【最新版!】アメリカの主要食品卸業者13選〜飲食・製造業(食品)業界〜

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今回は、アメリカの食品卸業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて13社を厳選してお届けしていきます!

それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。

読了時間の目安:5分

アメリカの飲食・製造業(食品)業界 業界地図はこちら!
目次

アメリカの主要食品卸業者9選〜ローカル編〜

Sysco Corporation ( シスコ)

1969年創業のアメリカ最大食品流通会社である。現在の本社はテキサス州ヒューストン市。69000人の従業員を抱え、550億米ドルの収益を出す大企業である。子会社にチェーンレストランへの流通をメインとしたSYGMA社がある。肉類・魚介類・乳製品・野菜・ベーカリー・ドリンクなどを取り扱う。またイタリア食材のARREZZIO、肉専門のButcherʼsBlockなど、多くのジャンルの自社ブランドを持つ。

食品だけではなく、厨房機器など食に関わる様々なものを扱うブロードライン食品卸業者である。世界中に約330の配送施設を持ち、90か国以上でサービスを展開している。経営コンサルとも手掛けており、それらを含めると600000を超えるクライアントを抱えているという。

2013年に業界第2位のUSフーズ社を買収しようとしたが、合併後に外食産業の75%を支配することになると連邦取引委員会が中止を訴え、裁判所が合併中止を命じた。

2023年現在、同社が保有する輸送トラックの数は8577台である。このトラックのうち、2026年までに35%以上を電動トラックに切り替えると発表している。

出典︓https://sysco.com/

US Foods Holding Corp. (USフーズ)

イリノイ州ローズモント市で1989年に創業とされるが、実際は様々な食品卸業者が合併して出来上がったもので、確認できる一番古い業者は1853年アイオワ州ダビューク市で設立されたリード・マードック社がある。食品卸業ではシスコ社に次ぐ全米2位である。

取り扱う商品は新鮮な肉や農産物から箱入菓子や冷凍食品まで、ナビスコやコカ・コーラなど350000点を超えるナショナルブランド製品と、プレミアムアイスクリームなどが主力商品のCHEFʻSLINEなどの独占ブランド商品を提供している。2021年現在、全米の60以上の配送センターで28000人の従業員を抱え、レストランや病院、政府機関や学校などの250000を超すクライアントに食品及び関連製品を提供している。

保有する輸送トラックの台数は5336台。オフィスや配送センターを含む拠点素は、全米に168か所ある。創業から買収を繰り返しているが、根本にあるのは太客となるホテルやレストランをクライアントに抱えることであり、冷凍食品の流通も早い時期から手掛けていた。一時期オランダの多国籍企業に買収されていた時期もあったが、現在はアメリカ企業として公開会社となっている。ニューヨーク証券取引ではUSFDとして、またS&P400構成銘柄でもある。

出典︓https://www.usfoods.com/

McLane Company (マクレーン)

アメリカ全土のコンビニやディスカウント店、コストコのようなホールセール店、CVSのようなドラッグストア、軍事基地、マクドナルドのようなファストフード店、一般的なレストランなどに肉類・農産物・冷凍食品・菓子類のような食料品などを提供する食品卸業者・サプライチェーンサービス会社である。州法により一部の州に限るが、蒸留酒やワインやビールも取り扱う。取り扱いブランドはオンデマンドで、小売店の好みのナショナルブランド品をアレンジ配送できる。

同社内では約49000の小売店に提供する食品流通、約36500のチェーンレストランに提供するフードサービス流通、米国南東部とコロラド州の約24900の小売店に提供する飲料流通の3つの部門に分かれている。元はアマゾンに次ぐハイパーマーケットのウォルマートが親会社だった。(現在は収益の25%を占める重要な顧客となっている)

1894年テキサス州キャメロン市にて創業。現在の本社はテンプル市にある。2017年の収益は500億米ドル。全米に21か所の食料品配送センターと18か所の食品サービス配送センターがある。従業員数は20000人を超していた。2003年以降、アメリカ多国籍複合企業のバークシャー・ハサウェイ社の完全子会社になっている。

出典︓https://www.mclaneco.com/content/mclaneco/en/home.html

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Performance Food Group (パフォーマンス)

1885年にバージニア州リッチモンド市で創業。創業時はリッチモンド市の食品卸業者に対しての行商人であった。その後「ポカホンタス・フーズ」に社名変更。取扱商品を増やし、キャンベルなど様々なナショナルブランド製品を全米のレストランなどの外食サービス店に販売した。1980年代まで吸収合併や買収などを繰り返して成⻑したが、吸収合併だけで大きくするのではなく、企業の支援を受けて代理店のネットワークを広げて業界トップを目指そうというコンセプトを立てた。この理念をもとに、1987年、現在の社名に変更し再スタートとなった。

現在も取扱商品は多岐にわたり、2021年現在で肉類・魚介類・農産物・ドリンク・調味料など100000種類を超える食品・調理器具などの非食品用品を125000を超えるクライアントに提供している。2019年に大手食品卸業者Reinhart Foodservicesを買収したことで、年間収益は300億米ドルを越した。従業員数は22770人。

食品卸業のFoodservice、プリングルスなどのスナック菓子や飲み物を専門に扱うVistar、HungryManなどを代表とする冷凍食品などを専門とするConvenioenceの3セグメントに分かれる。

出典︓https://www.pfgc.com/

Gordon Food Service (ゴードン)

個人経営・家族経営の食品卸売業者である。創業は1897年。オランダからの移⺠であった創業者が23歳の時にバターと卵の配達サービスから始めた。娘婿が経営に携わるようになり、1942年に現在の社名に変更した。本社はミシガン州ワイオミング市。特にアメリカ中⻄部や北東部やカナダの一部にサービスを提供している。

様々な州に配送センターを持っている。2023年現在、14か所。大型トラックは3000台を超す。1996年にカナダの食品卸業者を買収し、ゴードン・フードサービス・カナダ社を設立。カナダ国内に7つの配送センターを持っている。業務用のハンバーガーやポテトチップスから生鮮食料品まで、取扱商品の幅は広い。基本的に配送先に近い自社工場で大量に仕込み配達する。肉・魚介は加工品もカット済も対応可能。従業員は2023年現在で約20000人。

クライアントには独立系レストランや大手チェーンレストラン、老人ホームなどの⻑期介護施設、病院、高校や大学などを含む教育施設など、100000件を超える。また、取扱商品を一般消費者向けに販売する目的で、ゴードン・フードサービスストアを1979年に開店。2023年現在、全米11州に175店舗を展開している。

出典︓https://gfs.com/en-us/

Reyes Holdings (レイエスホールディングス)

レイエス兄弟によって1976年に創業された個人経営・家族経営の食品卸売業者である。サウスカロライナ州スパーナンバーグ市で兄弟が買収したのは食品卸売業者のDixieSystems社。その後、次々に企業買収を繰り返し、食品卸売だけではなく、非食品関係製品の流通業者としても、また飲料流通業者としても代表企業に成⻑した。2023年現在、アメリカで7番目に大きい非公開企業。収益は400億米ドルを超す。

同社の下位部門には、コロナビールやハイネケンなどを代表とするアメリカ最大のビール販売会社のレイエス・ビバレッジ・グループ、世界最大のファストフードチェーンであるマクドナルドからのOEMを最大のクライアントとする食品卸売業者のマーティン・ブラウワー社、中⻄部および⻄海岸におけるコカ・コーラ卸売りのレイエス・コカ・コーラ・ボトリングがある。

現在の本社はイリノイ州ローズモント市。事業範囲はアメリカだけにとどまらず、中南米や欧州、中東やアジア太平洋に及ぶ。特にレイエス・コカ・コーラは107000人の従業員を抱える企業になった。

出典︓https://reyesholdings.com/

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C&S Wholesale Grocers (C&Sホールグローサーズ)

1918年、マサチューセッツ州ウースター市にて創業の、老舗食料品卸売会社である。社名のC&Sは、創業者のコーエン氏とシーゲル氏にちなむ。同社は2021年のフォーブス誌に、アメリカで8番目に大きな非公開企業として掲載されたことがある。

2021年現在で、7700を超えるスーパーや小売店、軍事基地などに農産物・肉・乳製品・冷凍食品やベーカリー、出来合いの総菜や健康用品まで、実に137000を超える種類の製品を運んでいる。自社ブランドはハムやチーズ、アイスクリームやマヨネーズなどがあるBestYetなどをはじめとした、10数種類のブランドを持つ。収益は約300億米ドルを超えるとされ、従業員数は17000人を超す。

16州に50以上の配送センターを持ち、全米規模の流通経路を確保している。1958年、大手スーパーのビッグ・Dをクライアントにしてから急成⻑している。その後も大手スーパーと提携するなど、大口のクライアントを得たことで成⻑を続けた。現在ではターゲットやセーフウェイなどの大手小売店が代表的なクライアントである。

出典︓https://www.cswg.com/

Shamrock Foods Company(シャムロック・フーズ)

1922年創業。本部所在地はアリゾナ州フェニックス市。アイルランドからの移⺠であったマクレランド夫妻が始めたシャムロック乳業が起源。創業当初はアリゾナ州ツーソン市にあった。創業当時は夫婦で搾乳から瓶詰・配送までをまかなった。

企業の吸収合併を経て、現在は乳製品を扱うシャムロック・ファームと食品卸売業のシャムロック・フーズに分かれる。牛肉の自社ブランドGold Canyonをはじめ、農作物自社ブランドのMarkon、自社コーヒーブランドのFourLeaf、自社ブランド食用油のJensen、自社ブランド魚介専門のPier 22などの自社製品の他、クライアントの要求に合わせてケロッグやホーメルやクラフトなどのナショナルブランドも扱う。

現在も家族経営の食品卸売業者である。顧客にはホテルや小売店以外にも、個人経営やチェーン店のレストラン、医療施設、教育施設、カジノや劇場などがある。同社は全米トップ10の販売代理店の1つである。主にアメリカ⻄部の13州で事業を展開している。

出典︓https://www.shamrockfoodservice.com/

Ben E. Keith Company(ベン・E・キース)

1906年創業の食品および飲料製品の販売卸売業者。創業当時の会社名はHarkrider-Keith-Cooke Companyだったが、1931年に改名している。創業当時から本社はテキサス州フォートワース市におく。テキサス州ダラス市を中心とするエリアでは、最大の⺠間企業となっている。

食品部門では、農産物・冷凍食品・肉・乾物・冷蔵食品などと、非食品である紙皿やナプキンなどの消耗品や厨房機器などを取り扱っている。自社ブランドとタイソンやマコーミックなどのナショナルブランドを取り扱っている。飲料部門ではソフトドリンクの他、アサヒやキリンを含む様々なナショナルブランドビールとテキサス州周辺の地ビールやハードリカーブランドを300社以上を取り扱っている。

現在も家族経営の食品卸売業者である。顧客にはホテルや小売店、レストラン以外にも、病院、老人ホーム、教育施設、カジノや劇場などがある。テキサス工科大学に多額の寄付をしていることから、同大学が発見した新種のコウモリの名前をCarolliabenkeithiと名付けている。

出典︓https://www.benekeith.com/

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アメリカの主要食品卸業者2選〜日系編〜

JFC International (ジェイエフシー)

1958年、カリフォルニア州サンフランシスコ市で、パシフィック・ミューチュアル・セールス株式会社とモダン・フーズ社が合併し、ジャパン・フード・コーポレーション社として創業。1969年にはキッコーマングループに参画。1978年に株式会社JFCインターナショナルへ社名変更。2008年JFC本社および配送センターをロサンゼルス市へ移転。アメリカにおける、乾麺やみそなどの調味料などを含む日本の食品を扱う、老舗大手食品卸業および販売業者である。

2023年現在で、全米に10支店、12の営業所、カナダには4つの支店および営業所、メキシコにも支店を持つ。自社ブランドである「JFC」には、例えばカリフォルニア米の「錦」や「玉錦」があり、多くの日系グロッサリー店で取り扱われている。また自社ブランドの「J-Basket」ではタピオカミルクティーの素などもある。自社ブランドだけでなく、グリコや明治など、日本でおなじみのブランド商品も取り扱っている。

欧州には8か国、オーストラリアやニュージーランド、香港・マレーシアなどのアジアの5か国に支店や営業所を持つ。

出典︓https://jfc.com/#/#page_top

Wismettac Asian Foods, Inc.(ウィズメタック)

1912年に神戶にて貿易商社として創業。1947年に⻄本貿易株式会社として法人化。1960年、カリフォルニア州にNishimotoTradingCo.,Ltd.を設立。北米におけるアジア食品の輸入・卸売り・販売業者としては老舗の企業である。2015年、WismettacAsian Foodsに社名変更。

グループ全体では、世界に47の支店・営業所と1600人を超える従業員を抱える企業である。そのうち、アメリカには19の支店とサテライトオフィスを持ち、900人の従業員を抱える。2018年のグループ全体の売上高は1820億円を超えた。

自社ブランドとして「Shirakiku」がある。カリフォルニア米のコシヒカリなどのブランド米から納豆や冷凍餃子などがあり、日系食料品店などだけではなく、一般の大手スーパーなどでも入手できることがある。l現在は事業を拡張しており、食品卸売業だけではなく、キッチン用品などの非食品卸売やヘアケア商品など、6500点を超えるアイテムを取り揃えている。

出典︓https://www.wismettacusa.com/

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アメリカの主要食品卸業者2選〜外資系編〜

MegaMex Foods (メガメックス・フーズ)

2010年から2020年までの10年間で、アメリカの人口は2270万人増加している。この増加人口の51%をヒスパニック系(スペイン語を母国語とする⺠族)が占めている。当然、ヒスパニック食品の需要が高まっている。これを見込んで大手食品卸業者や大手スーパーなどでは、ヒスパニック専用の小売店などを展開している。(ウォルマートなど)

スパムで有名なアメリカのHomel社とメキシコ食品卸売業者トップであるHERDEZ社が合弁会社MegaMexを2008年に設立。主力商品としてメキシコで売り上げトップのサルサソースやアメリカで売り上げトップのワカモレソース、タコスやトルティーヤなどがある。

取り扱いブランドにはHerdez、LaVictoria、Chi Chiʻs、ElTorito、Embasa、WollyGuacamole、DelFuerte、DonaMaria、Bufalo、DonMiguelなどがあり、全米の大手スーパーでは必ず見られるようなメキシカンブランドばかりである。

本社はカリフォルニア州オレンジ市、配送HQはテキサス州サジナウ市におかれている。

出典︓https://www.megamexfoodservice.com/

Amigos Meat Distributors(アミーゴ・ミート)

1994年にテキサス州ヒューストン市にて創業。現在もラテン系企業売り上げランク上位30位以内には必ずランキングされる企業である。もともとは創業者のひとりである肉屋だったオルテガ氏が、食肉卸売業者から肉を調達することに苦労していたことから自分自身で始めた。

設立後まもなく、ヒューストン市内での売り上げは首位となり、2001年にはイリノイ州シカゴ市に配送センターを設立。さらに2006年にはジョージア州アトランタ市とアリゾナ州フェニックス市にも配送センターを設立するまでに成⻑した。さらに2022年にはテキサス州ダラス市にも配送センターを設立。ラテン系唯一の全米規模の肉卸売り業者となっている。

取扱商品は牛・豚・鶏に加えて、魚介・子羊・山羊・チーズなど。顧客の大部分はヒスパニック系のレストランやスーパーなど。

取り扱いブランドには全米のスーパーで見られるタイソンやスミスフィールドのほか、カナダやメキシコからの輸入肉を卸てもいる。また牛肉ブランド「アンガス・ビーフ」の小売販売代理店となっている。

出典︓https://amigosmeat.com/

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