【統計データで解説!】ベトナムの金融・法人サービス業界の最新トレンド・業界事情

Malaysia-bank

この記事では、統計データを用いてベトナムの金融・法人サービス業界の最新情報をお届けしていきます!

読了時間の目安:5分

ベトナムの金融・法人サービス業界 業界地図はこちら!

ベトナムの銀行事情〜統計データ〜

ATM設置台数の推移

ベトナム国家銀行のデータによると、全国にあるATMの台数は2016年は17,472台、2017年は17,558台で、ATMを利用した現金引き出しは増加していた。一方で、2018年のATM台数は増加したが、ATMでの現金引き出しは減少した。現金の引き出しが減少した理由は、インターネットや携帯電話による電子決済が急成長し、多くの消費者がそれらのサービスを利用しだしたからである。

ベトナム国家銀行のデータでは、現在ベトナム国内の全ての銀行がインターネットバンキングやモバイルバンキング、電子マネーのサービスを展開しており、消費者の多様なニーズに対応している。2019年のATM設置台数は19,187台、2020年は19,636台に増加している。

また、ベトナム国内の銀行では税金支払いに対応するため、電子決済サービス開発及び利用促進に取り組んでいる。特に指紋認証や顔認識、QRコードなどを活用したサービスを充実させている。

ATM設置台数の推移

出典:The State Bank of Vietnam

銀行預金額の推移

ベトナム政府(統計総局)のデータでは、2017年時点のベトナム国内の銀行預金額は7,216兆VND(伸び率:15%)、2018年は預金額が8,127兆(伸び率:12.6%)、2019年の預金額は9,375兆VND(伸び率:15.4%)に増加した。

また、2021年時点の預金額は11,882兆VNDに急増したが、新型コロナウイルスの感染拡大等の影響で、伸び率は10.3%留まった。2021年前半には預金の伸び率が減少に転じる銀行が7行(ABBank、SeABank、NCB、Viet Capital Bank、MSB、PG Bank、Saigonbank)もあった。現在、ベトナム国民は銀行に預金する代わりに、株式や不動産に投資する傾向が強い状況である。

銀行預金額の推移

出典:Statistical Yearbook of Viet Nam

ベトナムの証券事情〜統計データ〜

上場企業数の推移

2017年以降ベトナムの株式市場は力強い発展を遂げており、アジアで最も高い成長率を達成している。また、社会・経済発展及び資金の調達に重要な役割も果たしている。国家証券委員会のデータでは、ベトナム国内の上場登録企業数は2017年時点で2,036社であり、VPBankやVietjet Airなどの多くの大企業が上場した。

2018年時点の上場企業数は2,131社に増加し、2019年は米中貿易戦争やブレグジットなどが起きたが、ベトナム国内の上場企業数は2,173社に増加した。また、2020年は新型コロナウイルスにより、ベトナムの経済や社会、株式市場は様々な課題に直面したが、上場企業は2,258社に増加した。

2021年は新型コロナウイルスの感染拡大や、経済の悪化等の影響で上場企業数は66社減少(2,192社)したが、上場市場規模と市場流動性は前年比で大幅に増加した。

上場企業数の推移

出典:STATE SECURITIES COMMISSION OF VIETNAM PORTAL

證券市場の平均取引金額の推移

国家証券委員会のデータによると、2017年の證券市場の平均取引金額は14兆130億VNDで、2018年は15兆4580億VNDと増加した。2018年は国際的に政治や経済、金融が不安定になり、新興市場から資本を引き出す傾向が強まった。

しかし、国内のマクロ経済は安定しており、関係機関の支援によりベトナムの株式市場は成長を続けた為、外国投資家に魅力的な投資先と評価された。一方で、2019年は市場流動性の面で多くの課題に直面し、取引額は13兆8710億VNDに減少した。

その後、2020年は17兆9840億VNDに増加し、2021年も45兆7190億VNDに急増した。ベトナムの株式市場は新型コロナウイルスの感染拡大の影響からかなり早く復帰できると評価され、上記のような結果に繋がったと言われている。

證券市場の平均取引金額の推移

出典:STATE SECURITIES COMMISSION OF VIETNAM PORTAL

ベトナムの金融・法人サービス業界 業界地図はこちら!

ベトナムの保険事情〜統計データ〜

年間保険売上額の推移

ベトナム政府(財務省)のデータでは、年間保険売上額は2015年時点の84兆4,890億VNDから2021年時点では255兆8,760億VNDへ大幅に増加した。また、2020年から2021年にかけては新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、ベトナム国内の経済にも大きな影響を与えたが、ベトナムの保険市場はコロナ禍でも大きく成長し、注目された。

ベトナム国内の専門家は、ベトナムの安定したマクロ経済のおかげでベトナムの保険市場は依然として大きく発展する余地があるとコメントしている。また、2021年から2025年までのベトナムの保険業界の年平均成長率は15%/年程度と予想されており、2025年までに市場規模は全GDPの約3%~3.3%に達すると予測されている。

年間保険売上額の推移

出典:The Ministry of Finance

保険会社数の推移

ベトナム政府(財務省)のデータでは、ベトナム国内の保険会社数は、2015年時点の61社から2021年時点では77社まで増加しているが、ベトナム国内の保険会社の市場構造は大きく変わっていないと評価されている。

種類別の保険会社数では、保険仲介以外の損害保険や生命保険、再保険を取り扱う保険会社はそれほど増加しておらず、特に再保険事業者に関しては2社のみ参入している。また、ベトナムの保険市場は近年安定して高成長を続けているが、ベトナムのポテンシャルを考えると市場規模は小さいと評価されている。

2021年にベトナム政府(計画投資省)は保険分野を含めた市場への参入条件等を見直したため、今後は保険分野を含めた様々な分野に外国企業や外国人投資家の参入が見込まれている。また、多くの企業がベトナム国内の保険部門を強化するためにM&Aを検討している。

保険会社数の推移

出典:The Ministry of Finance

ベトナムの法律事務所事情〜統計データ〜

ベトナムの弁護士数の推移

ベトナム政府(弁護士連合会)のデータでは、ベトナム国内の弁護士数は2017年時点では12,596人であったが、2021年時点では16,350人まで増加している。ベトナム国内の人口は約1億人で、弁護士数は16,350人(日本:41,118人/2019年)であるため、国民6,000人当たり1人(日本:国民3,075人当たり1人:2019年)の水準である。

しかし、この水準ではベトナムの一般市民が日常的に弁護士から満足出来る法律サービスを受けられる環境にはなっていない。また、ベトナム国内の弁護士は都市部と地方、平地と山間部、ベトナムの北部(ハノイ)・中部(ホーチミン)と中部地方で偏りがあり、主にハノイとホーチミン市の2大都市に弁護士が集中している。

ベトナムの弁護士数推移

出典:Vietnam Lawyer Journal

ベトナム人弁護士が参加した案件数推移(2021年)

ベトナム政府(弁護士連合会)のデータでは、2021年に全国でベトナム弁護士が関わった刑事事件や民事事件、法律コンサルティング、法定代理、その他の法律サービス、無料法律サービス、経済ビジネス事件、行政事件、労働事件は合計で72,621件だった。

2021年の案件の内訳では、労働事件が20件で最も少なく、法律コンサルティングが45,732件で最も多い案件であった。近年ベトナム国内の弁護士を含めた法律専門家は、専門的な案件で十分な役割を果たしており、社会的任務も果たしている状況である。

また、弁護士が提供するコンサルティングサービスの質に関しては、行政分野や労働分野、結婚や家族、経済、国際貿易等の分野で改善が見られる。

ベトナム人弁護士が参加した案件数推(2021年)

出典:Vietnam Lawyer Journal

ベトナムの金融・法人サービス業界 業界地図はこちら!

ベトナムの会計事務所事情〜統計データ〜

ベトナム4大会計事務所の年間売上額(2021年)

世界4大会計事務所(Big4)であるEY、PwC、Deloitte、KPMGは、ベトナム国内にある国営企業の40%の監査を行っている。ベトナム政府(科学技術省)のデータでは、ベトナムのBig4の年間売上額は約3兆7,640億VND、税引後売上額は約2,350億VNDであった。

4社の中でPwCの売上が最も大きく、2021年度は1兆1,240億VND以上に達している。4大会計事務所の売上構造は大きく異なり、EYは監査が全体売上の約3/4を占め、Deloitteも主に監査の売上が全体売上の半数以上を占めている。

一方で、PwCとKPMGは監査以外のサービスを積極的に行っており、全体売上に占める監査の割合は小さく、両者の総売上に占める監査サービスの割合は、PWCが4.3%、KPMGが14%程度に留まっている状況である。

ベトナムの4大会計事務所の売上 (2021年)

出典:VN Express

会計事務所数の推移

ベトナム政府系団体(ベトナム公認会計士協会)のデータでは、ベトナム国内にある会計事務所数は2018年時点で178社であったが、2022年には236社まで増加している。また、ベトナム財務省のデータでは、会計監査サービスマーケットは国内外の企業を含めて40,000社を超えるクライアントにサービスを提供している。

しかし、監査サービスを提供しているのは236社のみであり、企業数に対して会計事務所の数が十分ではない状況である。また、ベトナム国内で国際的な会計監査資格を持つスタッフは約5,000人程度で、十分ではない状況である。会計事務所の監査活動はベトナムの市場経済の中で重要な役割を担っているため、今後もニーズは増加し続けると思われる。

会計事務所数の推移

出典:VACPA

ベトナムの人材サービス事情〜統計データ〜

ベトナム人労働者数の推移

ベトナム政府(統計総局)のデータによると、ベトナム人労働者の男女比に大きな差はなく、諸外国と比較するとベトナムは労働者が豊富な状況である。また、労働人口(15歳以上)は約5,000万人で、全人口の67.7%を占めている。

一方で、ベトナムの労働者の質は国際的なレベルでみると中の下であり、専門知識に長けている熟練労働者が不足している状況である。2021年のデータによると、熟練労働者は全労働者の24.1%のみで、依然としてベトナムの労働者の質は低い。

一部の労働者は適切な雇用機会を得る事が難しく、多くの企業は適切な人材が採用できない状況にある。また、労働者数の減少により、外資系を含めたベトナム国内にある企業の86.4%が人材採用に苦労すると言われている。

ベトナム人労働者数の推移

出典:GENERAL STATISTICS OFFICE

ベトナムの失業率推移

ベトナム政府(統計総局)のデータでは、ベトナムの失業率は2017年~2019年にかけて微減したが、2019年~2021年にかけて急激に増加した。特に、2021年の労働者の平均失業率は3.2%で、特に都市部の失業率は4.42%で農村部の失業率(2.48%)よりも高くなった。

これは新型コロナウイルスの影響や経済発展等によって、よりハイレベルな労働者を必要とする企業等が増加している反面、ベトナム国内の職業訓練機関や教育機関では、企業等が求めるスキル・知識を持つ労働者の育成が出来ていないことが理由である。

現在ベトナム国内の労働者の大半は、単純労働に従事できるようなスキル・知識のみを持っている労働者が多く、近年は就職・転職も難しくなってきている。

ベトナムの失業率推移

出典:GENERAL STATISTICS OFFICE

ベトナムの金融・法人サービス業界 業界地図はこちら!

関連記事

  1. vietnam-bank

    【最新版!】ベトナムの主要銀行23選〜金融・法人サービス業界〜

  2. 【外資系企業も続々参入】ベトナムのドラッグストア業界

  3. thai-accounting

    【最新版!】タイの主要会計事務所15選〜金融・法人サービス業界〜

  4. singapore-human-resource

    【最新版!】シンガポールの主要人材サービス企業12選〜金融・法人サービス業界〜

  5. vietnam-hospital

    【最新版!】ベトナムの主要病院13選〜医療・介護業界〜

  6. Vietnam-medicaldevices

    【最新版!】ベトナムの主要医療機器メーカー17選〜医療・介護業界〜

  7. vietnam-telecommunications

    【最新版!】ベトナムの主要携帯キャリア15選〜エンタメ・IT・個人サービス業界〜

  8. vietnam-media

    【最新版!】ベトナムの主要テレビ局・新聞メーカー・出版社16選〜エンタメ・IT・個人サービス業界〜

ABOUT US

BIZLABマガジンは、海外でビジネスを拡大したい経営者、経営幹部、海外担当者向けに、役立つ情報を提供している専門メディアです。海外での個別相談・調査サービスを提供している「BIZLAB(ビズラボ)」が運営しています。

              ↓↓ビズラボとは↓↓

人気記事

  1. vietnam-bank
  2. タイ キャッシュレス
  3. china-develper