台湾の携帯業界は、最新技術と革新的なサービスで成長を続けています。特に、中華電信、台灣大哥大、遠傳電信、台灣之星電信、亞太電信といった主要企業が、市場を牽引しています。これらの企業は、それぞれ独自の戦略で競争力を高めています。本稿では、これらの企業の詳細な情報と事業内容を紹介し、台湾市場でのビジネス展開を考える日本企業の経営者や担当者にとって役立つ情報を提供します。
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台湾の主要携帯キャリア5選〜ローカル企業編〜
中華電信(チュンファテレコム)
中華電信(Chunghwa Telecom)は、台湾最大の携帯キャリアであり、1996年に電信事業の民営化に伴って誕生した企業である。現在も政府が35%の株式を保有しており、台湾の通信業界における重要な位置を占めている。本社は台北市中正区に所在する。
2025年3月時点で、中華電信は顧客数が1000万人を超える利用登録者数を誇り、通信インフラの提供において台湾市場をリードしている。事業内容は、固定電話、無線通信(モバイル通信)、インターネット接続、電子商取引(eコマース)、スマート型インターネットサービスを含む多岐にわたる。また、5Gネットワークの拡充にも注力しており、2022年から5Gサービスの提供を開始し、現在は全国規模でサービスを展開している。
従業員数は約22,000人で、国内外で広範な事業展開をしており、特に台湾国内での通信網整備においては欠かせない存在となっている。
中華電信は、近年のテクノロジー分野での進展にも積極的に取り組んでおり、2021年12月には、國立陽明交通大学と協力して、AIスマート医療サービスを紹介するため「2021台灣醫療科技展」に出展した。この展示では、「AIスマート分析プラットフォーム」を披露し、AI技術を活用した医療分野の革新を推進する取り組みをアピールした。
さらに、デジタルトランスフォーメーション(DX)の一環として、企業のクラウドサービスやデータセンター、IoT(モノのインターネット)関連のソリューションを提供し、ビジネス向けにも高付加価値なサービスを展開している。中華電信は、台湾のデジタル経済の成長を支える重要なインフラを構築している企業の一つとして注目されている。
出典:https://www.cht.com.tw
台灣大哥大(タイワンモバイル)
台灣大哥大(Taiwan Mobile)は、台湾第二の携帯キャリアであり、1997年2月25日に設立された企業である。2025年3月時点で、利用登録者数は約720万に達しており、台湾国内での通信業界において重要な役割を担っている。本社は台北市信義区に所在し、従業員数は約3,500人を誇る。
台灣大哥大は、通信業界における基盤を持ちながらも、事業を多角化し、さまざまな産業に展開している。主に「T.I.M.E(Telecom、Internet、Media & Entertainment、E-Commerce)」という4つの大きな分野で事業を行っており、これにより通信、インターネット、メディア・エンターテインメント、電子商取引の各領域で新たなビジネスモデルを構築している。
特に、台灣大哥大は、M+ Messenger、MyVideo、MyMusic、MyBook、myfoneショッピング、MySports、Smarter Home、ゲーム経営など、顧客に対して幅広いデジタルサービスを提供しており、これらはユーザーのライフスタイルに密着した革新的なサービス群である。特に、動画配信サービス「MyVideo」や音楽ストリーミング「MyMusic」などは、台湾国内で高い人気を誇っている。
また、企業の社会的責任にも力を入れており、環境保護の取り組みを積極的に行っている。Carbon Disclosure Project(CDP)からは最高評価の「A」を取得しており、これは企業の気候変動に対する取り組みや、サステナビリティに対する積極的な姿勢が評価された結果である。さらに、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献にも注力しており、環境・社会・ガバナンス(ESG)活動を強化している。
台灣大哥大は、通信だけでなく、多様なサービスを展開することで、競争の激しい市場の中で独自の強みを発揮し、顧客のニーズに応える企業であり続けている。
出典:https://www.taiwanmobile.com/index.html
遠傳電信(ファーイーストーン)
遠傳電信(FarEasTone Telecommunications)は、台湾第三の携帯キャリアであり、2019年6月時点で約710万の利用登録数を誇る。遠東グループと米AT&Tの合弁企業として設立されたが、現在はAT&Tが撤退し、日本のNTTドコモが4.7%の株式を保有している。2025年3月時点で、従業員数は約6,300人で、台北市內湖区に本社を構えている。
遠傳電信は、2016年に正式に4.5G(LTE-Advanced)サービスを開始し、アジアの通信市場において700/1800/2600 MHzの帯域を活用して、高速かつ高品質な通信サービスを提供した最初の事業者である。この革新的な取り組みは、台湾の通信インフラを強化し、データ通信の品質向上を実現した。
さらに、企業向けにはICT(情報通信技術)業界での垂直統合を強化し、ビッグデータ分析を通じて、エンタープライズ市場向けに柔軟で完全かつ安全なクラウドサービスを提供している。これにより、企業はより効率的で競争力のある業務運営が可能となっており、特に中小企業向けのクラウドサービスでは顕著な成長を見せている。
遠傳電信は、今後の展望として、台湾をハブとしてアジア太平洋地域、さらにはヨーロッパ、アメリカ、ニュージーランド、オーストラリアに至るまで国際通信サービスを拡大し、品質と通信プラットフォームのサービスを強化していく予定である。また、スマート関連のアプリケーション開発にも積極的に取り組んでおり、AIやIoT技術を活用した新しいサービスの展開が期待されている。
出典:https://www.fetnet.net/content/cbu/tw/index.html
台灣之星電信(T STAR)
台灣之星電信(T STAR)は、台湾第四の携帯キャリアであり、2019年6月時点で約220万の利用登録数を持つ。2013年3月に設立され、同年11月には威寶電信(Vibo Telecom)を買収し、事業の規模を拡大した。本社は台北市內湖区に所在し、従業員数はその規模に応じて増加している。
台灣之星は、設立以来「ルールを覆し、世界に挑戦する」という精神を掲げており、革新的な取り組みを積極的に進めてきた。2014年6月には、900MHz周波数帯における4Gフランチャイズライセンスを取得し、同年8月には正式にサービスを開始した。これにより、台湾国内での高速データ通信を提供し、競争の激しい市場においてシェアを拡大していった。
さらに、2020年7月29日には、3.5GHz帯の5Gフランチャイズライセンスを取得し、同年8月4日に5Gサービスを開始した。これにより、台湾の5Gネットワークの発展に貢献し、次世代通信技術の普及に向けた重要な一歩を踏み出した。
また、台灣之星は、従業員の福利厚生や働き方にも注力しており、2020年10月にはアジアのベンチマーク人材誌「HR Asia」によって評価され、「2020 Asia’s Best Employers Award」を受賞した。この受賞は、企業文化や人材育成における優れた取り組みが評価された結果であり、台灣之星が魅力的な職場環境を提供していることを示している。
今後、台灣之星は5Gインフラのさらなる拡充を進め、デジタルエンターテインメント、スマートホーム、IoT(モノのインターネット)などの新しい分野にも注力することが期待されている。また、競争の激化する通信市場において、より多様なサービスを提供し、利用者のニーズに応え続ける企業としての成長が見込まれている。
出典:https://www.tstartel.com/CWS/
亞太電信(Gt)
亞太電信(Asia Pacific Telecom)は、台湾第五の携帯キャリアであり、2019年6月時点で約200万の利用登録数を持つ。2000年に設立され、主に通信サービスの提供を行っている。最大の株主は半導体製造大手のFoxconn(鴻海精密工業)であり、また、台湾の主要携帯キャリアである台灣大哥大(Taiwan Mobile)も出資している。
2007年から2011年にかけて、亞太電信は子会社である「亞太行動寬頻(Asia Pacific Broadband Wireless)」「亞太線上(Asia Pacific Online)」との合併を進め、主要なブロードバンドビジネスを統合した。この統合により、Broadband Fixed Lines(固定ブロードバンド回線)、Broadband Wireless(無線ブロードバンド)、Broadband Internet(インターネット接続)などのサービスを提供する大手通信事業者としての基盤が整った。
さらに、亞太電信は、2020年より5Gサービスの営業を開始し、次世代通信技術である5Gネットワークを台湾国内に導入した。これにより、より高速で低遅延な通信サービスを提供し、IoT(モノのインターネット)やスマートシティ、5G対応アプリケーションなど、さまざまな分野での展開を目指している。
出典:https://www.aptg.com.tw

