【統計データで解説!】マレーシアの医療・介護業界の最新トレンド・業界事情

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この記事では、統計データを用いてマレーシアの医療・介護業界の最新情報をお届けしていきます!

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目次

マレーシアの病院事情〜統計データ〜

マレーシアの医療従事者

マレーシアの医療従事者で最も多いのが看護師で、2020年末における総数は10万9,921人とされている。これは、全医療従事者の35%を占めており、国民297人に1人の看護師といった割合になる。

続いて多いのが医師の7万3,996人となっており、医療従事者の24%を占め、国民441人に1人が医師となる。医療従事者全体としては、2019年の29万9,820人から2020年には31万2,474人へと4.2%増加している。

マレーシアの医療従事者(2020年、計31万2,474人)

出典:保健省

マレーシア人の医療施設数

2020年末におけるマレーシア国内の医療施設数(歯科を除く)において、最も多いのが民間の診療所で8,222施設となっている。続いて保健省関連の診療所が2,895施設であり、民間の診療所の利便性が高い状況にある。

政府系病院を含む保健省関連の医療施設は146施設(総ベッド数は44,117床)であるのに対して、民間医療施設は936施設あり、その内病院として登録されているのは202施設(総ベッド数17,155床)となっている。

また、以前は1Malaysiaクリニックと呼ばれていた診療所は保健省のコミュニティ診療所と名称が変更され、268施設が運営されている。2020年には、保健省低リスクCOVID-19検疫・治療センターが新たな施設として115施設設置された。

マレーシアの医療施設数(歯科を除く、2020年)

出典:保健省

マレーシアの医療機器事情〜統計データ〜

医療機器の貿易額推移

2020年におけるマレーシアの医療・歯科機器、医薬品、手袋の輸出額は117億9,700万ドルで、2018年~2020年のCAGRは7.93%、同輸入額は71億6,100万ドルで、2018年~2020年のCAGRは0.98%であった。

また、2020年の医療機器輸入額は13億ドルで、米国製品が輸入市場の17.6%を占め首位であった。以降は中国、ドイツ、シンガポール、日本、台湾、英国、フランス、韓国、タイが続いた。

輸出については、米国がシェアの26%を占め首位で、以降は中国、シンガポール、ドイツ、日本、英国、オランダ、韓国、ベルギーが続いた。主な輸出品目としては、手術用・検査用手袋、その他医療機器、器具、カテーテル、注射器などである。

医療・歯科用機器、医薬品、手袋の貿易額

出典:米国商務省国際貿易局

医療機器の登録数推移

マレーシア医療機器庁が2020年に承認した医療機器登録申請は、合計で4,852件であった。内訳をみると、低リスクのクラスA医療機器が2,404件で全体の49.5%を占め、以下クラスB(低中リスク)が1,276件(26.3%)、クラスC(中高リスク)が907件(18.7%)、クラスD(高リスク)が234件(4.8%)、コンビネーション機器(医薬品と医療機器を組み合わせ)が4件(0.1%)、親医療機器と一緒に使用する付属品が27件(0.6%)であった。

さらに、医療機器登録ユニットは医療機器登録の修正通知申請も処理しており、2020年に同ユニットは3,310件の申請を受理し、3,202件の申請を承認した。

医療機器登録申請承認数(2020年、件)

出典:マレーシア医療機器庁

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マレーシアの製薬・バイオテクノロジー事情〜統計データ〜

医薬品産業への投資

2021年、マレーシアにおける医薬品産業では7件のプロジェクトがマレーシア工業開発庁に認可され、投資金額は前年の1億5,280万リンギットから2億6,670万リンギット増となる4億1,950万リンギットを記録した。

内訳としては、国内投資が全体の90.8%を占める3億8,070万リンギットとなり、前年比でほぼ3倍であった。中でも、ファルマニアガ・ライフサイエンス社はCOVID-19ワクチン製造向けに2億7,860万リンギットを投資している。対して、海外直接投資は全体の9.2%を占める3,880万リンギットとなった。

医薬品産業への投資金額(2021年)

出典:マレーシア工業開発庁

医薬品登録件数

国家医薬規制庁は、2021年に1,732件の新製品登録申請を受理し、1,491件が登録(前年の1,574件から83件の減少)された。新製品登録の内訳は、60.33%が国産品で、39.67%が輸入品であった。また、2021年12月までの累積登録製品数は2万4,399件となっている。

最も多く登録されたのは医薬品天然物化学で、全体の42%を占める627件、次いで健康サプリメントが同29%の438件であった。また、国家医薬規制庁医薬品規制局は、国家COVID-19予防接種プログラムの開始に伴い、13種類のCOVID-19ワクチンに対して条件付登録の承認を付与している。

新製品登録件数(2021年、件)

出典:国会医薬規制庁

マレーシアの医療卸事情〜統計データ〜

マレーシアの病床数

2020年、国内で最も多くの病床を抱えているのは保健省病院・専門医療機関(146施設)で、4万4,117床であった。この内、87%に当たる3万8,543床は病院、残り5,574床は専門医療機関となっている。

次いで、多くの病床を抱えたのが低リスク COVID-19検疫・治療センター(PKRC、115施設)で、2万6,423床、民間病院(202施設)1万7,155床、民間血液透析センター(543施設)6,847床となった。

2020年は、COVID-19対応で病床数が大きく増加している状況にある。また、2020年には保健省病院・専門医療機関の入院患者数は2,386,818人、PKRC8万6,965人、民間病院916,294人であった。

国内病床数(2020年、病床)

出典:マレーシア保険省

各種医療品の貿易額

2020年のマレーシアにおける手術台や病院用ベッドなどの医療用、外科用、歯科用、獣医用備品(HSコード9402)の貿易では、輸出額が487万ドル、輸入額が3,821万ドルとなっており、輸入額が輸出額の8倍近くとなっている。

また、直近の傾向として、2020年の輸出額は前年比で38.64の減少であったのに対し、輸入額は同57.41%と大幅な増加であった。輸出先としてはスウェーデンが125万ドルで最も多く、シンガポール、(106万ドル)、モルディブ(3,940万ドル)が続いた。

対して、輸入元は中国が輸入額全体の76%を占める2,900万ドルで首位となっている。日本からも輸入しているが、金額は51万8,000ドルで全体の1.35%であった。

医療用、外科用、歯科用、獣医用備品貿易額 (万ドル)

出典:TrendEconomy

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マレーシアの介護事情〜統計データ〜

65歳以上の人口と割合

マレーシア統計局の発表によると、2022年の総人口は3,270万人と推定され、年間人口増加率は0.2%となることが示された。年間人口増加率は縮小傾向にあり、これは非市民人口が260万人(2021年)から240万人(2022年)に減少することに起因する。

年齢構成別で見ると、65歳以上の人口の割合は2021年の7.0%(230万人)から2022年には7.3%(240万人)へ拡大した。国連の定義に基づけば、マレーシアは高齢化社会に入ったとされている。

さらに、60歳以上の年齢の割合も2021年の10.7%(350万人)から2022年には11.1%(360万人)へ増加している。また、年齢の中央値も2021年の30.1歳から2022年の30.4歳へと上昇しており、マレーシアは高齢化が進んでいる状況にある。

60歳以上の人口

出典:マレーシア統計局

身体障害者・病人用車両の貿易額

車いすなどの身体障害者用車両、病人用車両(HSコード:8713)の輸入額は2018年に999万ドルを達成したものの、以降は減少傾向が続いており、2020年の輸入額は904万ドルで前年から8.5%の減少となった。

主要輸入元は中国となっており、輸入額全体の91%を占める823万ドルであった。また、輸入品目の60%(548万ドル)は手動式の車両となっており、39%(355万ドル)が機械式駆動機構を有するものとなっている。

また、マレーシアからの輸出も行われており、2020年の輸出額は30万ドル(前年比65.73%減)、主要輸出先は米国(22%)、中国(18.6%)、香港(15.2%)、シンガポール(11.3%)となっている。

身体障害者用車両、病人用車両輸入額

出典:TrendEconomy

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