アメリカの加工食品業界は、世界的な食品メジャーからスパイス・調味料に強い専門メーカーまで多数本拠を置く巨大市場です。健康志向の高まりや原材料コスト上昇への対応を迫られる中、主要企業はブランド再編とヘルシー志向の商品開発を両立させています。
今回は、そんなアメリカの加工食品業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて15社の最新情報をお届けしていきます!
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アメリカの主要加工食品企業10選〜ローカル編〜
Mondelez International, Inc.(モンデリーズインターナショナルInc.)
世界150ヵ国以上で事業を展開する世界最大級の菓子メーカーである。2012年にクラフト・フーズの製菓部門が独立して現社名となった。本社はイリノイ州シカゴに置く。オレオ、リッツ、キャドバリー、ミルカ、トブラローネなど、10億ドル規模のグローバルブランドを多数抱える。
ビスケットで世界第1位、チョコレートで世界第2位の地位を占め、売上の中核はビスケット・焼菓子とチョコレートが担う。米国のビスケットやEUのケーキなど複数カテゴリーで首位を維持している。
2025年度の純売上高は385億3,700万ドルとなり、前年の364億ドルから増収となった。カカオ相場の高騰を価格改定で吸収しつつ、新興国市場と主力スナックの伸長が全体を押し上げた。
近年はコスト上昇下でも価格と数量の両面から収益性を維持する戦略をとり、事業ポートフォリオの選択と集中を進めている。2025年度時点でも世界のスナック市場を牽引する存在である。
出典:https://www.mondelezinternational.com/
General Mills Inc.(ジェネラルミルズInc.)
世界100ヵ国以上で100を超えるブランドを展開する米国の加工食品メーカーである。1866年設立で、当初の製粉業からシリアル、冷凍食品、乳製品、ペットフードへと事業を広げてきた。本社はミネソタ州ミネアポリス近郊に置く。チェリオス、ピルズベリー、ベティクロッカー、ハーゲンダッツ、ブルーバッファローなどを抱える。
2025年5月期の売上高は195億ドルで前期比2%減、営業利益は33億ドルであった。北米の小売事業が売上の中核を占める。
事業再編を積極的に進めており、2025年にはプレミアムペットフードのWhitebridge Pet Brandsを約14億ドルで取得した一方、カナダのヨーグルト事業を売却し、米国ヨーグルト事業もラクタリスへ譲渡する方針を示した。
ペットやスナックなど成長分野へ経営資源を集中させる一方、主力シリアルの需要回復が課題となっている。2025年5月期時点で、北米を基盤とする多角的な食品事業を維持している。
出典:https://www.generalmills.com/
The Kraft Heinz Company(ザ クラフトハインツ カンパニー)
クラフトフーズとH.J.ハインツが2015年に合併して誕生した多国籍食品メーカーである。調味料、乳製品、加工肉、飲料など200を超えるブランドを展開する。本社はイリノイ州シカゴとペンシルベニア州ピッツバーグに置く。ハインツ、クラフト、フィラデルフィア、オスカーマイヤー、ランチャブルズなどが主力である。
2025年度の純売上高は約250億ドルで、北米が最大市場となる。ソースやスプレッドなど味付け関連と、北米の日配・冷蔵食品が二本柱を成す。
2025年9月、同社は事業を2社へ分離する計画を公表した。ソースや常温食品を担う「Global Taste Elevation」(2024年売上約154億ドル)と、北米の食品雑貨を担う「North American Grocery」(同約104億ドル)に分け、2026年後半の完了を目指す。
分離は税制上非課税の形で実施される予定で、それぞれが独立した戦略で成長を追求する構えである。2025年度時点で、世界有数の食品ブランド群を保有している。
出典:https://www.kraftheinzcompany.com/
McCormick & Company, Inc.(マコーミック&カンパニーInc.)
1889年創業の世界最大級の米国調味料メーカーである。本社はメリーランド州ハントバレーに置き、世界170ヵ国以上で事業を展開する。消費者向け調味料に加え、外食・加工食品向けのフレーバー・調味料をBtoBで供給する二事業体制をとる。
主力のマコーミックのほか、メキシカンソースのチョルーラ、シーズニングのオールドベイ、ホットソースのフランクス・レッドホットなどを抱える。
2025年11月期の売上高は68億4,000万ドルで前期比2%増となった。消費者向けが39億5,000万ドル、フレーバーソリューションが28億9,000万ドルを占め、数量を伴う堅調な成長を示した。
継続的なブランド投資と流通拡大、イノベーションを成長の柱とし、メキシコ合弁の持分取得などグローバルでの調味料事業の強化を進めている。2025年11月期時点で、香辛料・調味料分野で世界的な地位を保っている。
出典:https://www.mccormick.com/
Tyson Foods, Inc.(タイソンフーズInc.)
世界最大級の米国の食肉加工多国籍企業である。1935年にジョン・W・タイソンが創業し、養鶏から牛・豚へと事業を広げた家族経営を基盤とする。本社はアーカンソー州スプリングデールに置く。外食・給食向けの食肉供給に加え、小売向けの精肉や調理済み食品も手がける。
タイソン、ジミー・ディーン、ヒルシャーファーム、ボールパークなど多数のブランドを展開し、米国内の牛肉・豚肉・鶏肉で大きな生産シェアを持つ。
2025年9月期の売上高は544億ドルとなった。鶏肉事業が堅調に推移した一方、牛肉事業は素牛価格の高騰により大幅な損失を計上し、部門間で明暗が分かれた。
供給網の効率化とブランド食品への注力を進めており、たんぱく質需要を背景に事業規模を維持している。2025年9月期時点で、米国食肉業界を代表する存在であり続けている。
出典:https://www.tysonfoods.com/
The Hershey Company(ザ ハーシー カンパニー)
1894年にミルトン・ハーシーが創業した米国最大の菓子メーカーである。本社はペンシルベニア州ハーシーに置く。ハーシーズ・ミルクチョコレートバーやキスなどを看板商品とし、約80ヵ国で100を超えるブランドを展開する。
チョコレートのハーシーズ、リーシーズ、米国内でライセンス販売するキットカットに加え、近年はスキニーポップやドッツ・プレッツェルなど塩味スナックへ事業領域を広げている。
2025年度の純売上高は116億9,000万ドルで前年比4.4%増となり、過去最高を更新した。北米の塩味スナックが数量増と買収効果で約9.5%伸び、成長を牽引した。
一方でカカオを中心とする原材料コストの高騰が採算を圧迫しており、価格改定と生産性改善で対応を進めている。2025年度時点で、米国チョコレート市場首位の地位を保っている。
出典:https://www.thehersheycompany.com/
Conagra Brands, Inc.(コナグラ ブランズInc.)
1919年にネブラスカ州で製粉業として創業した加工食品メーカーである。現在の本社はイリノイ州シカゴに置き、100年を超える歴史を持つ。冷凍食品、スナック、常温の定番食品を主力領域とする。
マリー・カレンダーズやバーズアイなどの冷凍食品、植物肉のガーデイン、スナックのスリムジム、ケーキミックスのダンカンハインズなど多様なブランドを抱える。
2025年5月期の売上高は116億1,000万ドルで前期比3.6%減となった。数量の減少と為替の逆風が響いたが、営業利益は前期の減損計上の反動もあり大きく改善した。
価格と数量のバランス回復や、冷凍・スナックなど成長分野への投資を進めている。原材料コストと消費者の節約志向への対応が課題となる。2025年5月期時点で、米国有数の加工食品企業の一角を占めている。
出典:https://www.conagrabrands.com/
Hormel Foods Corporation(ホーメル・フーズ)
1891年にジョージ・A・ホーメルが創業した加工食品メーカーである。世界初の缶入りハムを開発したことで知られ、本社はミネソタ州オースティンに置く。40以上のカテゴリーでシェア首位級のブランドを保有する。
缶詰肉のスパム、ピーナッツバターのスキッピー、スナックナッツのプランターズ、精肉のアップルゲート、ペパロニのホーメルなど幅広い商品群を展開する。
2025年10月期の売上高は121億ドルで前期比1.6%増となった。小売部門が75億ドル、外食向けが39億ドルを占め、外食事業が成長を牽引した。
一方で原材料インフレの継続的な上昇が採算を圧迫しており、生産性改善やブランド投資で対応している。2025年10月期時点で、米国の食肉・加工食品分野で確固たる地位を保っている。
出典:https://www.hormelfoods.com/
Campbell Soup Company(キャンベル スープ カンパニー)
1869年にニュージャージー州カムデンで創業した食品メーカーである。1897年に濃縮缶スープの技術を確立し、現在も同地に本社を置く。2024年11月、株主承認を経て社名を「The Campbell’s Company」へ変更し、スープに限らない総合食品企業への転換を明確にした。
キャンベルの濃縮スープに加え、パスタソースのプレゴ、スナックのペパリッジファーム(ゴールドフィッシュ)やスナイダーズ・ランスを展開する。2024年にはラオズを擁するソボス・ブランズを買収した。
2025年8月期の売上高は103億ドルで前期比6%増となった。食事・飲料部門が60億ドル、スナック部門が42億ドルを占め、ラオズは4番目の10億ドルブランドに迫っている。
買収したブランドの統合とスナック事業の育成を進めている。2025年8月期時点で、米国の食品・スナック分野で存在感を保っている。
出典:https://www.thecampbellscompany.com/
Kellanova(ケラノバ)
2023年10月のケロッグ・カンパニー分割により誕生した米国のスナック食品会社である。本社はイリノイ州シカゴに置く。国際的に展開するスナックとヌードル、植物性食品を中核事業とする。
プリングルス、チーズイット、ポップターツ、ライスクリスピー・トリーツ、RXBAR、エッグォ、モーニングスターファームズなど、世界的に知名度の高いブランドを多数抱える。
2024年度の純売上高は約130億ドルであった。新興国を含む海外市場でのスナック需要が業績を支え、分社後最初の通年で堅調な収益を確保した。
2025年12月、米マースが約359億ドルで同社の買収を完了し、ニューヨーク証券取引所から上場廃止となった。以後はマース傘下のスナック事業として運営されている。2025年12月時点で、米国スナック市場の有力企業である。
出典:https://www.kellanova.com/
アメリカの主要加工食品企業2選〜日系編〜
Nissin Foods Holdings Co.,Ltd.(日清食品ホールディングス株式会社)
1948年に安藤百福が創業した日本の食品メーカーの持株会社である。本社は大阪と東京に置く。1958年に世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を、1971年にカップヌードルを生み出した即席麺の草分けであり、米国法人はカリフォルニア州に拠点を構える。
中核の日清食品のほか、明星食品、菓子の湖池屋やぼんちなどを傘下に持つ。環境配慮型パーム油の採用や減塩技術など、持続可能性と健康を重視した商品開発を進める。
2026年3月期の売上収益は7,881億円となり、海外事業が全体の36.6%を占めた。米州地域は1,637億円と最大の海外市場であり、プレミアム商品の伸長が寄与した。
米国ではガーデナとランカスターの2工場に加え第3工場の稼働を計画するなど、成長市場での供給能力の増強を進めている。2026年3月期時点で、海外事業が成長の柱となっている。
出典:https://www.nissin.com/
Kikkoman Corporation(キッコーマン株式会社)
1917年創業の日本の調味料メーカーである。本社は千葉県野田市と東京都に置く。1950年代から米国へ進出し、欧州・アジアへ展開してきた。米国本社はカリフォルニア州に置き、ウィスコンシン州とカリフォルニア州に製造拠点を構える。
しょうゆの製造・販売に加え、子会社JFCを通じたアジア食品の卸売事業を世界で展開する。海外売上比率が7割を超え、国内より海外事業が収益を牽引する構造となっている。
2026年3月期の売上高は7,455億円で前期比5.2%増となった。北米を中心とする海外での販売数量の増加が業績を押し上げ、しょうゆの現地生産・販売と卸売の両部門が成長した。
しょうゆの新たな用途提案や健康志向に対応した商品展開を進めており、グローバルな調味料需要を取り込んでいる。2026年3月期時点で、海外に強みを持つ調味料企業として存在感を保っている。
出典:https://www.kikkoman.com/
アメリカの主要加工食品企業3選〜外資編〜
Nestle S.A.(ネスレS.A.)
1866年にアンリ・ネスレが創業したスイスの多国籍食品会社である。本社はスイス・ヴェヴェイに置き、世界180ヵ国超で事業を展開する。ベビーフードに始まり、現在はコーヒー、菓子、栄養食品、ペットケア、飲料水など幅広い領域を手がける世界最大の食品企業である。
2000を超えるブランドを保有し、ネスカフェ、ネスプレッソ、キットカット、マギー、ピュリナ、サンペレグリノなどを展開する。コーヒー事業で世界首位を占める。
2025年度の売上高は約895億スイスフランであった。北米が最大市場であり、コーヒーが引き続き成長の中心を担っている。
2025年には経営体制の刷新とともに戦略の見直しを進め、成長分野への集中と効率化を加速させる方針を示した。研究開発拠点を世界に展開し、健康・栄養領域を強化している。2025年度時点で、世界の食品業界を牽引する存在である。
出典:https://www.nestle.com/
Danone S.A.(ダノンS.A.)
1919年にスペイン・バルセロナで創業した食品会社である。腸内環境の改善を目的にヨーグルトの販売を始めたことに起源を持ち、現在は乳製品で世界首位に立つ。本社はフランス・パリに置く。
ダノン、アクティビア、オイコスなどの乳製品に加え、シルクやアルプロなどの植物性食品、エビアンやヴォルビックなどの飲料水、乳幼児・医療用栄養食品を展開する。植物性食品で世界第1位を占める。
2025年度の売上高は約273億ユーロ(約322億ドル)となり、実質ベースで堅調な成長を続けた。高たんぱく商品の伸長が牽引役となり、最大市場は米国である。
「食を通じた健康」を経営理念に掲げ、健康関連商品の比率や砂糖無添加比率などをKPIとして開示している。2025年度時点で、乳製品・植物性食品分野で世界をリードしている。
出典:https://www.danone.com/
WK Kellogg Co(WKケロッグ)
2023年10月のケロッグ・カンパニー分割により誕生した北米シリアル専業メーカーである。本社はミシガン州バトルクリークに置き、旧ケロッグの創業地を受け継ぐ。米国、カナダ、カリブ地域でシリアル事業を展開する。
フロステッドフレーク、フルーツループ、スペシャルK、レーズンブラン、ライスクリスピーなど、長い歴史を持つシリアルブランドを保有する。
2024年度の純売上高は約27億ドルであった。成熟した北米シリアル市場で数量の安定化とサプライチェーンの改革を進め、収益性の改善に取り組んできた。
2025年9月、イタリアの菓子大手フェレロが同社の買収を完了し、WKケロッグはフェレロ傘下の企業となった。これによりフェレロは北米市場での事業基盤を大きく広げた。2025年9月時点で、北米シリアル市場の主要な担い手である。
出典:https://www.wkkellogg.com/
FAQ
アメリカの主要加工食品メーカーの中で、最も売上高が高い企業はどこですか?
2022年度の売上高が最も高いのは、タイソンフーズであり、533億米ドルを記録しています。
アメリカの加工食品業界において、ローカル企業と外資系企業の違いは何ですか?
ローカル企業はアメリカ国内で展開しており、地域に根ざした商品を主力にしています。一方、外資系企業は海外から進出し、世界的なブランドやグローバル戦略を展開しています。
アメリカの加工食品メーカーで、特に有名なブランドは何ですか?
代表的なブランドには、モンデリーズのオレオやリッツ、ハーシーのハーシーズ・ミルクチョコレートバー、ケロッグのコーンフレークス、ネスレのキットカットなどがあります。
アメリカの加工食品業界の将来的な展望について教えてください。
健康志向や持続可能性への意識の高まりにより、オーガニックや植物性商品、環境に配慮した商品開発が今後の主流となる見込みです。多国籍企業もこのトレンドに対応した商品展開を進めています。
アメリカの加工食品企業の中で、近年売上や利益が増加している企業はどこですか?
ネスレやダノンなどの外資系企業は、2022年度に売上や利益の増加を示しています。特に、ダノンは売上高13.9%増加しています。

