アメリカの通販・ネット通販業界は、圧倒的な規模を誇るプラットフォーマーを筆頭に、専門特化型のオンラインストアが多数併存する巨大市場です。生成AI基盤やクラウドインフラへの投資を加速する主要企業の動向が注目されています。
今回は、そんなアメリカの通販・ネット通販業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて12社の最新情報をお届けしていきます!
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アメリカの主要通販・ネット通販企業9選〜ローカル編〜
Amazon.com (アマゾン)
1994年にジェフ・ベゾスが創業し、ワシントン州シアトルに本社を置く世界最大級のオンライン小売・テクノロジー企業。当初はオンライン書店として出発したが、現在は家電から食品まで扱う世界最大級のマーケットプレースへと成長した。ナスダックに上場する(銘柄AMZN)。
Eコマースに加え、クラウドのAWS、デジタルストリーミング、生成AIまで事業を多角化している。従業員は全世界で約155万人に達し、物流網とラストマイル配送を自前で拡大してきた。
2025年12月期の純売上高は約7,169億ドルで前年比12%増、営業利益は約800億ドルへと拡大した。北米・国際EC事業に加え、AWSが24%増と全体を牽引している。
2026年には生成AI基盤への投資として約2,000億ドルの設備投資を計画するなど、AIとクラウドを軸にした成長投資を続けている。
出典:https://www.aboutamazon.com/
eBay Inc. (イーベイ)
1995年にピエール・オミダイアが設立した多国籍eコマース企業で、カリフォルニア州サンノゼに本社を置く。ナスダックに上場する(銘柄EBAY)。オンラインオークションを起点に、190か国以上でユーザーが新品・中古品を売買できるマーケットプレースを運営している。
当初は個人間の中古品やコレクター品の売買が中心だったが、現在は新品も幅広く扱い、BtoCとCtoCの双方で取引が行われている。国境を越えた出品・購入が可能な点が特徴である。
2024年通期の総取引額(GMV)は約747億ドル、売上高は約103億ドルで、いずれも前年比2%増となった。四半期のアクティブ購入者は約1億3,200万人を維持している。
近年はリコマース(再流通)やコレクティブル領域の強化、AIを活用した出品支援などに注力し、成熟市場での取引額回復を図っている。
出典:https://www.ebayinc.com/
Musician’s Friend (ミュージシャンズフレンド)
1983年にカリフォルニア州でイーストマン夫妻が創業した、カタログ・オンライン専業の楽器販売会社。割引価格のギター弦やアクセサリーの通信販売から出発し、米国を代表する通販楽器店へと成長した。
2000年に老舗楽器チェーンのギターセンターに買収され、現在も同社傘下のオンライン通販ブランドとして稼働している。ギターやアンプ、鍵盤楽器、音響機器まで幅広く扱い、送料無料や返品対応など手厚い顧客サービスで知られる。
親会社のギターセンターは2020年に会社更生手続き(チャプター11)を経て事業を継続しており、店舗とオンラインの両輪で北米の楽器小売市場を主導している。
2025年にはミュージシャンズフレンドを高級機材のオフプライス(値引き)アウトレット業態として再始動させ、各種マーケットプレースやクリアランス品を一つのサイトに集約する方針を打ち出した。
出典:https://www.musiciansfriend.com/
Hickory Farms (ヒッコリーファームズ)
1951年にリチャード・ランソンがシカゴの見本市で手作りチーズの販売を始めたことを起源とする、ギフト食品専業の通販企業。ソーセージやチーズ、ワイン、チョコレートなどをギフトボックスやバスケットとして販売している。
2000年ごろに通年の実店舗販売からカタログ・ネット通販中心へと業態を転換し、季節限定のホリデーマーケット(モール内キオスク)と組み合わせた多チャネル販売を展開している。
2015年に投資会社モジュール(Modjule)などが同社を取得し、現在は非公開企業として運営されている。本社はオハイオ州トレド市にあり、イリノイ州ジョリエットに配送センターを構える。
北米の家庭に広く知られる代表的なホリデーギフトブランドとして、贈答需要が高まる年末商戦を軸に、カタログとオンラインを組み合わせた販売を続けている。
出典:https://www.hickoryfarms.com/
King Arthur Baking (キングアーサーベーキング)
英国出身の製粉輸入業者ヘンリー・ウッドが1790年にマサチューセッツ州ボストンで創業したとされる、米国最古級の製粉・ベーキング用品会社。バーモント州ノリッジに本社を置く。
卸売小麦粉から出発し、現在は家庭向けの小麦粉やベーキング関連商品を、カタログ通販と自社ECサイトを中心に販売している。一般のスーパーでも流通するほか、旗艦店では小売とパン教室を運営している。
2004年に全株式を従業員が保有する100%従業員所有(ESOP)企業となり、2007年にはB Corp認証を取得した。品質と社会性を両立させる企業姿勢で知られる。
新型コロナ下の巣ごもり需要でベーキング用品の販売が急増し、家庭での製菓・製パン人気を追い風に成長した。近年もオンライン販売とコミュニティ育成を軸に事業を拡大している。
出典:https://www.kingarthurbaking.com/
Ace Hardware (エース ハードウェア)
1924年に起業家リチャード・ヘッセがイリノイ州シカゴの金物店を統合して創業したホームセンター事業体で、イリノイ州オークブルックに本社を置く。1973年に加盟店による協同組合(コーペラティブ)へと組織を転換した。
全米の小規模な町にも加盟店網を持ち、店頭在庫にない商品はカタログやネット通販で注文できる仕組みを整えている。会員登録者には特売情報や割引券を郵送・メールで届けている。
2024年通期の売上高は過去最高の約95億ドルで前年比3.9%増、加盟店(組合員)への配当は約3億5,700万ドルと、いずれも記録を更新した。
人件費が高くDIY文化が根付く米国市場で、地域密着型の店舗と通販を組み合わせた事業モデルを強みとし、国内外での出店を続けている。
出典:https://www.acehardware.com/
The ODP Corporation (オーディーピーコーポレーション)
1986年にフロリダ州ボカラトンで設立された事務用品の小売・流通企業。ナスダックに上場する(銘柄ODP)。2013年に業界大手のオフィスマックスを統合し、Office DepotとOfficeMaxの二大ブランドを擁する。
事業は小売のOffice Depot/OfficeMax、法人向けのODP Business Solutions、物流のVeyer、調達プラットフォームのVarisなどで構成される。分厚いカタログの配布でも知られる。
2024年通期の売上高は約70億ドルで前年比約11%減となり、店舗数も年間47店の純減を経て年末時点で869店となった。ECシフトと事業再編の中で構造改革を進めている。
小売店の最適化と法人・物流事業の強化に軸足を移し、収益性を重視した経営へと転換を図っている。
出典:https://www.theodpcorp.com/
REI (レクリエーションイクイップメントインク)
1938年にワシントン州シアトルで消費者協同組合として創業した、キャンプ・アウトドア用品の専門小売企業。現在も組合(コープ)形式を維持し、会員が出資者となる独特の事業モデルで知られる。
アウトドア用品の店舗販売に加え、いまも定期的にカタログを郵送する通販事業とECを展開している。取扱商品の多くは他社製品だが、自社ブランド『REI Co-op』も擁する。アウトドアスクールや旅行事業にも参入している。
2025年度の売上高は約35億4,000万ドルで前年から微増し、組合員数は累計2,600万人を突破した。会員還元として約2億ドルを配分している。
同年度の純損失は5,430万ドルと前年から約1億ドル改善し、四半期ベースでは黒字化するなど収益改善が進んでいる。
出典:https://www.rei.com/
Chewy Inc. (チューイー)
2011年に設立され、フロリダ州プランテーションに本社を置くペット用品のオンライン専業小売企業。ニューヨーク証券取引所に上場する(銘柄CHWY)。ペットフードや医薬品、日用品を米国全土に宅配し、ペット領域のEC市場を主導している。
最大の特徴は定期購入サービス『Autoship』で、これが売上高の約8割を占める安定収益基盤となっている。手厚い顧客対応に加え、獣医向けサービスや保険・薬局事業への拡張も進めている。
2025年2月1日締めの2024年度の純売上高は約118億6,000万ドルで、通期・第4四半期ともに会社計画の上限を上回る増収と黒字を達成した。
アクティブ顧客は約2,051万人に達し、既存顧客の購入単価向上を成長の柱に据える。ヘルスケアやスポンサード広告など高採算領域の拡大で収益性を高めている。
出典:https://www.chewy.com/
アメリカの主要通販・ネット通販企業2選〜日系編〜
DOKODEMO (ドコデモ)
2004年に福岡県で創業したベガコーポレーション(東京証券取引所上場、証券コード3542)が2015年に立ち上げた越境ECプラットフォーム。日本国内で流通する幅広い商品を、免税価格で海外の消費者へ販売している。
化粧品や医薬品、家電、食品、雑貨まで多様な商品を扱い、簡体字・繁体字・英語・韓国語・日本語に対応する。決済・物流・カスタマーサービスを一体で提供し、99の国・地域への出荷実績を持つ。
運営元のベガコーポレーションは家具EC『LOWYA』と越境EC『DOKODEMO』を二本柱とし、直近の連結売上高は約181億円規模である。アジアを中心に北米や欧州への展開拡大を掲げている。
福岡市の海外ECトライアル推進事業のパートナーに登録されるなど地域企業の越境販売支援でも役割を担い、複数店舗の商品をまとめて決済・配送できる機能拡充を進めている。
出典:https://www.vega-c.com/service/dokodemo/
DHC (ディーエイチシー)
1972年に吉田嘉明が東京都で創業した化粧品・健康食品の製造販売企業。大学向けの洋書翻訳委託業を原点とし、社名は『大学翻訳センター』の頭文字に由来する。1983年から基礎化粧品の通信販売を開始した。
日本国内では美容・健康食品の通販で高いシェアを持ち、通販会員数は1,500万人を超える。アメリカには1995年に進出し、現在はネット通販を中心に、紙カタログの送付も併用する従来型の通信販売を継続している。
2023年2月、総合金融のオリックスが約3,000億円で全株式を取得し、完全子会社化した。これに伴い経営体制を刷新し、新たな成長戦略の下で事業運営を進めている。
グループ全体の売上高は約905億円規模で、化粧品・サプリメントを軸に、翻訳・語学教材など創業事業も併営している。
出典:https://www.dhccare.com/
アメリカの主要通販・ネット通販企業1選〜外資編〜
AliExpress (アリエクスプレス)
中国のアリババグループが2010年に立ち上げた越境ECプラットフォームで、主に中国やシンガポールの事業者が出品するオンライン売買サイトである。衣類や日用品、自動車部品まで多種多様な商品を、正規価格以下で購入できる場合もある点が支持されてきた。
プラットフォーム提供に特化し、多言語・多通貨に対応する。ロシアやブラジルなど新興国で高い人気を持ち、米国のeBayや日本の楽天としばしば比較される。
運営元アリババグループの2025年3月期の売上高は約9,963億元(約1,373億ドル)に達する。AliExpressを含む国際デジタル商業部門(AIDC)の売上高は約1,323億元で前年比29%増と高成長を続けている。
特に国際小売事業は33%増と伸び、価格競争力と物流改善を武器に、欧米や新興国での越境取引を拡大している。
出典:https://www.aliexpress.com/
FAQ
アメリカの通販・ネット通販業界の主要企業はどれですか?
アメリカの主要通販・ネット通販業界にはAmazon、eBay、Musician’s Friend、Hickory Farms、King Arthur Baking、Ace Hardware、The ODP Corporation、REI、SkyMallなどがあります。
Amazonの事業内容とその成長の背景について教えてください。
Amazonは多国籍テクノロジー企業で、オンラインマーケットプレース、クラウドコンピューティング、デジタルストリーミング、人工知能など多岐にわたる事業を展開しています。新型コロナウイルスの影響によりネット通販需要が急増し、売上も大きく伸びています。
eBayの特徴とそのグローバル展開について解説してください。
eBayは1995年設立の多国籍eコマース企業で、オンラインオークションとショッピングを提供しています。世界190か国以上に展開しており、特に中古品やコレクターズアイテム、新品も幅広く取り扱い、国境を越えた取引が可能です。
アメリカに拠点を置く日系企業にはどのようなものがありますか?
アメリカの日系企業には、越境ECサイトのDokodemoや化粧品のDHCなどがあります。DHCは美容・健康商品を扱い、アメリカでも通販や店舗展開をしています。
SkyMallの特徴とそのビジネスモデルは何ですか?
SkyMallはもともと飛行機の座席ポケットにカタログを設置し、機内誌として年間2000万部発行していたことが特徴です現在は商品カタログをオンラインとネット通販に貸し出し、実店舗を持たず、多岐にわたる商品を販売しています。

