アメリカ小売市場攻略:日系企業が知るべき主要スーパー・コンビニ30選

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アメリカへの小売事業展開、特にスーパーマーケットやコンビニエンスストアへの進出を検討中の日本企業の皆様にとって、現地の市場と主要プレイヤーの理解は不可欠です。本記事では、アメリカの小売業界を牽引する主要企業30社(ローカル、日系、外資系を含む)を徹底解説。各社の事業内容、強み、市場におけるポジショニング、そして日系企業との連携可能性などを網羅的にご紹介します。アメリカ小売市場への参入を検討中の経営者・担当者必見の内容です。最適なパートナーを見つけ、アメリカビジネスを成功に導くための第一歩を踏み出しましょう。

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アメリカのスーパー・コンビニ業界 業界地図はこちら!
目次

アメリカの主要スーパー・コンビニ19選〜ローカル編〜

Publix Super Markets(パブリックス・スーパーマーケッツ)

Publix Super Marketsは、1930年にジョージ・ジェンキンス氏によってフロリダ州ウィンターヘブン市で創業された老舗のスーパーマーケットチェーンである。現在、本社はフロリダ州レイクランド市に位置している。

2025年3月現在、Publixはフロリダ州を中心に、ジョージア州、アラバマ州、サウスカロライナ州、テネシー州、ノースカロライナ州、バージニア州、ケンタッキー州の8つの州で1,371店舗を展開している。 事業内容は、食料品を中心に、総菜、ベーカリー、薬局、酒屋、寿司バーなど多岐にわたる。特に、健康志向のGreenWiseブランドや、ラテンアメリカ系顧客向けのSaborブランドを展開している。

リタイア層が多い地域に店舗を展開していることから、処方箋の無料提供や、店舗内に診療所を併設するなど、地域の医療サービスにも貢献している。

2025年3月現在、Publixの従業員数は約255,000人であり、アメリカ最大の従業員所有企業となっている。

Publixは2025年3月5日、ケンタッキー州レキシントンに新店舗をオープンし、同州でのプレゼンスを強化している。 また、2025年3月6日にはフロリダ州ニューベリーに新店舗を開設し、地元コミュニティへのサービスを拡大している。

Publix Super Marketsは、90年以上にわたり地域社会に根ざしたサービスを提供し続けている。最新の店舗展開や従業員数の増加は、同社の成長と地域貢献の姿勢を示している。

出典:https://www.publix.com/

Wegmans(ウェグマンズ)

Wegmansは、1915年にニューヨーク州ロチェスター市で食品店として創業したスーパーマーケットチェーンである。2025年3月現在、Wegmansはアメリカ東海岸の8つの州とワシントンD.C.で111店舗を展開している。 Wegmansは2025年に新たに3店舗をオープンする予定である。

  1. レイクグローブ店(ニューヨーク州):2025年2月26日にオープン予定で、ロングアイランド初の店舗となる。店舗面積は約9,400平方メートルで、マーケットカフェや寿司、ピザ、サラダ、サンドイッチ、ホットバーなど多彩な食品サービスを提供する予定である。
  2. ロックビル店(メリーランド州):2025年6月25日にオープン予定で、Twinbrook Quarter Community内に位置する。店舗面積は約7,400平方メートルで、500人の雇用を予定している。
  3. ノーウォーク店(コネチカット州):2025年7月23日にオープン予定で、コネチカット州初の店舗となる。店舗面積は約8,500平方メートルで、マーケットカフェや2階建ての駐車場(551台分)を備える。

Wegmansは多くの店舗でイートインコーナーを併設しており、生鮮食料品や総菜の品質と品ぞろえに定評がある。一部の店舗では、日本から業者を招いてマグロの解体ショーを開催したり、日本レベルの刺身盛り合わせを販売するなど、ユニークなイベントや商品展開を行っている。

Wegmansは全米のスーパーマーケット業界で最高のパフォーマンスを持つ企業の一つと評価されており、消費者視点の情報誌『コンシューマーズレポート』でもトップと称賛されている。2009年の売上高は50億ドルで、従業員数は3,800人とされていたが、現在の従業員数に関する最新の公式情報は公開されていない。

Wegmansは、地域社会に根ざしたサービスと高品質な商品提供で知られるスーパーマーケットチェーンである。2025年の新店舗オープンにより、さらに多くの地域でその魅力を提供していく予定である。

出典: https://www.wegmans.com/

Trader Joe‘s(トレーダー・ジョーズ)

Trader Joe’sは、1958年にカリフォルニア州ロサンゼルス市でPronto Marketとして創業した。当初は小規模なコンビニエンスストア形式で様々な商品を取り扱っていたが、セブンイレブンの台頭により、大型店舗化し、ワインや食料品に特化する方向へ転換した。

2025年1月1日現在、Trader Joe’sは全米43州およびワシントンD.C.に593店舗を展開している。店舗の平均面積は約930~1,400平方メートルで、カリフォルニア州に193店舗を有する。2024年の売上高は約160億ドルと報告されている。

Trader Joe’sは、オーガニック農産物やベジタリアン向け食品、冷凍食品など、多彩なプライベートブランド商品を展開している。リカーライセンスの関係で全店舗ではないものの、ワインの販売も行っている。顧客からの意見を取り入れ、2025年までにケージ飼いの卵生産者からの仕入れを停止する方針を打ち出している。

最近では、Hardywood Park Craft Breweryとのコラボレーションで、人気商品であるダークチョコレートピーナッツバターカップをイメージした「ダークチョコレートピーナッツバターポーター」というビールを発売した。アルコール度数は9%以上で、チョコレートモルトとピーナッツバターの風味が特徴である。

2025年、Trader Joe’sは全米で新たに12店舗のオープンを計画している。これには、カリフォルニア州、ワシントン州、アラバマ州、メリーランド州、テネシー州、ペンシルバニア州、ニューヨーク州、ワシントンD.C.が含まれる。

Trader Joe’sは、独自の商品展開と顧客志向の戦略で、全米での店舗拡大を続けている。新商品の投入や店舗展開により、今後も消費者に新たな価値を提供し続けることが期待される。

出典:https://www.traderjoes.com/home

H-E-B(エイチイービー)

H-E-Bは、テキサス州サンアントニオ市に本社を置くスーパーマーケットチェーンである。1905年にフローレンス・バット女史がCCバット食料品店として創業し、後に息子のハワード・エドワード・バット氏が経営を引き継ぎ、社名を彼のイニシャルから取ったH-E-Bと改名した。

2024年12月時点で、H-E-Bはテキサス州とメキシコ北東部に435店舗以上を展開し、年商は430億ドル以上に達している。

H-E-Bは、自社ブランド製品として牛乳、アイスクリーム、パン、スナックなどをラインアップしている。1994年には、オーガニックやインターナショナル食品をテーマにした高級志向の「セントラルマーケット(Central Market)」ブランドの店舗を出店。2004年には、ホームセンターや化粧品なども扱う総合デパートのような「プラス(Plus)」店を展開。さらに、ラテン系をテーマとした「ミ・ティエンダ(Mi Tienda)」店も展開している。

国外への展開はメキシコのみであり、2012年にはメキシコ内の店舗で年間売上高が10億ドルを超えた。

  • 北テキサスへの拡大:H-E-Bは、ダラス・フォートワース地域への拡大を進めており、2022年にはフリスコ地区に約3,100坪の店舗をオープンした。
  • ダラス近郊での新店舗計画:2026年にはダラス市に近いアービング地区への新規出店を計画している。
  • 低価格コンセプトストアの展開:2024年6月、ダラスのWheatland Rd.に低価格コンセプトストア「Joe V’s Smart Shop by H-E-B」をオープンした。
  • 超速デリバリーサービスの開始:2024年9月、Favor社との協力により、15品目以内、25ドル以上の購入に対して、45分以内に配達する「H-E-B Now」という超速デリバリーサービスを開始した。

H-E-Bは、全米小売業協会(NRF)が発表するトップ小売企業ランキングで、年商410億600万ドルを記録し、18位に位置している。 H-E-Bは、テキサス州とメキシコ北東部で強固な地盤を持つスーパーマーケットチェーンであり、多様なブランド展開やサービス拡充を通じて、地域社会に貢献し続けている。

出典:https://www.heb.com/

Harris Teeter(ハリスティーター)

Harris Teeterは、1960年2月にウィリアム・ハリス氏のドラッグストアとウィリス・ティーター氏の食料品店が合併して設立されたスーパーマーケットチェーンである。本社はノースカロライナ州シャーロット市に位置する。

2023年1月現在、Harris Teeterはノースカロライナ州、サウスカロライナ州、バージニア州、ジョージア州、フロリダ州、デラウェア州、メリーランド州、ワシントンD.C.に258店舗を展開している。

創業当初、ノースカロライナ州のスーパーマーケットは、顧客が持参した買い物リストを店員が受け取り、商品を揃える形式が一般的であった。Harris Teeterは、顧客が自ら商品を選べるセルフサービス方式を導入し、営業時間も午後9時まで延長するなど、革新的な取り組みを行った。

2013年7月、Harris Teeterは全米規模で展開するスーパーマーケットチェーン、クローガー社の傘下に入った。​

  • オンラインショッピングの強化:Harris Teeterは、ウェブサイトを刷新し、オンラインでの食料品注文、週替わりの特売情報の閲覧、デジタルクーポンのクリップ、Fuel Pointsの確認など、顧客の利便性を高める機能を統合した。
  • 新商品の導入:最新の商品ラインナップとして、Oatlyの無糖オーツミルクやShamrock Farmsの高プロテイン飲料などを取り扱っている。
  • モバイルアプリの提供:Harris Teeterは、モバイルアプリを通じて、便利な店頭受け取りや宅配サービスを提供している。​
  • 地域社会への貢献:2024年2月、Harris TeeterはSupermarket Employee Dayを祝賀し、従業員の貢献を称えた。

Harris Teeterは、革新的なサービスと地域社会への貢献を通じて、顧客満足度の向上に努めている。クローガー社との統合後も、独自のブランド価値を維持しつつ、最新の技術やサービスを導入している。

出典: https://www.harristeeter.com/

Hy-Vee Food Stores(ハイヴィー)

Hy-Veeは、1930年にアイオワ州ビーコンズフィールドで創業した老舗スーパーマーケットチェーンである。ベーカリー、デリカテッセン、ワイン、園芸、イートインコーナーなど、多彩なサービスを展開している。2022年には、ウィスコンシン州アシュウォーベノン市に約11,600平方メートルの大型ショッピングセンターを開店した。

遠隔医療とオンライン薬局サービス:Hy-Veeは、RedBox Rxという子会社を通じて、遠隔医療とオンライン薬局サービスを提供し、処方箋を患者の自宅まで直接発送するサービスを開始した。

24時間営業の見直し:2020年2月、従業員の要望や効率性の向上を考慮し、多くの店舗で24時間営業を取りやめ、深夜から早朝の時間帯を閉店とした。

サラダ作成ロボットの導入:最新技術を活用し、サラダ作成ロボットを導入するなど、店内サービスの革新を図っている。

新規店舗の開店:2022年9月、アイオワ州グライムズに約8,640平方メートルの旗艦店をオープンし、最新技術やサービスを導入した。

南東部への拡大計画:2021年12月、インディアナ州、ケンタッキー州、テネシー州、アラバマ州への進出計画を発表し、2023年までに少なくとも7店舗を開店する予定である。

全米トップのスーパーマーケット:2024年、USA Todayの読者投票で、Hy-Veeは全米トップのスーパーマーケットに選ばれた。

出典:https://www.hy-vee.com/

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WinCo Foods(ウィンコフーズ)

WinCo Foodsは、1967年にアイダホ州ボイシ市で創業したスーパーマーケットチェーンである。創業当初は「Waremart」の名称で営業していたが、1998年に「WinCo Foods」に改名した。これは、KmartやWalmartとの名称混同を避けるためである。

2023年現在、WinCo Foodsはアリゾナ、カリフォルニア、アイダホ、モンタナ、ネバダ、オクラホマ、オレゴン、テキサス、ユタ、ワシントンの10州に140店舗を展開している。従業員数は20,000人以上に上り、2023年の売上高は約98億ドルであった。

WinCo Foodsは、コストコに代表される大型倉庫型店舗を特徴としており、低価格を実現している。特にバルク食品の取り扱いで知られている。コスト削減のため、クレジットカードの利用を受け付けず、デビットカードや現金での支払いを推奨している。また、メーカーや農家から直接仕入れることで価格を抑えている。

  • セルフチェックアウトの廃止:2025年1月、モンタナ州ビリングスの店舗では、セルフチェックアウト機を全て撤去し、従来のレジに戻す決定を行った。これは、顧客が対面でのやり取りを好む傾向や、セルフチェックアウトに伴う万引きの増加を考慮したものである。
  • 新店舗の計画:2024年10月、シアトル市内に初の店舗を開設する計画が提出された。

WinCo Foodsは、従業員所有の企業として、低価格戦略と効率的なオペレーションを通じて成長を続けている。最新の動向として、セルフチェックアウトの廃止や新店舗の開設計画など、顧客ニーズや市場環境の変化に対応した取り組みを行っている。

出典: https://www.wincofoods.com/

Fry‘s(フライズ)

Fry’s Food Storesは、1954年にナルド・フライ氏が北カリフォルニアで創業した。1960年には店舗数を拡大したが、1972年に大手スーパーマーケットチェーンのディロンズに売却された。ディロンズはその後、全米規模の大型店Krogerと合併し、Fry’sは現在Krogerの子会社となっている。

現在、Fry’sはアリゾナ州を中心に店舗を展開している。2025年2月時点で、アリゾナ州内に130店舗を構え、全米のFry’s店舗の100%を占めている。主要な都市での店舗数は以下の通りである。

  • フェニックス:27店舗
  • ツーソン:14店舗
  • メサ:9店舗
  • ギルバート:9店舗
  • グレンデール:9店舗

Fry’sは多様な店舗形態を展開している。一般的な食料品スーパーであるFry’sのほか、薬局や家具・電化製品なども扱うFry’s Marketplace、高級食料品のみを扱うFry’s Signature、ヒスパニック市場を対象としたFry’s Mercadoなどがある。

出典:https://www.frysfood.com/

Kroger(クローガー)

クローガー(The Kroger Co.)は、1883年にオハイオ州シンシナティ市でバーナード・H・クローガー氏によって創業された食料品店である。創業以来、食品会社などを買収し、アメリカ西部・中西部で最大手の持ち株会社に成長した。スーパーマーケットのほか、ガソリンスタンドなども経営している。

2022年10月、クローガーは業界第2位のAlbertsons Companies, Inc.の買収を発表し、2253店舗、27万人の従業員を新たに加える計画であった。しかし、2024年12月、米連邦地裁はこの買収を認めず、計画は中止となった。

2025年3月時点で、クローガーの名前を店舗名にしているのはオハイオ州とケンタッキー州にある店舗のみで、その他の店舗はそれぞれの店名を継続使用している。海外への展開は行っておらず、2018年には中西部での武器の販売から完全に撤退している。

クローガーは、2025年春の終わりに投資家向け説明会を開催し、今後の戦略的優先事項と長期的な財務見通しを発表する予定である。また、2025年3月6日に発表された第4四半期の決算報告では、売上高343億800万ドル、1株当たり利益0.90ドルを記録した。クローガーは今後も業界内での競争力を維持し、成長を続けることが期待される。

出典:https://www.thekrogerco.com/

Winn-Dixie Stores(ウィン・ディクシー)

Winn-Dixie Stores, Inc.は、1925年にウィリアム・デイビス氏がフロリダ州マイアミ市で創業した。その後、息子たちが企業買収を進め、1955年にWinn-Dixieに名称を統一した。1967年にはカリブ海のバハマにも店舗を展開した。

2005年に破産申請を行い、翌年にはカリブ海の店舗を売却し、中西部の店舗も大幅に縮小した。2011年にはフロリダ州のスーパーマーケットチェーンであるBI-LOに売却され、その後2015年にSoutheastern Grocersの子会社となった。2018年には大規模なリストラを実施し、フロリダ州を中心に546店舗、41,000人の従業員を抱えるまでに回復した。2014年の収益は100億米ドルとされる。

2023年、ドイツのディスカウントチェーンであるAldiがSoutheastern Grocersを買収し、約400のWinn-DixieおよびHarveys Supermarketの店舗を取得した。Aldiはこれらの店舗の一部をAldiブランドに転換する計画を発表したが、多くの店舗はWinn-DixieやHarveysの名称で営業を続ける予定である。​:

さらに、2025年2月、C&S Wholesale Grocersを含む投資家グループが、Aldiの米国子会社から約350のWinn-Dixieの食料品店および酒類店を買収する交渉を進めていると報じられた。現在、Winn-Dixieはアラバマ州、フロリダ州、ジョージア州、ルイジアナ州、ミシシッピ州で店舗を展開している。

出典:https://www.winndixie.com/

Shoprite(ショップライト)

ShopRiteは、アメリカ東海岸のコネチカット州、デラウェア州、メリーランド州、ニュージャージー州、ニューヨーク州、ペンシルベニア州に店舗を展開するスーパーマーケットチェーンである。本社はニュージャージー州キースビー市にあり、2025年3月時点で店舗数は311店となっている。

創業は1946年で、ニュージャージー州ニューアーク市において7つの食料品店が共同仕入れのためにWakefern Food Corpを設立したことが始まりである。1951年に現在のShopRiteというブランド名となった。ニュージャージー州では70年以上にわたり最大の食品小売業者であり、グレーターニューヨークおよびグレーターフィラデルフィアにおいても主要な小売業者としての地位を確立している。

2025年には複数の店舗で大規模なリノベーションが行われ、新しいエネルギー効率の高い設備が導入された。たとえば、ニューヨーク州ニューシティのShopRiteは2025年2月に大規模な改装を終え、品揃えの拡充や店舗内設備の最新化を行った​:。また、ニューヨーク州マウントキスコでは、新たな74,000平方フィートの最先端スーパーマーケットがオープンし、従来の店舗の約2倍の従業員を雇用するなど、拡張が進んでいる。

ShopRiteは、スーパーマーケットチェーンのShopRiteブランドに加え、限られた商品カテゴリを扱うPrice Rite、生鮮食品を中心としたThe Fresh Grocerの3つのブランドを展開している。

さらに、ShopRiteは地域社会への貢献にも積極的であり、「ShopRite Partners In Caring」プログラムを通じて1999年から約6,200万ドルを食品バンクに寄付している。これにより、2,200以上の慈善団体を支援している。

出典:https://www.shoprite.com/

Safeway(セイフウェイ)

Safewayは、1915年にアイダホ州で創業したSkaggs Storesと、1920年にカリフォルニア州で創業したSam Seelig Companyが、1926年にメリルリンチ社の仲介で合併して誕生したスーパーマーケットチェーンである。1931年の最盛期には、全米で3,527店舗を展開していた。国際展開も積極的に行い、1929年にカナダ、1962年にイギリス、1963年にオーストリア、1964年にドイツに進出した。日本では1962年に住友商事と提携し、翌年に東京都世田谷区野沢に店舗を開店したが、地元の反対運動などを受け、提携は解消された。この合弁により設立されたスーパーは、現在サミットストアとして営業している。

現在、Safewayはアイダホ州に本社を置くAlbertsonsの子会社となっている。2019年時点での店舗数は910店舗であったが、近年は一部店舗の閉鎖が報告されている。例えば、カリフォルニア州ピノールのAppian 80ショッピングセンター内の店舗は、50年間の営業を経て2025年4月4日に閉店する予定である。また、サンフランシスコのフィルモア地区にあるWebster Street店も、安全上の懸念と窃盗の多発により、2025年2月7日に閉店することが決定されている。

Safewayは自社ブランドの商品を展開しており、ジュースやハムなどを提供している。さらに、イートインスペースの設置やクリーニング店、スターバックスとの提携など、多様なサービスを展開している。価格設定は、ShopRiteやAldiと比較すると若干高めである。

出典:https://www.safeway.com/

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Albertsons(アルバートソンズ)

Albertsons Companies, Inc.は、1939年にアイダホ州ボイシで創業された食料品会社であり、クローガーに次ぐ北米第2位のスーパーマーケットチェーンである。2018年のフォーチュン誌による企業総収益ランキングでは53位に位置していた。2022年10月、クローガーがアルバートソンズを約250億ドルで買収する計画を発表したが、2024年12月、米連邦地裁はこの買収を認めず、計画は中止となった。

創業当時、アルバートソンズは無料駐車場、返金保証、アイスクリーム店の併設など、画期的なサービスを提供していた。戦後は店舗拡大や企業買収を進め、グループ全体で約32万5,000人の従業員を抱え、2021年の収益は719億米ドルに達した。

プライベートブランドも充実しており、Safeway買収後は双方のブランドを戦略的に取り扱っている。現在、アルバートソンズは海外展開を行っておらず、米国内での事業に注力している。

出典:https://www.albertsons.com/

Meijer(マイヤー)

Meijerは、ミシガン州ウォーカー市に本社を置き、アメリカ中西部地域を中心に店舗を展開するスーパーマーケットチェーンである。1934年、オランダからの移民であったヘンドリック・メイヤー氏によって、ミシガン州グリーンビル市で創業された。1962年には、顧客が自ら商品を選び、カートに入れるスタイルを確立し、現在ではウォルマートに代表されるデパートとスーパーマーケットの中間に位置するスーパーセンター(ハイパーマーケット)を基準とし、ガソリンスタンド併設のコンビニ形態やMeijer Marketplaceとしても展開している。

2025年3月時点での最新情報は以下の通りである。

  • 従業員数:約70,000人
  • 収益:196億米ドル
  • 店舗数:259店舗
  • ガソリンスタンド数:208店舗

Meijerは、食料品のみならず、ペット用品や寝具、家具まで取り扱うディスカウントストアとしても機能している。COVID-19パンデミック前は24時間営業を行い、クリスマスのみ休業日としていた。2013年には、フォーブス誌の民間企業ランキングで19位にランクインしたことがある。

最新の取り組みとニュース:

  • 温室効果ガス排出削減目標の前倒し達成:Meijerは、2025年までに温室効果ガス排出量を50%削減するという目標を掲げていたが、これを1年前倒しで達成した。
  • ホームデリバリーサービスの拡大:2024年12月、Meijerはホームデリバリーサービスの提供範囲を従来の店舗から約20分圏内から60分圏内に拡大し、さらに400万世帯にサービスを提供できるようになった。
  • シード寄付プログラムの拡大:2025年2月、Meijerはシード寄付プログラムを拡大し、より多くのコミュニティに新鮮な食材を提供する取り組みを強化した。
  • 健康・ウェルネスリソースの提供:2025年2月、Meijerは地域社会に向けて健康とウェルネスに関するリソースの提供を継続している。

出典:https://www.meijer.com/

Speedway(スピードウェイ)

Speedwayは、1952年にミシガン州で創業したガソリンスタンドチェーンである。当時としては珍しく、車両メンテナンス工場を併設せず、たばこや飲み物、スナックの販売に重点を置き、自動販売機も多く設置していた。その後、1959年にマラソン社が買収し、さまざまな買収を経て、現在はSpeedwayブランドで統一されている。

2021年、セブン-イレブンを展開するセブン&アイ・ホールディングスが、Speedwayを約210億米ドルで買収した。これにより、セブン-イレブンは米国とカナダで約14,000店舗を展開することとなった。

現在の本社はオハイオ州イーノン市にあり、2018年時点で従業員数は約40,000人、収益は235億米ドルとされている。Speedwayは、アメリカのコンビニエンスストア業界で初めてポイント制度を導入した企業としても知られている。

セブン-イレブンによる買収後、Speedwayの店舗ではセブン-イレブンの商品が取り扱われるようになり、ブランド力のある飲料やファストフードの展開が進められている。​Speedwayは全米で約3,100から3,900の店舗を運営しているとされる。

出典:https://www.speedway.com/

Caseyʼs General Stores Inc(ケーシーズ)

Casey’s General Stores Inc.は、1967年にアイオワ州ブーン市で創業されたアメリカ第3位のコンビニエンスストアチェーンであり、上位2社(セブン-イレブン、サークルK)とは異なり、アメリカ人が所有する企業である。本社はアイオワ州アンケニー市に位置している。

最新の展開と業績:

  • 店舗数の拡大:2025年1月時点で、Casey’sは20州にわたり約2,900店舗を運営している。近年の主な買収として、2024年11月にFikes Wholesale Inc.を11億4,500万ドルで買収し、CEFCOブランドのコンビニエンスストア198店舗を取得した。これにより、テキサス州で148店舗、アラバマ州で27店舗、フロリダ州で13店舗、ミシシッピ州で10店舗を展開することとなった。
  • 業績:2025年3月11日に発表された第3四半期(2025年1月31日終了)決算では、1株当たり利益(EPS)は2.33ドルで、前年同期比で横ばいであったが、売上高は予想を上回った。
  • 2025年度見通し:Fikes買収の影響を受け、2025年度のEBITDAは前年同期比で約11%増加すると予想されている。

Casey’sは、セルフサービスの燃料販売、幅広い食料品、そして店内で調理されるピザ、ドーナツ、サンドイッチなどの新鮮な食品を提供している。特に、同社のピザは全米で5番目に大きなピザチェーンとして知られている。

2024年10月、Casey’sはウェルズ・ファーゴ・アリーナの命名権を取得し、2025年7月1日より「Casey’s Center」と改名される予定である。

出典:https://www.caseys.com/

Murphy USA Inc

Murphy USA Inc.は、もともと石油会社が経営するガソリンスタンドに併設されるコンビニエンスストアとしてスタートした。2013年にスピンオフし、独立した企業として設立された。現在、本社はアーカンソー州エルドラド市に位置している。創業当初はウォルマート店舗の近隣に出店し、ウォルマートの顧客を対象としたガソリンスタンドとして展開していた。しかし、2016年にウォルマートが自社のガソリンスタンドとコンビニエンスストアを出店することになったため、ウォルマートとの関係を解消し、独自の店舗展開を進めている。

2024年12月31日時点で、Murphy USAは27州に1,700以上の店舗を展開しており、そのうち1,100店舗以上がウォルマートの近隣に位置している。また、240のMurphy Expressブランドの店舗は独立して運営されており、これらの店舗は通常、大型施設(1,200~3,400平方フィート以上)で、より多くの商品と給油レーンを提供している。​

2020年12月、ニュージャージー州ホワイトハウスステーションに本社を置くコンビニエンスストアチェーン、QuickChekを6億4,500万ドルで買収し、ニューヨーク近郊に150店舗を追加した。

2024年第4四半期の業績では、純利益が1億4,250万ドル(1株当たり6.96ドル)となり、前年同期の1億5,000万ドル(1株当たり7.00ドル)から減少した。2024年通年では、純利益が5億250万ドル(1株当たり24.11ドル)で、前年の5億5,680万ドル(1株当たり25.49ドル)から減少している。

Murphy USAは、たばこ、飲み物、軽食、雑誌、宝くじなど、ガソリンスタンド併設のコンビニエンスストアとして一般的な商品を販売している

出典:https://www.murphyusa.com/murphyusa/home

GPM Investments (ジーピーエム)

GPM Investmentsは、バージニア州リッチモンド市に本社を置くコンビニエンスストア運営会社である。2003年に創業し、当初は「ファスマート」および「ショアストップ」という2店舗のコンビニエンスストアからスタートした。その後、積極的な買収戦略により事業を拡大してきた。

2023年10月、GPM InvestmentsはTransit Energy Group(TEG)およびその関連会社の資産を取得し、アラバマ州とミシシッピ州における小売部門を拡大した。TEGは約350の拠点を持ち、そのうち135のコンビニエンスストアが含まれている。

2024年12月時点で、GPM Investmentsは約1,500の店舗を運営している。

同社の店舗は、アーカンソー、コネチカット、デラウェア、フロリダ、イリノイ、インディアナ、アイオワ、ケンタッキー、ルイジアナ、メリーランド、マサチューセッツ、ミシガン、ミズーリ、ネブラスカ、ニュージャージー、ノースカロライナ、オハイオ、オクラホマ、ペンシルベニア、サウスカロライナ、テネシー、テキサス、バージニアの各州に展開している。多くの店舗はガソリンスタンドを併設し、食料品、飲料、たばこなどを取り扱っている。

店舗ブランドは、FasMart、Shore Stop、Scotchman、BreadBox、Young’s、Li’l Cricket、Next Door、Village Pantry、Apple Market、JiffiStop、Admiral、Roadrunner Markets、E-Z Mart、Cigarette City、Town Starなど、多岐にわたる。これらのブランドは、買収前の名称を引き続き使用している。

GPM Investmentsは、親会社であるARKO Corp.の完全子会社として運営されている。また、同社は地域社会への貢献にも力を入れており、2024年12月には筋ジストロフィー協会(MDA)を支援するホリデー小売キャンペーンを27州で展開した。GPM Investmentsの成長戦略と多様なブランド展開は、米国のコンビニエンスストア業界において重要な地位を築いている。

出典:https://gpminvestments.com/

Wawa(ワワ)

Wawaは、1964年にペンシルバニア州フォルサム市で創業したコンビニエンスストアチェーンである。もともとは牛乳配達業として始まり、初の店舗は2016年まで使用されていた。創業当初から、従来のスーパーマーケットよりも朝早く開店し、夜遅くまで営業することで顧客の利便性を追求していた。

2025年1月現在、Wawaはペンシルバニア州、ニュージャージー州、デラウェア州、メリーランド州、バージニア州、フロリダ州、ワシントンD.C.に約950店舗を展開している。

同社は自社ブランドのコーヒーやサンドイッチ、特に「ホーギー」と呼ばれるサブマリンサンドイッチで知られている。近年では朝食メニューの充実に加え、夕食メニューのテストも行っており、日本のコンビニエンスストアに近いサービスを提供している。

Wawaは現在、アラバマ州やケンタッキー州など中西部地域への進出を計画している。また、2025年にはノースカロライナ州への拡大も予定しており、同州内で今後8~10年で最大90店舗の展開を目指している。

Wawaは株式公開をしていないファミリー企業であり、地域密着型の経営を続けている。

出典:https://www.wawa.com/

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アメリカの主要スーパー・コンビニ4選〜日系編〜

Nijiya(ニジヤマーケット)

日本人移⺠の辻野三郎丸氏が1986年にカリフォルニア州サンディエゴ市で創業した日本の食材を中心としたスーパーである。また日本から輸入した食材に加えて、契約農家によるオーガニック日本野菜(例えば春菊や九条ネギなど)も販売している。またニジヤブランドの米や納豆、味噌、寿司酢なども販売している。l現在の店舗はカリフォルニア州とハワイ州にあわせて12店舗。ニューヨーク州の日本人が多い町であるハーツデール市にもあったが、2018年で閉店。その後に居ぬきで個人経営の日経食料品店Frontier Marketが開店している。lオンライン販売にも対応。全米50州各地域への配送を受け付けている。そのほか、食育の一環として「ごちそうマガジン」を紙ベースとWEBベースで発刊している。

出典︓https://www.nijiya.com/

Tokyo Central(トーキョーセントラル)

1965年ハワイ州にて創業した会員制スーパーのマルカイが起源である。アメリカ本土には1975年ロサンゼルス市で店舗展開。1999年にダイソーがアメリカ国内に直営店を出店する以前は、マルカイがダイソー製品を取り扱う最初の店舗だった。その後、カリフォルニア州に11店舗を展開し、400人の従業員を擁している。

2013年にディスカウントストアのドンキホーテが株式を100%購入し、オーナー会社となった。2015年には「東京市場・トーキョーセントラル」を店名に加え、2つのブランドで店舗を展開している。

日本の食料品、アメリカの電圧に合わせた日本製の電化製品、日本の雑貨など手広く扱う。また都道府県フェアなども開催している。オンライン店は無く、店舗近隣在住者への配達のみ取り扱っている。

出典︓https://tokyocentral.com/

https://marukai.com/

Mitsuwa Marketplace(ミツワ)

1979年にカリフォルニア州フレズノ市に創業したヤオハン商店が起源である。全盛期のヤオハンは全米に8店舗とニューヨーク州マンハッタン内に4店舗の持ち帰り寿司店「大吉寿司」を運営していた。1997年にヤオハンが経営破綻し、倒産。現地経営陣が買い取りMitsuwaとして1998年に再スタートした。2012年に宮城県仙台市に本社を置く商社「株式会社カメイ」が株式を取得している。

カリフォルニア州内の店舗は日本の食材を扱う大きなスーパーといった感じであるが、イリノイ州シカゴやニュージャージー州の店舗はショッピングモール内の店舗のため、山頭火ラーメンや紀伊国屋書店など様々な日系店で構成されている。

現在はカリフォルニア州に8店舗、シカゴ、ニュージャージー、テキサス、ワイキキの合計12店舗を運営している。全米向けのオンラインストアにも力を入れている。アメリカ以外の進出は無い。

出典︓https://mitsuwa.com/

7-Eleven Inc(セブンイレブン)

1927年にテキサス州ダラス市で氷販売をした店舗が原型である。その後、卵や牛乳やパンなども売り始め、店舗拡大していった。店のシンボルとして店の前にトーテムポールを立てたり、従業員に制服を着させるなど、現在のコンビニ経営方法の基盤を作った。1946年、戦後の復興を続けるために、当時前例のなかった午前7時から夜11時までを営業時間とし、店名にした。その後、24時間営業も始める。1963年以降、フランチャイズ形式に移行。1990年、経営破綻。翌年にイトーヨーカ堂が70%の株式を取得。2005年にはセブン-イレブン・ジャパンの完全子会社(デラウエア州法人)として再編された。

2020年における世界中の店舗数は78029店舗。アメリカガソリンスタンド併設型も独立型も存在する。従業員数は2020年には138800人といわれ、世界最大のコンビニチェーンである。

水やジュース、菓子にいたるまで、独自ブランド商品も開発・販売している。ポイントシステムやモバイル決済なども充実させ、ガソリンスタンドとのリワード提携も盛んである。

出典︓https://www.7-eleven.com/

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アメリカの主要スーパー・コンビニ7選〜外資系編〜

Aldi(アルディ)

本社はドイツのエッセン市とミュールハイム市にある。家族経営のスーパーマーケットチェーンである。2023年現在、世界の20か国で10000を超える店舗を有する巨大企業である。創業は1946年、アルブレヒト兄弟によるもの。アメリカには1976年に上陸し(アイオワ州)、2022年現在で2147の店舗を擁する。Aldiは一般的なスーパーマーケットであり、1979年に子会社としたTrader Joeʻsが高級食材を扱うというように差別化している。

オンライン注文にも力を入れており、配達可能な地域は全米の95%ともいわれている。Aldiで扱われる商品は、比較的安価のものが多い。また自社ブランド製品も多く、主要ブランドがOEMで生産したカスタムブランド製品も取り扱う。

他のスーパーと比較すると、店内の従業員が少ない。アメリカのスーパーでは珍しく、一人当たりの仕事量が多いので最低賃金は他のスーパーよりも高い水準でスタートしている。

出典︓https://www.aldi.us/

Lidl(リドル)

ドイツに本社を持つ、国際的なスーパーマーケットチェーンである。EU諸国とアメリカの31か国に12000店舗、従業員数は315000人を超えるという。2020年の収益は570億ユーロとされる。現在はやはりドイツ系のスーパーマーケットチェーンであるカウフランドとあわせてシュワルツグループが親会社になっている。

初期のころのリドルは、Aldiのコンセプトを真似していた。廃棄ブルなし・質素な店内・節約を消費者に還元というアプローチをしている。このため、Aldiと同様、店内の従業員数は少ない。Aldiとの違いはナショナルブランドを扱う点である。

2019年オンライン小売業者の技術を利用した宅配サービスをテスト中である。Aldi同様、他のスーパーよりも比較的安いものが取り扱われている。

出典︓https://www.lidl.com/

Chedraui(チェドラウイ)

メキシコのスパーマーケットチェーンである。アメリカにはカリフォルニア州、アリゾナ州、ニューメキシコ州、テキサス州、ネバダ州においてEl Superの店名で展開。さらにテキサス州ではFiesta Martの店名でも展開している。

本家は1927年にメキシコのハラパ市で創業。カリフォルニア州への上陸は1997年創業。アメリカ本社はカリフォルニア州パラマウント市。ラテンアメリカ系のスーパーであり、食料品を中心にアパレルなども取り扱う。

2016年のグループ収益は47億米ドルであり、従業員数は38000人とされている。アメリカ以外の外国には出店していない。スペイン語を母国語としたメキシコ系移⺠の間では、特に有名なスーパーである。

出典︓https://chedrauiusa.com/

https://elsupermarkets.com/

Ahold Delaize(アホールド・デレーズ)

オランダのスーパー、Eコマース小売店などを傘下に保有する会社である。欧州や米国の11か国で約20のローカルブランドに出資している。

アメリカでの売上が、企業全体収益の6割以上を占める。アメリカのスーパーは「フード・ライオン」「ストップ・アンド・ショップ」「ジャイアント・フーズ」「ハンナフォード」の有名スーパーとオンライン食料品配達サービスの「ピーポット」が子会社である。

オランダの本社は1887年の乾物屋が起源とされる。小売業に発展し、さらにコーヒーブランドがヒットし大企業に成⻑。1991年からアメリカのスーパーなどを買収し始めた。

出典︓https://www.aholddelhaize.com/en/home/

Alimentation Couche -Tard Inc(アリマンタシォン・クシュタール)

1980年創業。カナダのケベック州ラヴァル市でコンビニ「クシュタール」を開店し、以降様々な買収を経て成⻑した。2022年現在で、アメリカ国内に7100店舗、カナダに2100店舗、ヨーロッパでも2700店舗を展開。世界24か国で合計で14500店舗を運営している。

ブランドとしてはカナダの「クシュタール」、世界中に展開する「サークルK」、アメリカの身で展開する「ホリデーステーションストアーズ」を運営。2020年の売上高は54億米ドル、従業員は122000人を超えるという。

取扱商品は、一般的なもので、他のコンビニ店と変わらない。ガソリンスタンド併設店もあれば、スーパーマーケットに匹敵するような総菜のみならず生鮮食料品まで扱っている店もある。

出典︓https://corpo.couche-tard.com/en/

EG America LLC(イージー)

EuroGaragesは2001年創業。イギリスの小売業者であり、ガソリンスタンドやコンビニ、ファストフードレストランなどを運営している。アメリカは2018年、アメリカ最大の食品企業であるクローガーから800店舗のコンビニ店を買収。さらにMinitMartやFastracなどのコンビニを買収し、アメリカ国内で5番目に大きなコンビニチェーンとなった。

買収を繰り返したが、当初はそれらのブランド名を維持する方針で経営していた。近年は、それらを統合していく方針に切り替えている。現在北米本社はマサチューセッツ州ウェストボロー市にあり、31州に1800店舗以上を擁している。従業員は20000人を超えている。

取扱商品は一般的なものが中心。ガソリンスタンド並列店もコンビニ独立店もある。例えばバーガーキングなどと提携している店舗もある。

出典︓https://www.eg.group/retail-segments/grocery-merchandise/?country=2806#countries

BP America(ビーピー)

かつて日本にも存在し、ファミリーマートによって買収されたコンビニのampmは、1978年にカリフォルニア州で創業した。2008年、イギリスの石油会社であるBPがガソリンスタンドに併設してあったコンビニ部門をampmに変更。その後、2012年ごろから様々な買収劇が繰り広げられ、現在はBPが親会社となってampmとThorntonsの2つのコンビニを運営している。

BP傘下のコンビニは、全米で7番目に大きなコンビニチェーンとなった。2022年にはニューヨーク州ブロンクス区に東海岸初のampmをオープンさせた。アメリカ以外にもメキシコやブラジル、アルゼンチンとチリでもBP所有のコンビニがある。

取扱商品は一般的なもの。ampmのオリジナルブランドは開発されていない。総菜や果物など、小さなスーパーマーケットを目指している。2019年の売り上げは50億米ドル。

出典︓https://onl.la/CLeL9Sh

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