アメリカのスーパー・コンビニエンスストア業界は、全米制覇を進める巨大チェーンと、従業員所有や地域密着で強い支持を集めるローカル企業が併存する競争の激しい市場です。オーガニック食品や即日配達への対応など、主要企業の最新動向が注目されています。
今回は、そんなアメリカのスーパー・コンビニエンスストア業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて31社の最新情報をお届けしていきます!
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アメリカの主要スーパー・コンビニエンスストア企業20選〜ローカル編〜
Publix Super Markets (パブリックス・スーパーマーケッツ)
Publix Super Marketsは、1930年にジョージ・ジェンキンス氏がフロリダ州ウィンターヘブンで創業したスーパーマーケットチェーンであり、本社はフロリダ州レイクランドに置く。従業員が株式を保有する非公開企業として知られ、南東部で圧倒的なブランド力を持つ。
公式発表によると2025年時点でフロリダ、ジョージア、アラバマ、サウスカロライナ、ノースカロライナ、テネシー、バージニア、ケンタッキーの8州に1,441店舗を展開し、従業員数は26万人を超える。食料品に加え総菜やベーカリー、薬局を備え、健康志向のGreenWiseやラテン系向けのSaborなど独自ブランドを持つ。
2025年の小売売上高は627億ドルに達し、前年から着実に伸長した。ケンタッキー州レキシントンなどで新規出店を続け、南東部での店舗網をさらに厚くしている。
リタイア層の多い商圏に合わせ、処方箋の無料提供や店舗併設のクリニックなど地域医療にも踏み込む。90年以上にわたり地域密着型の運営を貫き、全米有数の従業員所有企業として高い顧客支持を維持している。
出典:https://www.publix.com/
Wegmans (ウェグマンズ)
Wegmansは、1915年にニューヨーク州ロチェスターで食品店として創業した非公開のスーパーマーケットチェーンである。生鮮食品と総菜の品質・品ぞろえに定評があり、顧客満足度調査で全米上位の常連として知られる。
2025年時点で東海岸を中心とする8州とワシントンD.C.に110店舗超を展開する。多くの店舗にマーケットカフェやイートインコーナーを併設し、大型店では寿司やピザ、サラダバーなど多彩な食のサービスを提供する。一部店舗では日本からマグロの解体ショーを招くなど独自色を打ち出している。
2025年にはニューヨーク州レイクグローブ(ロングアイランド初)、メリーランド州ロックビル、コネチカット州ノーウォーク(同州初)など複数の新店を相次いで開業し、出店エリアを拡大した。
各店舗は9,000平方メートル規模の大型フォーマットが中心で、雇用創出効果も大きい。家族経営の強みを生かした高品質路線と地域密着型サービスで、東海岸の主要プレイヤーとしての地位を固めている。
出典:https://www.wegmans.com/
Trader Joe’s (トレーダー・ジョーズ)
Trader Joe’sは、1958年にカリフォルニア州ロサンゼルスでPronto Marketとして創業した食料品チェーンである。1979年にドイツ・アルディ創業家の傘下に入り、独自のプライベートブランド戦略で全米に熱心なファンを持つ。
2025年初時点で全米43州とワシントンD.C.に約590店舗を展開し、カリフォルニア州に約190店舗を集中させる。1店舗当たり930〜1,400平方メートルの小型店を基本とし、2024年の売上高は約160億ドルと報じられている。
オーガニック農産物やベジタリアン食品、冷凍食品など多彩なPB商品を低価格で提供する点が強みである。2025年も全米で十数店舗の新規出店を計画し、東海岸や南部への拡大を進めている。
ケージ飼い卵の仕入れ停止方針やクラフトビールとのコラボ商品など、話題性のある商品開発も続けている。限定的な品ぞろえと独自の買い物体験を軸にした差別化戦略で、根強い支持を集め続けている。
出典:https://www.traderjoes.com/home
H-E-B (エイチイービー)
H-E-Bは、1905年にフローレンス・バット女史がテキサス州でCCバット食料品店として創業したスーパーマーケットチェーンで、本社はサンアントニオに置く。後にイニシャルからH-E-Bと改称し、テキサスで圧倒的なシェアを誇る非公開企業に成長した。
2024年12月時点でテキサス州とメキシコ北東部に435店舗以上を展開し、年商は430億ドルを超える。全米小売業協会のランキングでも上位に位置づけられる。高級志向のセントラルマーケットやラテン系向けミ・ティエンダなど複数業態を展開する。
近年はダラス・フォートワース地域への進出を加速し、2026年にはダラス近郊アービングへの新規出店を計画する。2024年には低価格業態「Joe V’s Smart Shop」を拡大した。
さらに2024年9月にはFavor社と組み、25ドル以上の注文を45分以内に届ける超速デリバリー「H-E-B Now」を開始するなど、デジタル対応も強化している。地域密着と多様な業態でテキサス市場を牽引している。
出典:https://www.heb.com/
Harris Teeter (ハリスティーター)
Harris Teeterは、1960年にウィリアム・ハリス氏とウィリス・ティーター氏の店舗が合併して設立されたスーパーマーケットチェーンで、本社はノースカロライナ州シャーロットに置く。セルフサービス方式や営業時間延長など革新的な取り組みで知られる。
2023年初時点でノースカロライナ、サウスカロライナ、バージニア、ジョージア、フロリダ、デラウェア、メリーランド各州とワシントンD.C.に258店舗を展開している。2013年にクローガー社の傘下に入り、現在は同社の高価格帯バナーとして位置づけられている。
ウェブサイトを刷新し、オンライン注文やデジタルクーポン、Fuel Pointsを統合するなど利便性を高めている。OatlyやShamrock Farmsなど新商品も積極的に取り入れている。
2024年時点でもモバイルアプリによる店頭受け取りや宅配を拡充し、従業員表彰など地域貢献活動にも力を入れる。クローガー傘下で独自のブランド価値を保ちつつ、最新の技術とサービスを取り込んでいる。
出典:https://www.harristeeter.com/
Hy-Vee Food Stores (ハイヴィー)
Hy-Vee Food Storesは、1930年にアイオワ州ビーコンズフィールドで創業した従業員所有のスーパーマーケットチェーンである。中西部を地盤に、ベーカリーやデリ、ワイン、園芸、イートインコーナーなど多彩なサービスを展開する。
2025年時点で中西部を中心に約280店舗を運営し、大型ショッピングセンター型の旗艦店を各地に構える。子会社RedBox Rxを通じた遠隔医療・オンライン薬局サービスや、サラダ作成ロボットの導入など、店内サービスの革新に積極的である。
2021年に発表したインディアナ、ケンタッキー、テネシー、アラバマ各州への南東部進出計画を進めており、出店エリアを拡大している。2022年にはアイオワ州グライムズに約8,640平方メートルの旗艦店を開業した。
2024年にはUSA Today読者投票で全米トップのスーパーマーケットに選ばれるなど、顧客からの評価も高い。従業員所有の強みを生かした地域密着経営と先進的なサービスで、中西部の主要プレイヤーであり続けている。
出典:https://www.hy-vee.com/
WinCo Foods (ウィンコフーズ)
WinCo Foodsは、1967年にアイダホ州ボイシで創業したスーパーマーケットチェーンである。創業時の社名Waremartから1998年に改称し、従業員所有企業として低価格戦略を貫いている。
2023年時点でアリゾナ、カリフォルニア、アイダホ、モンタナ、ネバダ、オクラホマ、オレゴン、テキサス、ユタ、ワシントンの10州に約140店舗を展開する。従業員数は2万人を超え、2023年の売上高は約98億ドルであった。
倉庫型の大型店舗とバルク食品の取り扱いを特徴とし、メーカーや農家からの直接仕入れとクレジットカード非対応によるコスト削減で低価格を実現している。
2025年1月にはモンタナ州ビリングス店でセルフレジを全廃し、対面レジへ回帰する判断を行うなど、顧客ニーズや万引き対策を踏まえた運営見直しを進めている。シアトル初出店の計画も提出しており、慎重ながら着実に店舗網を広げている。
出典:https://www.wincofoods.com/
Fry’s Food Stores (フライズ)
Fry’s Food Storesは、1954年にナルド・フライ氏が北カリフォルニアで創業したスーパーマーケットチェーンである。1972年にディロンズへ売却され、同社がクローガーと合併したことで、現在はクローガーの子会社となっている。
2025年2月時点でアリゾナ州を中心に約130店舗を展開し、全店舗がアリゾナ州内に集中している。フェニックスやツーソン、メサ、ギルバートなど主要都市に店舗を構え、州内で強固な地盤を持つ。
一般的な食料品スーパーのFry’sに加え、薬局や家電も扱うFry’s Marketplace、高級路線のFry’s Signature、ヒスパニック市場向けのFry’s Mercadoなど、多様な業態を展開している。
親会社クローガーのデジタル基盤やプライベートブランドを活用しつつ、地域特性に合わせた品ぞろえで運営している。2025年時点でもアリゾナ市場に集中する戦略を維持し、同州の主要スーパーとしての存在感を保っている。
出典:https://www.frysfood.com/
Kroger (クローガー)
クローガー(The Kroger Co.)は、1883年にバーナード・H・クローガー氏がオハイオ州シンシナティで創業した食料品店を起源とする、全米最大級のスーパーマーケット持株会社である。ニューヨーク証券取引所に上場し、多数のバナーを傘下に持つ。
2024年度(2025年2月終了)の総売上高は1,471億ドルに達した。スーパーマーケットのほかガソリンスタンドなども運営し、多様な地域ブランドを束ねている。
2022年に発表したアルバートソンズの買収は、2024年12月に連邦地裁が差し止めたことで頓挫し、2024年度には約6.8億ドルの関連費用を計上した。買収中止後は両社間の訴訟にも発展している。
2025年3月にはロドニー・マクマレンCEOが個人的行為に関する調査を受けて辞任し、経営体制の刷新が進んだ。自社株買いや既存店改装を軸とする成長戦略を掲げ、2025年度は既存店売上2.0〜3.0%増を見込む。全米屈指の規模を背景に、引き続き業界の中心に位置している。
出典:https://www.thekrogerco.com/
Winn-Dixie Stores (ウィン・ディクシー)
Winn-Dixie Storesは、1925年にウィリアム・デイビス氏がフロリダ州マイアミで創業したスーパーマーケットチェーンである。1955年にWinn-Dixieへ名称を統一し、南東部を代表する食品小売として発展してきた。
2005年の破産申請を経て再建し、2018年時点でフロリダ州を中心に約540店舗、4万1,000人を雇用するまで回復した。しかし2023年にはドイツのディスカウントチェーン、アルディがWinn-DixieとHarveysを含むSoutheastern Grocersを買収した。
その後2025年には、C&S Wholesale Grocersを含む投資家グループがアルディの米国子会社からWinn-Dixieの食料品店・酒類店群を取得し、独立系バナーとして運営を続けている。一方でアルディは一部店舗を自社ブランドへ転換しており、店舗網は再編途上にある。
2025年時点でアラバマ、フロリダ、ジョージア、ルイジアナ、ミシシッピの各州で営業を続けている。度重なる資本異動を経ながらも、南東部の生鮮食品小売として一定の存在感を維持している。
出典:https://www.winndixie.com/
ShopRite (ショップライト)
ShopRiteは、1946年にニュージャージー州ニューアークで7つの食料品店が共同仕入れのためWakefern Food Corpを設立したことに始まる、協同組合型のスーパーマーケットチェーンである。1951年に現在のブランド名となり、本社はニュージャージー州キースビーに置く。
2025年3月時点でコネチカット、デラウェア、メリーランド、ニュージャージー、ニューヨーク、ペンシルベニアの各州に311店舗を展開する。ニュージャージー州では70年以上にわたり最大の食品小売業者であり、大ニューヨーク・大フィラデルフィア圏でも主要な地位を占める。
2025年には複数店舗で大規模改装を実施し、省エネ設備や品ぞろえの拡充を進めた。ニューヨーク州マウントキスコでは約74,000平方フィートの最新店を開業し、雇用も大きく拡大した。
ShopRite本体に加え、限定品目のPrice Rite、生鮮重視のThe Fresh Grocerの3ブランドを展開する。慈善プログラム「ShopRite Partners In Caring」など地域貢献にも積極的で、東海岸の主要チェーンとして存在感を保っている。
出典:https://www.shoprite.com/
Safeway (セイフウェイ)
Safewayは、1915年創業のSkaggs Storesと1920年創業のSam Seelig Companyが1926年に合併して誕生したスーパーマーケットチェーンである。かつては全米で3,500店舗超を展開し、カナダや英国など国際展開も行った歴史を持つ。
現在はアイダホ州に本社を置くAlbertsonsの子会社であり、西部を中心に営業している。2019年時点で約910店舗を展開していたが、近年は一部店舗の閉鎖も進めている。
2025年にはカリフォルニア州ピノールの店舗が50年の営業を経て閉店するなど、採算や治安を踏まえた店舗整理が続く。一方で自社ブランド商品やスターバックスとの提携、イートインスペースなど多様なサービスを維持している。
親会社アルバートソンズの戦略の下、SafewayとAlbertsonsのブランドを併存させながら西部市場に対応している。価格帯はやや高めだが、確立されたブランド力と店舗網で2025年時点も主要スーパーの一角を占めている。
出典:https://www.safeway.com/
Albertsons (アルバートソンズ)
Albertsons Companiesは、1939年にアイダホ州ボイシで創業した食料品会社で、クローガーに次ぐ北米第2位級のスーパーマーケットチェーンである。ニューヨーク証券取引所に上場し、SafewayやVonsなど多数のバナーを傘下に持つ。
戦後の店舗拡大と買収により成長し、グループ全体で約32万人を雇用する。2021年度の収益は719億ドルに達し、全米有数の規模を誇る。プライベートブランドも充実させている。
2022年に発表されたクローガーによる約250億ドルの買収は、2024年12月に連邦地裁が差し止めたため中止となった。アルバートソンズはこれを受けてクローガーを提訴し、買収破談を巡る法廷闘争に発展している。
買収頓挫後は独立路線での成長戦略へ軸足を移し、デジタル事業やリテールメディア事業の強化を進めている。海外展開は行わず米国内に注力しており、2025年時点でも業界2位級の主要プレイヤーとしての地位を保っている。
出典:https://www.albertsons.com/
Meijer (マイヤー)
Meijerは、1934年にオランダ移民のヘンドリック・メイヤー氏がミシガン州グリーンビルで創業した非公開のスーパーマーケットチェーンで、本社はミシガン州ウォーカーに置く。1962年にスーパーセンター業態を確立し、中西部を地盤とする。
2025年3月時点で従業員数は約7万人、店舗数は259店、併設ガソリンスタンドは208カ所、収益は196億ドルに上る。食料品に加えペット用品や寝具、家具まで扱うディスカウント型の大型店を軸に展開している。
2024年には温室効果ガス排出量50%削減目標を1年前倒しで達成し、サステナビリティ経営を強化した。同年12月にはホームデリバリーの配送圏を店舗から約60分圏へ拡大し、400万世帯を新たにカバーした。
2025年にはシード寄付プログラムの拡大や健康・ウェルネス支援など地域貢献も強化している。中西部でウォルマートと競合する大型フォーマットの強みを生かし、主要プレイヤーとしての地位を維持している。
出典:https://www.meijer.com/
Casey’s General Stores (ケーシーズ)
Casey’s General Storesは、1967年にアイオワ州ブーンで創業した全米有数のコンビニエンスストアチェーンで、本社はアイオワ州アンケニーに置く。ニューヨーク証券取引所に上場し、店内調理のピザやドーナツなど食品事業に強みを持つ。
2025年4月期(FY2025)決算では、総店舗数が2,904店に達し、通期売上高は159億ドル、純利益は前年比8.9%増の5億4,650万ドルと過去最高を更新した。年間で246店の純増となり、同社史上最多の出店を記録した。
成長を牽引したのが、2024年に発表しFY2025中に完了したFikes Wholesale(CEFCOブランド198店)の買収であり、テキサスなど南部での店舗網を大きく広げた。これは同社史上最大の買収である。
セルフ式燃料販売や幅広い食品に加え、全米5位規模のピザチェーンとしての地位も持つ。2024年にはアイオワ州の主要アリーナの命名権を取得し、2025年7月から「Casey’s Center」へ改称するなどブランド強化も進めている。
出典:https://www.caseys.com/
Murphy USA (マーフィーUSA)
Murphy USAは、石油会社の給油所併設コンビニを起源とし、2013年にスピンオフして独立した企業である。本社はアーカンソー州エルドラドに置き、ニューヨーク証券取引所に上場している。当初はウォルマート近隣への出店を軸に成長した。
2024年12月末時点で27州に1,700店舗以上を展開し、うち1,100店超がウォルマート近隣に立地する。加えて大型のMurphy Expressブランド約240店を独立運営し、より広い品ぞろえと給油レーンを備える。
2020年にはニュージャージー州のQuickChekを6億4,500万ドルで買収し、ニューヨーク近郊に約150店を加えた。低価格の燃料販売を軸に、たばこや飲料など一般的なコンビニ商品を扱う。
2024年通期の純利益は5億250万ドル(1株当たり24.11ドル)で、前年から減益となったものの高い収益力を維持している。低コスト運営と燃料集客モデルにより、2025年時点も給油所併設コンビニの主要企業であり続けている。
出典:https://www.murphyusa.com/
GPM Investments (ジーピーエム)
GPM Investmentsは、2003年に創業したコンビニエンスストア運営会社で、本社はバージニア州リッチモンドに置く。積極的な買収戦略により事業を拡大し、上場企業ARKO Corp.の完全子会社として運営されている。
2024年12月時点で約1,500店舗を運営し、東部・南部・中西部の23州に展開している。多くの店舗はガソリンスタンドを併設し、食料品や飲料、たばこなどを扱う。
2023年10月にはTransit Energy Group(TEG)の資産を取得し、アラバマ・ミシシッピ州での小売部門を拡大した。TEGは約350拠点を持ち、うち135店がコンビニであった。
FasMartやShore Stop、Scotchman、E-Z Martなど、買収前の名称を引き継ぐ多数のブランドを抱えるのが特徴である。2024年12月には27州で筋ジストロフィー協会を支援するキャンペーンを展開するなど地域貢献にも注力し、2025年時点もコンビニ業界で重要な地位を築いている。
出典:https://gpminvestments.com/
Wawa (ワワ)
Wawaは、1964年にペンシルバニア州フォルサムで創業したコンビニエンスストアチェーンである。もとは牛乳配達業を起源とし、早朝から深夜までの営業で顧客の利便性を追求してきた非公開のファミリー企業である。
2025年1月時点でペンシルバニア、ニュージャージー、デラウェア、メリーランド、バージニア、フロリダ各州とワシントンD.C.に約950店舗を展開する。自社ブランドのコーヒーや、「ホーギー」と呼ばれるサブマリンサンドイッチで高い人気を誇る。
近年は朝食メニューの充実に加え夕食メニューのテストも進め、日本のコンビニに近い中食サービスへ幅を広げている。
拡大戦略も積極的で、アラバマやケンタッキーなど中西部への進出を計画するほか、2025年にはノースカロライナ州でも展開を開始し、今後8〜10年で同州に最大90店舗を目指す。地域密着型のファミリー経営を貫きつつ、成長を続ける主要コンビニチェーンである。
出典:https://www.wawa.com/
Walmart (ウォルマート)
Walmartは、1962年にサム・ウォルトン氏がアーカンソー州で創業した世界最大の小売企業であり、本社はアーカンソー州ベントンビルに置く。ニューヨーク証券取引所に上場し、スーパーセンターを中核に食品小売で全米最大の規模を誇る。
2025年1月期(FY2025)の連結売上高は約6,810億ドルに達し、うち米国の食料品売上は約2,760億ドルと報じられている。米国内に約4,600店を展開し、食品分野で圧倒的な市場シェアを握る。
低価格を軸としたEDLP戦略に加え、ネットスーパーや店舗受け取り、会員制プログラムWalmart+など、オンラインとオフラインを融合した事業を強化している。広告事業やマーケットプレイスなど高収益分野も拡大している。
2025年時点でも既存店売上と客数の増加を続け、食品を成長エンジンとして業績を伸ばしている。圧倒的な調達力と物流網を武器に、米国のスーパー・食品小売市場で最も影響力の大きいプレイヤーであり続けている。
出典:https://corporate.walmart.com/
Costco Wholesale (コストコ)
Costco Wholesaleは、1983年にワシントン州シアトルで1号店を開いた会員制倉庫型小売のパイオニアであり、本社はワシントン州イサクアに置く。ナスダックに上場し、年会費収入を収益の柱とする独自モデルで知られる。
2025年8月期(FY2025)の売上高は約2,750億ドル規模に達し、世界で900を超える倉庫店を運営する。うち大半を米国内が占め、生鮮・加工食品を中心とした食品売上は全米有数の規模を持つ。
プライベートブランド「Kirkland Signature」を軸に、大容量・高回転・低マージンの品ぞろえで高い顧客支持を得ている。会員更新率は米国・カナダで9割前後と極めて高い。
2025年時点でも既存店売上とEコマースの伸びが続き、堅調な成長を維持している。会員制による安定収益と強力な調達力を背景に、食品を含む米国の小売市場で主要な地位を占める企業である。
出典:https://www.costco.com/
アメリカの主要スーパー・コンビニエンスストア企業4選〜日系編〜
Nijiya (ニジヤマーケット)
Nijiya Marketは、日本人移民の辻野三郎丸氏が1986年にカリフォルニア州サンディエゴで創業した、日本食材を中心とする日系スーパーマーケットである。日本から輸入する食材に加え、契約農家によるオーガニック日本野菜も扱う。
2025年時点でカリフォルニア州とハワイ州に十数店舗を展開している。ニジヤブランドの米や納豆、味噌、寿司酢などプライベートブランド商品も自社で展開する点が特徴である。
オンライン販売にも対応し、全米各地への配送を受け付けている。かつてニューヨーク州ハーツデールにも店舗を構えていたが2018年に閉店するなど、店舗網の再編も経てきた。
食育の一環として「ごちそうマガジン」を紙・WEB両面で発行するなど、単なる物販にとどまらない情報発信も行う。西海岸の日本人・アジア系コミュニティを主要顧客に、日系食品小売の一角を担い続けている。
出典:https://www.nijiya.com/
Tokyo Central (トーキョーセントラル)
Tokyo Central(トーキョーセントラル)は、1965年にハワイ州で創業した会員制スーパー、マルカイを起源とする日系スーパーマーケットである。1975年にロサンゼルスで米本土に進出し、日本製品を扱う先駆的存在として知られてきた。
その後カリフォルニア州を中心に十数店舗を展開し、約400人の従業員を擁する。2013年にはディスカウントストアのドン・キホーテ(現パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)が株式を100%取得し、オーナー企業となった。
2015年には「東京市場・トーキョーセントラル」を店名に加え、マルカイと2ブランドで店舗を展開している。日本の食料品や米国電圧対応の日本製家電、日本の雑貨まで幅広く扱う。
都道府県フェアなど日本色の強い催事も定期的に開催する。オンライン店は持たず、店舗近隣への配達に限定するなど地域密着型の運営を続けており、2025年時点も西海岸の主要な日系スーパーの一つである。
出典:https://tokyocentral.com/
Mitsuwa Marketplace (ミツワ)
Mitsuwa Marketplaceは、1979年にカリフォルニア州フレズノで創業したヤオハン商店を起源とする日系スーパーマーケットである。1997年のヤオハン破綻後、現地経営陣が事業を買い取り、1998年にMitsuwaとして再出発した。
2012年には宮城県仙台市に本社を置く商社カメイが株式を取得し、現在は同社傘下で運営されている。カリフォルニア州の店舗は日本食材を扱う大型スーパー型である一方、シカゴやニュージャージーの店舗はフードコートや紀伊國屋書店など日系専門店を集めたモール型となっている。
2025年時点でカリフォルニア州の8店舗を含め、シカゴ、ニュージャージー、テキサス、ワイキキなど合計十数店舗を運営している。
全米向けのオンラインストアにも注力し、日本食材の通信販売を強化している。米国外への進出は行わず、北米の日本食・アジア食コミュニティに向けた品ぞろえと体験を軸に、日系スーパーの主要プレイヤーとしての地位を保っている。
出典:https://www.mitsuwa.com/
7-Eleven (セブンイレブン)
7-Eleven(セブン-イレブン)は、1927年にテキサス州ダラスで氷販売の店舗として始まったコンビニエンスストアチェーンで、現在は日本のセブン&アイ・ホールディングス傘下のデラウェア州法人が運営する。世界最大のコンビニチェーンである。
1946年に営業時間(午前7時〜午後11時)を店名の由来とし、後に24時間営業を確立した。1991年にイトーヨーカ堂が株式を取得し、2005年にセブン-イレブン・ジャパンの完全子会社として再編された。世界の店舗数は8万店を超える。
2021年にはSpeedwayを約210億ドルで買収し、北米で約1万4,000店舗を展開する体制を築いた。飲料や食品の独自ブランド、モバイル決済、ガソリンスタンドとのリワード提携などを強みとする。
2024年にはカナダのアリマンタシォン・クシュタールから親会社セブン&アイに対し約6兆円規模の買収提案がなされたが、2025年7月にクシュタール側が提案を撤回した。世界最大のブランド力を背景に、北米コンビニ市場の中心であり続けている。
出典:https://www.7-eleven.com/
アメリカの主要スーパー・コンビニエンスストア企業7選〜外資編〜
Aldi (アルディ)
Aldi(アルディ)は、1946年にアルブレヒト兄弟がドイツで創業したディスカウント型スーパーマーケットチェーンである。米国事業は南部門のAldi(Aldi Süd系)が担い、1976年にアイオワ州へ初上陸した。
低価格・少人数運営・自社ブランド中心という独自モデルで急成長し、2025年時点で米国内の店舗数は2,400を超える。オンライン配達も全米の広い地域をカバーする。
2023年には南東部のSoutheastern Grocers(Winn-Dixie、Harveys)を買収し、その一部を自社ブランドへ転換している。2025年には過去最大となる225店以上の新規出店を含む、総額90億ドル規模の拡大計画を進めている。
この積極出店により、Aldiは全米で店舗数を急速に伸ばし、低価格志向の消費者を取り込んでいる。ドイツ資本の効率的な運営モデルを武器に、2025年時点で米国スーパー業界の主要な外資系プレイヤーとしての存在感を一段と高めている。
出典:https://www.aldi.us/
Lidl (リドル)
Lidl(リドル)は、ドイツに本社を置く国際的なディスカウント型スーパーマーケットチェーンである。ドイツ系のカウフランドとともにシュヴァルツ・グループの傘下にあり、欧州と米国を含む多数の国で店舗を展開する世界有数の小売企業である。
Aldiと同様に質素な店内と少人数運営で低価格を実現する一方、ナショナルブランドも取り扱う点に違いがある。米国には2017年に東海岸から進出した。
2025年時点で米国では東海岸を中心に店舗を展開し、出店を継続している。親会社シュヴァルツ・グループの売上高は1,700億ユーロを超える規模とされ、世界的な購買力を背景に低価格戦略を推進している。
オンライン技術を活用した宅配サービスの導入も進めており、利便性の向上を図っている。ドイツ資本の強固な財務基盤と効率的なオペレーションを武器に、2025年時点で米国市場の主要な外資系ディスカウントスーパーの一角を占めている。
出典:https://www.lidl.com/
Chedraui (チェドラウイ)
Chedraui(チェドラウイ)は、メキシコを本拠とするスーパーマーケットチェーンで、米国ではEl Superの店名でカリフォルニア、アリゾナ、ニューメキシコ、テキサス、ネバダ各州に展開する。テキサス州ではFiesta Martの店名でも営業している。
本家は1927年にメキシコのハラパで創業し、米国へは1997年にカリフォルニア州で進出した。米国本社はカリフォルニア州パラマウントに置く。ラテンアメリカ系の食料品を中心に、アパレルなども扱う総合的な品ぞろえが特徴である。
スペイン語を母語とするメキシコ系移民コミュニティの間で特に高い知名度を持ち、エスニック市場に特化したポジショニングを確立している。
グループの収益は数十億ドル規模とされ、従業員数も多い。米国以外の外国への出店は行わず、北米のヒスパニック市場に集中する戦略を採る。2025年時点でも、拡大するラテン系人口を背景に主要な外資系スーパーの一つとして存在感を保っている。
出典:https://chedrauiusa.com/
Ahold Delhaize (アホールド・デレーズ)
Ahold Delhaize(アホールド・デレーズ)は、オランダに本社を置く小売持株会社で、欧州と米国の複数国で約20のローカルブランドを傘下に持つ。米国事業がグループ全体収益の6割以上を占める最重要市場である。
米国ではFood Lion、Stop & Shop、Giant Food、Hannafordといった有力スーパーと、オンライン食料品配達のPeapodを子会社として運営している。オランダ本社は1887年創業の乾物店を起源とし、小売業として大企業に成長した。
1991年から米国のスーパー買収を本格化し、東海岸を中心に強固な店舗網を築いた。2025年時点でも各バナーの改装やオンライン強化を進めている。
ユーロネクスト・アムステルダムに上場し、安定した財務基盤を持つ。ローカルブランドを尊重する分権的な経営で各地域の顧客に密着しており、2025年時点で米国市場の主要な外資系スーパーグループの一角を占めている。
出典:https://www.aholddelhaize.com/
Alimentation Couche-Tard (アリマンタシォン・クシュタール)
Alimentation Couche-Tard(アリマンタシォン・クシュタール)は、1980年にカナダ・ケベック州で創業したコンビニエンスストア大手である。数多くの買収を通じて成長し、トロント証券取引所に上場している。
カナダの「クシュタール」、世界展開する「サークルK」、米国の「ホリデーステーションストアーズ」などのブランドを運営する。2020年代前半で世界24カ国に合計約1万4,500店舗を展開し、うち米国内が約7,100店を占める大規模チェーンである。
ガソリンスタンド併設店から生鮮食料品を扱う店まで幅広い業態を持ち、燃料と中食を組み合わせた収益モデルを強みとする。
2024年には日本のセブン&アイ・ホールディングスに対し約6兆円規模の買収を提案し世界的な注目を集めたが、先方の対応が不十分だとして2025年7月に提案を撤回した。買収戦略を軸とする成長路線を維持しており、2025年時点も米国コンビニ市場の主要な外資系プレイヤーである。
出典:https://corpo.couche-tard.com/en/
EG America (イージー)
EG America(イージー)は、英国の小売業者EG Group(旧EuroGarages、2001年創業)の北米事業を担う企業である。EG Groupはガソリンスタンドやコンビニ、ファストフードを世界で展開する。
米国へは2018年にクローガーから約800店のコンビニを買収して参入し、MinitMartやFastracなどの買収を重ねて、全米有数のコンビニチェーンへ成長した。北米本社はマサチューセッツ州ウェストボローに置く。
2025年時点で約30州に1,800店舗以上を展開し、従業員数は2万人を超える。買収した各ブランドは当初その名称を維持していたが、近年はブランド統合を進めている。
ガソリンスタンド併設店と独立型コンビニの両方を持ち、バーガーキングなどと提携する店舗もある。取扱商品は一般的なコンビニ商品が中心である。英国資本の下で買収による規模拡大を進めており、2025年時点で米国コンビニ市場の主要な外資系プレイヤーの一つとなっている。
出典:https://www.eg.group/
BP America (ビーピー)
BP America(ビーピー)は、英国の石油大手BPの米国事業体であり、ガソリンスタンド併設のコンビニエンスストア事業を展開する。ampmとThorntonsの2ブランドを運営し、全米有数のコンビニチェーンの一角を占める。
ampmは1978年にカリフォルニア州で創業し、2008年にBPがガソリンスタンド併設のコンビニ部門をampmブランドへ転換した。その後の買収を経て、現在はBPが親会社として両ブランドを運営している。
2022年にはニューヨーク州ブロンクスに東海岸初のampmを開業し、出店エリアを拡大した。米国以外にもメキシコやブラジル、アルゼンチン、チリでBP系のコンビニを展開している。
取扱商品は一般的なコンビニ商品が中心で、総菜や果物も扱う小型スーパー型を志向する。石油メジャーとしての強固な資本基盤を背景に燃料小売と一体で運営しており、2025年時点でも米国コンビニ市場の主要な外資系プレイヤーとして位置づけられる。
出典:https://www.bp.com/
FAQ
アメリカの小売業界で主要な企業はどれですか?
アメリカの小売業界を牽引する主要企業には、Publix Super Markets、Wegmans、Trader Joe’s、H-E-Bなどのローカルチェーンや、Kroger、Albertsons、Walmart、Targetなどの大手外資系企業があります。
アメリカ市場に進出する日本企業にとって、どの企業をパートナーとして選べば良いですか?
日本企業がアメリカ市場でパートナーを選ぶ際には、地域に根ざしたサービスと高品質な商品を提供しているPublixやWegmans、H-E-Bなどのローカルチェーンと連携することがおすすめです。また、戦略や商品ラインアップに応じて多様な企業と連携可能性を検討する必要があります。
アメリカのスーパーマーケットの業界地図を入手するにはどうすればよいですか?
アメリカのスーパー・コンビニ業界の業界地図は、提供されている資料からダウンロード可能です。記事内のリンクや資料ダウンロードページにアクセスして、お役立ち資料をお取りください。
アメリカのコンビニエンスストアチェーンの最新動向は何ですか?
アメリカのコンビニエンスストア業界では、GPM InvestmentsやCasey’s、Murphy USA、Speedwayなどの企業が積極的に店舗拡大や買収を進めており、地域社会への貢献や新サービス展開も進行しています。
日本の食材を扱う日系スーパーの現状と今後はどうなるのですか?
日系スーパーのニジヤマーケットは、アメリカの主要都市に店舗を展開していますが、一部の店舗は閉店や統合を余儀なくされているため、今後の展開には市場の動向や地域のニーズを注視しながら適応していく必要があります。

