【最新版!】アメリカの主要酒類製造メーカー14選〜飲食・製造業(食品)業界〜

アメリカ 酒類業界 業界地図

アメリカの酒類業界は、ビールやワイン、蒸留酒の大手メーカーが多様な銘柄を展開する成熟市場です。若年層のアルコール離れを背景に、低アルコール・ノンアルコール商品や機能性原料の開発を強化する主要企業の動きが目立ちます。

今回は、そんなアメリカの酒類業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて14社の最新情報をお届けしていきます!

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目次

アメリカの主要酒類企業8選〜ローカル編〜

Constellation Brands, Inc.(コンステレーション・ブランド)

スピリッツ、ビール、ワインを製造・販売する米国大手の酒類企業である。1945年にニューヨーク州で創業し、当初はCanandaigua社を名乗ったが、2000年に現社名へ変更した。本社はニューヨーク州ビクターに置く。

事業の柱はメキシコ産の輸入ビールであり、モデロ・エスペシャルやコロナ、パシフィコを擁して全米最大のビール輸入会社の地位を占める。ワインとスピリッツ部門も併せ持つ。

2025年2月期の売上高は102億869万ドルで、うちビール部門が85億398万ドル、ワイン・スピリッツ部門が16億689万ドルであった。消費が鈍化するなかでもビール部門は約5%の増収を確保した。

一方でワイン・スピリッツ部門は有機ベースで6%減となり、中低価格帯ブランドを売却して高付加価値領域へ集中する再編を進めている。

2025年時点でも、モデロを軸とするビール事業が全社の成長を牽引する構図が続いている。

出典:https://www.cbrands.com/

Brown Forman (ブラウン・フォーマン)

1870年にケンタッキー州ルイビルで創業した、米国を代表するスピリッツメーカーである。最高級ウイスキーを密閉瓶で販売する手法で知られ、創業家フォアマン一族が現在も経営権を握る。

主力はジャックダニエルやウッドフォードリザーブなどのウイスキーで、後者は2025年も米国ウイスキー市場を上回る成長でシェアを拡大した。

2025年4月期の売上高は約40億ドルで、為替や一部高級ラインの不振により報告ベースでは5%減、有機ベースでは1%増となった。

同期にはフィンランディアやソノマ・カトラーを売却し、ダックホーン株21.4%を3億5,000万ドルで手放すなどポートフォリオを再編した。あわせて人員を約12%削減する構造改革も実施した。

2025年時点では、中核のアメリカンウイスキーに経営資源を集中させる姿勢を強めている。

出典:https://www.brown-forman.com/

Molson Coors (モルソン・クアーズ)

2005年にカナダのモルソン社とアメリカのクアーズ社が合併して誕生した、世界有数のビール会社である。本社はイリノイ州シカゴに置く。

主力のクアーズライトやミラーライト、クアーズバンケットは中核ブランドとして底堅く、2024年第4四半期にも合算で業界内のシェアを維持した。ブルームーンなどの上位価格帯も展開する。

2024年12月期の純売上高は116億2,700万ドルで、前年比0.6%減となった。数量の減少を価格と製品構成の改善で一部補った。

2024年9月には米国のクラフトビール3ブランドをティルレイ社へ売却し、収益性の高い主力ブランドへ経営資源を集中させる方針を示した。

2025年時点でも、北米の主力ラガーを軸に上位価格帯の強化を図る戦略を進めている。

出典:https://www.molsoncoors.com/

Boston Beer Company (ボストンビール)

1984年にマサチューセッツ州ケンブリッジで創業した、米国クラフトビールの草分け的企業である。代表銘柄「サミュエル・アダムス」で知られる。

近年はビールにとどまらず、ハードセルツァーの「トゥルーリー」やモルト飲料の「ツイステッドティー」、新興の「サンクルーザー」など多角的な酒類ポートフォリオを展開する。

2024年12月期の純売上高は20億1,000万ドルで前年比0.2%増となった一方、出荷量は約750万バレルで2.4%減少した。トゥルーリーの不振をツイステッドティーとサンクルーザーの伸長が補った。

価格改定と調達改善により売上総利益率は前年から2ポイント改善し44.4%となり、収益性は向上した。

2025年時点では、成長カテゴリーへの新商品投入で数量の回復を図る局面にある。

出典:https://www.bostonbeer.com/

MGP Ingredients (エムジーピー)

前身は1847年設立の蒸留所で、大手向けの受託蒸留を軸に発展してきた米国の酒類・原料企業である。本社はカンザス州アチソンに置く。

事業はウイスキー原酒などの蒸留部門、自社ブランドを扱うブランデッドスピリッツ部門、でん粉などのイングリディエント部門から成る。ジョージ・リーマスなどの自社銘柄も持つ。

2024年12月期の売上高は7億360万ドルで前年比16%減となった。蒸留部門が3億3,220万ドル、ブランデッドスピリッツ部門が2億4,080万ドル、イングリディエント部門が1億3,060万ドルであった。

業界全体の熟成ウイスキー在庫が高水準にあり、原酒の販売と価格に重しとなった。一方でブランデッドスピリッツはプレミアム帯が伸び、利益率が改善した。

2025年時点では、原酒市況の調整局面が続くなか、自社ブランドと原料事業で収益基盤の底上げを進めている。

出典:https://www.mgpingredients.com/

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E. & J. Gallo Winery (イー・アンド・ジェイ・ガロ・ワイナリー)

1933年にアーネストとジュリオのガロ兄弟が創業した、米国最大級のワイン企業である。カリフォルニア州モデストに本社を置き、現在も一族が三世代にわたって経営する非上場の同族企業である。

販売量では全米最大のワインメーカーとされ、テーブルワインからスパークリング、蒸留酒まで130を超えるブランドを擁する。

公式資料によれば製品は100か国以上で販売され、従業員は世界で7,000人を超える。カリフォルニア産ワインの輸出に加え、フランスやイタリアなど8か国から輸入も行う。

近年は買収を通じて高価格帯ワインやスピリッツへ品揃えを広げ、プレミアム市場での存在感を高めている。

2025年時点でも、幅広い価格帯と世界的な販売網を武器に、米国ワイン業界を代表する存在であり続けている。

出典:https://www.gallo.com/

Sazerac Company (サゼラック)

ニューオーリンズに本社を置く米国有数のスピリッツ企業である。源流は19世紀初頭のサゼラック・コーヒーハウスにさかのぼり、現在の会社は1919年に法人化された非上場企業である。

主力銘柄にはバーボンの「バッファロートレース」、シナモンウイスキーの「ファイヤーボール」、リキュールの「サザンカンフォート」などがあり、幅広い価格帯を押さえる。

2018年にはディアジオから19銘柄を取得するなど積極的な買収で規模を拡大し、ケンタッキーやバージニア、カナダ、フランスに生産拠点を持つ。

非上場のため詳細な財務は非開示だが、多数のブランドを抱えるプレミアム・スピリッツ企業として大きな存在感を持つ。

2025年時点では、クラフト志向の高まりを背景に、バーボンやRTDなど成長カテゴリーへの投資を続けている。

出典:https://www.sazerac.com/

Tilray Brands (ティルレイ・ブランズ)

ティルレイ・ブランズは、大麻事業を母体としつつ、近年クラフトビール事業を急拡大させたナスダック上場の飲料・消費財企業である。米国に事業基盤を置き、決算期は5月末である。

2023年にアンハイザー・ブッシュから8ブランドを約8,500万ドルで取得し、続く2024年9月にはモルソン・クアーズからホップバレー、テラピン、リボルバーの3醸造所を買収した。

一連の買収により、同社は米国で第5位のクラフトビール醸造会社となった。スウィートウォーターやモントーク、ブレッケンリッジなど多数の地ビールブランドを傘下に収める。

テキサスや太平洋岸北西部などで販売網を強化し、クラフトビールと蒸留酒、ノンアルコール飲料を組み合わせた酒類ポートフォリオを構築している。

2025年時点では、成長するクラフトやRTDの領域を軸に、米国酒類市場での地位確立を進めている。

出典:https://www.tilray.com/

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アメリカの主要酒類企業3選〜日系編〜

ASAHI BREWERIES, LTD.(アサヒビール)

アサヒビールは、旧称「朝日麦酒」を源流とし、1989年に現社名へ改称した日本の大手ビールメーカーである。1987年発売の「スーパードライ」を主力とし、持株会社アサヒグループホールディングスの中核事業を担う。

グローバルブランドに位置づけるスーパードライは、2024年に日本国外での販売数量が前年比10%増と好調で、アジアや欧州で伸長した。

アサヒグループの2024年12月期の売上収益は2兆9,394億円、事業利益は約2,690億円と過去最高水準に達した。欧州や豪州などの海外事業が全体を支えた。

米国では日本人が多い地域を起点に事業を展開してきたが、市場規模の面から北米拠点は2022年に欧州・国際部門へ統合された。

2025年時点でも、スーパードライを軸とした海外展開の強化を成長戦略の柱に据えている。

出典:https://www.asahibeer.co.jp/

Asahi Shuzo Co., Ltd.(旭酒造)

山口県の酒蔵で、日本酒「獺祭」を手がける企業である。精米歩合を追求した純米大吟醸で国内外の人気を確立した。2025年6月には世界ブランドとしての認知強化を狙い、社名を「Dassai Inc.」へ改称した。

早くから海外展開を進め、2025年時点で18か国以上で取引があり、売上の約1割を海外が占める。

米国では2023年9月、ニューヨーク州ハイドパークに現地醸造所を開設し、新ブランド「DASSAI BLUE」の生産を開始した。ニューヨークの水とウィスコンシン州産の米を用いる。

同醸造所の2024年のダサイ・ブルーの売上は約424万ドル(約6億6,000万円)、生産量は約11万リットルと見込まれ、ニューヨークやカリフォルニアを中心に販路を広げている。

2025年時点では、米国での現地生産を足がかりに、世界市場での存在感を高めようとしている。

出典:https://www.asahishuzo.ne.jp/

Suntory Holdings Ltd.(サントリー)

サントリーは、ウイスキーやビール、清涼飲料などを幅広く手がける日本の大手酒類・飲料企業である。1934年、禁酒法廃止後にウイスキーの対米輸出を開始した歴史を持つ。

米国のスピリッツ事業は2014年に買収したビーム社を母体とし、2024年に「サントリーグローバルスピリッツ」へ改称した部門が担う。ジムビームや山崎、響などを展開する。

山崎12年は2024年のインターナショナル・スピリッツ・チャレンジで最高賞を獲得するなど、プレミアムウイスキーの評価が高い。

サントリーホールディングスの2024年12月期は、酒税抜きの売上収益が3兆797億円(前年比4.3%増)、営業利益が3,289億円と、いずれも過去最高を更新した。

2025年時点でも、高価格帯ウイスキーとRTDを軸に、北米市場での成長を追求している。

出典:https://www.suntory.com/

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アメリカの主要酒類企業3選〜外資編〜

Anheuser-Busch Inbev(アンハイザー・ブッシュ・インベブ)

ベルギー・ルーヴェンに本社を置く世界最大のビール会社である。米国では子会社アンハイザー・ブッシュを通じて、バドワイザーやミケロブ・ウルトラなどを展開する。

世界約50か国で事業を行い、従業員は約14万4,000人に上る。売上10億ドル超のブランドを20擁し、世界の主要ビールブランドの多くを傘下に持つ。

2024年12月期の売上高は597億6,800万ドルで有機ベースで2.7%増、EBITDAは209億5,800万ドルと同8.2%増となった。数量は微減も、価格と製品構成で増収を確保した。

米国ではミケロブ・ウルトラが2024年下期に業界で最も数量シェアを伸ばし、ノンアルコールのコロナ・セロも高い成長を示した。

2025年時点でも、プレミアム化とノンアルコール領域の拡大を軸に、世界市場での主導的地位を維持している。

出典:https://www.ab-inbev.com/

Diageo (ディアジオ)

ロンドンに本社を置く英国の多国籍アルコール飲料大手である。ジョニーウォーカーやスミノフ、ギネス、ドン・フリオなど幅広いブランドを世界展開する。

北米は同社最大の市場であり、2025年6月期の北米売上は79億7,300万ドルと全体の約4割を占めた。クラウンローヤルやドン・フリオが牽引した。

2025年6月期の純売上高は202億4,500万ドルで、報告ベースでは前年比ほぼ横ばいながら、有機ベースでは1.7%増となった。

ブランド別ではギネスが有機ベースで13%増、テキーラのドン・フリオが38%増と好調な一方、ジョニーウォーカーは5%減とウイスキー市場の逆風を受けた。

2025年時点では、慎重な消費環境の下で、テキーラやギネスを軸にシェア拡大を図っている。

出典:https://www.diageo.com/

Heineken N.V. (ハイネケン)

オランダ・アムステルダムに本社を置く世界有数のビールメーカーである。世界規模の販売量で、アンハイザー・ブッシュ・インベブに次ぐ位置にある。米国事業はニューヨーク州ホワイトプレーンズの現地法人が担う。

主力の「ハイネケン」に加え、テカテやアムステル、レッドストライプなど多数のビール・サイダーブランドを展開する。

2024年12月期の売上高は359億5,500万ユーロで、酒税等を除いた実質ベースの売上は有機ベースで5.0%増、ビールの販売数量は同1.6%増となった。

旗艦の「ハイネケン」ブランドは数量が8.8%増と好調で、プレミアム帯全体の5%増を牽引した。プレミアム化戦略が奏功している。

2025年時点でも、旗艦ブランドとプレミアム領域を軸に、世界市場での成長を続けている。

出典:https://www.theheinekencompany.com/

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FAQ

アメリカの酒類業界において、主要な企業はどのようなカテゴリーに分かれていますか?

アメリカの酒類業界は、ローカル・日系・外資系の主要企業に分かれており、それぞれのセクターに多くの企業が存在します。

アメリカの主要なローカル酒類製造メーカーとして紹介されている企業は何ですか?

紹介されているローカルの主要酒類メーカーには、Constellation Brands, Inc.、Brown Forman、Molson Coors、Boston Beer Company、MGP Ingredients、Vintage Wine Estates、Fresh Vine Wine、Eastside Distillingの8社があります。

外資系の主要酒類メーカーとしてアメリカに拠点を持つ企業はどこですか?

外資系の主要酒類メーカーには、アンハイザー・ブッシュ・インベブ、ディアジオ、ハイネケンがあります。

日系企業でアメリカに進出している代表的な酒類メーカーは何ですか?

アサヒビール、旭酒造(獺祭)、サントリーがアメリカに進出している代表的な日系酒類メーカーです。

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吉岡 直人 US-Based Industry Analyst
ワシントン在住の日本人。日本では外資系メーカーにて営業およびマーケティングを経験し、現在は米国でスタートアップ向けにマーケティングおよびマーケティングリサーチを提供している。
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