台湾のバイク業界は、光陽工業やGogoroなどローカルメーカーが世界有数のスクーター生産・EVバイク市場を牽引する一方、日系のホンダやヤマハも展開する市場です。台湾の主要企業は電動化と海外輸出の強化を進めています。
今回は、そんな台湾のバイク業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて16社の最新情報をお届けしていきます!
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台湾の主要バイク企業10選〜ローカル編〜
SYM (サンヤン)
三陽工業(SYM)は1954年に設立された台湾の二輪・四輪メーカーであり、二輪車ブランド「SYM」として広く知られる。1962年に本田技研工業の技術協力で二輪生産を開始し、後に韓国・現代自動車と提携して四輪車のライセンス生産も手がけてきた。
主力は50〜560ccクラスのスクーターで、迪爵(DUKE)やJETシリーズが看板車種である。2024〜2025年にかけて長年首位だった光陽工業を逆転し、2025年上半期には台湾機車市場でシェア約45%と総市場の首位に立った。
事業面では海外輸出を拡大し、ベトナム・中国・イタリア・ドイツに生産・販売子会社を展開している。電動スクーター分野にも参入し、環境対応と海外ブランド力の強化を並行して進めている。
2026年時点でも新車販売の勢いは強く、上場企業として四半期業績を開示している。伝統文化と欧州デザインを融合した「BTスピリットビースト」など独自性の高い車体開発にも注力している。
出典:https://tw.sym-global.com
KYMCO (キムコ)
光陽工業(KYMCO)は1964年に高雄市で設立された台湾を代表するオートバイメーカーである。設立当初は本田技研工業との技術協力契約により二輪製品の製造販売を開始し、ホンダの海外製造拠点の一つとして発展した。
主力製品は50〜700ccのスクーターで、ATVやシニアカー、発電機なども手がける。グループは世界100カ国以上に製造・販売網を持ち、欧州でもスクーターやATVで高いシェアを握る。
長らく台湾国内シェア首位を保ってきたが、2024〜2025年には三陽工業に首位を明け渡し、2025年時点では国内上位を争う位置にある。反攻に向けガソリン車の新型投入と電動ブランド「Ionex」の拡充を進めている。
2026年時点でも輸出比率の高さが強みであり、レーシング活動やブランドマーケティングを通じて国際的な認知度向上を図っている。
出典:https://www.kymco.com.tw
AEON MOTOR (エイオン)
宏佳騰動力科技(AEON MOTOR)は1997年に二輪・スクーター部品の製造工場として設立され、1998年に独自ブランド「AEON」を創設した台湾メーカーである。設立初期からATVを欧米市場へ供給し、ポラリスへのODM/OEM供給も手がけてきた。
近年は白牌250ccクラスの大型スクーターに強く、2024年時点で同クラスの台湾市場シェアは約75%に達する。2024年財報ではガソリン車販売が前年比14.8%増と好調であった。
スマート電動スクーター「Ai」シリーズを展開し、車載ネットワークやコネクテッド機能を打ち出して電動市場でも存在感を高めている。Ai-1 Ultraは台湾エクセレンス賞を受賞した。
2013年には日本法人Aモータースジャパンを設立するなど海外展開も進める。2026年時点では油電双方でニッチ市場を押さえる差別化戦略を採る。
出典:https://www.aeonmotor.com.tw/
Chienti (チエンティ)
建迪企業(Chienti)は1975年に設立された台湾メーカーである。設立当初はヤマハや台鈴(スズキ)など台湾の二輪メーカーへ部品を供給し、製造・品質管理の基盤を築いた。
1987年に自社ブランド「C.T.M.」を立ち上げて子供用電動乗用車分野へ参入し、1995年からは高齢化を背景に電動スクーターや電動車椅子の研究開発・製造へと事業を広げた。
本社を新北市新荘区に置き、台湾工場は桃園市新屋区にあり2019年に拡張された。2002年設立の上海工場では子供用電動乗用車と一部の電動スクーターを製造している。
2026年時点では、高齢者向けモビリティと子供向け電動車という二本柱で、電動パーソナルモビリティの需要拡大を取り込む戦略を続けている。
出典:http://www.chienti.com.tw
TGB (ティージービー)
台灣金蜂(TGB)は、ATVやスクーター、エンジンの研究開発から生産・販売までを一貫して手がける台湾メーカーである。前身は1965年にピアジオの出資で設立された台湾ヴェスパで、1978年に株主構成を再編して独立ブランドとなった。
自社ブランド「TGB」でATVを40カ国以上へ輸出し、ドイツやフランスでシェア首位の実績を持つ。エンジンから車体まで内製できる技術力が強みである。
主力のスクーターやATVに加え、電動化の潮流を受けてEVスクーターの開発にも取り組んでいる。輸出主導のビジネスモデルで欧州市場を重視する。
2026年時点でも欧州のパワースポーツ市場を主戦場とし、ニッチな高付加価値車種で存在感を保っている。
出典:http://www.tgb.com.tw/
Gogoro (ゴゴロ)
睿能創意(Gogoro)は2011年に陸學森(Horace Luke)らが設立した台湾のEVスタートアップで、電動二輪と電池交換(バッテリースワップ)網を主力とする。2021年にPoema Global Holdingsとの合併でナスダックに上場した(ティッカーGGR)。
交換式バッテリーとステーション網が最大の特徴で、台湾で約55万人の利用者と広範な交換拠点網を持つ。SYMやYamaha、中華汽車など他社にもバッテリー網を提供する。
一方で2024年には創業者の陸學森が会長兼CEOを辞任し、潤泰グループ主導で経営体制を刷新した。中国製部品を用いた補助金不正(洗産地)疑惑や継続的な純損失が経営課題となっている。
2025年時点で電動二輪の台湾市占はピーク時から低下し4%割れが報じられた。2026年時点では収益改善とガバナンス立て直しが焦点である。
出典:https://www.gogoro.com/
Toyo Jiann Tsang Electric (トウヨウケンソウ)
東洋建蒼(Toyo Jiann Tsang Electric)は1987年に設立され、高雄市岡山区に本社を置く二輪向け電装部品メーカーである。1995年には中国江蘇省に常州東洋建蒼電機有限公司を設立し、生産拠点を広げた。
ハンドルスイッチ、ジェネレーター、エンジンメインスイッチ、コイル、発電機などの機構・電装部品を研究開発・製造している。二輪メーカーの車両電装を支える存在である。
主要取引先はKYMCO、SYM、SUZUKI、HONDA、TGB、BMWなど国内外の二輪メーカーに及ぶ。完成車各社の設計に合わせた部品供給が強みである。
2026年時点では、二輪の電動化に伴う電装部品需要の変化を捉え、EV向け部品への対応を進めている。台湾二輪産業のサプライチェーンを下支えする役割を担う。
出典:http://www.twtj.com.tw
Maxxis (マキシス)
正新橡膠工業(Maxxis)は1967年に設立された台湾のタイヤメーカーで、台湾証券取引所に上場している(証券コード2105)。自動車・二輪・自転車など幅広い車両向けタイヤを製造する。
ブランド「MAXXIS」で世界市場に事業を展開し、供給先は180カ国以上に及ぶ。米国、カナダ、英国、ドイツ、台湾、中国、タイなどに現地法人を持ち、二輪・自転車タイヤ専用の生産拠点も擁する。
二輪分野ではOEM供給とアフターマーケットの双方で存在感を持ち、台湾の二輪産業を素材面から支える。2024年時点でもグループの売上規模は台湾ゴム産業の中核を占める。
2026年時点では、EV化に伴う低転がり抵抗タイヤなどの技術開発と、モータースポーツを通じたブランド強化に注力している。
出典:https://www.cst.com.tw
PGO (ピージーオー)
摩特動力工業(PGO)は台湾の二輪メーカーで、精緻なデザインの燃油スクーターを得意とする「精品機車」ブランドとして知られる。前身はピアジオとの提携に遡り、独立後は自社ブランド「PGO」を展開してきた。
BON、TIGRA、ブリスターなど個性的なデザインのスクーターを国内外で販売し、台湾精品賞を長年連続で受賞している。中小規模ながらデザイン性と差別化で存在感を持つ。
近年はガソリン車の精緻化に加え、若年層やデザイン志向ユーザーを狙った限定モデルやコラボレーションを積極的に展開している。輸出も手がける。
2026年時点では、大手が価格・量で競う台湾市場において、デザインとブランド体験で差別化するニッチ戦略を明確にしている。EVスクーター化の潮流も見据えている。
出典:https://pgo.com.tw/
eMOVING (イームービング)
eMOVING(中華e-moving)は、台湾の中華汽車(China Motor Corporation)が展開する電動二輪ブランドである。四輪メーカーの技術基盤を活かし、電動スクーターや電動アシスト車を製造・販売する。
通勤向けの電動スクーター「EZ」シリーズや、交換式バッテリーに対応する「eReady」シリーズを展開し、Gogoro Networkのバッテリー網とも連携する。四輪由来の品質管理が強みである。
2024年時点で台湾の電動二輪市場において上位ブランドの一角を占め、補助金政策や電動化の追い風を受けて販売を伸ばしてきた。親会社の中華汽車は台湾株式市場に上場する(2204)。
2026年時点では、電動二輪の低価格化と航続・充電インフラの拡充を進め、通勤EV需要の取り込みを図っている。台湾のEVスクーター普及を担う主要プレイヤーの一つである。
出典:https://www.e-moving.com.tw/
台湾の主要バイク企業3選〜日系編〜
Honda Taiwan (ホンダ)
台灣本田(Honda Taiwan)は本田技研工業の子会社として2002年に設立された、日本ホンダの100%出資会社である。台北市中山区に本社を置き、従業員は約1000人規模である。
二輪車、四輪車、農業機械などを台湾で販売しており、二輪ではグローバルブランドとしての商品力を武器に高付加価値車種を展開する。
近年は電動化を見据えた商品投入を進め、本社ホンダの二輪電動化戦略に沿って台湾市場でもラインアップを見直している。輸入車ブランドとしての位置づけが強い。
2026年時点では、台湾のプレミアム二輪・大型二輪需要を取り込みつつ、ホンダブランドの認知向上とアフターサービス網の強化を図っている。設立から20年余りを経て台湾市場での基盤を固めている。
出典:https://www.honda-taiwan.com.tw
Yamaha Motor Taiwan (ヤマハ)
台灣山葉機車工業(Yamaha Motor Taiwan)は、日本のヤマハ発動機が台湾に設立した日台合資企業であり、三陽工業・光陽工業と並ぶ台湾三大二輪メーカーの一つである。台湾に生産工場を構える。
125ccクラスを中心とする小型二輪を台湾国内外へ供給し、フランスのMBK向けなどOEM供給も手がける。日本国内向けの正規供給車両も生産しており、台湾が重要な生産拠点となっている。
台湾市場では2025年時点でSYM・KYMCOに次ぐ上位ブランドの一角を占め、人気スクーターが安定した販売を続けている。電動モデルの展開も進める。
2026年時点では、通勤スクーターの堅調な需要を背景に、燃費・走行性能を訴求する新型投入とブランド価値の維持に注力している。
出典:https://www.yamaha-motor.com.tw/
Suzuki Taiwan (スズキ)
台鈴工業(Suzuki Taiwan)は1974年に設立された台湾の二輪メーカーで、前身は臺隆工業である。1984年に台隆集団と日本のスズキが協力して台鈴工業を設立し、台湾でスズキ系スクーターの生産・販売を担ってきた。本社は桃園市平鎮区に置く。
通勤向けスクーターを中心に、燃費性能や信頼性を訴求する車種を展開している。台湾市場では上位2ブランドを追う位置づけで、堅実な販売基盤を持つ。
親会社のスズキは、2022年にインドでEVおよび車載電池の現地生産へ約1,500億円の投資を表明するなど、電動化・カーボンニュートラルへ舵を切っている。
2026年時点では、こうしたグループの電動化方針を背景に、台湾でも環境対応車種の投入や商品ラインの見直しを進めている。
出典:https://www.suzukimotor.com.tw
台湾の主要バイク企業3選〜外資編〜
BMW Motorrad Taiwan (ビーエムダブリュー)
台灣總代理汎德(BMW)は、ドイツBMWの二輪部門BMW Motorradの台湾総代理店(正規輸入販売)である。BMWはミュンヘンを拠点とする自動車・二輪・エンジンメーカーで、二輪ではBMW Motorradブランドを展開する。
汎德は台湾でBMW Motorradの大型二輪・スクーターを輸入販売し、正規ディーラー網とアフターサービスを提供する。プレミアム二輪セグメントで確固たる地位を築いている。
BMWは2020年に新エンブレムを採用するなどブランド刷新を進め、二輪でも電動スクーターや先進安全装備を投入している。台湾でもこうした最新モデルが順次導入されている。
2026年時点では、台湾で拡大するプレミアム・大型二輪需要を背景に、汎德を通じた新型投入と体験型マーケティングを強化している。
出典:https://www.bmw-motorrad.com.tw/
Ducati Taiwan (ドゥカティ)
總代理碩文(Ducati)は、イタリアの二輪メーカー、ドゥカティ(Ducati Motor Holding)の台湾総代理店である。ドゥカティはランボルギーニ傘下にあり、その親会社はフォルクスワーゲン・グループのアウディである。
碩文は台湾でドゥカティのスポーツバイクやネイキッド、スクランブラーなどを正規輸入販売し、専門ディーラーとサービス網を運営する。高性能・プレミアム志向のユーザーを主対象とする。
ドゥカティは近年、スクランブラーの新型やパニガーレ系の刷新を続け、電動化やレース活動(MotoGP等)を通じてブランド価値を高めている。台湾市場にもこうした最新モデルが導入される。
2026年時点では、台湾のスポーツ・大型二輪市場の拡大を背景に、碩文を通じた限定車やイベント展開でブランド訴求を強めている。
出典:https://www.ducati.com/
Harley-Davidson Taiwan (ハーレーダビッドソン)
台灣哈雷(Harley-Davidson Taiwan)は、米国の二輪メーカー、ハーレーダビッドソンの台湾拠点である。同社は1903年にウィスコンシン州ミルウォーキーで創業した、世界的なアイコンブランドである。
大排気量のクルーザーを中心に、独自のブランド文化とオーナーコミュニティを武器に台湾でも根強い支持を得ている。ディーラーを通じた車両販売とアフターサービス、イベントを展開する。
本社は2021〜2025年の中期戦略「The Hardwire」を掲げ、収益性重視とブランド価値の再構築、電動二輪「LiveWire」の育成を進めてきた。台湾でも大型車の商品力を訴求している。
2026年時点では、成熟する大型二輪市場の中で、体験型イベントやコミュニティ運営を通じてブランドロイヤルティの維持・拡大を図っている。
出典:https://www.harley-davidson.com/tw
FAQ
台湾の主要バイクメーカーにはどのような企業がありますか?
台湾の主要バイクメーカーには、ローカル企業としてサンヤン、光陽工業、宏佳騰、建迪企業、台灣金蜂、睿能創意などがあり、それぞれが二輪車や電動バイク、部品の製造を行っています。
台湾のバイクメーカーの中で特に有名な企業はどれですか?
最も有名な台湾のバイクメーカーにはSYM(サンヤン)、KYMCO(光陽工業)、AEON MOTOR(宏佳騰)、および台灣金蜂(TGB)が含まれます。これらは国内外で広く知られています。
台湾のバイク業界の中で外資系企業にはどのような企業がありますか?
外資系企業には、ドイツのBMWの代理店である台灣總代理汎德や、イタリアのドゥカティの代理店、アメリカのハーレーダビッドソンの台湾代理店などがあります。これらは海外ブランドの二輪車を扱っています。
台湾の企業が力を入れている分野は何ですか?
台湾のバイク企業は、特に電動バイクと電池交換システム、電動車の開発に力を入れており、環境に優しい交通手段の促進に注力しています。
台湾のバイク産業の今後の展望は何ですか?
今後の台湾のバイク産業は、電動化や環境配慮型の技術革新を推進し、国内外の市場でのグローバル展開を更に拡大していく見込みです。

