今回は、アメリカのスーパー・コンビニ業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて30社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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アメリカの主要スーパー・コンビニ19選〜ローカル編〜
Publix Super Markets(パブリックス・スーパーマーケッツ)
裕福なリタイヤ層があつまるフロリダ州で、1930年から続く老舗のスーパーマーケット。ジョージ・ジェンキンス氏により、フロリダ州ウィンターヘブン市で創業。現在本社は裕福層が集うレイクランド市。
2023年現在、フロリダ中心に店舗数は1331店舗。事業内容は食料品を中心に総菜やベーカリー、薬局、酒屋、寿司バーなどを手掛ける。主要商品として健康食品のGreenWiseブランド、ラテンアメリカ人対象のブランドSaborを展開している。
リタイヤ層が多い地域からか、処方箋を無料で提供したり、店舗内に診療所を併設するなど、医療貢献に携わるようになった。2023年現在の従業員は240000人。2021年の収益は411億ドルとされている。
出典:https://www.publix.com/
Wegmans(ウェグマンズ)
1915年ニューヨーク州ロチェスター市で食品店として創業。2023年現在、店舗数は80店舗。ニューヨーク州、ニュージャージー州、ペンシルベニア州、メリーランド州、バージニア州にのみ出店している。多くの店舗に共通なのが、イートインコーナーが併設されていることで、特に生鮮食料品と総菜の品質と品ぞろえには定評がある。
一部の店舗に限られているが、日本から業者を呼びマグロの解体ショーなどのイベントを行ったり、日本レベルの刺身盛り合わせの販売を行ったりしている。近年の店舗展開は、例えば約1万3千平米の大型店舗を出店している。
アメリカスーパー業界では、全米最高のパフォーマンスとも評価されており、消費者視点の情報誌であるコンシューマーズレポートでもトップと称賛されている。2009年の売上高は50億ドルであり、従業員は3800人とされる。
出典: https://www.wegmans.com/
Trader Joe‘s(トレーダー・ジョーズ)
カリフォルニア州ロサンゼルス市に1958年創業。当初の屋号はProntoMarketであった。当初は小さな店舗でコンビニのように様々な商品を扱う店であったが、セブンイレブンの台頭により方向転換し、大型化・ワインや食料品に傾注する方向へ舵を切った。
2019年全米の店舗数は503店舗。従業員は10000人を超える。売上高は13億ドル。アメリカ的にはグロッサリーショップと分類されるが、比較的高級志向の食料品小売店として認識されている。プライベートブランドも充実しており、リカーライセンスの関係から全店舗ではないものの、ワインなどの販売も手掛けている。
例えば顧客からの意見を取り入れた例として、2025年をめどにケージ飼いの卵生産者からの仕入れを止めるという。オーガニック農産物のみならず、ベジタリアンフードなどや冷凍食品なども好評である。
出典:https://www.traderjoes.com/home
H-E-B(エイチイービー)
テキサス州サンアントニオ市に本社があるスーパーマーケットチェーン。2022年の店舗数はテキサス州内とメキシコ北東部に340店舗以上、総収益は389億米ドルであった。フォーブスの2022年版アメリカ最大の民間企業ランキングで6位にランキングされた。
創業は1905年、フローレンスバット女史によるCCバット食料品店であった。のち、息子のハワード氏が跡を継ぎ、頭文字を取ってHEBと改名した。牛乳やアイスクリーム、パン屋スナックなどを自社ブランド製品としてラインアップしている。1994年にはオーガニック・インターナショナルをテーマとした少しだけ高級志向の「セントラルマーケット」ブランドの店舗を出店し、さらに2004年にはホームセンターや化粧品なども扱う総合デパートのような「プラス」店も展開している。さらにラテン系をテーマとした「ミ・ティエンダ」店も展開。
国外への展開はメキシコのみである。2012年にはメキシコ内での店舗で年間売り上げ10億ドルを超えた。
出典:https://www.heb.com/
Harris Teeter(ハリスティーター)
ウイリアム・ハリス氏が経営していたドラッグストアと、ウイリス・ティーター氏が経営していた食料品店を1960年2月に合併したのが創業とされる。ノースカロライナ州シャーロット市に本部がある。2023年1月現在で、ノースカロライナ、サウスカロライナ、バージニア、ジョージア、フロリダ、デラウエア、メリーランド、ワシントンDCに店舗を持つ。店舗数は258店であり、2011年の全米小売業者ランキングで34位になったこともある。
それまでのノースカロライナ州のスーパーは、客が持ってきた買い物メモを店員が受け取り、店員が商品を選んで袋に入れるというスタイルだった。これを客が自分で商品を選べるようにした最初の店とされている。またほとんどの食料品店が午後5時で店じまいするのに、午後9時まで開けていた。
海外への展開は無い。店舗展開は高級住宅地への出店が多い。競合も多く、2013年7月に全米規模で展開するスーパー・デパートのクローガー社の傘下に入った。
出典: https://www.harristeeter.com/
Hy-Vee Food Stores(ハイヴィー)
1930年アイオワ州ビーコンズフィールドで創業の老舗スーパーマーケットである。ベーカリー、デリカテッセン、ワインや園芸、イートインコーナーなど、あらゆるサービス展開を目指している。2022年にウィスコンシン州アシュウォーベノン市に11600平米という巨大なショッピングセンターを開店した。
近年は遠隔医療オンライン薬局サービスを提供し、処方箋を患者の自宅まで直接発送するサービスも始めている。また、コロナ後の従業員の要望などを考慮し、24時間営業を取りやめたり、サラダ作成ロボットの導入などにも力を入れている。
海外展開はしていないが、2022年現在で店舗は中西部と南部にあわせて285店舗であり、従業員数は93000人とされている。2021年の収益は120億米ドルであった。
出典:https://www.hy-vee.com/
WinCo Foods(ウィンコフーズ)
1967年創業で、アイダホ州ボイシ市に本部がある。コストコに代表される大型倉庫型店舗が特徴で、低価格を実現しており、特にバルク食品は有名である。創業当初はWaremartの名で1998年まで営業していたが、似た名前であるKmartやWalmartとの差別化を図った。
2022年現在でアリゾナ、カリフォルニア、アイダホ、モンタナ、ネバダ、オクラホマ、オレゴン、テキサス、ユタ、ワシントンに合計138の店舗と6つの流通センターを持つ。従業員は20000人以上といわれ、2021年の収益は82億米ドルとされる。
コストコなどと同様に、袋詰めサービスは行わず、クレジットカードも受け付けていない。メーカーや農家から直接仕入れることで価格を抑えることに成功している。海外展開はしていない。
出典: https://www.wincofoods.com/
Fry‘s(フライズ)
ドナルド・フライ氏が1954年に北カリフォルニアで創業。1960年には店舗数を拡大したが1972年に大手のディロンズに売却された。売却されたものの、店名はブランドとして残されている。また、ディロンズは全米規模の大型店Krogerと合併したことで、Fry‘sは現在Krogerの子会社となった。
現在は、アリゾナ州を中心とした店舗展開にとどまっており、Krogerの経営戦略によるブランド展開となっている。一般食料品スーパーであるFry‘sのほかに、薬局や家具・電化製品なども扱うFry’s Marketplaceや高級食料品のみを扱うFry‘s Signature、ヒスパニック市場を対象としたFry’s Mercadoなどの店舗も展開している。
Fry‘sの名前が付いた店舗の従業員は合計で約22000人であり、店舗数は123店舗とされている。
出典:https://www.frysfood.com/
Kroger(クローガー)
1883年オハイオ州シンシナティ市で創業した食料品店。創業者のバーナード・H・クローガー氏が食品会社などを買収し、アメリカ西部・中西部で最大手の持ち株会社に成長した。スーパーのほか、ガソリンスタンドなども経営している。
2022年10月、クローガーに次ぐ業界第2位のAlbertsons Companies,Inc.の買収を発表した。2253店舗、270000人の従業員を新たに加えると、巨大食料品グループが誕生することになる。2023年現在でクローガーの名前を店舗名にしているのはオハイオ州とケンタッキー州にある店舗のみで、その他の店舗はそれぞれの店名を継続使用している。
海外への展開はしていない。2018年には中西部で一般的なスーパーでの武器の販売などを、完全に撤退している。
出典:https://www.thekrogerco.com/
Winn-Dixie Stores(ウィン・ディクシー)
2015年にSoutheastern Grocersの子会社になったWinn-Dixie Stores,Inc.は、1925年にウイリアム・デイビス氏によりフロリダ州マイアミ市で創業された。その後、息子たちが跡を継ぎ、次々と企業買収を成功させ、1955年にWinn-Dixieに名称統一をした。1967年にはカリブ海に勢力を伸ばし、バハマにも店舗をかまえた。
2005年に破産申請をしている。翌年、カリブ海の店舗は売却し、拡大していた中西部の店舗も大幅に縮小した。2011年にフロリダ州にあるスーパーBI-LOに売却された。さらに2018年に大掛かりなリストラが行われたが、それでもフロリダ州を中心として546店舗、41000人の従業員を抱える。2014年の収益は100億米ドルとされる。
現在はテキサス州に本社があるSoutheastern Grocersの傘下に入っており、Chekブランドのジュースはいまだに有名である。
出典:https://www.winndixie.com/
Shoprite(ショップライト)
アメリカ東海岸のコネチカット、デラウエア、メリーランド、ニュージャージー、ニューヨーク、ペンシルベニアの各州に店舗を持つスーパーマーケットである。本社はニュージャージー州キースピー市にあり、2023年現在、店舗数は321店とされる。
創業は1946年、ニュージャージー州ニューアーク市において、7つの食料品店が仕入れを共同購入するためにWakefern Food Corpを設立したこととされている。現在の名前になったのは1951年である。ニュージャージー州では70年以上も最大の食品小売業者であり、グレーターニューヨークでもグレーターフィラデルフィアでも最大の小売業者とされる。
ブランドとして、スーパーマーケットのShopRiteのほかに、限られた商品種類のみを扱うPrice Rite、生鮮食料品を中心としたThe FreshGrocerの3つのブランド店を展開している。Newsweek誌による2022年北東部の最も信頼できる食料品小売業者に選出されている。
出典:https://www.shoprite.com/
Safeway(セイフウェイ)
1915年アイダホ州に創業したSkaggs Storesと1920年カリフォルニア州に創業したSamSeelingを1926年にメリルリンチ社が合併させてできたスーパーである。ピーク時の1931年には全米で3527店舗が展開されていた。1929年にはカナダ、1962年にはイギリス、1963年にはオーストリア、1964年にはドイツに進出した。1962年に住友商事と提携し、翌年世田谷区野沢に開店。地元の反対運動などを受け、翌年には住友商事との提携は解消されている。合弁により設立されたスーパーは、現在サミットストアとして営業中である。
現在はアイダホ州に本社があるスーパーAlbertsonsの子会社になっている。店舗数は2019年には910店舗にまで縮小している。
ジュースやハムなどを自社ブランドで提供するほか、イートインスペースやクリーニング店やスターバックスとの提携などをしている。ShopriteやAldiと比較すると、若干価格が高めの設定である。
出典:https://www.safeway.com/
Albertsons(アルバートソンズ)
1939年アイダホ州ボイシで創業した食料品会社である。クローガーに次ぐ、北米で第2位のスーパーマーケットチェーンである。2018年フォーチュン誌による企業総収益ランキングでは53位であった。2022年に業界1位のクローガーが250億ドルで買収すると発表されているが、2023年現在、どうなるのかわからない。
創業当時は無料駐車場・返金保証・アイスクリーム店併設など、当時としては画期的な展開であったという。戦争を境に、店舗拡大・買収を繰り返していった。グループ総従業員数325000人、2021年の収益は719億米ドルという、巨大グループである。
プライベートブランドも充実しており、Safeway買収後は戦略的に双方のブランドを取り扱うようにしている。海外への進出は無い。
出典:https://www.albertsons.com/
Meijer(マイヤー)
中西部地域を中心とした店舗展開をしている。本社はミシガン州ウォーカー市にある。1934年ミシガン州グリーンビル市にて、オランダからの移民者であったヘンドリック・メイヤー氏によって創業。1962年には、客が自分で商品を選んでかごに入れるスタイルを確立。さらに現在はウォルマートに代表されるデパートとスーパーの中間位置にあるスーパーセンター(またはハイパーマーケットとも呼ばれる)を基準とし、コンビニ形態はガソリンスタンド併設またはMeijer Marketplaceとして展開している。
2020年現在、従業員数は70000人であり、収益は196億米ドルとされている。店舗数は259店舗、他にガソリンスタンドを208店舗とされている。食料品はもとより、日本で言うところのディスカウントストアとして店舗展開しており、ペット用品や寝具家具まで取り扱う。
コロナ前は24時間営業であり、クリスマスだけが休業日であった。2013年にはフォーブス誌で民間企業のランキングで19位になったことがある。
出典:https://www.meijer.com/
Speedway(スピードウェイ)
もとはミシガン州に本社があったガソリンスタンド。1952年創業。当時のガソリンスタンドでは異例の車両メンテナンスを行う工場は併設されておらず、たばこや飲み物、スナックの販売に重点を置いていた。自動販売機も多かった。
そののち、1959年に石油会社のマラソンが買収し、その後も様々な買収劇があったが、現在はガソリンスタンド名もSpeedwayで統一されている。2021年、セブンイレブンが買収。Speedwayのコンビニで扱われる商品はセブンイレブン商品に置き換えられている。
現在の本社はオハイオ州イーノン市。2018年現在で、従業員数は40000人であり、収益は235億米ドルとされる。いわゆるポイント制度をアメリカコンビニ業界に取り入れたのはSpeedwayが最初とされている。
出典︓https://www.speedway.com/
Caseyʼs General Stores Inc(ケーシーズ)
セブンイレブン、サークルKに続く、アメリカ第3位のコンビニである。上位2社と違い、アメリカ人が所有するコンビニである。本社はアイオワ州アンケニー市。創業は1967年、アイオワ州ブーン市。
ガソリンスタンド内のコンビニとしてスタートした同店は、1980年代に店内でドーナツやピザの販売を開始。売り上げに貢献した。
2022年2月の時点で17の州に2147店舗を展開。ほとんどが中⻄部に展開している。2010年以降、ガソリンスタンドの買収だけではなく、小さめのスーパーなども買収している。海外への展開は無い。主要商品はナショナルブランドのものであり、たばこ・飲み物・菓子や雑誌、宝くじやピザやホットドッグなどの軽食である。
出典︓https://www.caseys.com/
Murphy USA Inc
他のコンビニと同様に、もとは石油会社が経営するガソリンスタンドに併設されるコンビニである。ガソリンスタンドが独立(スピンオフ)したのは2013年設立。現在、アーカンソー州エルドラド市に本部がある。大手スーパーのウォルマート店舗のそばに出店し、ウォルマートの顧客を対象としたガソリンスタンドであった。2016年、ウォルマートが自社のガソリンスタンドとコンビニを出店することになったため、ウォルマートとの関係を解消し、独自の店舗展開を企画している。
2020年12月の時点で、26州で1500店舗のガソリンスタンドがあり、そのうちの1100店舗がウォルマートの近隣に展開していた。2020年、ニュージャージー州ホワイトハウス市に本部があるコンビニ企業QuickCheckを買収し、150店舗をニューヨーク近郊に増やした。
ガソリンスタンド併設のコンビニとしては一般的な、たばこ・飲み物・軽食・雑誌・宝くじなどを販売している。
出典︓https://www.murphyusa.com/murphyusa/home
GPM Investments (ジーピーエム)
バージニア州リッチモンド市に本部がある、コンビニ餡巣ストアの運営会社である。創業は2003年。創業当時は「ファスマート」「ショアストップ」という店名のコンビニ2店舗であった。2013年に263店舗のコンビニを買収してから拡大路線になり、現在はおよそ1400店舗を擁するコンビニ企業となった。
店舗はアーカンソー、コネチカット、デラウェア、フロリダ、イリノイ、インディアナ、アイオワ、ケンタッキー、ルイジアナ、メリーランド、ミシガン、ミズーリ、ネブラスカ、ニュージャージー、ノースカロライナ、オハイオ、オクラホマ、ペンシルベニア、サウスカロライナ、テネシー、テキサス、バージニアの各州にあり、ガソリンスタンド併設のコンビニ形態で、食料品や飲料、たばこなどを取り扱っている。
店舗名はFasMart、Shore Stop、Scotchman、BreadBox、Youngʻs、LiʼLCricket、Next Door、Village Pantry、Apple Market、JiffiStop、Admiral、Roadrunner Markets、EZMart、CigaretteCity&Town Starなど、基本的には買収前のブランドを継続して使用している。
出典︓https://gpminvestments.com/
Wawa(ワワ)
創業1964年。もとは牛乳屋。ペンシルバニア州フォルサム市にて。創業当初の店舗は2016年まで使用されていた。当時、従来のスーパーマーケットよりも朝早く開店し、夜遅くまで営業していた。
2020年現在、フロリダ、デラウェア、メリーランド、ニュージャージー、バージニア、ワシントンDCに約900店舗を擁する。2015年のフォーブス⺠間企業ランキングで34位となり、2020年の総収益は130億米ドルであった。従業員数は3700人以上とされている。
自社ブランドのコーヒーやサンドイッチ、特に朝食用のメニューを充実させている。近年は夕食メニューもテストしており、日本的なコンビニの面を見ることができる。国外には展開しておらず、今後はアラバマやケンタッキーなど中⻄部地区への進出を計画している。
出典︓https://www.wawa.com/
アメリカの主要スーパー・コンビニ4選〜日系編〜
Nijiya(ニジヤマーケット)
日本人移⺠の辻野三郎丸氏が1986年にカリフォルニア州サンディエゴ市で創業した日本の食材を中心としたスーパーである。また日本から輸入した食材に加えて、契約農家によるオーガニック日本野菜(例えば春菊や九条ネギなど)も販売している。またニジヤブランドの米や納豆、味噌、寿司酢なども販売している。l現在の店舗はカリフォルニア州とハワイ州にあわせて12店舗。ニューヨーク州の日本人が多い町であるハーツデール市にもあったが、2018年で閉店。その後に居ぬきで個人経営の日経食料品店Frontier Marketが開店している。lオンライン販売にも対応。全米50州各地域への配送を受け付けている。そのほか、食育の一環として「ごちそうマガジン」を紙ベースとWEBベースで発刊している。
出典︓https://www.nijiya.com/
Tokyo Central(トーキョーセントラル)
1965年ハワイ州にて創業した会員制スーパーのマルカイが起源である。アメリカ本土には1975年ロサンゼルス市で店舗展開。1999年にダイソーがアメリカ国内に直営店を出店する以前は、マルカイがダイソー製品を取り扱う最初の店舗だった。その後、カリフォルニア州に11店舗を展開し、400人の従業員を擁している。
2013年にディスカウントストアのドンキホーテが株式を100%購入し、オーナー会社となった。2015年には「東京市場・トーキョーセントラル」を店名に加え、2つのブランドで店舗を展開している。
日本の食料品、アメリカの電圧に合わせた日本製の電化製品、日本の雑貨など手広く扱う。また都道府県フェアなども開催している。オンライン店は無く、店舗近隣在住者への配達のみ取り扱っている。
出典︓https://tokyocentral.com/
Mitsuwa Marketplace(ミツワ)
1979年にカリフォルニア州フレズノ市に創業したヤオハン商店が起源である。全盛期のヤオハンは全米に8店舗とニューヨーク州マンハッタン内に4店舗の持ち帰り寿司店「大吉寿司」を運営していた。1997年にヤオハンが経営破綻し、倒産。現地経営陣が買い取りMitsuwaとして1998年に再スタートした。2012年に宮城県仙台市に本社を置く商社「株式会社カメイ」が株式を取得している。
カリフォルニア州内の店舗は日本の食材を扱う大きなスーパーといった感じであるが、イリノイ州シカゴやニュージャージー州の店舗はショッピングモール内の店舗のため、山頭火ラーメンや紀伊国屋書店など様々な日系店で構成されている。
現在はカリフォルニア州に8店舗、シカゴ、ニュージャージー、テキサス、ワイキキの合計12店舗を運営している。全米向けのオンラインストアにも力を入れている。アメリカ以外の進出は無い。
出典︓https://mitsuwa.com/
7-Eleven Inc(セブンイレブン)
1927年にテキサス州ダラス市で氷販売をした店舗が原型である。その後、卵や牛乳やパンなども売り始め、店舗拡大していった。店のシンボルとして店の前にトーテムポールを立てたり、従業員に制服を着させるなど、現在のコンビニ経営方法の基盤を作った。1946年、戦後の復興を続けるために、当時前例のなかった午前7時から夜11時までを営業時間とし、店名にした。その後、24時間営業も始める。1963年以降、フランチャイズ形式に移行。1990年、経営破綻。翌年にイトーヨーカ堂が70%の株式を取得。2005年にはセブン-イレブン・ジャパンの完全子会社(デラウエア州法人)として再編された。
2020年における世界中の店舗数は78029店舗。アメリカガソリンスタンド併設型も独立型も存在する。従業員数は2020年には138800人といわれ、世界最大のコンビニチェーンである。
水やジュース、菓子にいたるまで、独自ブランド商品も開発・販売している。ポイントシステムやモバイル決済なども充実させ、ガソリンスタンドとのリワード提携も盛んである。
アメリカの主要スーパー・コンビニ7選〜外資系編〜
Aldi(アルディ)
本社はドイツのエッセン市とミュールハイム市にある。家族経営のスーパーマーケットチェーンである。2023年現在、世界の20か国で10000を超える店舗を有する巨大企業である。創業は1946年、アルブレヒト兄弟によるもの。アメリカには1976年に上陸し(アイオワ州)、2022年現在で2147の店舗を擁する。Aldiは一般的なスーパーマーケットであり、1979年に子会社としたTrader Joeʻsが高級食材を扱うというように差別化している。
オンライン注文にも力を入れており、配達可能な地域は全米の95%ともいわれている。Aldiで扱われる商品は、比較的安価のものが多い。また自社ブランド製品も多く、主要ブランドがOEMで生産したカスタムブランド製品も取り扱う。
他のスーパーと比較すると、店内の従業員が少ない。アメリカのスーパーでは珍しく、一人当たりの仕事量が多いので最低賃金は他のスーパーよりも高い水準でスタートしている。
出典︓https://www.aldi.us/
Lidl(リドル)
ドイツに本社を持つ、国際的なスーパーマーケットチェーンである。EU諸国とアメリカの31か国に12000店舗、従業員数は315000人を超えるという。2020年の収益は570億ユーロとされる。現在はやはりドイツ系のスーパーマーケットチェーンであるカウフランドとあわせてシュワルツグループが親会社になっている。
初期のころのリドルは、Aldiのコンセプトを真似していた。廃棄ブルなし・質素な店内・節約を消費者に還元というアプローチをしている。このため、Aldiと同様、店内の従業員数は少ない。Aldiとの違いはナショナルブランドを扱う点である。
2019年オンライン小売業者の技術を利用した宅配サービスをテスト中である。Aldi同様、他のスーパーよりも比較的安いものが取り扱われている。
出典︓https://www.lidl.com/
Chedraui(チェドラウイ)
メキシコのスパーマーケットチェーンである。アメリカにはカリフォルニア州、アリゾナ州、ニューメキシコ州、テキサス州、ネバダ州においてEl Superの店名で展開。さらにテキサス州ではFiesta Martの店名でも展開している。
本家は1927年にメキシコのハラパ市で創業。カリフォルニア州への上陸は1997年創業。アメリカ本社はカリフォルニア州パラマウント市。ラテンアメリカ系のスーパーであり、食料品を中心にアパレルなども取り扱う。
2016年のグループ収益は47億米ドルであり、従業員数は38000人とされている。アメリカ以外の外国には出店していない。スペイン語を母国語としたメキシコ系移⺠の間では、特に有名なスーパーである。
出典︓https://chedrauiusa.com/
Ahold Delaize(アホールド・デレーズ)
オランダのスーパー、Eコマース小売店などを傘下に保有する会社である。欧州や米国の11か国で約20のローカルブランドに出資している。
アメリカでの売上が、企業全体収益の6割以上を占める。アメリカのスーパーは「フード・ライオン」「ストップ・アンド・ショップ」「ジャイアント・フーズ」「ハンナフォード」の有名スーパーとオンライン食料品配達サービスの「ピーポット」が子会社である。
オランダの本社は1887年の乾物屋が起源とされる。小売業に発展し、さらにコーヒーブランドがヒットし大企業に成⻑。1991年からアメリカのスーパーなどを買収し始めた。
出典︓https://www.aholddelhaize.com/en/home/
Alimentation Couche -Tard Inc(アリマンタシォン・クシュタール)
1980年創業。カナダのケベック州ラヴァル市でコンビニ「クシュタール」を開店し、以降様々な買収を経て成⻑した。2022年現在で、アメリカ国内に7100店舗、カナダに2100店舗、ヨーロッパでも2700店舗を展開。世界24か国で合計で14500店舗を運営している。
ブランドとしてはカナダの「クシュタール」、世界中に展開する「サークルK」、アメリカの身で展開する「ホリデーステーションストアーズ」を運営。2020年の売上高は54億米ドル、従業員は122000人を超えるという。
取扱商品は、一般的なもので、他のコンビニ店と変わらない。ガソリンスタンド併設店もあれば、スーパーマーケットに匹敵するような総菜のみならず生鮮食料品まで扱っている店もある。
出典︓https://corpo.couche-tard.com/en/
EG America LLC(イージー)
EuroGaragesは2001年創業。イギリスの小売業者であり、ガソリンスタンドやコンビニ、ファストフードレストランなどを運営している。アメリカは2018年、アメリカ最大の食品企業であるクローガーから800店舗のコンビニ店を買収。さらにMinitMartやFastracなどのコンビニを買収し、アメリカ国内で5番目に大きなコンビニチェーンとなった。
買収を繰り返したが、当初はそれらのブランド名を維持する方針で経営していた。近年は、それらを統合していく方針に切り替えている。現在北米本社はマサチューセッツ州ウェストボロー市にあり、31州に1800店舗以上を擁している。従業員は20000人を超えている。
取扱商品は一般的なものが中心。ガソリンスタンド並列店もコンビニ独立店もある。例えばバーガーキングなどと提携している店舗もある。
出典︓https://www.eg.group/retail-segments/grocery-merchandise/?country=2806#countries
BP America(ビーピー)
かつて日本にも存在し、ファミリーマートによって買収されたコンビニのampmは、1978年にカリフォルニア州で創業した。2008年、イギリスの石油会社であるBPがガソリンスタンドに併設してあったコンビニ部門をampmに変更。その後、2012年ごろから様々な買収劇が繰り広げられ、現在はBPが親会社となってampmとThorntonsの2つのコンビニを運営している。
BP傘下のコンビニは、全米で7番目に大きなコンビニチェーンとなった。2022年にはニューヨーク州ブロンクス区に東海岸初のampmをオープンさせた。アメリカ以外にもメキシコやブラジル、アルゼンチンとチリでもBP所有のコンビニがある。
取扱商品は一般的なもの。ampmのオリジナルブランドは開発されていない。総菜や果物など、小さなスーパーマーケットを目指している。2019年の売り上げは50億米ドル。
出典︓https://onl.la/CLeL9Sh
ワシントン在住の日本人。大学卒業後、日本で外資系メーカーに勤めており、営業とマーケティングを経験。マーケティングは発売予定の製品周りの広告、パッケージや販促、イベントやデジタルプラットフォームの使用等様々な側面に関わり、年に1−2回ある新商品発売に向けて取り組む。渡米してからはフリーランスでスタートアップにマーケティングやマーケティングリサーチのサービスを提供し、プロジェクトベースで様々な依頼に応えている。