
セランゴール州ペタリンジャヤを拠点とし、ウトゥサン・マレーシア、ミングアン・マレーシア、コスモ!、コスモ・アハド!、及びこれらに関連するすべてのデジタル及びソーシャル・メディアのコンテンツとプラットフォームを発行・所有する会社。
新聞広告では、ウトゥサン・マレーシア紙とコスモ!紙、マレーシアン・リザーブ紙において紙媒体印刷とデジタルの両方に対応している。また、デジタル広告では同紙のフェイスブックやインスタグラム、ツイッターも範囲としている。
ミッションステートメントとして、「先進的でダイナミック、信頼と尊敬を集めるメディア・デジタル企業として、十分な情報と知識を持つ社会の発展を目指す」としている。
ウトゥサン・マレーシア紙のデジタル版購読料金は、1ヵ月契約で9.90リンギット、1年契約で71.00リンギットとなっており、購読者はプレミアムコンテンツへのアクセスが可能となる。
出典:https://www.mediamulia.com.my/
https://www.utusan.com.my/
The New Straits Times Press (M) Bhd(ニュー・ストレーツ・タイムズ・プレス)
1845年にシンガポールでストレイト・タイムズとして創刊したのが始まり。現在はメディア・プリマ社の傘下にあり、ストレイト・タイムズとベリタ・ハリアン、マイメトロといった日刊紙を発行している。
会社はクアラルンプールを拠点として、すべての州に支店を持つ。また、印刷工場をセランゴール州シャーラムに構えている。
2021年2月、同社は2020年プトラ・ブランド・アワードのメディアネットワーク部門において、ニュー・ストレイツ・タイムズとベリタ・ハリアンがそれぞれ銀賞と銅賞を受賞したことを発表している。
また、2020年5月には、メディア・プリマ傘下で広告を手掛けるビッグツリーと共に、ニュースコンテンツをデジタル・ビルボードで共有するデジタルサービス「ビッグニュース・バイ・ NSTP」の提供を開始している。
2020年度においては新型コロナウイルスの影響で発行部数が減少したため、発行部数収益は4,720万リンギットであった。
出典:https://www.nstp.com.my/
https://www.mediaprima.com.my/
Star Media Group Bhd(スター・メディア・グループ)
ペナン拠点とする地方紙として1971年より発行され、全国へ広がった。現在はセランゴール州とペナン州に本社を置き、イポーとジョホールバル、クラン、クアンタン、マラッカ、プトラジャヤ、セレンバン、コタキナバル、クチンに支店を持つ。また、中国に海外オフィスを展開している。
同社が展開しているブランドとしては、日刊紙のスター、子供向け教育雑誌のクンタムの他、デジタル版として求人情報のマイスタージョブ・ドットコム、不動産情報のスター・プロパティ、自動車情報のスター・カーシフなどがある。
デジタル版のスター紙は1995年年よりサービスを開始しており、月平均で1,100万人以上のオンラインユーザーが利用している。
2020年度における同社の収益は1億9,642万リンギットで、1,653万リンギットの税引前損失を計上。
2020年10月、同社は2020年MPI-ペトロナスマレーシアジャーナリズム賞において、優秀な調査報道部門など4部門で1位を獲得したことを発表した。
出典:https://www.starmediagroup.my/
Berjaya Media Bhd(ベルジャヤ・メディア)
大手コングロマリット企業であるベルジャヤの傘下にあり、主力出版物である英語日刊紙のサンを発行している。
同紙はクランバレー、ペナン、ジョホールバルの富裕層をターゲットとして流通しており、政治やビジネス、ヒューマンインタレスト、ガバナンス、エンターテインメント、ライフスタイル、スポーツなどに関する情報を扱っている。
同社はクアラルンプールを拠点としており、マレーシア証券取引所に上場している。英語日刊紙のサンは、子会社のサン・メディア・コーポレーションが運営しており、オンライン版でも提供されている。
2019年度の収益は2,571万リンギットで、1,588万リンギットの税引前損失を計上している。2018年下半期においては、サンの平均発行部数は1日当たり259,661部であった。
出典:https://www.berjaya.com/berjaya-media/
The Edge Communications Sdn Bhd(エッジ・コミュニケーションズ)
エッジ・メディア・グループのマレーシア法人で、セランゴール州ペタリンジャヤを拠点としている。
同社では、マレーシアとシンガポールを対象として、ビジネスや投資の意思決定を行えるよう支援する情報を提供している。提供するのは、マレーシアとシンガポールのジャーナリスト・チームによる独自ニュース、インドネシア、フィリピン、タイ、香港、中国のメディアパートナーによる地域のビジネスやマーケットニュースなどとなっている。
同社が発行するエッジ・マレーシアは印刷版とデジタル版を提供しており、マレーシアで最も売れているビジネス・投資情報紙となっている。
また、同社は住宅購入者や投資家にとって便利な不動産サイト「EdgeProp.my」を運営しており、不動産に関するニュースを毎日更新している。
出典:https://www.theedgemarkets.com/
Pelangi Publishing Group Bhd(ペランギ・パブリッシング・グループ)
1979年に会社設立し、出版と印刷、教育を中核事業とする。出版では、編集、イラストとデザイン、植字、子供向け書籍、学術書、高等教育書籍、教育コミック、雑誌、デジタル教育製品を範囲としており、マレーシアの全州にある2,000以上の書店で同社の書籍が販売されている。
ジョホール州に本社を置いており、国内ではセランゴール州に営業所、海外ではタイとインドネシア、シンガポール、英国に子会社を持つ。2004年には、マレーシア証券取引所に上場している。
同社は、出版において国内で初めてISO 9001認証を取得した企業でもある。
2020年度の収益は5,729万リンギットで、271万リンギットの税引後損失を計上している。収益の79.0%はマレーシア国内からであり、タイが15.4%、インドネシア4.6%、その他1.0%の寄与であった。事業別では、出版が86.0%を占めた。
2022年8月には、ポータルサイト「PelangiBooks.com」をローンチ、教育製品にアクセスできるワンストップ・センターとして機能している。
出典:https://www.pelangipublishing.com/
https://store.pelangibooks.com/
Reach Publishing Sdn Bhd(リーチ・パブリッシング)
1999年に設立された出版会社で、デジタルと印刷の両方を手掛ける。これまでに、ベスト・テクノロジー・ジャーナリスト(メディアコネクト・アジア)やMPHベストセラーマガジンなどを受賞した実績を持つ。
出版している雑誌としては、ピーシー・ドットコム、マジャラハ・テック、ビジネス・トゥデイ、トラベル&ダイイング、ワールドカップ、マレーシアン・ゴルフ・ダイレクトリーなどがある。デジタル版では、LiveatPC.comやBusinessToday.net.myといったメディアサイトも運営している。
ピーシー・ドットコムは月間24,000部印刷、LiveatPC.comのオンライン訪問者数は14万人で月間ページビュー30万回、ビジネス・トゥデイは月間23,000部の印刷となっている。
100以上の学術機関とパートナーシップを締結しており、モナッシュ大学やサンウェイ大学、スタンフォード大学、テイラーズ大学などが名を連ねている。
出典:https://www.reach.com.my/
マレーシアの主要テレビ局・新聞メーカー・出版社〜日系企業編〜
Mega Global Media Malaysia Sdn Bhd(メガ・グローバル・メディア・マレーシア)
ビジネスサポート事業やソーシャルサポート事業を展開する株式会社メガの海外連結子会社で、2015年4月に設立。クアラルンプールを拠点として、10名の従業員を雇用する。
フリーペーパーの発刊業務を中核事業としており、「ウイークリー・Mタウン」や「生活&ビジネス マレーシア・ガイドブック」などを発行している。フリーペーパーは日系飲食店、日系企業オフィス、コンドミニアム、ショッピングモール、日本人会、日本大使館、マレーシア日本人商工会議所、ジェトロ等にて配布している。
2020年9月には、総合ITサービスプロバイダのTKインターナショナルが運営するウエブページ「マレーシア・ビジネス・コネクション」を共同で運営することに合意したことを発表している。同ウエブページはマレーシアでのビジネスに関する専門的な情報を日本語で発信しており、オンライン交流サイトへと進化させることを目指している。
出典: https://mtown.my/
https://www.mega.co.jp/
https://connection.com.my/
マレーシアの主要テレビ局・新聞メーカー・出版社〜外資系企業編〜
Media Chinese International Limited(メディア・チャイニーズ・インターナショナル)
2008年4月に世界華文媒体と星洲メディア・コーポレーション(マレーシア)、南洋プレス・ホールディングス(マレーシア)の合併で誕生した中国語の大手メディア・グループ。香港とマレーシア、カナダ、台湾に拠点を持ち、香港証券取引所及びマレーシア証券取引所に上場する。
同社は東南アジア、中華圏、北米で新聞、雑誌、書籍を発行し、世界の中国人読者にサービスを提供する。他にも、デジタルメディアや旅行事業も展開している。
2019年には、MPI-ペトロナスマレーシアジャーナリズム賞において、星洲日報がフォトジャーナリストで優秀賞、ニュース報道で特別賞を受賞した実績を持つ。
2021年度における同グループの売上高は1億1,568万米ドルであり、18万2,000米ドルの税引前損失を計上している。
出典: https://www.mediachinesegroup.com/en/
クアラルンプール在住4年目の日本人。大学卒業後、東京で飲料メーカーの営業を担当。その後、マレーシアのクアラルンプールへ移住し食品商社の営業及び購買のサポートを担当。