今回は、マレーシアの主要ホテルに焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて13社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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マレーシアの主要ホテル10選〜ローカル企業編〜
Sunway Bhd(サンウエイ)
1974年に設立したコングロマリット企業で、不動産や建設、教育、ヘルスケア、ホスピタリティ、デジタルなどの事業を手掛ける。ホスピタリティ事業は、1993年に開業したサンウェイラグーン・リゾート・ホテルが始まりとなっている。また、1994年6月にはペナンに最初のホテルを開業している。
現在、ホテルに関する事業はサンウエイ・ホテル・アンド・リゾートが担っており、マレーシアとカンボジア、ベトナムで12のホテルとリゾートを運営し、約4,000の客室、スイートルーム、ヴィラを備えている。マレーシア国内では、クアラルンプールとイポー、ジョホールバル、ペナンでホテルを運営している。
2020年度の同社の収益は38億2,906万リンギットで、税引前利益は5億1,255万リンギットであった。ホテルなどのホスピタリティ事業を含む不動産投資事業部門の収益と税引前利益は、各々全体の9%、-5%を占めた。
出典:https://www.sunway.com.my/
https://www.sunwayhotels.com/
Berjaya Land Bhd (ベルジャヤ・ランド)
大手コングロマリット企業であるベルジャヤ・コーポレーションの子会社で、1990年に設立。不動産投資や土地開発、ホテル&リゾート、レクリエーション、宝くじ、自動車販売を事業としており、マレーシア証券取引所に上場している。
ホテル事業はベルジャヤ・ホテル&リゾート部門が担っており、現在、国内外で26のホテルを運営している。マレーシア国内ではクランバレーとペナン州、ケダ州、ジョホール州、パハン州などで11のホテル、そして海外ではフィリピン、スリランカ、セーシェル、イギリス、日本(沖縄県、京都府)、ベトナム、アイスランドにてホテルを運営している。
2021年度の収益は54億608万リンギットで、4,223万リンギットの税引前損失を計上している。ホテル事業の収益は1億5,760万リンギットで、1億9,580万リンギットの税引前損失を計上した。
出典:https://www.berjaya.com/berjaya-land/
IGB Corporation Bhd(IGBコーポレーション)
2000年6月、ディメンシ・スブ社として設立。その後、改名とタン&タン社との合併を通じて、マレーシアで最大の不動産会社の1つとなる。現在、小売と商業、住宅、建設、ホスピタリティを中核事業としており、水処理、情報技術、データ分析及び教育にも投資している。
現在、ホスピタリティ事業においてグループは国内外で5,248室を所有しており、国内ではアラルンプールとイポー、ペナン、コタキナバルにて、セント・ジャイルズやシティテルなどのブランド名でホテルとリゾートを展開している。また、ニューヨーク、ロンドン、シドニー、マニラなどで知られホテル・ブランドであるセント・ジャイルズと提携関係にあり、そして、近年にはシドニーのタンク・ストリームをポートフォリオに加えている。
2020年度の同社の収益は10億1,642万リンギットとなり、1億4,766万リンギットの税引前利益を計上している。
出典:http://www.igbbhd.com/
Genting Bhd (ゲンティン)
1968年に設立、1971年にマレーシア証券取引所に上場した会社で、レジャー&ホスピタリティ、プランテーション、不動産開発、エネルギー、ライフサイエンス&バイオテクノロジーを事業としている。
ゲンティン社はラスベガス、ゲンティン・マレーシア社はマレーシア国内(パハン州、ケダ州、トレンガヌ州)、米国、英国、バハマ、そしてゲンティン・シンガポール社がシンガポールのセントーサ島でホテルを運営している。また、ゲンティン・カジノは英国内で30以上の地方カジノを展開している。
2020年度における同社の収益は115億6,410万リンギットで、15億2,650万リンギットの税引前損失を計上している。また、ゲンティン・マレーシア社の同年度の収益は45億2,880万リンギット、21億3,750万リンギットの税引前損失を計上した。
2021年6月、同社はリゾートワールド・ラスベガスの開業を発表。リゾートワールド・ラスベガスはヒルトンと提携しており、ヒルトンの3つのプレミアム・ブランドをリゾート内に統合、3,500室の客室とスイートルームを持つ。
出典:https://www.genting.com/
https://www.gentingmalaysia.com/
YTL Hotels&Resorts(YTLホテル&リゾート)
建設や発電、セメントなどを手掛けるマレーシア大手コングロマリット企業であるYTLコーポレーションのホスピタリティ部門であり、親会社はマレーシア証券取引所と東京証券取引所に上場する。
マレーシア国内のみでなく、タイやインドネシア、日本、イギリス、スペイン、オランダ、オーストラリアなどで高級リゾートホテルを展開する。
「2019年CSRマレーシアアワード」のホスピタリティ部門において、同社は「カンパニー・オブ・ザ・イヤー」を受賞している。
2021年度のホテル・オペレーションによる収益は4億2,070万リンギットで、全体収益の2.4%を占めた。また、同年度には1億5,360万リンギットの税引前損失を計上している。2021年6月末時点でのYTLの総資産は738.6億リンギットで、ホテル・オペレーションは4%に相当する26.4億リンギットとなっている。
出典:https://www.ytlhotels.com/
https://www.ytl.com/
UZ Hotel Bhd(UZホテル)
2017年に設立、マレーシアとインドネシアで74以上のホテル(合計2,500室以上)を所有しており、235名の従業員を雇用する。ムスリムフレンドリーなホテルを展開しているのが特徴となっている。
「ホテル・ザンバーガー」のブランド名で全てのホテルはシャリーアに準拠しており、ジョホール州政府観光局から「ジョホール州で最も急成長しているホテルチェーン」を受賞。また、マレーシア観光局から「マレーシア最大のホテルチェーン」を受賞している。
ビジネスホテルとブティックホテル(通常は3つ星以下)を中心に展開しており、リーズナブルな価格帯となっている。
また、国際的プレゼンス拡大に向けてマッカ拡張計画を推進しており、現地でのホテル買収を進めている。
出典:https://uzhotel.com.my/
https://www.hotelzamburger.com/
Impiana Hotels Bhd(インピアナ・ホテル)
インピアナ・グループのホスピタリティ部門で、シティホテルとビーチリゾートを所有・運営。マレーシア証券取引所に上場している。また、管理はインピアナ・ホテル&リゾート・マネジメントが手掛けている。
国内ではクアラルンプールとジョホール州、ペラ州に3つ、そしてタイのプーケットとサムイ島に3つ、インドネシアのバリに3つのホテルを展開する。
また、高級ビーチ不動産であるインピアナ・レジデンス・チェラティンの販売も行っている。部屋は560~1,40平方フィートの広さを持ち、家具と電化製品が備え付けられている。
2021年度における同社の収益は1,950万リンギットで、1,047万リンギットの税引前損失を計上している。また、総資産は2億393万リンギットであった。
出典:https://www.impiana.com.my/
Avillion Bhd(アビリオン)
ホテル、リゾート、不動産管理、不動産・リゾート開発、マリーナ、スパ、旅行・ツアー事業、広告・メディアサービス、管理サービスを提供しており、マレーシア証券取引所に上場している。クアラルンプールを拠点として、マレーシア国内だけでなく、シンガポールと香港、オーストラリアでも事業を展開している。
完全子会社のアビリオン・ホテル・グループ社が、マレーシアとインドネシアでビーチリゾート、ホテル、スパをチェーン展開している。運営しているのはアビリオン・ポートディクソン、アビリオン・アドミラルコーブ、アビリオン・レガシー・マラッカ、アビリオン・キャメロンハイランド(2018年開業)、アビリオンヴィラ・チンタ・バリ、アヴィ(aVi)スパとなっている。
2021年度のグループ収益は2,095万リンギットで、140万リンギットの税引後利益を計上している。ホテル事業の収益は1,477万リンギットで、632万リンギット税引前損失を計上した。
出典:https://www.avillionberhad.com/
Lexis Hotels & Resorts Sdn Bhd(レクシス・ホテル&リゾート)
1995年に設立された会社で、クアラルンプールを拠点としてホテルやリゾートを運営する。これまでに、ワールド・ラグジュアリー・ホテル・アワード、オート・グランドール・グローバル・ホテル・アワード、パシフィック・エリア・トラベル・ライターズ・アソシエーションの国際旅行賞などを受賞した経歴を持つ。
同社は国内でポートディクソンとペナン、クアラルンプールで5つのホテルを運営しており、さらに、2024年にはレクシス・アルティマ@プライベート・ヴィラをポートディクソンに開業予定としている。また、2022年にはレクシス・ハイビスカス・ポートディクソンがアセアン観光フォーラムにおいて、アセアン観光賞を初受賞したことが発表されている。
2020年8月には、化粧品ブランドであるマモンド・マレーシアとレクシス・ハイビスカス・ポートディクソンとのパートナーシップが発表された。本コラボレーションは、独立記念日に国家を称えることを目的としている。
出典:https://www.lexis.my/
Boustead Holdings Bhd(ボーステッド・ホールディングス)
マレーシアで最も古いコングロマリット企業の一つで、ルーツは1928年にまで遡る。商社として始まった同社は、現在、プランテーションと不動産、製薬、重工業、貿易・金融・投資、テクノロジー&デジタルを事業としており、マレーシア証券取引所に上場する。
不動産事業としてホテル運営を行っており、子会社のボーステッド・ホテル&リゾートがロイヤル・チュラン・ホテル&リゾートを所有している。
ホテルはクランバレー内に3つ、パハン州に2つ、ヌグリ・スンビラン州とペナン州に各1つとなっている。また、ロンドンに30室のホテルも所有している。
2020年度の収益は78億8,100万リンギットで、4億2,000万リンギットの税引前損失を計上。また、同年度におけるホテル運営の収益は6,200万リンギットで、平均稼働率は33%であった。
出典:https://www.boustead.com.my/ https://www.royalechulan.com/
マレーシアの主要ホテル〜日系企業編〜
Daito Asia Development (M) Sdn Bhd (大東アジアディベロップメント・マレーシア)
1996年9月、全額出資の大東アジアインベストメントと大東アジアディベロップメントをシンガポールに設立し、マレーシアでのホテル開発事業に着手する。マレーシア法人の資本金は8,653万リンギットで、293名を雇用。
2017年11月には、大東建託がヒルトン・クアラルンプールを所有するダイショー・アジアディベロップメント・マレーシア(現大東アジアディベロップメントII)の株式を137億円で取得、子会社化した。同社の資本金は7,903万リンギットで、385名を雇用している。
これにより、大東建託はマレーシアの首都に地上35階、420室の5スター高級ホテル「ル・メリディアン・クアラルンプール」(2004年10月開業)と、510室の5スター高級ホテル「ヒルトン・クアラルンプール」のツインホテルを保有することになっている。
出典:http://www.daisho-aus.com/
https://www.kentaku.co.jp/
マレーシアの主要ホテル2選〜外資系企業編〜
Shangri-La Hotels (M) Bhd (シャングリラホテル・マレーシア)
1971年シンガポールに設立し、現在、香港に拠点を置くシャングリア・グループのマレーシア法人となっており、マレーシア証券取引所に上場している。
同社はホテルやビーチリゾート、ゴルフ場、投資用不動産、商業用ランドリーなどを所有・運営している。国内のホテル・リゾートとしては、シャングリラホテル・クアラルンプール(662室)、ホテル・ジェン・ペナン(443室)、ラササヤン・リゾート(304室)、ゴールデン・サンズ・リゾート(387室)、ラサ・リア・リゾート(499室)がある。
また、同社ではUBNタワー(35万2,181平方フィート)とUBNアパートメント(58戸)へも投資を行っている。
2020年度における同社の収益は1億7,209万リンギット、1億3,786万リンギットの税引前損失を計上している。またも同年度における国内ホテル・リゾートの稼働率は13~35%であった。
出典: https://www.shangri-la.com/
Grand Central Enterprises Bhd(グランド・セントラル・エンタープライズ)
1968年に設立され、シンガポールとマレーシア、オーストラリア、ニュージーランドでホテルや施設を所有・運営しているホテル・グランド・セントラル社のマレーシア法人。
マレーシア国内では、マレーシア証券取引所に上場している同社と、グランド・セントラル・エンタープライズ(ペナン)社、グランド・セントラル・エンタープライズ(ジョホール)などを通じてマレーシア国内11ホテル(クアラルンプール、クアンタン、トレンガヌ、ランカウイ、ケダ、クチン)の所有、運営、管理を行っている。
同社における2020年度の収益は1,204万リンギットで、1,164万リンギットの税引前損失を計上。また、総資産は2億2,154万リンギットとなっている。
同社においては、2018年よりホテル内の照明を省エネタイプのLEDへ変更しており、2020年においては80~100%の導入率を達成している。
出典: https://www.ghihotels.com.my/
クアラルンプール在住4年目の日本人。大学卒業後、東京で飲料メーカーの営業を担当。その後、マレーシアのクアラルンプールへ移住し食品商社の営業及び購買のサポートを担当。