【統計データで解説!】台湾の建設・インフラ・環境業界の最新トレンド・業界事情

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この記事では、統計データを用いて台湾の建設・インフラ・環境業界の最新情報をお届けしていきます!

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目次

台湾の建設会社事情〜統計データ〜

増加傾向にある台湾北部建設プロジェクトの総額

2022年、台湾北部の建設会社ランキングが発表され、“寶佳建設”は他社と大きな差をつけ、5年連続で1位に選ばれた。案件数は47件、案件総額1,068億台湾元で、トップ10の中で唯一1,000億台湾元を超えた。続いて、案件数10件、案件総額645億台湾元の“茂徳建設”が2位に急上昇した。

2022年の不動産建設市場には複数の悪いニュースがあったが、全ての中規模及び大規模の建設会社は建設プロジェクトのペースを維持する事に成功した。台湾北部の主要な区画整理地域で、2022年トップ10の建設会社によるプロジェクト案件総額は3,683億台湾元に達し、2021年と比較して約30%増加した。

台湾北部建設会社トップ5(2022)

出典:住展

台湾建設業界で常態化する工事の遅延

台湾の建設業界は、新型コロナウィルス流行で施工業者の防疫対策やコンテナの不足、港の渋滞や船の遅延等の様々な要因により大きく影響を受け、工事の遅延が常態化している。加えて、公式に発表されている建設物価指数から見ると、世界中の原材料の上昇やインフレなどの要因により、建設物価指数は過去2年間で20%近く上昇し、上昇の勢いは過去14年間で最大且つ最速となった。

2020年9月に建設物価指数が110を突破して以降ずっと上昇は続き、2022年5月には過去最高の132.74を記録した。しかし、上昇の勢いも落ち着きを見せ始め、2022年6月からは僅かではあるが引き戻し傾向が見られ、2022年10月の増加率は約4.6%に留まった。

台湾の建設物価指数(2022年6月−10月)

出典:行政院主計總處

台湾の不動産デベロッパー事情〜統計データ〜

台湾7都市の登録売買物件数前期比

2022年1月から10月までの台湾の登録売買物件数は266,493棟で、2021年同時期の279,039棟と比べて12,546棟減り、約4.5%の減少となった。現在発表されている登録売買物件数の台湾7都市の内訳を見ると、台中市は前年同期と比較してプラス成長を維持しているが、残りの6つの都市は全般的に減少を示している。特に新竹市が-29.8%、台南市が-10.9%、高雄市が-10.6%となり、大きな減少を見せた。

2023年、建築資材と人件費の上昇圧力により、市況が鈍化し取引量が減少しても全体的な住宅価格は元のレベルに留まるであろうと予測される。加えて、過去2年間の台北市と新北市の売買物件の価格と数量の変化は比較的小さく景気変動による影響は小さい為、価格が横ばいで取引量は縮小し約5%前後の変動に留まるであろうと見られている。

台湾7都市で取引・譲渡された登録建物数同期比較(2022年1月-10月)

出典:中華民国内政部

進む建物の老朽化と都市開発

現在台湾の住宅の平均築年数は32年と長く、住宅の総数は450万件を超えており、住宅ストック全体のほぼ半分に相当する。しかし、老朽化した住宅には構造上の問題が多く、生活の質を左右する問題が多い。

政府は積極的に問題の解決に取り組んでいるが、老朽化した住宅の住居者の大半を占める高齢者は長年住んだ住宅から新しい場所へ住み替えるという意欲が低いため都市開発は容易ではなく、古民家の老朽化のスピードに追い付いていないのが現状である。

2021年に初期登録された建物数は125,779件で、前年と比べ7.17%増加し、ゆっくりではあるが都市開発が進んでいる事が見て取れる。都市別で見ると新北市が最も多く、19,522件であった。

建物所有権の初回登録数(2021)

出典:中華民国内政部

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台湾の不動産仲介事情〜統計データ〜

台北市商業オフィスの不足と上昇する賃料

過去3年の新型コロナウィルスの流行は台北市の商業オフィス賃貸市場の需要に大きな影響を与えておらず、依然として供給が不足しており、家賃は着実に上昇傾向を見せている。主に商業オフィスはトップ・A級・B級のレベルに分けられ、2022年第三四半期にはB級オフィスも一坪あたりの平均賃料が2,000台湾元を超え、トップレベルのオフィスは3,515元、年率3.85%で3つのレベルの中で最も高い上昇率となった。

加えて、商業オフィス全体の平均は一坪あたり2,422台湾元で、年率2.4%の上昇であった。台北市の新しい商業オフィスの供給は1、2年後にリリースされる予定であり、供給不足と平均家賃上昇傾向の緩和が期待されている。

台北市商業オフィス一坪あたりの平均家賃(2022)

出典:内政部

連続で2桁成長を続ける不動産仲介業

台湾財政部の統計によると、政府による不動産市場の与信規制や不動産の統一税制などの影響により、全国不動産仲介業の売上高は縮小傾向にあるが、2017年以降は住宅市場の回復に伴い不動産仲介業総売上高は4年連続で2桁の成長を見せた。

2020年の年間売上高は857億台湾元に達し、2021年8月までの売上高は604億台湾元で、前年同期比27.2%の増加となっている。内訳を見ると、不動産仲介料が532億台湾元で全体の88.1%を占め、残りの11.9%はその他の委託事業であった。

加えて、主要6都市の台北・新北・台中・桃園・高雄・台南の総売上は507億台湾元で、全国の84%を占めた。その中でも、台北市が151億台湾元で最も大きな市場と言える。

不動産仲介業売上高(2021年8月)

出典:内政部

台湾の水道事情〜統計データ〜

減少を見せた2021年台湾の水道水使用量

2021年台湾では、半年に一度の深刻な干ばつや新型コロナウィルス流行防止の為の様々な制限の影響により、家庭用水と工業用水いずれもの水道水使用量が前年に比べて減少した。家庭用水の使用量は普及率と使用者数の増加と共に増加するが、工業用水の使用量は経済発展と産業構造の変化等の影響を受けて増減する。

しかし、2021年の利用者数は約122,000人増加したものの水道収入は274億台湾元で、前年の281億台湾元に比べて7億台湾元の減少を見せた。カテゴリー別で見ると、家庭用ユーザーが65.16%を占め、産業用ユーザーが25.18%、残りの9.67%は、商業、船舶、政府、自治体、その他の水販売が含まれている。

水道代収入(2021)

出典:台湾自来水

再び成長を見せ始めたボトルウォーター市場

台湾では年間5億リットル近いボトルウォーターが販売されている。近年台湾のボトルウォーター市場が最も急速に成長したのが2013年から2015年で、その後成長率が低下しマイナス成長も経験した。しかし、2018年の販売量約4億400万リットルから2021年の約4億9,600万リットルと徐々に成長率の上昇を見せている。

ボトルウォーター市場は、機能水、純水、ミネラルウォーター、スパークリングウォーターの4つに大きく分けられ、機能水が生産量全体の50%を超えて最も多く、純粋が約30%、スパークリングウォーターが約8%、ミネラルウォーターが約6%と続く。加えて、多くの企業が参戦する中、台湾の大手食品製造企業である統一は市場シェア25%を占めている。

ボトルウォーター販売量(2021)

出典:台湾地域飲料工業協同組合

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台湾の電気・ガス事情〜統計データ〜

2年間で繰り返された大停電

台湾では、この2年で大きな停電が3度起きており、2021年5月の13日と17日、2022年3月3日それぞれ数百万人のユーザーの生活と仕事に影響を与えた。損失の規模は1億台湾元を超えると推定され、台湾の電力需給の不均衡と電力網の回復力の欠如を浮き彫りにした。

台湾の電力会社の発表によると、台湾の発電施設は中部に39%、南部に32%あり、全体の70%以上が中部と南部に分布している。しかし、台湾の商業と産業のほとんどは北部地域に分散しており、長い間南から北への送電が行われてきた。結果、電力消費と発電の不均一な分布、電力網の柔軟性の欠如、及び機器の老朽化などの様々な要因により、大きな停電を引き起こしてしまったと考えられている。

台湾の各地域の発電施設容量の割合(2022)

出典:台湾電力公司

正式発表された電力網の靭性強化計画

台湾電力は2022年9月、電力網の回復力不足の問題を解決する為、10年以内に5,645億台湾元を投資し、緊急事態に対応する国家電力網の能力を包括的に改善すると同時に、2050年のネットゼロ変革目標に備える事を正式に発表した。

台電と民間の発電機を合わせた台湾の発電設備の総容量は61.0GWで、現在の内訳を見ると火力(石炭・石油・ガス)が全体の69.4%を占め42.3GW、次いで再生可能エネルギー(太陽光・風力・水力等)が全体の21.6%を占め13.1GW、原子力発電が2.9GW (5%)、揚水式水力発電が2.6GW(4%)となっている。2050年には再生可能エネルギーが全体の60%~70%になる事を目標に、今後グリーンエネルギー貯蔵設備を広く建設していく予定である。

台湾の総発電施設容量内訳(2022)

出典:経済部能源局

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