中国の広告業界は、蓝色光标や分众传媒など主要企業がマーケティングコミュニケーション分野で市場をリードしています。深圳・上海証券取引所への上場企業が多く、資本市場との結びつきが強い業界です。
今回は、そんな中国の広告業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて14社の最新情報をお届けしていきます!
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中国の主要広告企業6選〜ローカル編〜
BlueFocus Communication Group (蓝色光标)
1996年に北京で創業した中国最大級の総合マーケティングコミュニケーション企業である。深セン証券取引所(証券コード300058)に上場しており、2018年に社名を現在の北京蓝色光标数据科技股份有限公司に変更しデータテクノロジー会社として再出発した。
2024年度の連結売上高は約607億元(前年比15.5%増)で、中国のマーケティング企業として初めて600億元の大台を突破した。海外広告収益が全体の約80%を占め越境マーケティング事業が主力だが、AI投資拡大や減損処理の影響から同年の純利益はマイナスとなった。
2023年から推進する「All in AI」戦略の下、自社開発のAIマーケティングエンジン「Blue AI」を全業務に展開している。2024年のAI起因収益は前年比10倍超の約12億元、2025年1〜9月期には247億元(前年同期比310%増)と急増し粗利率も40%超を記録した。
2025年6月には香港証券取引所へのIPO申請を提出し、A株上場企業として15年ぶりに二重上場を目指している。
出典:https://www.bluefocusgroup.com/
Focus Media (分众传媒)
2003年に上海市で設立された中国最大の生活圏メディア企業であり、深セン証券取引所(証券コード002027)に上場している。江南春氏が創業し、商業ビルや映画館のエレベーター内デジタルサイネージを主力とする屋外広告専業企業である。
2024年度の売上高は約122億元(前年比3.0%増)、純利益は約52億元(同6.8%増)と高い収益性を維持している。2025年1〜9月期の売上高は96億元(前年同期比3.7%増)で、景気変動にも耐性のある安定したビジネスモデルを持つ。
2025年4月には競合の新潮传媒(Xinchao Media)を約83億元で買収することを発表した。世界最大規模のアウトドアメディアM&Aとされ、住宅向けエレベータースクリーン70万面を取り込みオフィスビルから住宅コミュニティまでをカバーする広告ネットワークを構築する。
中国屋外広告市場シェアは14.5%で業界首位を維持しており、消費財・自動車・金融・インターネット各分野の国内外大手ブランドを主要クライアントとして抱える。
出典:https://www.focusmedia.cn/
GIMC (省广集团)
1979年に中国で最初に設置された広告代理店として広州で創業した総合マーケティンググループである。広東省广告集団股份有限公司(深セン証券取引所、証券コード002400)として上場しており、デジタルマーケティング・メディア代理・イベント・PRを幅広く展開する。
2024年度の連結売上高は206億元(前年比23.9%増)と大幅な規模拡大を実現したが、純利益は1.01億元(同34.1%減)にとどまり、低粗利率(6.88%)と期末44億元超の売掛金が収益性を圧迫している。デジタルマーケティング事業が売上の89.4%を占め、マージン改善が課題となっている。
日系企業との合弁に長い実績を持ち、1993年にADKホールディングスとの合弁「广旭广告」を、2003年に博報堂との合弁会社を設立している。中国移動・広汽ホンダ・広汽トヨタをはじめとする国内外大手ブランドとの取引関係を維持し、広州を拠点に全国ネットワークを有する。
2025年は「品質・効率の向上」「中小顧客の開拓」「ワンストップサービス」を三本柱とする戦略転換を打ち出し、収益性回復を目指している。
出典:http://www.gimc.cn/
Simei Media (思美传媒)
2000年に浙江省杭州市で創業した総合広告・マーケティング会社であり、深セン証券取引所(証券コード002712)に上場している。「クライアントのブランド価値を高める健全なコミュニケーション・ソリューション提供」を経営理念に掲げ、杭州本社のほか北京・上海・広州・南京・寧波に子会社を展開している。
2024年度の売上高は62億元弱(前年比11.1%増)と増収を達成したが、純損失は3,410万元(前年は1.34億元の損失)となった。配当は見送られた。P&G・ペプシコ・KFC・アリババ・中国平安保険など消費財・食品・金融各分野が主力クライアントである。
P&Gや上海家化など有力ブランドとの長期取引関係を維持し、創業20年超で蓄積したクリエイティブ・メディアプランニングのノウハウを強みとしている。研究開発投資は前年比42%減少しており、コスト管理の強化が図られる一方でデジタル対応力の向上が課題となっている。
売上規模は拡大が続くも収益性の改善が問われており、デジタル広告・インフルエンサーマーケティング領域の強化を通じた利益体質への転換が鍵となる。
出典:http://www.simei.cc/
Charm Communications (昌荣传播)
1995年に設立された中国有数の総合広告・メディアサービス企業であり、2010年5月にNASDAQ(ティッカー:CHRM)に上場した。北京に本社を置き、上海・広州・天津・重慶・杭州・武漢など全国主要都市に拠点を有し、800人以上の従業員を擁する。
主力サービスはテレビ・デジタル・屋外・プログラマティック広告の統合的なメディアプランニング・バイイングであり、中国中央電視台(CCTV)との緊密な関係を強みとしている。2019年にはCCTV AAAA級信用広告代理店の栄誉を授与されており、中国最大の放送メディアへの深い知見を有する。
2013年には中国女子バレーボールチームの専属事業運営パートナーを務め、2017年には中国4A協会への加盟が認定されるなど業界内での評価が高い。年間取扱高は50億元超規模を誇り、デジタル化の進展に対応してプログラマティックマーケティングサービスの提供にも注力している。
ByteDance・アリババ・テンセントなどプラットフォームへの広告費集中という構造変化の中で、メディア代理専業モデルからの事業転換が引き続き課題となっている。
出典:http://www.charmgroup.cn/
Leo Digital (利欧数字)
2014年に設立された中国大手デジタルマーケティング企業群であり、上海証券取引所上場(証券コード002131)の利欧集団の主要事業部門を構成する。上海に本社を置き、北京・深セン・広州・南京・重慶に支社を持ち、傘下に聚胜万合・琥珀传播・氩氪互动・利欧万圣・微创时代の5子会社を擁してグループ全体で1,500名以上のスタッフが在籍している。
2024年のデジタル事業部門売上高は約165億元(前年比横ばい)であり、字節跳動・快手・テンセント・百度・360などの主要プラットフォームのコア代理店として選定されている。Huawei・Honor・Xiaomi・OPPO・vivoなど国内スマートフォンメーカーの主力代理店として百億元規模の取扱高を誇る。
AI技術の積極的な活用にも取り組んでおり、コンテンツ制作と広告投稿の効率化にAIを導入することで競争優位の確立を目指している。2025年第1四半期は売上約48億元で前年同期比純利益が黒字転換した。
主要クライアントはインターネット・FMCG・自動車・3C耐久財・美容・スポーツ・ファッション・健康各分野の国内外ブランドに及ぶ。
出典:http://www.leo.cn/
中国の主要広告企業3選〜日系編〜
Dentsu China (北京电通)
1994年に日本の株式会社電通と中国国际广告有限公司・大成广告有限公司の三社合弁で北京に設立された日中合弁広告会社であり、2018年12月には電通グループの100%子会社となった。上海・広州など主要都市に拠点を持ち、日系・外資系クライアントを中心に統合マーケティングコミュニケーションサービスを提供している。
2001年に売上高で初めて中国広告業界のトップ3入りを果たし、2013年には上位100社中第5位を記録するなど長年にわたり上位プレイヤーであり続けた。佳能・ネスレ・トヨタ・花王・ユニクロなど日系・外資ブランドの中国展開を長期にわたって支援してきた。
親会社の電通グループは2024年度の業績悪化を受け「One Dentsu」戦略のもとで構造改革を進めており、2027年度までに約520億円のコスト削減と約3,400人の人員削減を計画している。2025年上半期のAPAC(日本除く)有機売上高は前年同期比8.9%減と苦戦が続く。
北京・上海・広州拠点を維持しながら事業の再構築を進めており、デジタル広告・CXM領域の競争力回復が重要課題となっている。
出典:https://www.dentsu.com/cn/zh
HAKUHODO China (博報堂)
日本第2位の総合広告代理店・株式会社博報堂(HAKUHODO Inc.)の中国事業体であり、1996年に上海博报堂广告有限公司として中国市場に参入した。上海のほか北京・広州・武漢(2021年設立)にも拠点を設け、中国全土をカバーする運営体制を構築している。
2003年には省广集团(GIMC)との合弁で広代博广告を設立するなど、ローカルパートナーとの協業により中国市場の深耕を図ってきた実績がある。生活者発想のブランドコンサルティング・クリエイティブ・メディアプランニングを核に、広告・PR・デジタルマーケティングにわたる統合的なサービスを展開している。
傘下の「博報堂生活総研(上海)」は中国消費者の生活意識・購買行動に関する独自調査を継続しており、2025年1月には「自主消費」をキーワードとする消費者行動レポートを発表するなどマーケットインテリジェンス機能も強化している。
2026年1月には博報堂がベトナムのデジタルマーケティング会社BCM Venture Integratedの過半数株式を取得するなど、アジア全体でのデジタルケイパビリティ強化を進めている。
出典:https://www.hakuhodo.cn/
ADK China (旭通広告)
1993年2月に日本の株式会社ASATSU-DK(現ADK Holdings)と百聯集団が上海に合弁設立したのを起源とする広告・マーケティング企業群である。日系広告会社の中で最も早く中国に進出したグループのひとつとして知られ、同年に省广集団との合弁で広東省にも拠点を設けた。
現在は上海旭通广告・旭通世纪(上海)广告・上旭(上海)网络科技の3社体制で中国事業を展開しており、北京・武漢・広州にも拠点を有する。PR事業部を含む複数の専門部署を設置し、日系ブランドの中国市場展開を中心に統合マーケティングサービスを提供している。
2025年1月、親会社ADK GlobalがStagwellに売却され、ADK Chinaを含む中国事業はStagwell傘下に移行した。在中国クライアントへのサービス提供は引き続き行われており、長年蓄積したブランド・メディアのノウハウと現地ネットワークを強みとする。
Stagwell傘下での新たな事業展開が注目されており、日中双方の広告ビジネスに深く根ざした独自のポジションを維持している。
出典:http://www.adk-cn.com/
中国の主要広告企業5選〜外資編〜
Saatchi & Saatchi China (盛世长城国际)
1992年4月、中国国家対外経済貿易部の認可を受けて中国長城工業総公司との合弁により北京で設立された広告会社であり、中国で最初に営業許可を取得した外資系4A広告代理店として知られる。現在はPublicis Groupeの一員であり、北京・上海・広州などに拠点を置き7,000人以上の従業員を擁する。
創業以来30年以上にわたりP&G・美赞臣・中国移動・達農などの大口クライアントとの深い関係を維持してきた。EpsilonとAIプラットフォームMarcelを活用した精密マーケティングを強みとしている。
Publicis Groupeの中国事業は2024年Q3に前年同期比+12.4%の有機成長を達成し、2025年Q4においても+4.3%を維持した。WPPやDentsuが中国で苦戦するなかで相対的に良好なパフォーマンスを示している。
2025年にはPublicis Groupeがマーズやパラマウントなどの大型アカウントをWPPから獲得し、グローバルで101億ドルの新規ビジネス受注額を記録した。
出典:http://saatchi.com.cn/zh-cn/
McCann China (麦肯)
1989年3月にアメリカのMcCANN-ERICKSON WORLD GROUPと「光明日报」が北京市に合弁設立した外資系広告会社であり、1992年に上海・広州にも拠点を拡大した。長年にわたりIPG傘下で事業を展開してきたが、2025年11月のOmnicom-IPG合併完了によりOmnicom傘下のクリエイティブネットワークとして位置づけられている。
強生・コカ・コーラ・コルゲート・ロレアル・ネスレ・MasterCard・マクドナルドなど多くの多国籍ブランドの中国マーケティングを担当してきた実績を持つ。35年以上にわたるクリエイティブ力と国内外クライアントとのネットワークが同社の資産である。
合併によりOmnicomはBBDO・McCann・TBWAの3つのクリエイティブネットワークを核とする世界最大の広告持株会社となった。McCann Chinaのクリエイティブ力とGroupMを含む媒体購買力との統合による競争力強化が図られている。
北京・上海・広州の拠点を維持しながら、統合後の新体制のもとで中国市場でのプレゼンス強化が進んでいる。
出典:https://www.mccann.com/
Leo Burnett China (李奥贝纳)
1935年にシカゴで創業した世界的広告代理店Leo Burnettの中国拠点であり、1979年に上海に事務所を開設した。1994年11月に上海李奥贝纳广告有限公司として正式設立し、1998年に北京、2003年に広州に拠点を拡大した。現在はPublicis Groupeの傘下にある。
「ヒューマンカインド」哲学のもと消費者の感情に訴えるブランドストーリーテリングを強みとし、P&G・マクドナルドなどグローバルブランドの中国向けクリエイティブを担当してきた実績を持つ。
2025年1月にPublicis GroupeはLeo BurnettとPublicis Worldwideを統合した新ネットワーク「Leo」を発足させた。中国では新「Leo」ブランドのもとでクリエイティブ機能が再構築され、Publicis Chinaの成長(2025年Q4:+4.3%)を支える役割を担っている。
EpsilonとAIツールMarcelを活用した精密マーケティングとの統合が進んでおり、デジタルと創造性を融合した次世代型エージェンシーへの転換を推進している。
出典:http://leoburnett.com.cn/
Ogilvy China (奥美広告)
1948年に創業したグローバル広告代理店Ogilvyの中国法人であり、1991年10月に上海奥美广告有限公司として設立された。1993年に北京、1994年に広州、2014年に深センへ拠点を拡大し、現在はWPP傘下の主力ブランドとして中国全土で統合マーケティングコミュニケーションを提供している。
可口可乐(コカ・コーラ)・天猫・雀巢(ネスレ)・华为(ファーウェイ)・メルセデス・ベンツ・KFC・多芬(Dove)・李寧など国内外の一流ブランドを主要クライアントとして抱え、デジタル広告・ブランドコンサルティング・PR・コマース領域にわたるサービスを展開してきた。
親会社WPPの中国事業は2024年に前年比-20.8%の大幅な有機売上減少に見舞われ、2025年Q1も-17.4%と低迷が続いている。しかしOgilvy Shanghaiは2025年のロンドン国際広告祭(LIA)デザイン部門にてGold賞を受賞するなど、クリエイティブ力は業界最高水準を維持している。
WPPは新たな中国マネジメントチームのもとで事業の安定化と競争力再構築に取り組んでいる。
出典:https://www.ogilvy.com/cn/
BBDO China (天聯広告)
1891年創業のグローバル広告エージェンシーBBDO Worldwideの中国法人であり、1991年11月に北京市に天联广告有限公司として設立された。1995年に上海、2003年に広州、2016年に山東省にも拠点を展開し、Omnicom Group傘下のクリエイティブネットワークBBDOの一員として200人以上の従業員を擁する。
「ザ・ワーク・ザ・ワーク・ザ・ワーク」の哲学のもとクリエイティブの質の追求を経営理念とし、ブランドコンサルティング・TVCMクリエイティブ・デジタルマーケティング・体験型マーケティングを提供している。
2025年のロンドン国際広告祭(LIA)デザイン部門にて、「The Harbin Back Rack Hack」(哈爾浜ビール向けPOS施策)でGold賞を受賞し、中国市場でのクリエイティブ力を世界に示した。
2025年末に完了したOmnicom-IPG合併により、BBDO・McCann・TBWAを擁する世界最大の広告持株会社の傘下に入り、GroupMを含む強力な媒体購買機能との連携強化が見込まれる。
出典:http://bbdoasia.com/en
FAQ
中国の主要広告代理店にはどのような特徴がありますか?
中国の主要広告代理店はローカル企業から外資系企業まで多岐にわたり、多くは長い歴史と大規模な従業員数を持ち、国内外の大手ブランドと取引しています。
中国の主要広告代理店の中で最も歴史が古いのはどれですか?
中国の広告業界で最も古い広告代理店の一つは、省广集团(GIMC)であり、1979年に設立されました。
中国の広告代理店はどのような事業内容を展開していますか?
これらの企業はマーケティングサービス、デジタル広告、ブランド戦略、イベント企画、やデータテクノロジーなど、多岐にわたる広告・マーケティング活動を展開しています。
外資系の中国広告代理店にはどのような企業がありますか?
外資系の主要広告代理店には盛世长城国际(Saatchi & Saatchi)、麦肯(McCANN)、奥美(Ogilvy)、天联广告(BBDO)などがあり、いずれも大規模かつ歴史的な実績を持っています。
中国の広告代理店の中で日系企業はどのような特徴がありますか?
日系企業の広告代理店は、長期的なクライアント関係を築き、総合的なマーケティング戦略やデジタル技術を駆使して、日系ブランドの中国市場進出や拡大を支援しています。

