アメリカのカフェ・スイーツ業界は、世界最大級のコーヒーチェーンを筆頭に、ドーナツやベーカリー業態まで幅広いブランドが競い合う市場です。出店戦略の見直しやメニュー刷新を進める主要企業の動きが話題を集めています。
今回は、そんなアメリカのカフェ・スイーツ業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて16社の最新情報をお届けしていきます!
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アメリカの主要カフェ・スイーツ企業10選〜ローカル編〜
Starbucks Corporation (スターバックス)
1971年にワシントン州シアトルで創業した、世界最大のコーヒーチェーン。いわゆるシアトル系コーヒーの元祖とされ、家庭でも職場でもない「第3の空間」をコンセプトに掲げる。ナスダックに上場する(銘柄SBUX)。
2025年9月28日に終えた2025会計年度時点で、世界に40,990店舗を展開し、うち米国内は16,864店舗を数える。フラペチーノやエスプレッソ飲料に加え、ケーキやサンドイッチなどのフードも幅広く扱う。
2025会計年度の純収益は約371億8,400万ドルで、既存店売上高は通期で1%減となった。ただし第4四半期には7四半期ぶりに世界の既存店売上がプラスへ転じ、回復の兆しが表れている。
2024年に就任したブライアン・ニコルCEOのもと、店舗体験と本業のコーヒーへ回帰する「バック・トゥ・スターバックス」戦略を推進する。人員配置の見直しや店舗改装、モバイル注文の最適化を進めている。
出典:https://www.starbucks.com/
Panera Bread (パネラブレッド)
1987年にミズーリ州で「セントルイス・ブレッド・カンパニー」として創業し、1998年にパネラブレッドのブランドを確立したベーカリーカフェチェーン。焼きたてのパンやサンドイッチ、スープに加え、ブラウニーやクッキーなどのスイーツ、コーヒーやエスプレッソも提供する。
2021年にJABホールディングス傘下で持株会社パネラブランズが設立され、カリブーコーヒーやアインシュタイン・ブラザーズ・ベーグルとともに同社の中核ブランドとなった。非上場企業である。
米国とカナダを中心に2,000店を超えるベーカリーカフェを展開し、従業員は北米で14万人規模とされる。デジタル注文やロイヤルティ会員制度に強みを持ち、売上の相当部分をデジタル経由が占める。
近年は売上の伸び悩みを受け、メニューの抜本的な刷新や店舗運営の効率化を柱とする再建計画を打ち出した。定番サンドイッチの復活や価格設定の見直しを進めている。
出典:https://www.panerabread.com/
McCafé (マックカフェ)
マクドナルドが展開するコーヒー飲料ブランド。1993年にオーストラリアのメルボルンでテスト導入され、2001年に米国へ進出した。運営元の米マクドナルド・コーポレーションはニューヨーク証券取引所に上場する(銘柄MCD)。
マックカフェのコーヒーは通常のマクドナルド店舗の店内で幅広く提供されており、手ごろな価格を武器にダンキンなどと競合する。エスプレッソ飲料やスムージー、ベーカリー系スイーツもメニューに加えている。
親会社マクドナルドの2024年12月期の総収益は約259億2,000万ドル、世界の総売上高(システムワイド)は1,300億ドルを超えた。2024年末時点で全世界の店舗数は43,477店に達する。
米国では約1万3,000店舗のマクドナルドを通じてマックカフェ製品が販売され、朝の時間帯を中心に大きな存在感を持つ。豆やKカップなどの小売商品もスーパー向けに展開している。
出典:https://www.mcdonalds.com/us/en-us/full-menu/mccafe-coffees.html
Dunkin’ Donuts LLC (ダンキンドーナツ)
1950年にマサチューセッツ州クインシーで創業したドーナツ・コーヒーチェーン(前身は1948年開業の「オープン・ケトル」)。本社はマサチューセッツ州カントンに置く。セントラルキッチン方式による均一な味と提供スピードを強みとする。
2020年にインスパイア・ブランズ(ローク・キャピタル傘下)が買収し、非上場企業となった。ドーナツ以外のスイーツやサンドイッチも扱うことを意識し、ブランド名から「ドーナツ」を外して「ダンキン」に統一している。
世界で約40の市場に1万4,000店舗超を展開し、米国内では1万店舗の大台を超えた。業界最大手スターバックスより安価な価格帯で、通勤前のコーヒー需要を取り込んでいる。
近年はエナジードリンクや季節限定飲料など若年層向けの商品開発に注力し、モバイルアプリを軸にしたロイヤルティ施策を強化する。ドライブスルー店の拡大も続けている。
出典:https://www.dunkindonuts.com/
Peet’s Coffee (ピーツコーヒー)
1966年にカリフォルニア州バークレーで、アルフレッド・ピートが創業したスペシャルティコーヒーの草分け。深煎りの豆にこだわり、「アメリカのグルメコーヒーのゴッドファーザー」と称される。本社はカリフォルニア州エメリービルに置く。
現在はオランダ・アムステルダム市場に上場するJDEピーツの傘下にある(銘柄JDEP)。同社の2024年12月期の総売上高は約88億ユーロで、ピーツはそのコーヒー小売部門を担う。
スイーツの販売はほとんど行わず、コーヒーに焦点を絞った専門店として、全米で200店を超えるコーヒーバーを展開する。空港や大学構内などにも店舗を持ち、焙煎豆は全米のスーパーでも購入できる。
近年はコールドブリューやサブスクリプション型の豆販売など、店舗外での収益源を広げている。高品質路線を維持しつつ、EC経由での定期購入サービスの拡充にも取り組む。
出典:https://www.peets.com/
Dutch Bros. Coffee (ダッチブラザーズコーヒー)
1992年にオレゴン州グランツパスで創業したドライブスルー主体のコーヒーチェーン。車社会のアメリカを象徴する業態で、エナジードリンク系のカスタム飲料などにより若年層の支持を集める。ニューヨーク証券取引所に上場する(銘柄BROS)。
2024年末時点で全米の店舗数は982店(うち直営670店)に達した。2017年以降は直営中心へと転換し、急速な出店ペースを維持している。
2024年12月期の総収益は約12億8,100万ドルで、第4四半期は前年同期比34.9%増と高成長が続いた。2025年第1四半期には店舗数が1,000店を突破し、通期で185店の新規出店を計画する。
独自のロイヤルティアプリやモバイル注文を活用し、接客を重視するバリスタ教育を強みとする。西部・南部を中心に出店を加速させ、東部への展開も進めている。
出典:https://www.dutchbros.com/
Caribou Coffee Company (カリブーコーヒー)
1992年にミネソタ州エディーナで創業したコーヒーチェーン。本社はミネアポリス近郊に置く。シアトル系の深煎りとは対照的な浅煎りコーヒーや、フルーティーなフレーバードリンクを特徴とする。
パネラブレッドなどとともにJABホールディングス傘下のパネラブランズを構成する。世界11か国に800店を超えるコーヒーハウスを展開し、直営・非伝統型・フランチャイズを組み合わせて運営する。
2024年3月時点で、直営334店、空港などの非伝統型143店、フランチャイズ335店を数える。全米のスーパーや量販店でも製品を販売し、ホテルや遊園地との提携も進める。
近年はノースカロライナ州など従来の地盤外への出店を積極化し、店舗網の拡大を図っている。バリスタによる接客とドライブスルーの利便性を両立させた運営を強みとする。
出典:https://www.cariboucoffee.com/
Sheetz (シーツ)
1952年にペンシルバニア州アルトゥーナで創業した、コンビニエンスストアとカフェを融合したチェーン。ガソリンスタンドを併設し、ほぼ全店で24時間営業を行う。本社はアルトゥーナに置く同族経営の非上場企業である。
カフェ部門では一般的なコンビニコーヒーより高級な豆を用い、エスプレッソバーを備える店舗もある。注文を受けてから調理する「メイド・トゥ・オーダー」方式をいち早く導入した企業として知られる。
2024年には800店舗目を開業し、東海岸から中西部へと店舗網を広げている。フランチャイズを採らず直営店のみで運営し、従業員数は2万人規模に上る。
フードやスイーツはドーナツやアイスクリームなど幅広く扱い、燃料販売と食品提供を組み合わせた収益構造を持つ。デジタル注文やロイヤルティ施策の強化にも取り組む。
出典:https://www.sheetz.com/
Shipley Do-Nuts (シプリードーナツ)
1936年にテキサス州ヒューストンで、ローレンス・シプリーが創業したドーナツチェーン。本社はヒューストンに置く。いつでも作りたての熱々のドーナツを提供することをモットーに掲げ、南部を中心にフランチャイズ展開している。
定番ドーナツや揚げ菓子のほか、テキサス名物のコラーチェなどを扱う。コーヒーはアイスとホットが中心で、スイーツを主役に据えた品ぞろえが特徴である。
2024年には過去最多となる24店舗を新規開業し、年末時点の店舗数は300店を超えた。16四半期連続で既存店売上がプラスとなり、2025年にはノースカロライナ州やバージニア州など新市場へ進出している。
フロリダ州やテネシー州を含む南部・南東部での出店契約が相次ぎ、開発中のフランチャイズ契約は200件近くに上る。デジタル注文やロイヤルティ会員の拡大も進めている。
出典:https://shipleydonuts.com/
Krispy Kreme, Inc. (クリスピークリーム)
1937年にノースカロライナ州ウィンストン・セーラムで創業したドーナツチェーン。温かい「オリジナル・グレーズド」ドーナツを看板商品とし、製造工程を見せる店舗づくりで知られる。本社はノースカロライナ州シャーロットに置き、ナスダックに上場する(銘柄DNUT)。
ドーナツを製造する拠点から小売店やスーパーへ日々配送する「デリバード・フレッシュ・デイリー(DFD)」方式を軸に、店舗以外の販路を広げている。世界のアクセスポイントは大きく拡大している。
2024年12月期の純収益は約16億6,500万ドルで、世界のアクセスポイント数は1万7,557か所、うち米国は9,951か所に達した。2024年には米マクドナルド1,900店超への日次配送も開始した。
一方で2024年にはインソムニア・クッキーズの持分の大半を売却し、サイバー攻撃による一時的な業績影響も受けた。ドーナツの鮮度と話題性を武器に、配送網の拡大を進めている。
出典:https://www.krispykreme.com/
アメリカの主要カフェ・スイーツ企業2選〜日系編〜
USA.K.MINAMOTO.CO.INC (ミナモトキッチョウアン)
岡山県に本社を置く和菓子専門店「宗家源吉兆庵」の米国法人。1994年に米国法人を設立し、1995年にニュージャージー州の日系スーパー内へ初出店した。日本の伝統的な和菓子をアメリカへ広めることを目指している。
米国内ではニューヨークやニュージャージー、カリフォルニア、ハワイなどに約10店舗を展開する。すべての商品を日本国内の自社工場で製造し、空輸して販売する点を特徴とする。
季節ごとの店頭イベントや、母の日・ひな祭りなどに合わせた商品展開を行う。ギフトボックスはアメリカ人の贈答習慣に合うようパッケージされ、贈答需要の取り込みを図っている。
近年はニューヨーク五番街に新たな旗艦業態を設けるなど、都市部での存在感を高めている。海外は米国のほか8か国前後に店舗を持ち、和菓子文化の発信拠点となっている。
出典:https://www.kitchoan.com/
Beard Papa’s (ビアードパパ)
日本発のシュークリーム専門チェーン。運営元の麦の穂が1999年に日本で創業し、繊細なクリームと絶妙なクリスピーさのシューを看板商品とする。英語圏では「クリームパフ」の名で親しまれる。
米国本社はカリフォルニア州トーランスに置き、第1号店はニューヨークに開いた。8種類のシューと3種類のフィリングを組み合わせて注文できる方式や、クレームブリュレ、チーズケーキなども提供する。
世界では14〜15か国に500店を超える店舗を展開し、日本国内には250店以上を持つ。米国内では40店規模を運営し、近年はニューヨークやフィラデルフィアなど都市部で新規出店を続けている。
アメリカでシュークリームが一般化したのは近年のことであり、日本発の品質を武器にニッチな支持を広げている。「全米300店」を掲げた出店拡大計画を進めている。
出典:https://www.beardpapas.com/
アメリカの主要カフェ・スイーツ企業4選〜外資編〜
Lavazza Premium Coffees Corp. (ラバッツァプレミアムコーヒー)
1895年にイタリアのトリノで創業した老舗コーヒー会社ルイジ・ラバッツァの米国法人。異なる豆を組み合わせる「ブレンド」を確立した企業とされ、家族経営を続ける非上場企業である。世界90か国以上で事業を展開する。
グループ全体の2024年12月期の売上高は約33億5,000万ユーロで前年比9.1%増、従業員数は5,500人を超えた。厳しい市場環境下でも増収を確保している。
米国では店舗運営は限定的で、売上の大半はスーパーなどで販売されるパッケージ製品から得ている。高級ホテル向けの卸売で高いブランドイメージを築き、ニッチな消費者層を取り込んでいる。
Kカップなどのシングルサーブ製品やサブスクリプションにも対応する。2024年には新たなシングルサーブ製品「タブリ」を発表するなど、家庭用市場での競争力強化を進めている。
出典:https://www.lavazzausa.com/
Tim Hortons Inc. (ティムホートンズ)
1964年にカナダ・オンタリオ州ハミルトンで創業したカフェ・ファストフードチェーン。プロホッケー選手のティム・ホートンが創業者で、現在はカナダ最大のコーヒーチェーンに成長した。運営元のレストラン・ブランズ・インターナショナル(RBI)はニューヨーク・トロント両市場に上場する(銘柄QSR)。
ドーナツなどのスイーツを主役に、コーヒーを組み合わせて訴求するコンセプトを持つ。価格帯は安価なダンキンと高級なスターバックスの中間を狙う。
2024年のティムホートンズ部門のシステムワイド売上高は約74億7,900万ドルで前年比4.7%増、既存店売上は3.9%増だった。2024年末の店舗数は世界で4,539店に達する。
事業の中心はカナダだが、米国にも600店規模を展開する。近年はメニュー刷新やデジタル注文の強化を進め、朝食需要の取り込みと客単価の向上に取り組んでいる。
出典:https://www.timhortons.com/
Costa Coffee (コスタコーヒー)
1971年にロンドンでコスタ兄弟が創業したコーヒーチェーン。英国最大のコーヒーショップチェーンに成長し、2019年に米コカ・コーラが買収した。運営を統括するコカ・コーラはニューヨーク証券取引所に上場する(銘柄KO)。
英国を中心に多数の実店舗を構えるほか、セルフサービス式のコーヒーマシン「コスタ・エクスプレス」を世界で数千台規模で展開する。実店舗でのスイーツはクッキーやマフィンなど簡易なものが中心である。
米国では実店舗の展開は限定的で、2022年にジョージア州アトランタに直営店を開いた程度にとどまる。代わりにスマートカフェ機や、缶入りなどのすぐ飲めるRTD製品を軸とした市場開拓を進めている。
コカ・コーラの世界的な販売網を生かし、店舗・マシン・パッケージ製品を組み合わせた多角的な展開を図る。米国市場ではオフィスや小売店向けの無人型カフェを広げている。
出典:https://us.costacoffee.com/
The Coffee Bean & Tea Leaf (コーヒービーン&ティーリーフ)
1963年にカリフォルニア州ロサンゼルスで創業したコーヒー・紅茶のチェーン。米国西海岸を発祥とし、氷でブレンドした「アイスブレンド」などで知られる。2019年にフィリピンの外食大手ジョリビー・フーズが買収した。
親会社ジョリビー・フーズはフィリピン証券取引所に上場する(銘柄JFC)。同社は世界各地でコーヒー・紅茶事業を強化しており、コーヒービーン&ティーリーフはその中核ブランドの一つとなっている。
2024年末時点で、同ブランドは世界で1,232店舗を展開し、システムワイド売上高は前年比16.0%増、既存店売上高も7.1%増と好調に推移した。ジョリビーグループ全体の2024年のシステムワイド売上高は約3,903億ペソに達する。
米国ではカリフォルニア州を中心に店舗を構え、アジアや中東でも積極的に出店する。豆や茶葉、パウダー製品の小売にも力を入れ、コーヒーと紅茶の双方を扱う点を特徴とする。
出典:https://www.coffeebean.com/
FAQ
アメリカのカフェ・スイーツ業界の主要企業はどこですか?
アメリカの主要カフェ・スイーツ業界企業は、スターバックス、パネラブレッド、マックカフェ、ダンキンドーナツ、ピーツコーヒー、ドリューチェイサー、シーツ、シプリードーナツなどです。
スターバックスの特徴と規模について教えてください。
スターバックスは1971年にシアトルで創業され、世界最大のコーヒーチェーンです。2020年には83か国に33,660店舗を展開し、従業員数は世界で253,000人にのぼります。長居できる第3の空間を提供し、カフェ文化を確立しています。
McCaféの特徴と店舗展開について教えてください。
McCaféは1993年にオーストラリアでテスト開始され、世界中に展開しています。2023年には1300店舗を持ち、リーズナブルな価格でコーヒーを提供し、健康志向のスイーツも取り入れています。
アメリカにおける日本系スイーツ企業の活動内容は何ですか?
日本系企業のミナモトキッチョウアンは、和菓子をアメリカのスイーツに取り入れる活動を行っており、日本国内の自社工場で製造した商品を海外10か国以上で販売しています。ギフト商品や季節イベントに合わせた商品展開も行っています。
パネラブレッドはどのような商品を扱っていますか?
パネラブレッドは、ベーグルなどのパンやブラウニー、クッキーなどのスイーツ、コーヒーやエスプレッソなどのカフェドリンクも提供しています。

