【統計データで解説!】シンガポールの教育業界の最新トレンド・業界事情

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この記事では、統計データを用いてシンガポールの教育業界の最新情報をお届けしていきます!

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目次

シンガポールの学校事情〜統計データ〜

輸送におけるシンガポールのGDP

シンガポールは教育に力を入れている国として有名であり、政府予算にも反映されていると言える。2021年の教育に対する政府支出は推定136.2億SGDとなっており、実質前年比1.1%の増大となっている。また、2018年以来教育システムの開発における新しい段階に着手し、シンガポール人が「生涯学習」をし、未来を受け入れ、急速に変化する世界で機会をつかむための基盤を築くことに重点が置かれている。

またMOEは、すべてのシンガポール人が教育システムを通じて提供される機会にアクセスできるようにし、人生の可能性を実現できるように質の高い手頃な価格の就学前教育へのアクセスを通じて、すべての子供に力強いスタートを提供する。

政府支出教育費(②020-2022)

出典:MOE

学生-教師数比率

下記のグラフは、2015年から2019年にかけての1人の教師に対して何人の学生が在籍しているか(Pupil-Teacher Ratio:PTR)を示しているグラフである。プライマリースクールおよびセカンダリースクールに分けられているが、セカンダリースクールにおけるPTRは継続してプライマリースクールよりも少人数である。

2012年から2017年にかけてはどちらも減少が続いており、プライマリースクールでのPTRは14.1%減少し、セカンダリースクールのPTRは16.5%減少していた。しかし2018年から減少が止まっており、2019年ではセカンダリースクールが1ポイント増加している。

学生・教師数比率(②015-2019)

出典:MOE

シンガポールの幼児教育・学習塾事情〜統計データ〜

シンガポールの機関別進学率

小学校初学年生(P1)が、大学やポリテクニックなどの高等教育機関に進学した割合を追跡調査したコホート研究結果によると、2019年度において専門学校(Nitec)に進学した者は24.9%、ポリテクニックは48.5%、Pre-Universityは28.5%、国立大学へは38.4%となっている。

ポリテクニックはITE、LASALLE College of the ArtsおよびNanyang Academy of Fine Arts (NAFA)を示し、国立大学は NUS, NTU, SMU, SUTD, SIT, SUSS, LASALLEおよびNAFAを含んでいる。また、進学割合の合計が100%を超えるのは、ポリテクニックに進学したあとに国立大学へ進学している者がいる為である。

進学先コホート研究(②015-2019)

出典:シンガポール教育省

家計に占める教育費の割合

2017年から2018年にかけての家計の支出割合を見ると、住居費、食品費および交通費が家計における大きな割合を占めている。また、教育費用は5.7%の支出割合であり、ここには大学教育費と学習塾などの費用が含まれている。

時系列で見ると、2007/08での教育費は5.3%、2012/13では5.4%と、家計に占める割合が緩徐に増加していると言える。絶対値で見ると、2017/18でのひと月当たりの教育費用は339SGDとなっていて、内訳は大学費用が120SGDで、学習塾などの費用が112SGDとなっている。

家計の支出割合

出典:GOVTECH

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シンガポールの保育事情〜統計データ〜

上昇し続ける女性就業率

何十年にもわたる社会革命により、雇用機会を含めたコミュニティのあらゆる面で、女性の権利と平等がますます認識されるようになったシンガポールは、世界で最も進歩的な国の1つである。女性の労働参加率 (LFPR) だけでなく、フルタイムの総雇用率、月間総収入の中央値なども上昇している。

2010年から2020年にかけて女性のLFPRが上昇したことは、より多くの女性が労働力に加わり、女性のより経済的に自立したライフスタイルに人々が同意していることを示唆している。特に、女性の労働参加率が2018年の60.2%から2020年には61.2%に上昇したのは、注目に値すると言えるだろう。

女性の就業率

出典:Ministry of Manpower

(EI) プログラム参加児童数の推移

低レベルのEIサポート(初期介入:就学前の子どもに対する特別な教育)を必要とする子供は、就学前環境で提供されるDS-LSまたはDS-Plusプログラムからサポートを受けることができる。また、中レベルまたは高レベルのEIサポートを必要とする子供は、早期介入 (EI) センターで提供されるEIPICプログラムからサポートを受けることができる。

DS-LSでサービスを受ける子供たちは、3ヵ月から8ヵ月の短期間の対象を絞ったサポートを受ける。2020年から2021年にかけて、入学者数はわずかに減少したが、これはCOVID-19による制限によるもので、全体的には増加している。このことから、シンガポール人の早期教育の関心の高さとシンガポール政府の姿勢を窺える。

(EI)プログラムに参加した児童の数

出典:MSF/ECDA

シンガポールの語学学校事情〜統計データ〜

シンガポールの民族構成

シンガポールにおける民族構成は、2020年の調査において中国系が約76%、マレー系が15%、インド系が7.5%となっている。この民族構成は10年前の2010年の調査結果とほぼ変わらないが、中華系とマレー系のメジャーな民族が若干増加傾向にある。National Languageである言語はマレー語であるが、Official Languageである公用語はマレー語、マンダリン(中国語)、英語およびタミール語である。

ビジネスハブとしての地域を確立しているシンガポールにおいて、ビジネスで使用される言語は英語となっているが、シンガポール独特の言い回しを含んだ「シングリッシュ」が有名である。しかし、近年では、適切な英語を使用するべきであるという「Speak Good English Movement」という運動も政府により推進されている。

シンガポールの民族構成(2020)

出典:SingStat

シンガポールの識字率

15歳以上の大人が日常生活上の簡単で短い文章を理解して読み書きできる人口の割合(識字率)と、大学や専門学校など中学校、高等学校等の中等教育を修了した人を対象にした教育機関による資格取得率(中等後資格取得率)は、1960年から大幅に上昇している。

シンガポールにおける識字率は1960年に全体の52.6%(男性70.3%、女性32.8%)であったものが、2021年には全体の97.6%(男性98.9%、女性96.4%)となっている。また、中等後資格取得率も上がっている。男女の識字率の差は未だに存在しているが、2021年には2.5%の差となっており、男女間の識字率の差はほとんどない状態といえる。

識字率と中東語資格取得率(②020-2021年)

出典:SingStat

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シンガポールの資格・社会人教育事情〜統計データ〜

SkillsFuture Credit利用者

政府主導のイニシアチブであるSkillsFutureにおいて、さまざまな業界や分野のコースを枠組みとして設定している。近年多くの個人と企業がSkillsFutureイニシアチブを利用しており、2019年には約500,000人の個人と14,000の企業がプログラムの恩恵を受けた。2018年において、約465,000人の個人と12,000の企業からの利用であったことと比較すると、利用者数が増加している。

この増加は、シンガポール国民に対するスキル取得や生涯学習を促進させる基礎ができつつあることを示している。この政府主導のイニシアチブは、今後どの業界においてもデジタル化が進む中で、人材に求められるスキルが変化していくことに対応していくことが根底にある。

skillsfuture credit 利用者数(2016-2019)

出典:SkillsFuture

シンガポールの識字率と中等後資格所持率

政府主導のイニシアチブであるSkillsFutureにおいては、さまざまな業界や分野のコースを枠組みとして設定していて、2016年にローンチされたこのプログラムは設立当初3つのプログラムで始動した。その3つの分野はホテルや住宅サービス分野、乳幼児ケアおよび教育分野、そして精密工学分野であった。

2017年になると、会計やロジスティック、エネルギー分野など幅広い職業分野に渡る13フレームワークと、その数を大きく広げた。さらに、2019年にはその倍近くになる25に技能分野を広げ、シンガポール国民に対するスキル取得や生涯学習を促進させる基礎ができつつあるといえる。

技能分野数(2017-2022)

出典:SkillsFuture

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