この記事では、統計データを用いて中国の製造業(食品以外)業界の最新情報をお届けしていきます!
読了時間の目安:5分
中国の化粧品事情〜統計データ〜
中国化粧品類小売総額
化粧品は過去数年間、中国国内で最も急速に成長している産業の1つである。国家統計局のデータによると、2021年小売総額は4,026億元と、2020年の3,400億元より18.4%増加した。これは2020年のすべての小売総額の0.87%に相当する。
販売チャネル別にみると、Eコマースが前年比30.1%増加したのに対し、フランチャイズストアは0.15%増にとどまり、スーパーマーケットは3.11%の減少となった。2021年の「ダブルイレブン」では、Tmall、JD.com、およびPinduoduoでのビューティーおよびスキンケア製品の総売上高が452億元に達した。
化粧品のオンライン普及率が上昇した理由は、ブランド側がオンラインチャンネルでの取り組みを強化し、プラットフォーム上に旗艦店をオープンしたことによるとみられる。
出典:中研網
中国化粧品分類別市場シェア
中国の化粧品消費市場の分類別シェア見ると、スキンケア製品、ヘアケア、カラー化粧品が化粧品消費市場の主力であり、この3つが中国の化粧品市場シェアの70%以上を占めている。2021年のデータをみると、スキンケア製品の市場シェアは約51.2%で、ヘアケア製品とカラー化粧品の市場シェアはそれぞれ11.9%と11.6%である。
ブランドの競争状況を見ると、2016年以来、中国の化粧品市場の業界集中度は高まり続けており、2020年には中国化粧品市場全体において、トップ3ブランドが25.6%、トップ5ブランドが32.2%、CR10が42.9%を占めている。高級化粧品市場においてはこの傾向がさらに顕著であり、トップ3ブランドが41.6%、トップ5ブランドが51.1%、トップ10ブランドが61.4%を占めている。
出典:華経産業研究
中国の美容事情〜統計データ〜
中国美容業界の就業分析
中国美容業界従事者の男女比は約21.42:78.58と女性が活躍する業界である。平均年齢は約25.72歳と非常に若く、4割が地元出身者、6割が他地方からの出稼ぎである。そのうち7割は自営業および起業者となっている。
美容ケアや理髪トレーニング業界は、小さな街から多数の労働力と求職者を吸収しており、雇用機会分配と企業か教育のよいチャンネルとなっている。
中国国内には約331,000の美容関連法人が存在し、そのうち149,000はエステ関連(ネイル、ボディーケア含む)となっており、約140.9万人の従事者のうち、約767,000人が従事している。美容業界従事者に最も人気のある都市は上海、北京、広州、深セン、成都などだ。
出典:中研網
中国美容業界の市場規模推移
中国の経済発展に伴い、中国の美容業界は美容、理容、化粧品、美容機器、技術者養成機関などの分野を含む複合産業へと成長した。中国の人口や、業界がより質の高い成長を遂げている現状を鑑みると、今後も業界規模は拡大していくと考えられる。
2021年の中国美容市場規模は3,863億元であり、2015年からの複合成長率は4.0%に達する。2022年には4,019億元、2023年には4,171億元と、4,000億元超えの市場規模に達するとみられている。国民の生活レベルの向上と、高品質への絶え間ない追求、そして美的意識の普及に伴い、人々の化粧品やその他の生活美容製品への需要は今後もますます高まっていくであろう。
出典:芸媒網
中国の文房具・事務用品事情〜統計データ〜
中国文房具業界の市場規模
文具は製品形態によって、ペン、インク、ノート、教材などに分けることができる。また、機能的な用途に応じて、筆記具、学生用文房具、オフィス用文房具、その他の教育的用品などのカテゴリに分類できる。
中国の近代的な文房具産業の発展は他国に比べて遅く始まったが、発展速度は速く、市場規模は拡大し続けている。近年、中国の文房具業界の企業数は増加し続けており、業界全体の生産額は2020年には1638億9100万元に達している。
一方で、技術力も高まり続けており、単純なOEM生産と模倣の段階を脱して、技術の研究開発への投資を徐々に増やしている。一部の製品技術はすでに世界レベルに達しており、世界市場での競争力も上昇している為、輸出も安定した成長傾向を維持している。
出典:個人図書館
中国事務用品(オフィス文具)市場規模
中国は事務用品業界において世界最大の消費国の1つである。経済の発展に伴い、作業効率の改善や、快適なオフィス環境の欲求が高まり、事務用品への新たな需要が増加し続け、市場を作り出している。業界は近代的なオフィスコンセプトにあう新商品の研究開発に力を注いでいる。
中国の事務用品市場は継続的な成長を続けており、2022年には中国の事務用文房具市場の規模は644億1000万元に達すると推定されている。一方で、中国の事務用品市場は非常に細分化されており、業界の集中度が低い。競争が激しく低利益の業界となっている。今後国内市場が統合と集中を増していくに従い、さらに市場が発展する可能性は大きくなると考えられる。
出典:共研研究院
中国の自動車事情〜統計データ〜
中国自動車生産量及び販売量予測
中国自動車製造業協会は、2022年2月の自動車業界の販売台数が166.6万台になると予想し、前月比で34.2%の減少となった。減少に転じた原因の一つは、感染症の予防と抑制の措置の影響であるが、予防接種普及と抑制措置の最適化が進んでおり、その影響は過去2年間と比較すると少なくなっていくことが予想される。
また、販売量減少のもう一つの原因は、半導体チップ不足である。2021年はチップ不足により、約150万台の市場需要が抑制されたといわれる。しかし、チップのローカリゼーションの代替案が徐々に実装されている為、2022年後半にはチップの供給がある程度緩和されると予想された。
出典:中商産研究院
2022年上半期中国主要自動車メーカー販売量
中国の主要な自動車メーカーである上海汽車、広州汽車、BYD、吉利、奇瑞の2020年6月の販売台数は、210万台を超えた。その中で上汽汽車の販売台数は48.36万台に達し、前年比47.16%増となった。後に続く広州汽車は23.44万台の車両を販売し、前年比で41.16%増加した。
BYDの販売台数は大幅に増加し、13.4万台の車両が販売され、前年比で162.74%増加した。吉利と奇瑞はそれぞれ12.66万台と10.50万台を販売した。2022年上半期、上海汽車と広州汽車はそれぞれ223.4万台、114.9万台と、100万を超える自動車を販売した。広州汽車、BYD、奇瑞を除く他の自動車メーカーの販売台数は前年同期に比べて減少している。
出典:東宝財富網
中国のバイク事情〜統計データ〜
中国オートバイ生産量および販売量
中国公安部の発表によると、2022年上半期、中国全土で534万台のオートバイが新規登録され、前年の同時期に比べて108万台、25.38%増加となった。また、動画サイトDoyingでは「オートバイ」のトピックが600億回近く再生されており、中国でオートバイの人気が高まっていることがわかる。
その理由のひとつとして都市の交通渋滞があげられ、オートバイは快適な通勤のためのツールとして認識されてきている。第二に、若者の間でオートバイに乗ることが趣味や生き方として浸透してきていることも理由のひとつである。今一番の売れ筋はレーシングカーの模倣品で、発注から1年待ちが当たり前となっている。
オートバイ業界はここ3年連続で大幅に成長しており、伝統的な輸送手段から娯楽やレジャーの手段に変化しているが、大排気量オートバイの販売量はオートバイ市場全体の3%~5%を占めているにすぎず、まだ巨大な潜在力を秘めているといえる。
出典:新浪財経
2021年中国国産オートバイ販売台数トップ10
2021年中国のオートバイ販売台数は2019.48万台で、前年比12.7%増となった。これは過去8年間で最高の水準である。上位10社の合計販売台数は986.84万台で、全体の60.72%を占めている。販売台数1位は「大長江」で、2003年以来19年連続で業界1位にランクされている。2,021年の販売台数は234.9万台に達し、月間平均販売数は19.5万台、1日あたり平均6400台を売り上げている。
大長江は1,990年代初頭に設立され、当初から日本のSUZUKIと長期的な協力関係を築いてきた。2002年、両者は共同で中国初の中外合弁のオートバイ研究所を設立した。大長江が生産するHAOJUEとSUZUKIは中国全土で人気があるだけでなく、海外80以上の国と地域に輸出されている。
出典:摩比网
上海在住で杭州出身の中国人。一橋大学の経済学修士課程修了。日本企業でマーケットインサイト部門で就労後、中国のIT会社でユーザー研究・マーケットリサーチに携わる。コンサル業界・証券業界の友人が多いため、リサーチ関連で助けとなっている。